激しい運動をして大量に汗をかいていると、骨密度が低くなりやすくなる。汗と一緒にカルシウムが体の外に出てしまい、それを補うために骨から血液の中にカルシウムが溶け出すからだ。これを防ぐには、運動する前にあらかじめカルシウムを摂っておくといいらしい、ということが最近の研究で分かってきた。
米コロラド大学の研究者Vanessa Sherk氏が率いるリサーチチームは、52人の男性を2つのグループに分け、自転車でのトレーニングを行なわせた。一方のグループには、トレーニングの30分前に、1000ミリグラムのカルシウムをビタミンDとともに与えてみた(ビタミンDを一緒に与えるのは、カルシウムの吸収を良くするため)。すると血液中のカルシウムは、減少するにはしたがそれほど少なくはならなかった。
また、トレーニングが終わった後に同じ量のカルシウムとビタミンDを与えるという実験も行なった。しかし、後に与えたのではどうも手遅れだったらしく、前に与えた場合と比べると血中のカルシウムはより少なかったとのこと。この実験結果は、米国内分泌学会の年次総会で報告されている。
運動して汗をかくのはいいことだが、骨粗鬆症にはなりたくない。コロラド大学のVanessa Sherk氏は、この実験結果が一般の人たち全てにあてはまるとは限らないと前置きした上で、「エクササイズの前の食事やスナックに、乳製品などを選ぶのは悪いことではない」と言う。例えばヨーグルトやチーズオムレツ、ローファットのミルクシェーク、カルシウム豊富なナッツなどだろうか。うーん、運動よりこっちが目的になりそうだ