2019年05月14日
RCF 発売5年目のマイナーチェンジ!(概要編)
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/28057029.html?padid=ag478_from_kv
今回のRCFの改良内容は、私も元オーナーとして非常に興味深い改良となっています。
すでに過去記事で改良内容については予想・言及等させていただいておりましたが、今回の改良は非常に「素晴らしい!」点と「残念!」な点がはっきりと混在するレクサスとしては珍しい改良内容になっています。
RCFの販売数は2019年5月現在、非常に低迷しており、コスト面の制約の中でやるべきところはやったように思います。(実車チェック・試乗前ではありますが・・・)
以下、カタログで気づいたファーストインプレッションです。
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■車両重量
【ポイント】車両重量が▲20kg減!
重くなる一方だったレクサス車にあって初めて車両重量の低減が果たされました。
足回りや剛性強化パーツのアルミ化など、見えない部分でのパーツ置換を行うなど積み重ねで数値に表れているのは良いですね。
後述のとおり一部インテリアで割り切りの部分が見られますが、このためであれば仕方ないところ。
ベースモデル 1790kg → 1770kg
カーボンex 1780kg → 1760kg
https://lexus.jp/models/rcf/
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■パワー
【ポイント】最高出力、トルクともに微増!
レクサス車のマイナーチェンジでは珍しいエンジンチューニングが実施されて微増しています。
また、最終減速比が変更されています。
細かいところでは、セカンダリ吸気ダクトの始動回転数を下げているのは街乗り派としては嬉しいところ。(従来は3600rpmあたりまで踏まないとセカンダリ吸気ダクトが開かなかったが、これが3000rpm前後あたりまで下げられていると思われます)
出力 477ps → 481ps
トルク 54.0→ 54.6kgm・f
最終減速比 2.937 → 3.133
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■燃費
【ポイント】燃費が向上!
なんと、JC08モード燃費が向上!
RCFオーナーの方は、高速道路での巡航時の燃費の良さや、郊外のバイパス路での巡航走行時の好燃費を実感されていたと思いますが、WLTCモード燃費の公表により、それが現実のものであることを知ることができました。
アイドリングストップ機構はついていませんが、停車時はエンジン回転数が500-600rpmに低減する仕組みなので、その点は配慮されています。
JC08モード燃費 8.2km/L → 8.5km/L
WLTC市街地モード 5.3km/L
WLTC郊外モード 9.0km/L
WLTC高速道路モード 11.0km/L
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■鍛造ホイール
【ポイント】純正としては軽量なホイールを準備!
RCFのホイールは4種類ありますが、すべて「BBS社」製の鍛造ホイール。今回、新たにマットブラックでフロント/ 11.2kg、リヤ/ 11.5kgという純正品としては軽量なホイールを準備(”PerformancePackage”に標準、その他はディーラーオプション)
もっとも、社外品の19インチですと8kg前後のものもありますが、レクサス純正ということで耐久性もしっかり考えられているものと思います。
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■セラミックブレーキ、大型リヤスポイラーなどの特殊装備
【ポイント】量産カタログ車初装備!
RCFは、4人乗りで快適装備を増強したGSFや、ラグジュアリークーペLC500の登場により、ここ数年は「RCFらしさ」が希薄の状態になっており、これが販売低迷の一因であったものと思われますが、他のモデルにはない特殊装備を”Performance Package"で採用したことはやはり大きなポイントと思います。
初期メンテナンスが難しく、交換の際に高価なセラミックブレーキや、無骨な大型CFRP製リヤウィングを純正採用したことはRCFのポジションを明確にした点で評価したいです。
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/28057029.html?padid=ag478_from_kv
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■官能性能強化
【ポイント】チタンマフラーの採用
標準装備としては珍しいチタンマフラーとリヤディフューザーのCFRP化により重量を更に10kg低減させるほか、エキゾーストノートの改善を図るなど、従来のレクサスが苦手(控えめ)としていた部分をマイナーチェンジで改良してきたのはトピックスと言えます。
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■ローンチコントロール機能
【ポイント】全車標準装備!
静止時からのフル加速で効果を発揮するローンチコントロール機能は輸入車でお馴染みですが、RCFでは全車標準装備されています。
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■セーフティ機能
【ポイント】変更なし!
残念なことに、セーフティ機能「Lexus Safety System+(LSS+)」のアップデートはありません。
最近ではNXが年次改良でLSS+のアップデートを果たしましたが、RCFに関しては2014年〜2015年レベルの水準に留まっています。
ファーストカーとしても使用できるRCFに関しては残念なところです。
ただし、もともと標準装備でしたが、「BSM」(ブラインドスポットモニター)が引き続き標準装備なのはいいポイントですね。
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■先進快適装備
【ポイント】変更なし!
先進的な装備はどうしても重量増につながるため、機能の搭載は見送られています。
レクサスでは定番装備になりつつあるヘッドアップディスプレイ(HUD)、電動パーキングブレーキ&ブレーキホールドなどの人気装備は非装備です。
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■インテリア
【ポイント】重量減を果たすためマニアックな構造変更!
2018年12月に実施されたRCの改良では当ブログでも「なぜ?」と意見を述べさせていただいたインテリア面の装備についてRCFで果たされた「重量減」のための策であるならばやむをえないでしょう。
・アンビエントライトの廃止
RC/RCFの特徴であった、アルミトリムのからグラデーション状に光るアンビエントライトが廃止されています。片側で数百グラムはあると思いますので、軽量化のためにはやむを得ない・・・(でもベースのRCでは省くべきではなかったと思いますけどね)
前期モデルでは夜間のドライブでも綺麗なグラデーションのイルミが室内を彩り、走行状態に応じて減光します。
・パワーウィンドウスイッチの加飾なし
おそらく僅かなメッキでも増加を避けたのか、先般のMCではRCに施された「メッキ加飾」が採用されていません。運動性能にはまったく寄与しませんので、このようなものは省いたということなのでしょう。
・カップホルダー形状変更
RCと同様カップホルダーの穴が「連結式」となりました。これにより大型のスマートフォンを置くこともできますが、樹脂部分を減らしたことによる重量低減を狙っているのかもしれません(笑)ここは使いやすくなったポイントですね。
ただ、BMW等の欧州車がカップホルダー「むき出し路線」から、「フタ付き」へ回帰しているなか、レクサスは今後、どうするのでしょうか?
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■ボディカラー
【ポイント】2色廃止、新色はなし
RCF発売時の新色、ラヴァオレンジマイカが廃止。定番カラーのマーキュリーグレーマイカも廃止。
2014年発売当時にあったソリッドの「ブラック」、「ソニックシルバー」もモデル途中で廃止されていますので定番カラーと特別塗装色(MOP)のみとなり少し寂しさがありますね。
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■インテリアカラー
【ポイント】赤、黒、白の3色展開。人気と思われたアクセントオレンジは廃止
RCFで1番人気があると思われたアクセントオレンジがまさかの廃止!
スポーツモデル定番の黒を貴重とした「赤」「黒」「白」の3色展開となり、ちょっと寂しさがあります。
もっとも、”Performance Package”専用の「レッドカーボン」はダークシルバーカーボンとレッドカーボンを組み合わせたような精緻な作りでとてもおしゃれ。部品供給あると思いますのでその他のグレードへの流用も楽しそうです。
3種類あるインテリアパネルは換装も比較的カンタン。
残念ながら、一番高価な大理石を彷彿とさせる「フォージドコンポジットカーボン」は廃止。
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■ディーラー オプション
【ポイント】プロジェクションカーテシイルミに「F」バージョンが登場!
レクサスES,UXから採用が開始されているプロジェクションカーテシイルミですが、「F」専用意匠が登場。もちろん、その他の車種にも装着可能と思われますが、うまい差別化ですね。(どうせなら標準装備でもいいぐらい?)
その他、データロガー(LEXUS GAZOO Racing Recorder)の発売はサーキット走行ユーザーにとっては嬉しいですね。
取付もグローブボックス内ということで、見た目にも配慮されています。
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残念だったのは、主に「快適装備面」、「先進快適装備」、「先進安全装備面」、そして2014年当時世界初として大きくPRされて登場した「TVD」(トルクベクタリングディファレンシャル)についてのアップデートがなかったこと(結果、高額な40万円のオプションコストも下がらず・・・)
トランスミッションの10速AT化や電動パーキングブレーキ等の採用は、大規模な構造変更が伴うので採用されないのはやむを得ませんが、せめて先進安全装備(LSS+)のアップデートは、は車両の重量増とはほぼ無関係であると思われるだけに。ファーストカーの方にとっては訴求ポイントの1つであるだけに残念です。
LSS+は2015年当時、もっとも簡素なタイプのものから進化しておらず、このまま2022年頃までは少なくとも継続採用され続けると考えるとかなり時代遅れの装備となるのは想像に難くありません。(”PerformancePackage”であれば、割り切りとして問題ないのですが・・・)
ただし、前述のとおり、ブラインドスポットモニターやクリアランスソナーなどの実用的な装備は標準で備えているので、それほど大きな問題はないという方も多いでしょう。
レクサスRCFは主に海外のハイパフォーマンスカーに比べて「おとなしい」という評価をされることが多いようですが、逆にファーストカーとしても使える快適性を備えていた点は評価されるべき点と思っています。
今回の改良では、”Performance Package"は快適装備まで手を入れ軽量化を図っていますが、その他のグレードでは、快適装備はそのままで(レベルアップはしていないが)軽量化やパフォーマンス向上を図っているのは、やはり注目すべきポイントと思います。
もっと快適性を向上させる点もあったと思いますが、その分のコストをパフォーマンスに振っているのは、わかりやすく、方向性としては正しいと感じました。
個人的に非常に気になるのが、初期RCFオーナー(主に2014年〜2015年に購入した方)の乗り換えが進むかどうか?
マイナーチェンジまでかなりの時間が経過したこともあり、RCFは比較的低走行・良質の中古車が「500万円台」で販売されている状況を鑑みると、前期モデルが2020年モデルの「半額」で購入できる状態にあります。
それでいて、目新しさという面ではそこまでの大きな改良ではなく、レクサス車といえど決して高くないリセール・ヴァリューのRCFを今購入するのは躊躇する方も多いのではないでしょうか。
おそらく前期オーナーは追金として「600万円〜650万円」程度の追金が必要になると思われ、買い替えに関してはなかなかハードルが高いと思います。
おそらくこれが(LC500系を除き)最後の5L・NAエンジン搭載車と考えれば、このような車が今もアップデートされたことには感謝すべきなのかもしれません。週末の実車チェックが楽しみです。