新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2016年08月23日
オリンピックの影で1(八月廿日)
オリンピックの影でまったく目立たないまま、オロモウツ周辺で行なわれた自転車レース、チェック・サイクリング・トゥールが、始まって終わっていた。昨年は最終ステージのオロモウツ近郊の村ドラニの周回コースから、中継が行なわれていてついつい見てしまったのだが、今年はテレビのスポーツニュースですら扱われていなかった(と思う)。
日本のチームも出ているし、結果が気になるので、公式ページで確認することにした。あまり情報の出てこないページだが、大会開催期間中ぐらいは毎日更新して、公式の結果も出されているだろう。日本のメディアでもまったく注目されていないようなので、結果だけ書きとめておく。
八月十一日の木曜日に行なわれた第一ステージは、チームタイムトライアルだった。例年オロモウツの北にあるウニチョフという町で行なわれているチームタイムトライアルが、今年はオロモウツ地方を離れて、フリーデク・ミーステクで行なわれたようだ。ある意味地域振興も兼ねているのだろうから、毎年同じコースというわけにもいかないのか。
この17キロ強のステージを制したのは、キャノンデール。総合首位の選手として黄色いジャージを身にまとうのは、オランダ人のセバスティアン・ランゲベルドという選手らしい。さすがはUCIのワールドツアーチームというところか。
二位に入ったのは、ポーランドのプロコンチネンタルチームのCCCスプランディ・ポルコビツェ。三位にチェコチームのクライン・コンスタンティア(?)で、もう一つのワールドツアーチームのランプレ・メリダは、15秒差の四位に終わっている。ただし三位との差は0.04秒なので、誤差の範囲としか言えない。
日本のアイサン・レーシング・チームは、残念ながら1分19秒差の十九位。最下位の廿位がこれもヨーロッパ外から参戦のアメリカチーム、ノボ・ノルディスクだから、遠くから遠征してきた疲れがあったのだろうか。
二日目は、オロモウツからプロスチェヨフを経て、北に向かい丘陵地帯を抜けて、ボウゾフを通ってリトベルを超えてウニチョフにゴールする177kmのコース。それほど高い山があるわけではないけど、コースの最初の三分の二は常に登るか下るかしているコースである。リトベルから先は、ウニチョフの周回コースも含めて平坦なので、集団でゴールすることになりそうだ。
勝ったのはランプレ・メリダのモドロで、二位がキャノンデールのウィッペルト。チェコ人最上位は六位に入ったチェコチームのウィルプール・アウトルのカニュコフスキー。完走135人中、126位までがどうタイム扱いなので、集団から遅れた選手はほとんどいなかったようだ。キャノンデールのウィッペルトがボーナスタイムの分リードして総合首位に立った。
アイサンチームではアヤベ選手とコモリ選手が、30位と31位に入っているが、8分遅れでゴールしたハラダ選手が‐20というペナルティをもらっているようだ。何があったのだろう。二日間の総合順位では90位から94位に同タイムで五人の選手が並んである。
三日目はオロモウツを離れて北のイェセニーク周辺を走るので、二日目よりはきつい山登りのあるコースになっている。スタート地点はオロモウツからプラハに向かう急行電車が停車することもあるモヘルニツェで、シュンペルク、ハヌショビツェを経てイェセニークまで北上し、そこから南下してシュテルンベルクにゴールする。187キロだから、最長ステージということになる。シュテルンベルクの近くの自動車やバイクのヒルクライムレースに使われるコースが、終盤の勝負ポイントということになるのかな。
この日の優勝者は、ランプレ・メリダのウリッシで、二位のポーランドのベルバ・アクティブジェット所属のチェコ人カレル・フニークに29秒の差をつけてゴールしている。二日目まで首位のキャノンデールチームは、ランゲベルドがフニークと同タイムの四位に入ったのが最高だった。総合でもウリッシが首位、ランゲベルドが二位、フニークが四位となっている。
アイサンチームは、5分33秒差の44位に入ったハヤカワ選手が最高順位で、アヤベ選手は残念ながらリタイヤしてしまったようだ。ハヤカワ選手は総合でも、前日の91位から6分50秒差の50位に順位を上げている。
最終日はオロモウツに戻ってオロモウツをスタート、シュテルンベルクを経てドラニに向かい、ドラニの周囲を八回周回する157キロのコースである。
この日は、二日目と同じく集団ゴールとなり上位31人が同タイムでゴールしている。勝ったのはベルギーのワロニエ(?)チームのプランカールト(?)で二位がキャノンデールのウィッペルト。総合上位の選手は集団内でゴールして、総合の順位に大きな変動はなかったようだ。ということで総合優勝は、ランプレ・メリダのウリッシ、二位はキャノンデールのランゲベルド、チェコ人最上位はフニークの四位という結果に終わった。
アイサンチームの最終日はナカネ選手の19位が最高の成績で、総合ではハヤカワ選手が43位に入っている。チームの順位としては18チーム中16位という結果だったようだ。あれ、当初の予定では20チームのはずだったのだけど、出場を辞退するチームが出たのか。
アイサンチームがどの程度の成績を目標に出場したのかは知らないが、成績だけを見るとあんまり目立っていないので、来年以降の継続参戦と、いつの日にか日本人選手が上位入賞を果たすことを願っておこう。
レースが終わって一週間、普通ならレースの様子をまとめたレポート番組が放送される頃なのだが、チェコテレビのスポーツ部門がオリンピックに全力を注いでいるので、しばらくは放送されそうにない。遠く日本からの参加だから、アイサンチームにもスポットが当たって、参戦の経緯とか苦労話なんかもレポートしてくれるのではないかと期待している。放送されるよね。
8月21日23時。
チーム名や選手名のカタカナ表記はあまり当てにしないでほしい。日本選手もカタカナにしたのは、漢字表記を調べる余裕がなかったからである。公式のけっかはこちらから。8月22日追記。