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2017年07月01日

肺がんの苦しみから解放させてあげたい

まだ逝って欲しくはない。
心の準備はしてきたつもりでも
そう簡単に準備できるものでもない。
あなたを失うことへの恐怖と不安を解消する術はなかった。

肺がんという病気の恐ろしさを目の前にした時
母がどんな強敵と闘っていたのかということを
思い知らされた瞬間でもあった。

モルヒネが効かない・・・それは同時に打つ手がないという現実でもあった。
痛みに対してであれば、効果は現れたであろう・・・。
しかし、肺が機能せず、呼吸が出来ない苦しみから
逃れる手はなかった。

母にはまだ生きていて欲しい。
でも、目の前の母を一秒でも早く解放してあげたい。

その両極端な感情が入り混じっていた。
生きていて欲しい、今日は勿論、明日も明後日も・・・
でも、この苦しみから解放させてあげたい・・・今すぐに・・・

レントゲンで見る限り、肺は殆どの機能を失っている状況との説明。
早ければ今日・・・という診断であった。
医者と目を合わせることもなく、ただ呆然としていた。
取り乱すこともなく、落ち着いている振りをしていたのだろう。

一瞬、母に何と言えばいいのだろう・・・と思った記憶がある。
検査を終えた母と再会した時、母の目は焦点が合っていなかった。
呼吸も苦しそうで、身体中・・・特に腰の痛みを訴え続けた。

母が闘っていたもの・・・肺がん・・・
恐ろしくもあり、憎さも感じた。
母を・・・あの我慢強い母をここまで追い詰める肺がん・・・

だからこそ、早く解放してあげたいと強く願った。
母の手を握ると、母はその倍以上の力で握り返してきた・・・

息苦しさが母の手から痛いほど伝わってきた。
死なないで・・・そう、強く願った。

何もかもが矛盾し始めていた。

結局、母に対して「死なないで」とは言えずに終わった。
「もう、頑張らなくていいんだよ」とも告げた。

最期の最期に思ったことは、
「早く解放してあげたい」
そう強く願っていた。

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緊急入院した母が,非小細胞肺がん(腺癌)「ステージ4」を宣告され、1年後に他界・・・母の闘病中の記録や、がんに関することを中心に記事にしているブログです。
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