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安全地帯のアルバム『プルシアンブルーの肖像』の紹介です。
のっけからおかしなことを書かなければなりません。これは安全地帯の他のアルバムとは少し違います。というのは、これは、映画のサウンドトラックであって、安全地帯のアルバムとして発売されたわけではないようなのです。それが証拠に、背表紙には「プルシアンブルーの肖像 オリジナル・サウンド・トラック」とだけ書かれ、「安全地帯」の「安」の字もないからです。
しかし、クレジットを見て、さらに聴いてみればわかりますが、全曲が安全地帯か星さんによって作曲・演奏された、まごうことなき安全地帯の音楽集であることに間違いはありません。他のアルバムとの違いは「映画のために作られた」ことであるという点です。この違いをどのように評価するかは人それぞれでしょう。当サイトは「全曲よい曲であること」を前提にして紹介記事を執筆するという趣旨で書いておりまして、ようするに安全地帯の作品であればそれでいいわけですから、これが「安全地帯のアルバムであるか否か」はあまり気にしないことにしたいと思います。
矢萩さんの「旧校舎のテーマ」、星勝さんの「時計塔のテーマ」、六土さんの「カズミ」は、インストゥルメンタルなんですが、玉置さんでなく彼らの作曲したものが聴けるという点で、とても珍しいアルバムでした。映画のどこで使われていたかはさっぱり覚えていないんですが(笑)。いや、ほんとに。あれ、これは「旧校舎のテーマ」かな?とか、そんなレベルです。かなり気を付けて、つまり映画本編はそっちのけで音楽に集中していないとわからないでしょう。もしかして使われていないか、使われていたとしても数秒なんじゃないか?と思わされます。
1.「青空」 ピアノとアコースティックギターで伴奏される、ステキなバラードです。伸びやかな玉置さんの声と爽やかな松井さんの歌詞で、まさに「青い空」と、広い大地を感じされられます。
2.「旧校舎のテーマ」 矢萩さん作曲のインストゥルメンタルです。なんだか怖い、古い、やけに趣のある、「旧校舎」というテーマにぴったりの曲です。
3.「夢」 三拍子のバラードです。「冬花」はこの曲のインストゥルメンタルで、こちらは玉置さんの歌入りです。
4.「時計塔のテーマ」 星さん作曲のインストゥルメンタルです。「時計塔」は、映画の中では因縁のありすぎる怖い場所なんですが、まさにその十五年越しの因縁を表現したかのような怖い曲です。
5.「ゆびきり」 童謡を思わせる、ひたすらやさしい曲です。玉置さんの歌の、新たな可能性を世の中に見せつけた名曲と言えるでしょう。
6.「プルシアンブルーの肖像」 シングルで発売された、強力なハードロックナンバーです。映画には、高橋かおりちゃんのダンスを思い出してしまって、曲の世界にいまいちハマれないという副作用があります(笑)。ラッキィ池田め!とか怒るのは完全に筋違いでしょう。
7.「冬花」 「夢」のインストゥルメンタル版です。これは映画の中では「唯一ホッとする」場面をイメージして作られているのだと思われるのですが、すでに針のむしろに座らされた人は(後述)、べつにホッとしません(笑)。
8.「カズミ」 六土さん作曲のインストゥルメンタルです。磯崎亜希子ちゃん演じるカズミのテーマです。これも怖めです。カズミちゃんはべつに怨念たっぷりの死霊ってわけじゃないんだから、こんなに怖めにしなくてもいいのに六土さん!と思わされる渾身の曲です。
9.「Bye Byeマーチからエンディング」 「ゆびきり」の「さよなら さよなら」が「Bye Bye」なんでしょうけど、映画の場面はべつに「Bye Bye」ではないです(笑)。ああ、春彦くんがいちおうBye Byeかなー。前半は「ゆびきり」をマーチ風にした曲(歌入り)で、後半以降は「エンディング」なんでしょうかね。美しくも切ないインストゥルメンタルで、アルバムの最後を飾ります。
さて、このアルバムの歌詞カードには、「冬花シンドローム」なる掌編小説が載せられています。映画の脚本と、ノベライズ本を執筆なさった西岡琢也さんがお書きになったものです。おお、太っ腹!これがまた思わせぶりな小説でして(笑)。さぞかし本編では少女がたくさん落下するんだろう、凄惨な映画だな、と思わされるのですが、そんなことはありません。落下するのは磯崎亜希子さん演ずるカズミだけです。まあ、詳しいことは映画をこれから観る方のために書かないとして(笑)。でも、短いながらもかなり雰囲気たっぷりの力作ですよ。ノベライズ本のほうが映画本編よりいいと思っているわたくしのような不届きものには(すみません、多賀さん、そして出演者とスタッフのみなさん、映画、わたくしにはかなり厳しいものでした。猫パンチさんと同じ感想で「針のむしろ」でした)、うれしい付録です。
しかしこのジャケット!子どものころは、なんだか怖いとしか思ってませんでしたが、大人になってから見ると、各メンバーの特徴は当たり前につかみつつ、サラサラ書かれたように見えて、どうしてどうして味のあるイラストではありませんか。「青空」とか「ゆびきり」の牧歌的なイメージと、映画のストーリーに見られる猟奇性と、どちらも損なわずに示唆してくれる絶妙なタッチです。後から言っているから全然あてにならない評価ですけれども。描いたのは……イラストレーションのクレジットに「矢島功」と書かれていますね。おそらく、この方でしょう。「ファッションイラストレーター」なんですね。なんだか、ファッションなるものにほとんど興味のないわたくしでも、『プルシアンブルーの肖像』の面影を求めて画集が欲しくなります(笑)。
次回以降、このアルバムを一曲ずつご紹介していきたいと思います。
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プルシアンブルーは小川範子と並ぶ名子役である
高橋かおりの初々しい芝居に注目し見るべきだと思う
映画館でチェッカーズ映画見て真逆のプルシアンを見た人達は
一体どう思ったんだろう・・・・まだ長渕主演の「ウォータームーン」ぐらい
笑えればいいのだが笑えないからね
このサントラは素晴らしいです、それがまた罪なことで(笑)。サントラ作ってからそれに合わせた映画作ったほうが良かったんじゃないですかね。松井さんの原案と、西尾さんのノベライズと、安全地帯のサントラは完璧なんです。玉置さんの怪演もいうことありません。何がどうしてああいう鑑賞感になるのか……映像の世界は本当によくわかりません。
チェッカーズ流行ってましたねえ。三大人気バンドはチェッカーズ、C-C-B、安全地帯って感じでした。当時は安全地帯以外何も聴く価値を感じませんでしたが、いま思うともったいないことしました。
このサントラ盤は、夏休みの思い出です。
映画のキャンペーンで、玉置さんはTVに出まくってくれて(笑)、意外な1面も2面も見せてくれました!!
サントラ盤はメンバーも作曲しインストが映画に合っていたのかは、実は映画の本は買ったのですが、何回かビデオ屋さんでも機会は有りましたが全部まだ観たことがありましぇん。
チェッカーズの映画と同時上映で、そこそこヒットしたなら良かったです。
チェッカーズと一緒にTVに出て黒柳徹子が司会していた番組はビデオに撮って何回も観てました。オールナイトニッポンは、夜中起きて、挑戦しましたが、電波が悪くて数秒で諦めました(笑)
やっぱり安全地帯はバンドとして真面目でクールな印象が決定的になった名盤だと今でも思います。ありがとうございました。
メディアミックス戦略、というんですかね、映画だけ大失敗するのは、ビートルズから伝統芸的に受け継がれているような気がしてなりません。
これだけは知ってました。
今、もう一度見直すと、パンドラの箱を開けちまったな?オイ感が満載で。
やらせるほうも、という、猫パンチさんのコメントは秀逸ですね…。
きっと玉置浩二さんのPVみたいな位置付けだったのかと、推測しますが、
ターゲットがどの辺で何を狙いたかったのか謎すぎ。笑
きっと若い玉置さんも何でも遊べる性格そうなので悪のりしたのかな、サミュエルLジャクソンみたいに仕事選ばなさそうかな、と思いを馳せます。
しかもセリフがほぼなし、せめて歌うシーンがちょっとでもあれば……
軍手をとったシーンの手がとても綺麗でした…
とか、
いなくなった子供が屋根裏浮遊のあたりは、ITみたいだな、とか
ぐるぐるしてます。
主題歌はすごく好き&音楽解説読んで聞きたくなりました。買うぞリストにいれます。
(……最近、リストがすごく長くなった)
ということは、例の上司と同じぐらいですね(笑)。
経験も積んで、多分人生で一番脂が乗ってる時期ですね。いい文章を書かれますもん!
いつも楽しみにしています。
(あ、プレッシャーには感じないでくださいね。勝手に楽しみにしてるだけですから)
あっはっは、映画、ご覧になったのですね。わたくし、ビデオは持っておりましたが、いまだにDVDに買い替えていません(笑)。映画はともかく、サウンドトラックは絶品ですので、ぜひ、お聴きになってください!
映画が好きで、色々観ていますが、私も針のむしろでした…。
以前、この玉置さんの映画を観たくて、色々サイトを見ていた時、猫パンチさんの感想も読んだことあります(笑)。 で、どうしたものかなーと思いつつ、やっと観ることができました。
CDも手に入れたらじっくり聴いてみて、また感想を書かせてもらいます。
ところでトバさん、この『プルシアンブルーの肖像』のジャケットを子供のころにご覧になったということは、予想よりずっとお若いということになります。