2017年03月22日
コミュニケーション大打撃!睡眠不足で表情や気持ちが分からなくなる
睡眠不足によって、私たちは相手の表情や気持ちが分からなくなることが、最近の研究報告から明らかになった。
私たちのほとんどは、対外的なコミュニケーションを通して生活を成り立たせている。相手の表情が分からないのでは、睡眠不足の時の対人関係が危なくなってしまうかもしれない。
今回は、米国で報告された睡眠状態と表情の判断に関する研究から言える、日常生活での留意点を紹介していきたい。
□睡眠は表情を読み取る能力に影響を及ぼす?
この研究については、米カリフォルニア大学バークレー校のGoldstein-Piekarski氏らが、2015年7月の神経科学雑誌Journal of Neuroscienceに報告をした。その研究内容というのは、睡眠を十分に確保した状態と徹夜明けの状態で、さまざまな表情の写真を見た時に、どのような印象を受けるかというものだ。
この写真の中には怒っているものもあれば、笑っているものなどさまざまな表情があった。もちろん男性の写真もあれば女性の写真もある。
□睡眠不足で相手の表情が読み取れなくなる
結果、「睡眠不足の人は、怖い顔と親しみやすい顔の区別がつかない」ということが分かった。怒っている上司に対し、ヘラヘラと対応してしまったり、ニコニコ感じの良い店員さんにムスッとした対応をしてしまったりするなど、日常に大きく影響しかねないだろう。
被験者のMRI検査も行っている。それによると、睡眠不足の人は脳からの信号を上手く身体に伝えることができず、体が脳から切り離されたような状態であることが分かった
□あなたのそのイライラ、睡眠不足のでいでは? デメリットしかない睡眠不足
冒頭でも少し触れたが、私たちは日々なんらかのコミュニケーションをとって生活をしている。仕事であれば、上司とのやり取り、取引先との商談、電話対応などがある。学生であれば先生との交流、友達との会話などが挙げられる。
ふと自分の日常を思い出してほしい。睡眠不足の時に、何気ない一言で相手を怒らせてしまったり、傷つけてしまったりした経験はないだろうか。
□自分のイライラだけではない。相手のイライラも
逆もあるかもしれない。笑顔でちょっとした冗談を言ったつもりなのに、相手が本気に捉えて大ゲンカに発展したことはないだろうか。そのケンカ相手は徹夜で出勤したため完全に寝不足だった、という経験が筆者にはある。
先の研究で紹介されていたが、寝不足の場合、相手の表情が読み取りづらくなっている。そのため、相手の状況を理解して発言することができない可能性が大いに考えられる。怒りっぽくなったり、悲観的になったりと状態は人それぞれだろう。
こういった理由から、私たちが睡眠不足を自覚している時は、いつも以上に行動や発言に注意を払う必要があるのだ。
□相手を頻繁に怒らせたり、逆に怒ってしまったりする場合はとにかく寝よう!
いかがだろうか。この記事を読んでくださった大多数の方に、思い当たる経験があるのでは、と思う。
自分で睡眠不足の自覚がある時は、とにかく早く寝ることで冷静な自分を取り戻すことをお勧めしたい。自分のメンタルや感情をコントロールするのも大人のたしなみではないだろうか。