2017年12月21日
日本人は世界的にみてもいびきをかきやすい人種 原因は平たい顔にあり
いびきは太っていると出やすい、と耳にすることが多い。実際に肥満はいびきの大きな原因になる。しかし、それならダイエットして痩せれば治るだろうとも思えるが、どうもそれほど単純ではないらしい。痩せていても、いびきをかく人は多いのだ。
それは、日本人特有の平たい顔で小さい顎という骨格のせいであり、日本人はもともといびきををかきやすい骨格だったのだ。
□いびきの原因は複合的
大人のいびきの原因は、アルコールや睡眠時の体位、肥満や舌の位置なども絡む複合要因であることが多く、単純ではない。
アルコールを飲むと、気道が弛緩していびきはひどくなるため、禁酒することでいびきは改善される。肥満の人が減量すると、気道が広くなりいびきが改善されることが多い。また扁桃腺とのどちんこを短くする外科手術をすることでも、いびきが改善できる。
現在のところ、単体の治療では十分な効果がないことが多く、アルコールをやめ、なおかつ減量もするなど、いくつかの複合的な治療をしていくことで、治療効果を上げている。
□いびきの原因の根本は「顎の骨格」にある
しかし、いびきの原因には、日本人特有の平たい顔に小さい顎という骨格に原因があるようだ。
日本人を含む東アジア人は、基本的に頭部が凹凸の少ない平たい顔をしている。そのため、もともと顎が小さくて、気道が狭い。顎が小さいと、舌が口の中で持ち上がり、上顎の軟らかい部分(軟口蓋)に近くなる。そのために気道が狭くなるという、いびきが起きやすい骨格をしているのだ。
そのため痩せていても、子どもでも気道が狭いことがあり、いびきが出てしまうのだ。
□骨格に原因があるいびきは遺伝しやすい
骨格に原因があるいびきは、遺伝もしやすい。お父さんやお母さんがいびきをかくときは、子どももいびきをかきやすいといえる。
さらに今の子どもは昔の子どもにくらべて顔が小さく顎が細くなっているので、骨格的には昔よりもいびきをかきやすい骨格になっている。いびきをかく子どもは、脳への酸素の供給が少なくなり、成長に響くこともあるので、注意して確認してあげよう 。
□やっぱり怖い、大いびきをかく睡眠時無呼吸症候群
いびきが出る人は、家族からうるさいと言われたり、友人と旅行に行くのがためらわれたりと、いろいろ悩みは尽きない。しかし、やっぱり怖いのは睡眠時無呼吸症候群だろう。
睡眠時無呼吸症候群である場合は、睡眠時に気道が狭くなり呼吸ができないこともある。重症の場合は睡眠中に呼吸が止まり、極度の酸素不足にもなりかねない。
酸欠になると眠りが浅くなり、起きたときに寝たはずなのに疲れが取れなかったり、ぐっすり眠れずに昼間に眠気を感じるようになってしまうこともある。重症化すると、頭痛や狭心症、不整脈になり死亡する可能性もある。ひどいいびきは専門家の診察を受けよう。
□自分では分からないいびき。家族に聞いてみる?
夫婦や恋人の場合は、パートナーがいびきをかいていても気を遣って伝えない場合も多い。いびきの原因は骨格にあり自分ではどうしようもないので、いびきをかくのはあなたのせいではなく、パートナーのせいでもない。ひどいいびきの場合は、教えてくれるように家族などに聞いてみるのもいいだろう。
また、医療機関でも、いびきの検査はとても簡単にできる。自宅に機器を持ち帰り付けて眠るだけのようだ。朝疲れを感じて熟睡できていないのを感じる場合は、一度検査してみてはいかがだろうか。