【中古】 プルシアンブルーの肖像 オリジナル・サウンドトラック/安全地帯 価格:1331円 |
『プルシアンブルーの肖像』九曲目、「Bye Byeマーチからエンディング」です。
「ゆびきり」をマーチ風にしたものが「Bye Byeマーチ」(歌入り)、その後のストリングスによるインストゥルメンタル部分が「エンディング」なのでしょう。歌詞カードにはインストゥルメンタルと書かれていますが、「Bye Byeマーチ」は歌モノといっていいと思います。
「Bye Byeマーチ」は、玉置さんと森の木合唱団が歌ったもので、玉置さんはかなり抑えて低音(子どもに比べて)を担当しています。さらに低音部として、バストロンボーン……だと思うんですが、の音が「ブン!バン!ブン!バン!」と響き、マーチ風味を演出しています。トランペット(クレジットには兼崎順一さん、白山文男さん、横山ヒトシさんの三人が挙げられています。豪華なメンバーですね)少年合唱、玉置さん、バストロンボーンと、見事な高音〜低音の層を成しています。
映画では、この箇所が序盤にあっさり流れてしまい、「エンディング」としての役割はありませんでした。しかもこの曲が流れたのは怪奇現象として流れたのです。歌詞カードにも、眼鏡をかけた女性教師(原田美枝子さん)がレコードを眺めている写真が掲載されていますね。これは怪奇現象を見てびっくりしているところなんですが、上がヘッドホンをかけてスティックを振るう田中さん、右が星さんを中心にミキサーの前に集まっているメンバーの写真ですので、このレコードの写真もうっかりスタジオの風景かと思ってしまいます(笑)。
さて、ストリングスによる「エンディング」ですが、玉置さん作曲のストリングス曲は、この「エンディング」と、のちの「あこがれ」「大切な時間」など数少ないわけです。これが、どれもこれも絶品ですよね。編曲は星さんなのかもしれませんが、なんだかクラシック作曲家による名曲を聴いているような錯覚に陥り、自分がポップスを聴いているということを忘れてしまいそうになります。
……と、このように、このアルバムに収められているインストゥルメンタルは、どれもこれも力作でいい曲ばかりなのですが、映画では「冬花」以外、ほぼ使われていないところが惜しいところです。とても残念です。映画に合わなくてボツになったか、あるいは映画に間に合わなかったかなのでしょう。殺人的スケジュールのなかで、よくぞこのようなアルバムをお作りになったものだと、本当に頭が下がります。ステキな音楽を残していただいて、そしてリリースしていただいて、ほんとうにアリガトウございますと。
そんなこんなで、安全地帯・玉置浩二の歴史のなかで、もっとも忘れられてゆきそうな位置にあるアルバムなのですが、この「Bye Byeマーチ」は玉置さんと少年合唱団の出会いの時期につくられた曲であり、「エンディング」は玉置さん初のオーケストレーション曲であるという、きわめて重大な(笑)節目の曲を合体させた曲なのです。
20年くらい前までは中古CD屋にひっそりと1000円くらいでこのアルバムが売られているのをよく見ましたので、数はそれなりに出たのでしょう。つまり、おそらくそれなりに多くの人がこの曲を聴いたはずですので、この曲のよさがもっと話題に上るべきではないか……と思っております。思っておりますので、せめてここに微力ながらこの文章を記しておきたいと思う次第であります。
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