2017年03月17日
たんぱく質は何から取っている? 動物性と植物性で糖尿病発症リスクに大きな変化
米ハーバード大学公衆衛生大学院の研究者らは、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の摂取割合が2型糖尿病発症リスクに影響を与えており、動物性が多い人ほどリスクが高くなっていたとする研究結果を発表した。
研究では、米国の看護師、医療従事者を対象とした大規模な3つの追跡調査、「Nurses' Health Study(1984〜2008)」「Nurses' Health StudyU(1991〜2009)」「Health Professionals Follow-up Study(1986〜2008)」から、20万5802人のデータを解析。
食事調査の結果から、総エネルギー摂取量に占める動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の割合を算出し、対象者を「動物性が多い」「動物性が少ない」「両者が均等」「植物性が多い」「植物性が少ない」の5グループに分類し、調査期間中の2型糖尿病発症率との関係を分析した。喫煙や肥満など、2型糖尿病発症のリスク因子となる要素は調整をしている。
その結果、「動物性が多い」人は少ない人に比べ、発症リスクが1.13倍になっていたが、「植物性が多い」人は少ない人に比べ、0.91倍に低下していた。また、この分析結果を踏まえると、総エネルギー摂取量に占める動物性たんぱく質の5%を植物性に置き換えることで、発症リスクを0.77倍まで抑える可能性があるという。
なお、食事調査の内容を精査すると、動物性たんぱく質が多い人は、総エネルギー摂取量が平均より低く、炭水化物やナッツ類の摂取量も少なめで、砂糖入り飲料と加工肉の摂取量が多い傾向に。植物性が多い人は、BMIが平均値もしくは平均以下で、全粒穀物や果物、野菜、豆、ナッツ類の摂取量が多い傾向にあった。