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2020年02月21日

艦発隊での最初の仕事は魚雷拾い?!

『艦艇開発隊での最初の大仕事は、魚雷拾い!?』
(2018年投稿記事です。)
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艦艇開発隊に配属され、いろいろな業務に慣れて来たペンギンです。

仕事に慣れ始めると、いよいよ装備実験部の仕事を少しづつ任されるようになります。

将来的に海上試験の担当を任される前に、他の海上試験にて試験のやり方を学びます。

そんなペンギンに命じられた、最初の大仕事は魚雷拾い!
(前回記事):『AK-47自動小銃を入手せよ!(特別警備隊装備研究)
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(1)魚雷発射試験に行くぞ!

艦艇開発隊装備実験部では、各科にて並行していくつかの試験が計画・実施されています。

それぞれの試験は、主担当者がおります。

試験主担当者が試験全般の、
・計画立案
・試験実施要領作成
・試験役務契約要求
・試験参加部隊調整
・試験実施統制
・試験結果解析
・試験報告書作成・報告

を実施します。

海上試験を実施するときには、護衛隊付のような仕事も行います。

海上試験は単艦で行える試験は少なく、たいてい複数艦が試験に参加します。

1.1 試験参加艦には必ず1名以上艦発隊装備実験部幹部が乗艦する。

海上試験実施時には試験参加艦艇に、必ず装備実験部の幹部1名以上を乗せて試験を行います。

理由として、艦艇の運航は試験実施要領によりある程度コントロールできます。

しかし技術的な問題などが発生した場合などに、判断を行うために装備実験部所属幹部が乗艦します。

最終的に、試験に関しての責任を艦発隊側が持つためです。

そのため、乗艦する艦発隊幹部には大きな責任を負います。

1.2 海上試験を行うので乗艦する人間を割り当てる。

艦艇開発隊装備実験部は、実は意外と在籍している人数が少ないという実情があります。

各科に幹部自衛官、海曹がいますが、そのほかに技官、研究職技官がいます。

中でも、海上自衛隊の部隊の中でも珍しいOR研究職技官もいます。

そのため、実際に艦艇乗艦経験のある幹部自衛官を、各艦に配置しようとすると人数が足りません。
『今回の海上試験ペンギン2尉は魚雷揚収の任務で多用途支援艦に乗ってくれ』
装備実験部全員が参加する、海上試験の実施研究で指名されます。

海上試験の場合、たいてい他の科の幹部自衛官も動員されます。

私の場合は、海上試験に慣れさせるために参加させてもらえたところがありました。

しかし魚雷か〜、ちゃんと勉強しましょうか!

今回の試験は、80式魚雷と89式魚雷を潜水艦から発射する試験です。

魚雷は、意外と細部が違うのでよ〜く理解しておく必要があります。

図1 80式魚雷
gyorai.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/80式魚雷#/media/File:JMSDF_Type_80_torpedo_in_JMSDF_Kure_Museum_20140915.JPG

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(2)魚雷発射試験も大変だ〜!

魚雷発射海上試験の参加で、久しぶりに海に出ることになりました

護衛艦船務士として勤務して以来の、洋上生活です。

今回の試験は
・魚雷発射を行う潜水艦、
・魚雷の模擬標的となる護衛艦(試験統制艦兼任)
・魚雷揚収の多用途支援艦

の3艦で実施することになります。

試験統制艦の護衛艦には、試験主担当者と科長が乗艦します。

魚雷を発射する潜水艦には、試験記録担当幹部・魚雷発射作業担当幹部および魚雷員3名が乗艦します。

魚雷揚収の多用途支援艦には、試験担当幹部(ペンギン)と魚雷員1名、揚収作業支援EOD3名(水中処分隊から派遣)が乗艦します。

海上試験は、意外といろんなところの支援により大所帯になります。

2.1 多用途支援艦での魚雷揚収作業

魚雷発射試験での魚雷揚収作業は、開発隊群所属の試験艦「くりはま」が行うことが多くありました。

ただこの時は「くりはま」が年次検査に入ってしまっていたため、多用途支援艦で行うことになりました。

潜水艦隊の魚雷訓練発射における、魚雷揚収作業を多用途支援艦が行うためです。

多用途支援艦に搭載されている、デッキクレーンにて魚雷を揚収します。
図2 多用途支援艦デッキクレーン
多用途支援艦デッキクレーン.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/C54GNNhU8AErjmw.jpg
参考記事:多用途支援艦の魅力を知ってくれ〜!

2.2 絶対に見つけろよ!発見できなかったら大変なことになるぞ!!
海上試験に向かうときに、試験主担当者から、
「魚雷は絶対見つけろよ!発見できなかったら大変案ことになるぞ!!」
との脅し文句が入ります。

何しろ魚雷は高額であり、訓練魚雷でも●億円もする代物です。

予定の距離を航走した訓練魚雷は、水面浮上して信号を発信します。

しかし何もない洋上で、信号を頼りに探すのは非常に困難です。

さらに80式魚雷と89式魚雷は、水面浮上時の姿勢が違うため、捜索は総員で行う必要があります。

2.3 海上試験の期間は1週間・・・

今回の洋上試験の予定は、1週間の予定となりました。

海上発射試験の海域で、
・天候・波の穏やかな日
・近くに船がいない時間
を狙って行うため、2発の試験の為に1週間分の予定で実施される事に・・・

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(3)試験中断を進言します!装備幹部の自覚

洋上試験期間が始まり、試験発射のタイミングを見計らっていました。
図3 波の合間を見計らって!
KAZ_86nijimuumibe_TP_V.jpg
引用URL:https://www.pakutaso.com/shared/img/thumb/KAZ_86nijimuumibe_TP_V.jpg

何とか行けそうな気配となったので、魚雷揚収可能・試験実施可能との信号を送りました。

第1回の試験発射が実施され、予定通りの魚雷航走が出来ました。

訓練魚雷の信号を追跡して、浮上した訓練魚雷の回収作業を実施いたしました。

しかし、魚雷回収中に、どんどんと波の状況が悪くなる状態1発目の魚雷回収が終了しました。

洋上での回収作業を行ったEODを見て、私は決断しました。

3.1 艦長!試験中断を進言します!

EODの疲労具合を見て、艦長に試験中断の進言をしました。

海上試験の時最終判断は艦長が行うが、試験全般については試験担当幹部の判断が優先されるという約束事になっておりました。
『少しでも試験続行に不安を感じたときは、躊躇せず試験中断を進言せよ』
艦艇開発隊装備実験部で、繰り返し教えられていた言葉です。

艦長から『了解』の合図があった後、試験統制艦に試験中断要請の連絡を入れてその日の試験は中断となりました。

3.2 (艦長)よく判断した!

試験用魚雷1発目の揚収作業を完了させ、EODの健康チェックやその他試験記録が終わりその日の作業は終了しました。

夕食の時間になり、船の士官室に行く時はかなり重い気分でした。

何しろ、試験期間を1日延期させる判断をしたのです。

艦長からのお叱りを受ける覚悟で士官室に向かいます。

これが海上試験での試験担当者の一番重い任務で、『艦側のお叱りを全て受ける』ことです。

士官室では、艦長以下幹部が揃っていました。

そこで艦長から、
『よく判断した!俺の判断で試験中断をする予定だったが、よく進言してくれた!』
と、思ってもみなかった言葉を掛けられます。

多用途支援艦の艦長は、私ペンギンが幹部候補生だった時の幹部候補生学校教官でした。

判断ができるかどうか見守っていたところで、ちゃんと幹部として判断したことを喜んでくれていました。
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(4)装備幹部としての本格的な自覚と覚悟を持つ!

第1回発射試験での、こんな一幕があり翌日の試験に繋がりました。

艦側の乗員やEODの方にも話が広がっており、翌日の試験はスムーズに終了しました。

最初の大仕事となった魚雷揚収の仕事を通して、装備幹部としての責任と自覚に目覚めたペンギンであります。

これからも、いろんな試験を頑張るぞ!
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AK-47自動小銃を入手せよ!(特別警備隊装備研究)

『自動小銃AK-47入手のためにいろんな調査研究!』
(2018年投稿記事です。)
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艦艇開発隊在籍時代に印象に残る仕事は、AK-47自動小銃入手のために動いたことです。

特別警備隊の装備品開発研究のためには、本物のAK-47が必要でした。

しかしいろんなところで困難にぶつかることになりました。

そんな、苦労話についてご紹介!
(前回記事):『過去に撮影した自衛隊イベント写真を公開!
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(1)純正AK-47の入手が一番必要だ!

特別警備隊の装備品について研究開発を進めていくと、どうしても壁にぶち当たります。
『純正のAK-47での耐弾性試験の必要性がある』

特別警備隊任務の特性上、どうしても東側の兵器に対する耐弾性の試験が必要になってきます。

ある程度の耐弾性の試験については、自衛隊で使用している装備で実施できます。

しかし、本物で実験することでしか分からない部分も出てきます。

そのため、どうしてもAK-47の入手が必要になってきました。

1.1 なぜAK-47に拘るのか?

記事を見ている人の中には、なぜAK-47にこだわるのか?という疑問を持つ方もいると思います。

図1 AK-47自動小銃
AK-47.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/97/Rifle_AK_MON.jpg

AK-47は、世界中に拡散された自動小銃として有名です。

そのため防弾装備の研究の場合、AK-47の弾丸に耐えることができるかというのが基準となってきています。

コピー品は世界中にあふれていますが、ロシア製の純正が一番威力が高いものになります。

そのため、どうしてもロシア製の純正AK-47の入手が必要になります。

併せて、7.62×39mm弾も入手する必要があります。
図2 7.62×39mm弾
7.62x39.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b0/7.62x39_-_FMJ_-_4.jpg/800px-7.62x39_-_FMJ_-_4.jpg
1.2 コピー品ではだめなのか?

各国にあるコピー品などは、たくさんありますが出所不明の物が多くあります。

さらに、威力について純正と同等のものが出る可能性は、ほとんどありません。

また入手するときに粗悪品などを納入される恐れがあるため、コピー品ではだめでした。
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(2)AK-47を求めて四苦八苦!

日本国内で、AK-47の保有を公表している公的機関はありません。

そのため非常に苦労して、交渉・調整を行うことになりました。

2.1 警察・海保からは拒否される!

最初にAK-47についての情報を求めたのは、警察と海上保安庁でした。

押収した証拠品の中にAK-47があり、一部を研究用として保有しているという情報が入ってました。

その情報を元に協力を要請してみましたが結果としては、拒否ということになりました。

さすがに警察・海保は情報秘匿が厳重であり、存在するかどうか?という情報も含めて完全協力拒否という状態でした。

2.2 合法的に保有している某所に協力を依頼して試験実施!

結果的に、研究用として合法的に保有する某所の協力を得て試験を実施しました。

試験に必要な、弾薬費用も含めて結構な額の試験役務となりました。

この時の教訓から、
『防衛省独自でAK-47など東側兵器を、研究用に独自保有すべき』
との結論に達することになりました。

2.3 陸自等の所要も含めて、まとめて輸入することに!

結果として艦発隊を離任した後に、防衛省独自でAK-47やRPG-7等の武器を輸入が行われました。

独自で試験用の武器および弾薬を保有しておくことで、いろいろな手間が省けます。

どこかの学識者がAK-47は数万円で買える!なんて言ってましたが、実際に輸入すると大変な額になります。
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(3)武器の輸入は非常にお金がかかる!

武器等の輸入には、非常に多額のお金がかかります。

個人輸入などの一般物品などとは、比べ物にならないくらいの額が必要となります。

これは武器という特性上、輸送費用や保険料などが非常に高くなるためです。

輸入品の売買価格にかかる費用の図がありましたので、ご覧ください。
図3 輸入に関する諸費用
輸入.jpg
引用URL:http://livedoor.blogimg.jp/exportnegotiator/imgs/f/3/f3396e79.jpg

商品の価格のほかに、FOB(本船渡)、CIF(運賃保険料込み)などがかかってきます。

そのほか輸送量の人件費などで武器の場合は、多額のお金がかかります。

実際にAK-47等の輸入を経験した結果、ロシア軍に納入される価格よりもかなり跳ね上がります。

正確な金額は申し上げることができませんが、89式小銃を調達する価格よりも高くなりました。
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(4)手探り状態の中で続いたSBUの研究開発

SBUに関する研究開発は、海上自衛隊の中でも手探り状態で研究が進むことになりました。

何しろ、海上自衛隊では、あまり個人装備の研究は後回しになっていました。

さらに特殊戦という、未知の分野での研究となりました。

比較的に研究開発の道筋が付いたのは、米海軍からの非公式な協力です。

NAVSEA(米海軍海洋システムコマンド )からの、特殊戦資料によって研究開発が進みました。

今後とも、特別警備隊の装備研究開発は継続して行われることでしょう。
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過去に撮影した自衛隊イベント写真を公開していくよ!

『そういえば結構昔の写真があったなあ〜』
(2018年投稿記事です。)
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ペンギンは自衛隊入隊以前にも、いろいろな所のイベント写真を撮っていました。

最近になって、過去のイベントでの写真を見つけ出しました。

当時フィルム写真で撮ったもので、画像が荒いですが貴重なものもありました。

そんな、貴重な過去イベントの写真を大公開!
(前回記事):『艦発隊の特別警備隊(SBU)に関係する研究について
(1)航空自衛隊千歳基地航空祭の写真を発見!

入隊前の学生時代に、航空自衛隊千歳基地での航空祭イベントに行ったことがありました。

3回ほど航空祭に行き、その時の写真がそれなりに残っていました。

現在では、あまり展示されていないものなど貴重な写真がありました。

1.1 ポラロイドカメラワイド機能を使った撮影写真

航空祭に行った頃は、まだ、映るんですを使った撮影をしていました。

今と違って、まだ写真撮影の技術も未熟な状態での写真です。

保存状態もあまり良くないものです。

図1 航空祭写真1(ワイド機能)
航空機.jpeg

ちょうど、US-1Aの79号機と、U-36の機体の写真がありました。

U-36は、当時海上自衛隊唯一のジェット機として展示されていました。
(現在は、P-1もジェット機として登場しています。)

千歳基地の航空祭では、エプロン周辺に期待が並んでいて非常に撮影しやすかった記憶があります。

1.2 P-3CとU-125Aも撮影したよ!
図2 P-3CとU-125Aの写真
航空機2.jpeg

この写真は、捜索救難機U-125Aが配備されて間もない時期の写真だった記憶があります。

そのため、当時としては珍しい機体でした。

P-3Cも「30号機」と、かなり古い機体が現役で動いていた頃の写真です。

今はモスボールに回ってしまったかな?当時北海道では珍しい機体でした。

1.3 珍しい機体勢ぞろい!

当時の千歳基地航空祭では、結構珍しい機体がお披露目されることが多かった時期でした。

図3 珍しい機体勢ぞろい!
航空機3.jpeg

政府専用機やら、第8飛行隊のF-4EJ改特別塗装機など変わった機体が来ていました。

ロービジ塗装前の、P-3Cなどが来ていました。

確かこの年に、北海道に初めてE-767が登場した年だったと思います。

この年は結構収穫のある都市でした。

1.4 F-15の脚格納デモと展示用F-104J
図4 F-15JとF-104J
航空機4.jpeg
別の年では、F-15Jの脚格納デモが行われていました。

珍しく、アクセスパネルを開いた状態で行われ、結構話題になった記憶があります。

また毎年千歳基地航空祭で展示される、展示用F-104Jが初めて登場した年の写真でもあります。

説明の隊員が
『今年、岐阜で保管していた機体を持ってきたばかりなんですよ〜』
と話していた記憶があります。

1.5 US-1Aを撮りまくり!

別の年では、US-1Aが非常に近くで撮れる機会に恵まれました。

図5 US-1A 88号機
航空機5.jpeg

結構珍しい機体なので、細部まで写真を撮った記憶があります。

珍しい機体と、そのフォルムに魅せられて、その後プラモデルを自分で作って見た思い出があります。

図6 プラモデルUS-1を作ってみた!
US-1.jpeg

思いっきりへたくそです!だけど奇跡的にプラモデルが入手できたため制作してしまいました。

今考えると、結構いろんな写真を撮っていたことに驚きです。
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(2)陸上自衛隊第7師団冬季射撃競技会を見学!

現在では、10式戦車や16式機動戦闘車が最新鋭としてもてはやされています。
ペンギンは当時、最新鋭の90式戦車がある第7師団の貴重な行事を見学することができました。

現在では珍しい冬季の、戦車射撃競技会を見学することができました。

図7 戦車射撃競技会1
戦車競技会1.jpeg
望遠レンズのないカメラの為、わかりにくいですが、射撃競技を実施しています。

最近では、冬に射撃競技会を行うことはないらしいですが、当時は冬に実施していました。

マスコミにも公開されていなかったため、冬季射撃競技の写真は珍しいかと思います。
図8 戦車射撃競技会2
戦車競技会2.jpeg

当時としては、かなり珍しい90式戦車回収車も写真に収めることができました。

今となっては貴重な体験です。
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(3)護衛艦体験航海の貴重なショットも!

護衛艦の体験航海も、ペンギンは入隊前に体験しております。

出てきた写真は、今では除籍になった護衛艦の体験航海でした。

ちょうど、HS(ヘリコプター)も古いタイプの機体であり、今となっては貴重なショットです。

図9 護衛艦体験航海
艦艇HS.jpeg

たしか、ゆうばり型護衛艦の体験航海だったはずです。

対艦ミサイルが後部甲板にあり、かなり近くまで行くことができました。

飛んできたHSについても、HSS-2Bが現役で飛んでいたころです。

そのためミサイル発射管とHSという、普通では撮影できない珍しいショットを撮ることができました。

この体験航海がきっかけで、海上自衛隊もいいなあ〜!と思うようになりました。

皆さんも、昔のイベントの写真を探してみると、意外と貴重な写真があるかもしれませんよ〜!
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posted by sstd7628 at 11:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 自衛隊

艦発隊での特別警備隊(SBU)に関係する研究について

『艦発隊装備実験部で特別警備隊関係の研究開発!』
(2018年投稿記事です。)
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艦艇開発隊装備実験部に配属された、ペンギンです。

艦発隊装備実験部に関わると、特別警備隊(SBU)関係に関与することになります。

以前は記事にしにくかったのは、特別警備隊の装備品全般の開発を担当していたためです。

今回は、話せるレベルで書いてみようと思います。
(前回記事):『装備課程修了!艦艇開発隊勤務を命ずる!
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(1)艦艇開発隊と特別警備隊の関係性について

艦艇開発隊と特別警備隊、一見関係が無いように思える2つの部隊ですが実は関係しています。

特別警備隊装備品全般の研究開発や、性能調査試験を艦艇開発隊が実施しています。

艦艇開発隊は研究開発専任部隊として、航空機を除く艦艇全般にかかる研究開発を行います。
(海自航空機関係の研究開発は、第51航空隊で実施)

1.1 研究開発体制の集約から艦発隊で試験実施が決定

特別警備隊の創設当初は、特殊性を考慮して研究開発も特警隊で実施することも検討されました。

しかし研究開発体制の集約から、実用試験の実績のある艦発隊で実施されることになりました。

特警隊の創設当初は、部隊規模が小さく、研究開発まで手が回らないことも考慮されています。

1.2 艦発隊装備実験部全体にて特警隊装備研究を実施

特別警備隊の装備品は、多岐にわたる装備品を研究する必要がありました。

そのため艦艇関係全てを網羅できる艦発隊装備実験部で、実施することになった経緯があります。

また艦発隊は試験関係の予算配分や関係各社との連携体制の構築という点で、利点がありました。

1.3 艦艇開発隊というゲートにより情報秘匿を実施

当初から、特別警備隊への情報秘匿に留意する必要がありました。

特に装備品等では、直接特別警備隊に納入してしまうと、情報漏洩の問題が付きまといます。

そのため艦艇開発隊での試験で、物品補給のルート作りが行われています。

海上自衛隊の物品管理では、秘匿性の高い物品の納入・部隊への輸送に関して横須賀に独自のルートがあります。

このルートを通すことにより、物品納入先から特別警備隊の情報を隠すことができる利点があります。
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(2)自動小銃をどうするべきか?長く続いた議論

特別警備隊の自動小銃については、発足当初からの議論が続いていました。
図1 89式自動小銃
640px-89R(初期生産).jpg
引用URL:wiki

当初から89式のみでは任務遂行に支障があると判断されており、特警隊側からも自動小銃の要求が続いていました。

2.1 HK416は当初から検討はされていた。

ネット上の世界では、HK416がSBUに配備された!という話題が上っております。

真偽については論評を避けますが、当初からHK416が候補に挙がっていたのは事実です。

私がいた当時にも艦発隊装備実験部検討会議資料の中に、HK416がありました。

ただ検討されていた時に、米軍内でのゴタゴタ(HK416の導入中止)などがあり、すんなり導入できるか不明だった点があります。

自動小銃の導入について、当初はFMSでの購入が検討されていました。

その中で候補のHK416が米軍装備品リストから外されることがあり、バタバタしていました。
図2 HK416
640px-HK416.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/H%26K_HK416#/media/File:HK416.jpg

2.2 7.62mmか?5.56mmか?

装備品検討の時に大きく問題になったのが、どちらの口径を使うか?という問題です。

目的任務を達成するために、必要な自動小銃の口径についての議論は紛糾しました。

これは、単に自動小銃を装備するだけでなく、その他の装備選定に影響を与えるためです。

・防弾衣はどこまでのレベルにするのか?
・隊員落水時の浮力確保への重量配分の検討が不十分
・SB(特別機動船)の馬力と隊員輸送への影響があるか?
・船内戦闘における威力、取り回しの問題をどうするのか?
・弾薬供給について、国産弾をそのまま使用できるか?輸入するのか?
・導入する狙撃銃との弾薬の共用性を持たせるべきか?

かなりの論議となりました。

2.3 装備品の秘匿という問題

論議の中で大きな条件とされていたことは、装備品情報の秘匿です。

当初からの方針として、特別警備隊の装備品情報については全て秘匿するという方針がありました。

その為、FMSでの導入についても秘匿性の問題があります。

米国側では、FMS契約情報は原則公開というルールがあります。


FMS契約では、装備品が入手しやすいものの、公開情報として判明しやすいという問題もあります。

そのため、導入方法についても慎重に検討されました。

陸自のS(特殊作戦群)は、FMSでの導入で行うとの方針が最初からありました。

海自の場合、FMSのデメリットを熟知していたため、FMS購入に慎重でした。
『存在しないことになっている装備品』
いろいろな検討を重ねた結果、装備品の情報については、『存在しないことになっている装備品』という方式で行くことになりました。

そのため今後もこれが配備されているのか?という情報照会には、『存在しない』という回答が出ることになるでしょう。
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(3)契約情報に関する話

艦艇開発隊において特別警備隊関係の調達・試験等を実施していますが、契約情報から漏れることはないのか?という疑問があるかもしれません。

実は契約情報と秘密保全の観点から、横須賀地方隊契約でカラクリが存在します。

3.1 契約と要求部隊のカラクリ

横須賀地方総監部は、契約のみを担当しています。

実際の契約要求や試験役務契約要求は、艦艇開発隊で実施しています。

艦艇開発隊は、横須賀地方隊の隷下部隊ではありません。

しかし横須賀地区での地方契約は、横須賀地方総監部経理部長のみが実施できます。

そのため契約情報で、横須賀地方総監部の契約で「警備器材等」といった不思議な契約品が登場します。

3.2 契約情報公開と秘密保全の兼ね合い

艦艇開発隊の試験役務などは、情報保全との兼ね合いが非常に難しいところでした。

契約情報については、原則全ての情報を公表となっています。

秘密保全が優先される契約であっても、契約件名などについては公表しなければなりません。

そのため横須賀地方総監部経理部契約課とは、かなり特別警備隊に関する契約で折衝を重ねました。

契約金額や個数などに関しては、非公表とすることは了解が取れました。

しかし契約件名・契約相手に関しては、かなり揉める事態となりました。

秘密保全優先か?契約規則優先か?という葛藤がありました。

最終的には、契約件名の工夫という形で決着しました。

契約件名は試験などの件名を記入するが、具体的情報は件名に入れないという方式になりました。

そのため契約情報から、試験内容・具体的な調達物品を推測できない形になりました。

契約情報で、ときたま『よくわからない件名』があるのはそのためです。

契約課職員や、原価計算課の職員でも、具体的な物品名は伏せられたままになってます。

そのため、いろいろと苦労をおかけした点があります。
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(4)話せるギリギリの所まで・・・

特別警備隊関係の情報に関しては、かなり話せる範囲が限られています。

そのため、どうしても歯に物が詰まったような言い方になります。

それでも、ちゃんとした一定の情報を話すことで、間違った情報が悪用されることのないようにしていきたいと思います。
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装備課程修了!艦艇開発隊勤務を命ずる!

『艦艇開発隊という謎だらけの実験部隊に配属!』
(2018年投稿記事です。)
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ついに幹部専門艦船装備課程を修了して、装備幹部の道を歩み始めたペンギンです。

装備幹部となって初めて配属される部隊は、艦艇開発隊!

ネット上に、内部のことが一切出てこない極秘部隊です。

このブログが初めて内部を明かすことになると思います。
(前回記事):『装備課程の企業見学や造補所実習・配属決定に向けて!
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(1)課程修了!配属が決定したよ!マークが付くよ!

幹部専門艦船装備課程の20週間に渡る教育がようやく修了いたしました。

最後の週に修了試験を迎えて、ようやく配属部隊と専門分野の決定が言い渡されます。

ついに艦艇幹部から、装備幹部に職種転換することになります。

この職種転換は、ただの職種転換というわけではありません。

1.1 海上自衛隊の職種(マーク)について

海上自衛隊には、いろんな職種(通称:マーク)があります。

艦艇幹部という職種の時は、実はまだマークがありません。

艦艇幹部の職種に進んだ者は幹部中級課程修了後に、専門の職種(マーク)が付与されます。

装備幹部の場合は、幹部専門課程を修了したときにマークが付きます。

このため、装備幹部になった時点でマーク持ちとなります。

1.2 配属と専門分野発表!

課程修了の少し前に、各員の配属部隊と専門分野が発表されます。

練習艦隊のような緊張感はなく、リラックスした形で全員分が技術科長から読み上げられます。

装備幹部となって全国に散らばりますが、同じ課程で学んだことで人脈の広がりができます。
『彼は確かここにいたよな・・・?』

などで、後々の業務に役立つため、あえて全員一緒に発表されます。

いよいよ技術科長から、私の分が読み上げられます。
『ペンギン2尉!艦艇開発隊!職種●●●!』
図1 艦艇開発隊
ssc.png
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/frdc/images/ssc.png

へ?艦艇開発隊?どこの部隊だっけ!あっ横須賀の部隊だった!

私ともう一人一期上の先輩が、艦艇開発隊に配属になりました。
『艦艇開発隊って、装備実験部に配属ですか?』
『(科長)そうだよ〜』

ちょっと想定外の部隊に配属になりました。

海幕補任班人事担当者からは、「横須賀造修補給所になると思う」といわれていたからです。

配置希望の中に、一応艦艇開発隊の希望を入れていました。

しかし、造補所配置が順当だろうと第一希望にしていませんでした。
『ひえええ!何やるんだろう〜?』

完全に造修補給所での仕事を行うつもりでしたので、全く予想外の配属です。

1.3 何をやるんですか?全くわからん!部隊で聞いてこい!

艦艇開発隊装備実験部に配属されるのですが、何をやるのかわかりません。

教官に聞いても、
『何をやるか全くわからん!2名配属要望があって、仕事内容まで通知がない』

という具合です。

担任教官が、艦艇開発隊に在籍経験があり聞いてみると、
『装備実験部は秘密が徹底されているため、赴任して初めて自分の担当業務が知らされる』

とのこと。

とにかく、修了前に艦艇開発隊に行って聞いて来るようにとの指示がありました。
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(2)艦艇開発隊の狂と猛

艦艇開発隊は平成14年(2002年)に新編された部隊です。

以前までの、プログラム業務隊(PGC)・装備実験隊(WEG)・運用開発隊などの部隊を再編して編成されました。

一部が、指揮通信開発隊に分離しています。

上級部隊に、開発隊群(FRDC)が存在します。

艦艇等の研究開発専任部隊として任務を遂行しています。

図2 開発隊群
開発隊群.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/frdc/images/gunchoshan.jpg

開発隊群のHPがあるものの、情報はほとんど表に出ない部隊です。

開発隊群の庁舎もセキュリティが非常に厳しく、所属隊員以外は受付までしか入れないほどです。

OBでプログラム業務隊や艦艇開発隊所属だった方が、何人かブログで書いている方がいます。

その方は、開発部の艦艇出身の方がほとんどです。

2.1 艦艇開発隊の組織編制

艦艇開発隊は、大きく分けて
・総務科
・企画科
・開発部
・装備実験部
の4つに分かれています。

プログラム業務隊と運用開発隊の業務が開発部に、装備実験隊の業務が装備実験部になったと考えていただけばわかりやすいと思います。


私ペンギンは、装備実験部に配属することになりました。

2.2 厳重な秘密保全が行われるので注意するように!

配属前に申し継ぎということで、艦艇開発隊に連絡を取って庁舎に入る手続きをしてもらいました。

庁舎に入って艦艇開発隊副長兼装備実験部長から配属にあたっての留意事項と、配属科の通知がありました。
『配属科について、基本的に部外者に口外しないこと』
『厳重な秘密保全が必要な部隊なので、特に留意すること』

との、指導と配属科の科長からの業務説明を受けることになりました。

このため、本ブログでも艦艇開発隊での所属科は伏せて書くことになります。
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(3)自己紹介で伏せていた艦艇開発隊について

艦艇開発隊は、制式化前の装備品等について実用試験を行ったり、艦艇システムのプログラムを開発など秘匿性の高い部隊でした。

そのため自己紹介の時に、「ある部隊」と書いておりました。

(参考記事):『なぜ私はサイトで匿名の元自衛官としているのか?再検討してみる!』

ネットで調べると、いろんなニュースが出てくるため艦艇開発隊について記述するかどうか迷っておりました。

3.1 なぜ書くことにしたのか?

なぜ今になって書くことにしたのか・という疑問が出てくるかと思います。

最初は、部隊名を伏せて書くことも考えましたが、情報としてどうしても不正確になりがちです。

さらに自分が艦艇開発隊にいたことを、嘘として書きたくなかったということもあります。
3.2 秘密保全がわかりやすくなったため

艦艇開発隊のことを書きやすくなったのは、秘密保全の区分がわかりやすくなったためです。

在籍当時は、とりあえず全部秘密!という空気が部隊内にありました。

秘密保全の境界線が、曖昧だったところがあります。

最近になって秘密保全がわかりやすくなったため、書いても大丈夫だろうと判断いたしました。

3.3 情報公開などで艦艇開発隊の情報が出始めたため

最近の情報公開で、行政文書などで艦艇開発隊の名前が出始めました。

内情などをきちんと公開することで、情報を好き勝手に変な方向に捻じ曲げられないようにしたいという思いがあります。

ただし本当に秘密としておくべき情報は、今後も書く事はありません。

世の中に知られていない、本当の艦艇開発隊に関する情報をお伝えできれば幸いと考えております。
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2020年02月20日

装備課程の企業見学や造補所実習・配属決定に向けて!

『まもなく艦艇装備幹部としての道を歩みだす!』

(2018年投稿記事です。)
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艦艇装備幹部となるためにいろいろな場所で学んできたペンギンも、そろそろ装備幹部となるための準備が始まります。

実際に装備品を製造する企業での研修や、造修補給所での実務実習が始まります。

そして装備幹部としてどの分野に進むのか、進路希望と面談が繰り返されます。
(前回記事):『北朝鮮監視のため国連軍の軍事作戦が進行中!
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(1)製造企業、造船所での企業研修!

装備幹部での教育は座学も重視されますが、企業での研修も重視されます。

『装備幹部は、実物を知らなければ何も始まらない!』
とにかく、艦艇関係の装備に関するあらゆる企業での研修が重視されます。

幹部専門艦艇装備課程のある2術校が、横須賀に設置されたのも各企業への研修に行きやすいという都合もあります。

造船所での、建造工程からの研修ではあらゆるところを見て回ります。

装備品製造企業では、組立途中の機器など普段見ることのできない部分まで細部にわたって勉強します。
図1 艦艇エンジンLM2500
LM2500.png
引用URL:http://www.fi-powerweb.com/NQT/Power/DIDUKNOW/GE-LM2500.png

1.1 安全への教育を実践で叩き込まれる!

企業研修のもう一つの目的として、安全への教育を実践で教え込むという目的があります。

装備幹部が実際の現場で実務を行うとき、安全に無関心・予兆を感じ取れないのは致命的といえます。

そんな人間を、現場に出すわけには行きません。
図2 造船所での安全確認風景
zousennsyo.jpg
引用URL:http://www.intio.or.jp/ihos0120/topics/img/28_1.jpg


企業研修の場は装備幹部として安全に活動できるか判定する場所でもあり、今後の配属を決定する重要なポイントです。

1.2 現場経験のない若手幹部に現場というものを体感させる。

企業研修を多く行うのは、現場経験のない若手幹部に経験を積ませる意味合いもあります。

公募技術幹部のように、社会経験・現場経験のある人間は現場を理解しています。

しかし大学からそのまま自衛隊に入隊した、若手幹部には経験がありません。

実務に付くまでに、少しでも経験を積んで現場の空気などを体感させる目的で行われます。
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(2)艦艇装備幹部といってもいろいろある職種

幹部専門艦艇装備課程に入校後から、数回の進路希望調査が行われます。

これは艦艇装備幹部という職種の中でも、さらに細かい専門職種に分かれるためです。

艦船装備幹部が付く専門職種は、以下のような分野があります。

・船体
・機関
・電気
・誘導武器
・水中武器
・通信電子


という、大まかに分けて6種類の専門分野に分かれてきます。

この中でもさらに細かい分野に分かれていき、多くの分野があります。


また、勤務する部隊によっても分野が分かれます。

・造修補給所という、艦艇の整備に関する部隊
・弾薬整備補給所という、弾薬・魚雷・ミサイル・機雷などを担当する部隊

といった、細かい専門分野に分かれていきます。

2.1 潜水艦・LCACは専門の科で対応する場合も!

艦艇の中でも潜水艦については、特に潜水艦科という専門部署が存在します。

横須賀と呉の潜水艦部隊が存在する造修補給所に、潜水艦科は存在します。

またLCACの整備については、呉造修補給所に専門の整備科が置かれています。
図3 LCAC
lcac.jpg
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/airc/lcac/img/lcac_06l.jpg

2.2 海幕補任班人事担当者の面接を経て専門職種を絞り込む!

幹部専門装備課程の教育期間も終盤に差し掛かると、海幕人事教育部補任課の人事担当者が来訪します。

最終的にどの専門分野でどの部隊に配属するか調整と、本人との面談が待っています。

海幕人事担当も、この時ばかりは慎重かつじっくりと面談を行います。
図4 面談
YUSEI_9V9A5412_TP_V.jpg
引用URL:https://www.pakutaso.com/20170459116post-11288.html

ここまで教育を行って、いざ部隊に赴任するとダメでした!は重大な結果になるためです。

特に装備を扱う装備幹部の場合、
・本人の希望
・本人が歩んできた経歴(大学時代の専攻分野を含めて)
・部隊からの補任要望

・秘密適正・潜水艦適正・航空適正など身体的適正
などなど、いろんな事項を考慮して検討されます。

特に装備品は秘密事項となる事が多いため、慎重に面談がされます。
また6つの専門分野の中には、高い基礎的知識を既に熟知していることが求められる場合もあります。

この面談で、自分の進む専門分野への候補が示されます。

あくまで、この専門分野への補任を検討している!という内示となります。

正式に決まるのは、卒業前の配属発表にて決まります。
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(3)横須賀造補所実習配属にて自分の専門分野がだいたい決まる。

艦船装備課程では、卒業の3週間前ほどに造補所実習があります。

横須賀造修補給所の各科に1週間ほど、現場実習として各科に配属され勤務しながら学びます。

図5 横須賀造修補給所
横須賀造修補給所.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/yrsf/image/yrsf.jpg
艦船装備課程の学生は、各科に配属され実務をこなしながら装備幹部の仕事を体験します。

どの科に配属されるかは、2術校技術教官室と横造補所の調整で決まります。

ここで「自分はこの専門分野に進むんだ・・・」と初めて知らされます。

かつての遠洋航海での職種決定と違う緊張感で配属されます。

横造補所での実習が終わると、ついに幹部専門装備課程の修了と部隊配属発表となります!
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北朝鮮監視の国連軍軍事作戦が進行中!

『国連軍の軍事作戦が日本を基地として実施されている』
(2018年投稿記事です。)
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現在日本を出撃基地として、朝鮮国連軍の軍事作戦が実施中という事実をご存知でしょうか?

北朝鮮への国連安保理による経済制裁決議の監視強化として作戦が行われています。

ニュースになっている北朝鮮による、瀬取りへの警戒監視活動が行われています。

国連軍が日本を基地に軍事作戦を行える根拠の、もう一つの地位協定についてもご紹介します。
(前回記事):『大乱闘!海自艦艇一般公開イベント開催の裏側では?!
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(1)朝鮮国連軍が日本に集結して警戒監視活動を強化!

北朝鮮への国連安保理経済制裁決議2375号(2017年9月決議)により、北朝鮮が洋上での船舶間における物資の積替え(瀬取り)を禁止する決議が出ました。

しかしその後も、北朝鮮による瀬取りが疑われる事象が次々と発見されています。

図1 北朝鮮船籍タンカーに横付けする船
瀬取り.jpg
引用URL:http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000327760.jpg

そのため、国連は警戒監視活動の強化を決定いたしました。

現在では、
・オーストラリア軍哨戒機×1
・カナダ軍哨戒機×1
・英国軍 フリゲート艦「サザーランド」
・米軍哨戒機

など、各国からの艦船・航空機派遣が行われています。

図2 英国海軍23型フリゲート艦「サザーランド」
TYPE23 サザーランド.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/DafNbe0X4AEecrQ.jpg

1.1 日米安保ではなく朝鮮国連軍として活動中!

一部報道で、日米安保と集団的自衛権の拡大を狙った活動だ!との報道があります。

しかし、一部報道機関によるミスリードを狙った報道と言わざるをえません。

英・豪・加の3国は、集団的自衛権ではなく朝鮮国連軍として活動をしています。

1.2 朝鮮国連軍が現在も存在することが知られていない。

1950年国連安保理決議第83、84号により朝鮮国連軍は創設されました。

現在でも、この決議は有効です。

英・豪・加3か国の航空機・艦船は、朝鮮国連軍として来航しているのです。

軍事作戦に伴う地位協定も結ばれており、日本が拒否することはできません。

日米地位協定のほかに、ほとんど知られていないのが朝鮮国連軍地位協定です。

1.3 朝鮮国連軍地位協定(1954年締結)

朝鮮国連軍地位協定は、1954年に締結されています。

※地位協定の内容(外務省HPより)
URL:http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/fa/page23_001541.html

国連軍地位協定の締結国は、日本を含めて12か国あります。

日本,オーストラリア,カナダ,フランス,イタリア,ニュージーランド,フィリピン,南アフリカ,タイ,トルコ,イギリス,アメリカ

国連軍地位協定を知らないと、日米地位協定と混同して間違った情報に踊らされます。

イギリス・オーストラリア・カナダが軍を派遣して、軍事作戦を実施しているのは国連決議によるものです。
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(2)朝鮮国連軍地位協定があっても瀬取りを阻止できないのはなぜか?

ここで疑問として出てくるのは、瀬取りを阻止することはできないのか?ということです。

北朝鮮の瀬取りが疑われる事案は、次々と確認されています。

図3 瀬取りと思われる映像(2018年2月16日の事案)
瀬取りと疑われる写真.jpg
引用URL:http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000335695.jpg

なぜここまで接近して、確認しているのできないのか?

理由は、国連安保理決議と国際海洋法との兼ね合いです。

2.1 国連安保理決議2375号は、阻止行動の権限を与えていない。

現在の北朝鮮の瀬取りに対する警戒監視行動を決議した、国連安保理決議2375号は阻止行動の権限を付与していません。

そのため、情報収集として図3の瀬取りと疑われる事案の報告にとどまっています。

朝鮮国連軍は、国連の指揮下にあるため、国連で認められていない行動はとれません。

そのため、阻止行動まで実施できないのが現状です。

ソマリア沖での海賊行為の阻止のために、必要なあらゆる措置を取る!決議された国連安保理決議1838号とは異なります。

2.2 国際法による軍艦の義務による臨検・拿捕の要件を満たしきれない。

国際海洋法において、軍艦が公海において、無条件に臨検・拿捕を行える対象は、
・海賊行為を行う船(海賊船)
・奴隷取引に従事する船
・無国籍船又は、国籍を示す国旗等を掲げずに航行する船


この3要件に該当する場合は、無条件に臨検・拿捕が可能となります。

しかし、北朝鮮の瀬取りの場合、
・国連安保理決議違反が強く疑われる。
・経済制裁により、制限された取引に反した密輸行為が濃厚である。

という要件があっても、現状では臨検・拿捕まで執行することが難しいのです。

理由として国際海洋法における旗国主義により、船籍国以外の国が臨検・拿捕できないという現状があります。


北朝鮮から「経済制裁下でも認められた通常の取引」と抗議されると、阻止の要件を満たさないのが現状です。

そのため、現在朝鮮国連軍の警戒監視活動では、瀬取り阻止まではできないのです。
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(3)国会にて国連軍に関する議論を!

国会において、朝鮮国連軍の警戒監視活動強化に関する議論が全く起きていないのが現状です。

日本は、国連加盟国であるはずです。

モリ・カケ・さくらだので騒いで空転する国会にてちゃんと、国連軍に関する論点・議論整理をするのが国会議員の役目だと考えます。

国連軍と日本について、しっかりとした整理をするべき時期に来ていると考えます。
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posted by sstd7628 at 17:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界情勢

2020年02月19日

大乱闘!海自艦艇一般公開イベント開催の裏側では・・・?

『ころしてでもうばいとる!』『何するショ●カー!』
(2018年投稿記事です。)
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春になり海上自衛隊の艦艇の一般公開など、イベントが始まりました!

各所で艦艇公開イベントの日程を、ご紹介するブログも多いと思います。

本ブログでは、ちょっと趣向を変えて、一般公開イベントを開催するまでの内部での苦労話をお話したいと思います。

一般公開イベントにて、開催にこぎつけた地方協力本部の方を励ましていただけたら幸いです。
(前回記事):『装備課程で敵は財務省にあり!と感じた舞鶴実習!
\こちらもご参考にPR!/
(1)艦艇一般公開イベント開催準備は2年前から始まる!

海上自衛隊の艦艇一般公開は、どれくらい前から開始していると思いますか?

3〜4か月前?半年前?1年前から?

実は艦艇一般公開をやろうとするならば、2年前から準備をしないと開催できません!

イベントを急に数か月後に企画して、部隊に依頼するとこうなります。
『この日に〇〇という艦艇を、広報展示のため一般公開したいのだけど・』
『おととい来やがれバカヤロー!予定が詰まってんだ(怒)!』

こうなります。

理由として、年度業務計画(通称:業計)というものがあります。

艦艇一般公開などの広報活動としての一般公開は、業計に基づいて行われます。

一般公開を開くには、対象年度の前々年度の12月末までに順序を経て海上幕僚長に上申と記述されています。

実際には、前々年度の8月ごろまでに、各部隊・機関から業計要望として海幕に上申する必要があります。

そのため2年前の8月ぐらいまでに、艦艇一般公開をやりたい!と要望を上げる必要があります。

非常に気の遠くなる作業ですが、お役所なので全ては計画に沿って行われます。

艦艇一般公開を主催する、自衛隊地方協力本部の苦労がしのばれます。

図1 業計の周期線表
業計運営周期線表.png
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/e_fd/2015/ey20151001_00028_000.pdf

1.1 併せて行われる予算要求!

業計要望のみでは、一般公開のイベントは開けません。

イベントを開くには、予算が必要です。

業計要望に合わせて、当該年度の前々年に予算要望を提出する必要があります。

業計要望と予算要求をしたからといって、必ず開催できるわけではありません。

各自衛隊、防衛省での内部調整・予算査閲をクリアしないと要望が通りません。

図2 第1の関門「防衛省・陸海空幕僚監部」の査定!
640px-Ministry_of_Defense2.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/防衛省市ヶ谷地区#/media/File:Ministry_of_Defense2.JPG


1.2 前年度の業計(案)に残ったよ!さらに調整だよ!

運よく、前年度に出る業計(案)の実施事項として認められましたが、ここからまた紛糾する会議と調整の連続です。

調整と会議の中で、業計(案)から脱落することもよくあります。

部隊の訓練行動や、実任務、修理などいろんな調整が行われます。

『この船を希望してるけど、こっちの船でいいかな?』
『開催時期をずらすことはできないの?』

ここでも紛糾します。

図3 紛糾する担当者とのやりとり
tsuruetoushi6_TP_V4.jpg
引用URL:https://www.pakutaso.com/20160320082post-7309.html
どうにかくりぬけて、ようやく当該年度の業計に決定することになります。

しかし業計の予定に掲載されたからといって、安心できません!
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(2)横取り!奪い取り!何でもありの調整会議

どうにか艦艇一般公開の予定が業計で決まった!これからPRポスター作製・配布だー!なんて浮かれてられないのが、一般公開イベントの怖いところです。

図4 艦艇公開PRのポスター(宮崎地本)
DblLfTjV0AAwUn5.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/pco/miyazaki/event/img/pdf/30.5.12tokiwa.pdf

広報展示を行う艦艇は、業計でこの時期にと指定をされることが多いです。

しかし本当に決定するのは、自衛艦隊が行う調整会議で正式な日時が決定します。

この、自衛艦隊で年に3回行われる四半期運用調整会議が曲者です。

2.1 自衛艦隊司令部主催の運用調整会議が戦場だ!

艦艇の行動や、広報展示の日程など最終的な調整が行われるのが、自衛艦隊司令部が開催する運用調整会議です。

ここで行われる、艦艇の動きや日程調整をクリアしないと予定通りに開催できません。

四半期ごとの行動を調整する運用調整会議は、まさに戦場となります。

図5 自衛艦隊司令部
640px-JMSDF_Self_Defense_Fleet_HQ.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/自衛艦隊#/media/File:JMSDF_Self_Defense_Fleet_HQ.JPG

『広報展示!こっちの訓練に必要だから船を回せ!』
『嫌じゃ〜!前々から要望してようやく広報できるんじゃ!』

会議は、毎回大紛糾しながら決まっていきます。

海上自衛隊の各部隊のほかに、
・陸空自衛隊
・地方協力本部
・技術研究本部・装備本部(現:防衛装備庁)
・内局

など、各種部隊等の運用幕僚・運用担当者が入り乱れるバトルになります。

私ペンギンも海上試験の関係で何度か参加しましたが、毎回大バトルです。

それぞれの担当者は、訓練等で艦艇を必ず確保するので必死です。

会議だけでは決まらないので、各者いろんな手で確保しようとします。

2.2 泣き落とし・相乗り・袖の下何でもありの艦艇確保!

会議の前までに、各員はいろんな手で艦艇確保を狙って根回しをしてきます。

当該艦艇の艦長に、十分に説明して時には泣き落としで予定に同意を得てくる例もあります。

他には、業計の予定に別の部隊の訓練が相乗りしてくることも!

また袖の下を使って艦艇確保、なんていうこともあります。

むろん金銭ではありません!それだけは誤解の無いように断言しておきます!

図6 袖の下を使ってでも!
袖の下.png
引用URL:https://www.irasutoya.com/2015/05/blog-post_51.html


燃料や弾など普段、訓練用の割当以外の物を、要求部隊持ちでやりますよ、なんていう袖の下があります。

防衛装備庁関係は、艦艇を参加させるときにこの手法をやってました。

私ペンギンも、普段あんまり撃てない弾を一杯撃てますよ〜!とやったことがあります。

そんな大バトルを繰り広げながら、艦艇一般公開イベントの開催にこぎつけます。
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(3)ようやく艦艇一般公開イベントができるよ!

これほどの大バトルを繰り広げながら、ようやく艦艇一般公開のイベントへたどり着けます。

艦艇一般公開のPRポスターに注意事項として、
『その他の都合により中止・変更になる場合がありますがご了承ください』と必ず記入されています。

この一文の裏には、壮絶なイベント開催への大バトルがあるためです。

艦艇一般公開イベントが各所で開始されました。

どうかこの記事を見た方で艦艇一般公開イベントに行き、そこで地方協力本部のブースがあったら、『皆さん苦労してイベント開催に尽力されたんですね!』と声をかけていただければ幸いです!

担当者の苦労が報われます!
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装備課程で敵は財務省にあり!と感じた舞鶴実習!

『我々の最大の敵は財務省である!』

(2018年投稿記事です。)
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いきなりぶっ飛んだ発言で申し訳ありません。

舞鶴の第4術科学校にて経理補給の教育を受けると、敵が財務省に感じてしまいます。

艦艇装備幹部に必須の、経理補給の知識を学びに、舞鶴での実習です。

濃密な4週間の時間を過ごすことになりました。
(前回記事):『中国海軍052D型駆逐艦の厨房から見える技術思想!
\こちらもご参考にPR!/
(1)海上自衛隊第4術科学校について!

海上自衛隊の術科学校は、4つの術科学校が存在します。

その中で、第4術科学校については、実は創設されたのが1975年と結構最近のことです。

図1 海上自衛隊第4術科学校
4mss.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/fourmss/7enkaku/4mss.jpg

それまでは、第1〜第3術科学校で分散して行われていた教育を集合する形で新編された比較的新しい学校です。
1・1 海上自衛隊第四術科学校の教育内容

海上自衛隊第4術科学校の任務は、
・経理
・補給
・給養(調理、栄養管理等)
・監理

など海軍では主計科と呼ばれた知識技能を習得させるための、教育訓練と研究を行っています。

旧海軍でいうと、海軍経理学校のような役割をもっています。

1・2 主計に関する海上保安庁との面白バトル!

海上自衛隊では海軍時代に使用していた、経理補給給養をまとめた主計という言葉を使用しなくなりました。

しかし、海上保安庁は現在でも主計という言葉を使用しています。

海上保安庁の主計コース教育が、舞鶴の海上保安学校で行っています。

図2 海上保安庁舞鶴『海上保安学校』主計コースの風景
syukei_1.jpg
引用URL:http://www.kaiho.mlit.go.jp/school/elements/main_edu/p_curriculum/syukei_1.jpg

そのため海上保安庁こそ海軍の正当な後継者じゃ〜!と言いながら、料理バトルが勃発することも?!

1.3 幹部学生で舞鶴に行くとちょっとラッキーなことも!

第4術科学校は、他の学校とは違い、幹部自衛官の数が少ない所があります。

そのため幹部学生は、他の課程の曹士学生の教育実習での助手として駆り出されることもあります。

舞鶴での幹部学生一番のメリットは、給養課程での来客役に駆り出されます。

調理実習の成果とテーブルマナー・配膳などの教育で、実際に調理した料理を喫食できるメリットがあります。

図3 テーブルマナー・配膳実習
manar01.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/fourmss/8index3/ninmu/kyuuyou/manar01.jpg

意外と役得なメリットになります。

通常は学生同士で行いますが、外部からの士官の来客という設定で幹部学生が動員されます。

私たちのように舞鶴に実習に来た別課程の幹部学生は、絶好の機会として使われます。

舞鶴に幹部学生としていくと、そんなメリットがありますよ。
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(2)経理・補給業務を習得するほどキツイ!

装備幹部が、経理補給をどうして習うのか?なんて思う方もいるかもしれません。

しかし装備幹部にとって、経理・補給は業務に密接に関係します。

装備の整備・修理・調達などを行うときは、必ず契約・経理・補給が関わります。

物品を請求すると補給、整備・修理の時は工事や売買の価格の計算などで契約・経理の知識が必要になってきます。
『なぜ、この装備がこの価格になるのか?』

このような説明をしっかりできないと、装備幹部とは言えません。

舞鶴での経理補給業務実習は、装備幹部としての必須事項なのです。

2.1 金が無ぇ!と叫びたくなる実情

近年、防衛費が5兆円台に到達しており、防衛省は金が余ってんだろう?なんて声も聞こえそうです。

しかし、現場での実態は金が無い!という状態がほとんどです。

図4 歳出化経費と後年度負担の関係
歳出化経費.png
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2010/2010/image/m2205040.png

実態として国債の存在があります。

※国庫債務負担行為(通称:国債)
通常、予算は「単年度主義」という原則があります。契約した年に、支払いを終了させます。
しかし、事業や物品の調達において年月を要する場合、契約の翌年以降に支払いを行える制度


国債があるため、実際に単年度で自由にできるお金があまりありません。


さらに継続費と呼ばれる、現時点では防衛省のみが使う制度も予算を圧迫します。

2.2 補給は闘いだ!

物品の補給業務は、簡単に見えて複雑怪奇な物です。

防衛省では物品補給に関する規則があり、簡単に動かせるものではありません。

図5 すべては補給で物が動く!
buppin.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/oominato/img_flash/03.jpg
・『この物品の移動は、〇〇の許可が必要』
・『これは、うちの権限で渡してよい』

とにかく補給は、闘いの日々といえます!

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(3)舞鶴でも装備に関する研修は続く・・・

舞鶴の第4術科学校には経理補給の実習で出張しましたが、装備関係の研修もあります。

舞鶴地区はちょうど横須賀と同じように、いろんな部隊等が近い場所にあります。

その中で舞鶴弾薬整備補給所の研修も、忙しい日程の合間を縫って行われました。

図6 舞鶴弾薬整備補給所
MAMF.jpg
引用URL:https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/spot/000/000/686/504/686504/686504.jpg?ct=7ed65c470de1


横須賀にも弾薬整備補給所はありますが、ちょっとここは特殊な場所なのです。
(SM-3ミサイル整備ラインやら機雷関連とか・・・)

詳細を書くことはできませんが、装備幹部として必ず研修を受けるべき場所となっています。
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(4)ようやく横須賀へ帰投できるぞ〜!

江田島・舞鶴と長期の実習を行ってきましたが、ようやく横須賀の2術校に帰れる日が来ました!

実習のため長期出張という、当時の専門幹部装備課程はかなり有益な時間でした。

最近では、課程期間が8週間に短縮されて、私たちのようなじっくり教育を受けることがなくなったそうですが、舞鶴の実習だけは続けてほしいものです。

まあ、江田島・舞鶴共に、外に遊びに行く時間がほとんどありませんでしたが・・・

ようやく、横須賀に戻れるぞ〜!
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中国海軍052D型駆逐艦の厨房から見える技術思想!

『思わぬところから見える技術・建造思想!』
(2018年投稿記事です。)
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ひょんなことから、中国海軍052D型駆逐艦の厨房とする写真が出てきました。

調理用の厨房と聞くと、特に何も出てこなさそうな気がする方もいるかと思います。

しかしTECHINT(テキント)という、技術情報収集法には絶好の部分です。

今回公開された写真から見えてきた中国海軍の建造技術について研究!
(前回記事):『海自艦艇装備幹部となるため横須賀の専門課程へ!
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(1)中国海軍052D型駆逐艦の厨房とされる写真が公開

中国のメディアに対して、中国海軍の新鋭052D型駆逐艦の厨房が公開されています。

図1 中国海軍052D型駆逐艦
052D.jpg
引用URL:http://japanese.china.org.cn/

その中で、3枚ほど厨房内とする写真が登場しています。
図2 厨房内で調理中
6a11841c.jpg
引用URL:http://japanese.china.org.cn/

一見すると何も目新しものがない単なる、艦内厨房写真のように思えます。

しかし、よく見るといくつもの技術的な部分での発見があります。

さらに過去に公表された中国海軍軍艦の写真と見比べて、建造技術や思想の変遷が推定できるのです。

これはTECHINT(テキント)と呼ばれる、公開写真から相手の技術レベルを推定する方法です。

ここで、いくつかの推定される事項が出てきます。

1.1 揚げ物フライヤーはアルミ鍋のガスコンロと推定

写真の中に、大型の中華鍋を利用した揚げ物フライヤーの写真がありました。

図3 揚げ物フライヤーでの調理
6a11841c.jpg
引用URL:http://japanese.china.org.cn/
鍋の材質から見て、アルミ製の鍋と思われます。

また全体的な油の状態から、高温が出せるガスコンロが使用されていると推定されます。

ここで『中国海軍は、ガスコンロで油を使って調理している(笑)』と、決めつけるは早計です。

フライヤーの周囲には、船体の動揺時に油が流れたときのためのスリットが見受けられます。

ある程度の船体動揺を考慮した設計が見て取れま、軍用の特注品の厨房機器でしょう。

また、鍋の上部に十分な空調空間が確保されています。
(ココ大事!)
炎が上がっても、ある程度耐えられるように設計されていることがうかがえます。

十分な空間設計と、ガスコンロを使用可能とした防炎対策がされていると推定されます。

1.2 厨房空間としては手狭過ぎる

公開された写真から、厨房の通路空間がやや手狭と感じ取りました。

図4 ケーキを作る調理員
be3e5f1f.jpg
引用URL:http://japanese.china.org.cn/

052D型駆逐艦の乗員は、推定280〜290名といわれています。

それほどの規模の駆逐艦なのに、今回公表された厨房写真では手狭過ぎることが見受けられます。

ケーキを作っているところから、士官室・司令部専用の厨房という推定もできます。

しかし、それにしては狭すぎる上に、調理器具が少なすぎます。

1.3 厨房の位置を示す大事な写真がある!

公開された写真の中に、注目すべき写真があります。

図5 4名で調理中の写真
e919d436.jpg
引用URL:http://japanese.china.org.cn/

一見何でもない写真ですが、厨房の位置を推定できる重要なものが映っています。

外につながるハッチと、船腹の縁および海・ハッチの穴と外壁が映っています。

これは、厨房の位置を推定するのに重要な情報です。
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(2)写真にあった052D駆逐艦の厨房位置を推定!

ここまでに出てきた情報から、052D型駆逐艦の厨房とされる位置が推定できます。

052D駆逐艦の厨房位置は、ここではないかと筆者は推測します。

図6 052D駆逐艦厨房の位置(赤丸の部分)
Inked052Dsuitei_LI.jpg

また過去に出てきた052B型駆逐艦の厨房写真と合わせて、推論が出てきます。

図7 052B駆逐艦の厨房
052B厨房.jpg
引用URL:https://i2.kknews.cc/SIG=1nbpvf0/9339/1879772087.jpg
2.1 厨房写真から推定できる、052D駆逐艦の技術情報について!
技術的結論から言うと、
・052D駆逐艦の厨房とされる写真は、乗員全員の食事を賄う区画ではない。
・揚げ物など、強い火力を使う料理をする区画を分離した。
・士官室専用ではなく、厨房区画をいくつかに分離
・艦橋構造物など、戦闘区画から厨房区画を分離して、被害極限設計を行っている。
・乗員全体用の厨房が、別にある可能性が高い。

思っている以上に、中国海軍の設計思想が変化しているようです。

艦隊防空を担う052D駆逐艦として、残存性を考慮してる技術設計思想がうかがえます。
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(3)思わぬ写真から、技術的情報が入手できる。

今回中国海軍052D駆逐艦の厨房写真から、厨房の位置など技術的情報が出てきました。

厨房機器ということで、秘密保全のレベルが低く考えていたのだと思います。

厨房機器など需品関係は軽視されがちですが、実は結構重要なものです。

厨房機器をどのように扱っているか?どこにあるか?どんな方法で加熱などをしているか?

この情報を突き詰めると、艦艇の火気使用の思想・防火対策・被害極限設計思想までわかります。

TECHINT(テキント)は、このような何気ない情報から技術的情報を引き出します。

このような情報収集というのも面白いですよ〜!
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posted by sstd7628 at 14:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事技術
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