<個人的な評価:10点中7.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
夜のとばりが下りた頃、醒めない夢が始まる。
映画『キリクと魔女』、映画『アズールとアスマール』の鬼才ミッシェル・オスロ監督が、光と影と圧倒的な色彩で紡ぐ、新たな5つの夢の物語。
夜な夜な好奇心旺盛な少年と少女が、古いお映画館で映写技師と共にお話を紡ぎ、5つの世界の主人公となります。5つの短編作品を通して描かれるのは、夢のお話。未来に思い描く夢、寝ている時に見る夢、想像の夢、様々な夢を追い求めようとした時、醒めない夢が始まるのです。
一風変わった作品。色彩が独特で美しい。
童話は、個人的に、これといった心に響いた感動的なものは、ないが、ひと昔前の王子様がお姫様を助けてハッピーエンドといったような安っぽい童話とは全く違うユニークな物語が多いのが印象的だ。
むしろ、そんなありきたりな安っぽいつまらない童話に、あえて、もっと癖を加えて、オリジナリティーあふれる作品にしたのが、この夜のとばりの物語だろう。
フランス語はさっぱりわからないが、フランス語で観て、字幕は日本語にした。
U-NEXTは残念ながら、日本語字幕しかなく、英語字幕がないのだ。本当に残念だ。
しかも、NETFLIXやHULUと違って、字幕も消したりできない設定。つまり字幕が必要なくても、勝手にあ日本語字幕がついてきて画面の邪魔をするという、このグローバルな世の中に、視野の狭い設定すぎて、何度か、私も友達も、苦情をいれたが改善される見込みなし。
でも、U-NEXTの作品は豊富だね。値段も高いけど。
さて、5つの短い童話だが、それぞれ独特だった。
主人公や登場人物の顔とか一切見えないが、これはこれで、影や光で想像できるのが面白い。
1)『怪物のあるじ La Maîtresse des monstres』
怪物が支配する地下の村では、食事も水を飲むのも命がけ。ある日、その村の少女のもとにネズミがやってきて、「怪物のあるじ」として怪物を制し、幸せがあるという地上の世界に出るようにと誘う。少女は怪物を恐れ、先に進むことを躊躇するが.....
なぜか最後は都合がよく王子様が出てきてハッピーエンド。てか初対面でしょ?よくそんなので簡単に結ばれるな笑。共感まったくできない。そして村人たちは見捨てたって事かな?これは、最初の部分だけ独特なストーリーだけど、最後は投げやりな、意味不明ハッピーエンド系。
個人的評価:4点(10点満点中)
2)『靴職人と夢の橋 Le Pont du petit cordonnier』
貧しく恋人とも結婚できない靴職人の青年が、大きな橋の彫像の足元に宝が隠されているという夢を見た。靴の修理を頼みに来た客から、その橋がプラハに実在することを聞き、宝の存在を確かめに旅立つ。
これは、けっこう良い話だった。色彩も綺麗。プラハも美しい。ずっと青年を信頼していてサポートしていた恋人がいたからこそ、最後は成功したんだと思うな。
個人的評価:7点(10点満点中)
3)見習い水夫と猫 Le Mousse et sa chatte
船の上で海賊たちにこき使われる見習い水夫の少年。彼の夢は、唯一の友である猫とともに陸地の家に住むことだった。海賊たちが大きな街の王に武器や宝を売りに行くことを知り、少年も同行するが、その王の宮殿はある問題を抱えていた。
猫を海に投げ捨てるなんて酷い海賊たち!!最後はハッピーエンドだが、主人公の青年、けっこう欲深いやつだな笑。
個人的評価:6点(10点満点中)
4)魔法使いの弟子 L’Écolier sorcier
職を探していた青年が、年老いた魔法使いの弟子になる。難しい変身の術をあっという間に習得し喜ぶ青年と魔法使い。一方で悲しそうな魔法使いの娘。彼女は、老化を恐れた父親が恐ろしい計画を企てていることを知っていたのだった。
これは、結構好きなストーリーだった。すぐに娘を助けないのが、また良い。金持ちになってから、ふと、あの娘はどうしているのか、と考え、最後に助けにいったのが、ある意味、ちょっと切なく、でも最後は美しい物語に収まった。
個人的評価:7.5点(10点満点中)
5)イワン王子と七変化の姫 Ivan Tsarevitch et la Princesse
危篤に陥った父を救うため、イワン王子は病に効く黄金のスモモを手に入れようと、果樹園の王の宮殿に忍び込む。しかしすぐに見つかり、首をはねられそうになってしまう。イワン王子が正直に事情を話すと、果樹園の王から一つの条件を提示される。
これは、一番好きなストーリー。色彩も一番美しい。不思議な呪いの能力をもつ姫。そして、化け物になった姫を信頼して見捨てずに二人で共に、青年の父親を救うストーリー。日本の神話でイザナギ&イザナミを思い出したんだが、イザナギの方からイザナミに会いに黄泉の国にいったのに、約束をやぶって、イザナミの姿を覗き見て、それで逃げたイザナギ。自分から会いにいき、約束を破り、そして最後は嫁を傷つけて逃げる。最低な奴だなという印象が強いストーリーだが、この物語のイワン王子は、何度もいろんな化け物姿の姫をみても、抱きしめた。姫はちゃんと美しい姫に戻るのを、わかっているから、そうしたんだろうけどね。姫の方は、けっこう勇気がある人で、姫のおかげで、イワン王子も、王子の父親も助かったといっていい。主張ばかり激しい勘違いしている被害者意識が高い妄想女は嫌いだけど、家族想いだったり、愛する人を助けるという意味で、機転を効かした強く頭が良い女性は好きなので、このストーリーの七変化姫も好き。
個人的評価:8点(10点満点中)
以上、最初のストーリーは微妙だったが、他はそれなりに面白い童話だった。
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