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赤ちゃんの汗やおしっこからメープルシロップ!? 「メープルシロップ尿症」は恐怖の病

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「メープルシロップ尿症」という病名を聞いたことはあるでしょうか。
何だかおいしそうな病気の名前だと思われるかもしれません。この病気がいったいどんなものか、医師に解説していただきました。

メープルシロップ尿症とはどのような病気ですか?
メープルシロップ尿症とは、生まれつきのアミノ酸代謝異常の病気の一つです。日本では約50万人に1人が発症する、まれな病気の一つです。

アミノ酸という分子がつながるとタンパク質になり、これが体を作りあげています。
アミノ酸は約20種類ありますが、メープルシロップ尿症はアミノ酸のうち「分枝鎖(ぶんさき)アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)」を分解することができなくなる病気です。

尿や汗からメープルシロップのような特有の匂いがすることから、この病気が名づけられました。

メープルシロップ尿症はどのような症状が現れますか?
この病気は生まれつきの代謝異常なので、生後直後から以下のような症状が現れます。

・元気がない
・ミルクの飲みが悪い
・機嫌が悪い
・嘔吐する

上記症状は普通の赤ちゃんでもよくみられるので、やはり発見の決め手となるのは尿や汗のメープルシロップ臭といえます。

メープルシロップ尿症が発症する原因はなんですか?
体の中で不要になったアミノ酸を分解できなくなると、体に老廃物が溜まっていきます。
この老廃物は、脳細胞の発達や神経細胞の活動を妨げてしまいます。これが原因で、体にさまざまな不調が現れます。

また、メープルシロップ尿症を放置してし症状が進行すると、以下の症状が現れます。

・意識障害
・けいれん
・筋力の低下

また長期間わずらっていると、発達障害、精神発達遅滞などを引き起こしてしまいます。治療が遅れると死亡したり、重症な後遺症を残してしまうことがあります。

メープルシロップ尿症と診断された場合の治療法は?
メープルシロップ尿症の治療では、分解できないアミノ酸を極力摂取しないことが必要になります。

生まれた直後からの治療が必要となり、分枝鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)が入っていない特殊なミルクを新生児期から飲ませます。

また、けいれんや意識障害などの症状が現れた場合は、ビタミンや栄養剤の点滴を行います。進行して重症な症状が現れる場合には、血液透析や肝臓移植が行われることもあります。

新生児がメープルシロップ尿症か判断できる?
メープルシロップ尿症は、新生児マススクリーニングで発見することができます。これは新生児の血液を数滴、ろ紙の上にたらして簡単に行うことができる検査です。

新生児マススクリーニングは、日本では生後4〜6日に全員の新生児が受けることになっていますので、ほとんどのメープルシロップ尿症の患者さんを発見することができます。

メープルシロップ尿症は特別発症率の高い病気ではありませんが、症状が進行してしまうと危険な場合もあります。

患者さんが意識障害、けいれんを起こした場合には、速やかに病院を受診させるようにしましょう。




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