【中古】 プルシアンブルーの肖像 オリジナル・サウンドトラック/安全地帯 価格:1331円 |
『プルシアンブルーの肖像』二曲目、「旧校舎のテーマ」です。
矢萩さんの作曲で、七分以上もある大作ですね。
バスドラの連打でリズムをとり、この……なんと呼ぶかわからない音色なんですが、シンセサイザーで鳴らした音色で、メインテーマの主旋律を奏でているところから曲は始まります。時折目立って聴こえるベースの音にドキリとさせられますが、ああ、ベースかなり大きく入っているな、とそれで気づかされます。フレーズに切れ目に聴こえるストリングス系の音にもヒヤリとさせられます。いや、怖い怖い。
スローなテンポなのに細かく連打されるバスドラ、不穏な音色のメインテーマのメロディー、ときおり存在感を際立たせるベースで、夕暮れどきに逆光で黒く浮かび上がる「旧校舎」をイメージさせるに十分な怖さです(笑)。
さて、曲は第二部とも呼ぶべき不穏さをより盛り上げたパートに移ります。メインテーマを発展させたかのようなやや高音のメロディーが奏でられ、続いて旧式の時計塔が時を知らせる音を模したような音色が、かなりの大音量で鳴らされます。遠くで大きな物が倒れたかのような音がそこかしこに挿入され、旧校舎のなかで起こる惨劇をリアルタイムで体験しているような気分にさせられます。この怖さを演出している張本人は、そう、川島さんですね(笑)。『STARDUST RENDEZ-VOUS』等で聴くことができますが、「プルシアンブルーの肖像」のイントロ的にこのあたりのフレーズを演奏している川島さんの姿を見ることができます。ああ、トーキング・モジュレーターも使っているようですね。「クワアアアア……コアアアア……クエ!」という感じの声がそれです。
怖さ満点の第二部が終わると、曲は突如としてピアノソロになります。これを第三部と呼びたいと思います。怖さ・不気味さのほとんどない、やさしい旋律です。おや?……物語的には一体何を表現しているのでしょうか?惨劇のあったことは知られずにまた朝が来て、通常通りの授業が行われている学校をみつめる旧校舎、という趣向でしょうか。あまりに平和すぎます。
と思ったら、曲はまたメインテーマへと戻りますこれを第四部とします。第四部では、また不気味さを醸し出してるなあ〜でもさっきと同じだしな〜と余裕をかましていると、突然のギターソロに驚くことになります。これがまた、矢萩さんらしいメロウな音色なのに鋭いフレーズで、旧校舎の不気味さを切り取るかのようなソロなんです。ああ!旧校舎の奥深くではこんなショッキングなことが!でも傍目には完全にいつものただの不気味な旧校舎だよ!という演出なのかもしれません。
一瞬、曲が途切れて、あれ、これで終わりかな?と思ったところにストリングスのやさしいフレーズが流れてきます。これがまた儚く美しいフレーズなんです。悲劇をその内奥に隠す不気味な旧校舎、その旧校舎の穢れを洗い流すかのような激しい雨、そして雨は冬には雪になって……すべてを覆いつくしてゆく、そして旧校舎(とカズミと秋人)は、冬花ちゃんの現れる季節を静かに待っている……という演出なのだと、わたくしは思っております。
いや、完全にわたくしの妄想に過ぎないことはよくわかっております。そもそも矢萩さんがストーリーをご存知の上で曲をおつくりになったかどうかすら定かではございません(笑)。ですが、映画のサウンドトラックなんですから、こんなふうに、映画の話とごちゃまぜで妄想を膨らませて楽しんだっていいじゃないですか。
と、まあ、このアルバムの紹介は、こんな感じで妄想をたくましくして参りたいと思います。なんだ、いつもとたいして変わりないじゃないか、というお声もございましょう。いやいや、それは全くその通りすぎて返す言葉もございません。
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