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2016年06月05日

世界遺産になれなかった天文時計(六月二日)



 先日、ブルノからオロモウツに遊びに来た人と話していたら、オロモウツに来たのはモラビアの世界産巡りの一環だと言っていた。日本人ってやっぱりこういうの好きだよな。そう言う自分自身も日本人の例に漏れず、嫌いじゃないんだけど。
 世界遺産に指定されると、観光地としてのステータスが一段も二段も上がって、観光客を集めやすくはなるだろう。観光会社の側としても、ツアーを組むのにとりあえず世界遺産を入れておけば、参加者を集めやすいし、文句も出にくいという面もあるはずだ。世界遺産だから、よくわからないけどすごいと思っておけばいいという面では、観光客にとっても安心である。
 オロモウツの世界遺産聖三位一体の碑は、来た見た感動したと言えるようなものではなく、あまり一般受けするとは言えない。正直な話、これだけを見るためにオロモウツに来たのだとしたら、がっかりする人のほうが多いと思う。この手の、世界遺産に指定されたそのものよりも、歴史的、文化的な背景が重視されて選ばれたものは、どうしても見る人を選んでしまう。背景を説明されたとしても、中世の黒死病の流行の終結を感謝して建てたものとか言われて、即座に理解してすごいと思える人はどのぐらいいるのだろうか。

 ところで、話によると、当初オロモウツとしては、天文時計を擁する市庁舎も含めて、世界遺産にしようとしていたらしい。ただ、天文時計の装飾が、第二次世界大戦後の修復の際に、キリスト教的なものから、当時の主流であった社会主義的レアリズムに作り変えられてしまったことが嫌われたらしい。建築当初のオリジナルの形をとどめていないというのがいけなかったのだろう。
 ただ、社会主義時代の遺物も、歴史的な意味を考えると、世界遺産指定の対象にしてもいいのではないかとは思う。指定されたものはあるのだろうか。昔、オストラバに行ったときに、ビートコビツェの超巨大工場が、世界遺産に指定されるかもしれないという話を聞いたのだが、その後指定されたという話は聞かないから、うまく行かなかったのか、単なる冗談だったのか。ビートコビツェの廃工場は、現在では、一風変わったコンサートやフェスティバルの会場として活用されているようである。高校生ぐらいの子供たちが学校単位のチームで参加する科学的な知識を問うクイズ番組の舞台にもなっていたかな。

 話をオロモウツの天文時計に戻すと、毎日正午に仕掛の人形が動き音楽が奏でられる。以前、毎正時に動くと書いてしまったが、正午以外に動く人形は鐘の音にあわせてハンマーを振り落とす鍛冶師の人形だけだったような気がしてきた。だから、確実に見ようと思ったら正午に行ったほうがいい。
 ただ、プラハの天文時計もそうらしいけれども、天文時計に仕組まれた仕掛が動くなどという謳い文句から期待してしまうほどのものではない。出てくる人形が社会主義的に、労働者一覧みたいなのは愛嬌だとしても、音楽が終わって最後に真ん中にある金色っぽい鶏が羽のようなものを動かすと同時に鳴き声をあげて、一連の動きが終わると、集まった観光客達の間には何ともいえない微妙な雰囲気が漂う。えっ、何、これで終わりなの? と言うところだろうか。

 今年の初めに日本から来た方を案内したときには、人形の動きと最後の鶏はともかく、カリヨンの澄んだ音が美しいと褒めていただいた。ついつい見た目で判断してしまっていたが、耳で評価することもできるのかと目からうろこが落ちた思いがした。自称オロモウツ人としては、天文時計を自慢したいんだけど、どう自慢すればいいのかわからないというジレンマ(ちょっと大げさ)から脱出できるかもしれない。
 そして、天文時計の周囲を飾る社会主義的なモザイクも、最初見たときは何だこれと思ったが、目になじむにつれて、色合いの軟らかさもあって、これはこれで悪くないような気がしてきた。モチーフも、下のほうの工員と研究所の職員は、まあ、あれだけど、各月の農事暦みたいなのが周囲を囲んでいるし。上部にはハナー地方の民俗行事王様騎行が描かれているし。ちなみにこの行事は、南モラビアのスロバーツコ地方、特にブルチノフという村で行われるものが有名であるが、スロバーツコ地方はもちろんハナー地方でもいくつかの村で行われているらしい。以前、主役の王様役の子供の家庭の金銭的負担が大きくて成り手がいないという話を聞いたこともあるので、どのぐらいの頻度で行われているかはわからないけど。

 オロモウツの人間としては、オロモウツのよさは、世界遺産の有無で変わるものではないし、オロモウツのよさは世界遺産なんかなくてもわかる人にはわかると言いたい。むしろ、世界遺産という言葉に引かれてオロモウツにやってきて、がっかりして帰っていく人がいるのではないかと不安になる。いや、そもそも多くの人にオロモウツに来てほしいと思っているのだろうか、私は。

6月3日23時30分。


 構想を練らずに書き始めたらこうなった。うーん。6月4日追記。

ヨーロッパポストカード モノクロ インテリア おしゃれはがき 海外 写真 プラハ天文時計 No.020




 けっ、プラハの天文時計しかありゃがらねえ。
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