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2020年02月27日

海上自衛隊の燃料なめてんじゃねーよ(激怒)!!

『絶望した!燃料に対する不人気に絶望した!!』
(2018年投稿記事です。)
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ペンギンは激怒した!燃料に対する、あまりの不人気と存在感のなさに!

燃料なんて燃えりゃいいんだよ、と抜かす不逞の輩に鉄槌を下すべきと!

LM2500ガスタービンエンジンは、燃料を何でも入れてもいいわけじゃない。

防衛の世界で必要不可欠なのに、不人気の燃料に愛の手を!
(前回記事):『幕僚編F反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!
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(1)燃料を甘く見る奴は燃料に泣く!!

最近の情勢を見るに、燃料というものが甘く見られているのではないかと感じています。

『燃料なんて、燃えりゃ何でもいいじゃん!』
そんな言葉が、部内でさえありました。

しかし『燃料をなめんじゃねえ(激怒)!!!』

燃料といってもいろいろあるんじゃ〜!

ガソリンと軽油の違いだけでも、はっきり使い分けろ!

こんなにペンギンが荒ぶるのには、過去の苦い経験があります。

1.1 LM2500故障しました〜!

かつて艦船補給処で勤務していた時に、護衛艦主機が1基起動不能!の情報が入りました。

当直士官の時に情報が入り、各所への連絡・修理手配など大忙しでした。

図1 故障したLM2500
LM2500.jpg
引用URL:https://scontent-sjc3-1.cdninstagram.com/vp/0781ae6f6d5fa232235b0b59e273569c/5C29BEAC/t51.2885-15/e15/s320x320/40649353_479035932611041_187947379742957354_n.jpg

とりあえず、ひと段落したところで故障原因を聞いて激怒しました。

『軽油2号(艦艇用)の代わりに、JP-5で作動させたら故障した』

うがああ(激怒)!!燃料なめんじゃねえ〜!!

当時、海外で給油した艦艇用燃料に規定値以上の水分が入っていたそうです。

そのため、とりあえずの起動でJP-5(航空用燃料)を使ったとのこと。

一応、LM2500はJP-5でも動くけどさあ〜。

いきなりほかの燃料で作動させると故障の原因になるんじゃ〜(怒)!

1.2 SF後方幕僚部でも!

SF後方幕僚部での演習の記事を連載していますが、ここでも燃料に関するひと悶着が!

(陸の人)
『あ〜S-4、車両用燃料がちょっと不足してるんだ』
『海自の軽油2号を車両に入れても、普通に動くよね?』

(ペンギン)
『(故障するわボケえ!!)万全の作動は保証できませんよ?』

陸自で使用している軽油と、海自艦艇用の軽油2号(艦船用)は少し違います。

一応動くことは動きますが、故障の可能性が高くなります。

図2 ガスタービンエンジンに別の燃料を入れたときのノズル汚れ
F-76.jpg
引用URL:http://gasturbinespower.asmedigitalcollection.asme.org/data/journals/jetpez/926523/gtp_134_12_121501_f005.png

意外と、別燃料を入れたときに故障が起きやすいのは知られていません。
『たかが燃料ごときで〜』
この油断により、大事な装備品が動かなくなります。
\燃料の管理はしっかりと!/

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(2)艦艇に余計なガソリンを持ち込むな〜(怒)!

燃料関係では、陸海空の統合運用を機にいろいろな不都合が出てきました。

各部隊で融通しあえる部分が少ないのが現状です。

米軍みたいに、将来的には燃料を統一して使用するというのも考慮すべきです。

2.1 西方普通科連隊上陸訓練で一苦労!

現在では水陸機動団となった西方普通科連隊(Wair)の運用についても、苦労しました。

図3 上陸する偵察部隊とボート
CRCC.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/gsdf/gcc/ardb/toppage/hp31.jpg

当時Wairは、偵察用ボートの配備を進めていました。

しかし、イザ海自と合同訓練を始めると、混乱が生じました。
『余計なガソリン持ち込むんじゃねえ〜!』

偵察用ボート(CRCC)は、船外機(げん外機)がガソリンで動きます。
(高速を出せる船外機となると、ガソリンエンジンしかないのです。)

しかし、海上自衛隊の艦艇では『ガソリンは可能な限り持たない主義』です。
(内火艇エンジン用の備蓄タンクしかありません)

『どこにガソリンを置くんじゃ〜(怒)!』

とりあえずは、仮設のタンクを置いて演習が行われました。

2.2 ガソリンタンク増設には防衛大臣の承認が!

その後、輸送艦や護衛艦等にガソリンタンクを増設する検討が実施されました。

しかし、設計規則やら装備品承認関係の諸問題が続発しました。

最終的に大改造となるため、防衛大臣の承認が必要であることが判明します。

輸送艦などの建造当時には、ここまでガソリン燃料需要の増加があるとは考えていませんでした。

その後、艦船設計規則の見直しなどが進んでいます。

けど、船にはガソリンを極力置きたくないんじゃ〜!
(火災の危険が、軽油より大きいため)
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(3)燃料は防衛力の根源だよ!

燃料関係は、見た目の地味さから軽く考えられがちです。

しかし燃料がなければ、戦車も護衛艦も戦闘機も動きません!

図4 燃料の検査(米海軍)
fuel inspection.JPG
引用URL:https://media.defense.gov/2016/Aug/18/2001609115/600/400/0/160804-D-ZZ999-023.JPG

皆さん!もっと燃料に興味を持ってくれ〜!
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posted by sstd7628 at 14:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事技術

幕僚編F反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!

『反撃の狼煙は、同時弾着対艦攻撃だ!』
(2018年投稿記事です。)
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味方部隊の集結と、反撃の準備を着々と整えるJTF!

敵水上部隊は、ついに味方の作戦に誘引され2つの部隊に分離します。

反撃開始の狼煙は、海空部隊による総攻撃!しかし落とし穴が!

ついに反撃を開始した、JTF演習部隊の様子をご紹介!
(前回記事):ソ連感の無い軍艦なんてただのロシア軍艦だ!
(前記事):幕僚編E自爆ボート・LSF!JTFを阻む敵の罠!
(次記事):幕僚編GSBU投入!商船に偽装したAGIを拿捕せよ!!
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(1)敵水上部隊に対し、海空同時TOT攻撃を開始!

前回までの我の行動により、敵水上部隊がついに2部隊に分離してきました。

敵CV(空母)を主力とする部隊(TGα)は、TG21.2とCTF76の沖縄救出部隊を攻撃する意図のようです。

また、もう一つの敵TG1個部隊(TGβ)は、TG21.4が護衛する奪還部隊を攻撃する意図であると判断されました。

この状況に対し、ついに反撃作戦の第1段作戦を実施することになりました。

1.1 敵2個水上部隊に同時弾着対艦攻撃!

当面の脅威目標である、敵CVを主力とした部隊(TGα)に対し、

・沖縄から:F-15、P-3Cによる対艦攻撃部隊
・九州から:F-15、F-2、P-3Cによる対艦攻撃部隊
・展開が完了した、TF25(潜水艦部隊)2隻による水上攻撃

での同時弾着(TOT)攻撃を計画しました。

敵CV搭載戦闘機部隊による航空脅威を警戒して、F-15戦闘機を護衛に付けます。

航空部隊による、対艦攻撃に合わせて潜水艦による魚雷攻撃で壊滅を狙います。

また奪還部隊を狙った、水上部隊(TGβ)に対しては、

・TG21.1による対水上攻撃(対艦ミサイルSSM)
・本州から:F-15、F-2、P-3Cによる対艦攻撃部隊

での同時弾着攻撃(TOT)を計画しました。

第1段作戦では、可能な限りの水上艦の壊滅を狙います。

併せて、奪還部隊を狙う敵SSの撃破を意図しています。

1.2 総数70発以上の飽和攻撃!

第1段作戦では、空対艦・艦対艦ミサイルが70発以上の飽和攻撃となります。

敵水上部隊(総数19隻)に対し、これだけの数を発射するのか疑問に思うかもしれません。

実は対艦ミサイル1発そのものの破壊力は、あまり大きくありません。

さらに戦闘不能:大破以上に追い込むまで、複数発の着弾が必要です。

敵水上艦の迎撃能力を飽和させて、着弾させるために多数の発射が必要です。

特に侮れないのが、イージス級の防空能力を持つ艦の存在です。

図1 (仮想)敵水上イージス級防空艦DDG(052C型)
640px-CNS_Haikou_(DDG-171)_in_Rim_of_the_Pacific_(RIMPAC)_Exercise_2014.jpg
引用URL:wiki


敵水上部隊には、イージス級防空艦が存在します。

バカにできない防空能力を持っているため、優先して攻撃対象とします。

まずは、即応能力が高い空対艦ミサイルによる攻撃が主力です!

1.3 第2段作戦に向けての準備も怠らず!

併せて第2段作戦に向けての準備も同時並行で進めます。

・日本海に展開していたTG21.3を硫黄島周辺に移動
・硫黄島への作戦資材の集積
・TG21.4と奪還部隊を硫黄島に回航
・CTF70が小笠原列島西側に進出できるよう、敵SSNの探知・撃破


第1段作戦と並行して、第2段・第3段作戦の準備で大忙しです。

さあ、まもなく第1段作戦の攻撃時間です!
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(2)壮絶!太平洋での大海空戦勃発!!

同時攻撃前にTG21.1が、敵SS×1の撃沈に成功しました。

少なくとも、敵SSの脅威に怯えることは無くなりました。
(そう思っていたのですが・・・)

ついに第1段作戦の攻撃が開始されます。

2.1 敵TGαへの攻撃成功!しかし損害多数!

沖縄方面の、敵TGαへの攻撃はおおむね成功!

しかしCVを主力とした部隊への攻撃の為、味方にも多数の損害が発生しました。

戦果として、
・敵TGα:9隻中5隻の撃破・撃沈に成功(4隻残存)
・CV艦載機多数を撃墜・CVへの攻撃失敗
・イージス級DDG2隻中1隻の撃沈に成功(潜水艦)
・P-3C複数が、敵SAMにより被撃墜
・味方SSについて、1隻が攻撃成功後敵艦に探知され被撃沈


敵水上部隊(TGα)は、強力な防空能力により多くのミサイルが撃破されました。

何とか5隻を撃沈・撃破まで追い込みましたが、味方に損害多数の状況です。

しかし、TG21.2及びCTF76攻撃の意図を挫き、撤退に追いやることに成功です。

2.2 敵TGβへの攻撃は、相討ちか?!

同時に行われた、敵水上部隊(TGβ)の攻撃は、ほぼ相討ちの状況です。

戦果として、
・敵TGβ8隻中5隻の撃破・撃沈に成功(3隻残存)
・P-3C哨戒機1機の被撃墜
・敵TGβからの対艦ミサイル攻撃により、TG21.1に多数の被撃沈発生
・TG21.1 7隻中4隻被撃沈(3隻残存)
(被撃沈:DDH×1、DDG(はたかぜ型)×1、DD(むらさめ型)×2)

敵水上部隊(TGβ)の対艦ミサイル攻撃がTG21.1に集中した結果、被撃沈艦が多数となる損害です。

2.3 恐るべしSS-N-22(サンバーン)の威力!!

TG21.1の被害は、SS-N-22(3M80)(通称:サンバーン)によるものです。

図2 SS-N-22の水上艦発射シーン
SS-N-22.jpg
引用URL:https://image02.seesaawiki.jp/n/2/namacha2/c717c5fd6a07f335.jpg


亜音速の対艦ミサイルに混合して発射された、超音速対艦ミサイルSS-N-22は大変な脅威です。

各艦とも異なる2種類の対艦ミサイル迎撃に苦戦を強いられました。

結果、TG21.1は4隻被撃沈の損害です。

特にDDH×1とTG21.1の半数が失われたのは、緒戦から厳しい状況となりました。

第1段作戦の海空同時対艦攻撃は、なかなか厳しい結果となりました。

しかし、第1段作戦終了に気が緩んだところに追い討ちが待っていました。
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(3)イージス艦撃沈!!敵SSNの時間差攻撃!

JTFを指揮するSF司令部では、攻撃後の戦果確認に追われていました。

後方幕僚部でも、撃墜機乗員救助・撃破撃沈艦乗員救助など多忙を極めていました。

この時のSF司令部は、ひと時の気の緩みが発生していました。

そこに、突然TG21.1の残存部隊からの緊急無線が入りました。

(TG21.1)
『イージス艦被弾!敵潜水艦からの魚雷攻撃!!』
『魚雷2発被弾!船体急速に傾く!総員退艦命令発令!』
『敵潜水艦1隻を探知、敵SSNの模様!』

完全にSF司令部が凍り付いた瞬間でした。

まさか、CTF70を追尾していると考えていた敵SSN(米原潜が模擬)がいるなんて・・・

その後必死の対潜捜索が行われましたが、敵SSNを取り逃がしました。

残存部隊が3隻で、DDが2隻(HS×2)の状況では、再探知および攻撃が難しい状況でした。

3.1 恐るべきSSNの水中速度30ノット以上!

結果として、SF司令部の読み違いが原因でした。
『SSNは、CTF70の妨害に専念するだろう』

敵の行動を読み切れなかったのが原因です。

図3 原子力潜水艦SSN(ロサンゼルス級)
USS_Asheville_(SSN-758)2.jpg
引用URL:wiki

S
SNの水中速力は、30ノット以上あります。

この速力で、一気にTG21.1に近接して攻撃に参加したものと考えられました。

その後の演習事後研究会にて、CTF70からのSSN失探情報が伝わらなかった不運が重なりました。

3.2 TG21.1壊滅状態!兵力再編を急げ!

いずれにしても、第1段作戦の戦果で敵水上部隊の半数を撃破しました。

しかし、味方部隊の損害もかなりの状況です。

図4 ここまでの戦闘状況(概略図)
位置状況3.png

特にTG21.1が壊滅状態になったことが痛手です。

反撃作戦の第2段・第3段作戦への修正が必要になりました。

とにかく、硫黄島への集結が最優先!

まだまだ、奪還までの道のりは遠いですよ〜!
(次記事):幕僚編GSBU投入!商船に偽装したAGIを拿捕せよ!!
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ソ連感の無い軍艦なんてただのロシア軍艦だ!

『ロシア海軍よ、お前もステルスの流行に乗るのか!』
(2018年投稿記事です。)
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近年、ロシア海軍の軍艦を見ていると非常に残念な傾向があります。

それは流行のステルス船型の波に、ロシア軍艦が呑まれていることです!

ソ連感たるゴテゴテの軍艦づくりは、もはや時代遅れなのか?

今回は、ロシア軍艦のステルス船型化についてご紹介!
(前回記事):『幕僚編E自爆ボート・LSF!JTFを阻む敵の罠!
\こちらもご参考にPR!/
(1)ロシア太平洋艦隊に配属される新型艦!

ロシア太平洋艦隊に、久しぶりに新型艦が配属されるニュースが流れました。

さてどんなのかな?と思って見てみると!

図1 カラクルート級コルベット(プロジェクト22800)
DqnP-zKWwAAG_jA.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/DqnP-zKWwAAG_jA.jpg

こんなのロシア軍艦じゃないやい(号泣)!!

ソ連感というものが失われた!ロシアよ、お主もステルス船型に走るのか〜!

1.1 他の軍艦もステルス船型に・・・

それだけではありません!

ソヴレメンヌイ級の後継艦でさえも、ステルス船型に走っています!

図2 アドミラル・ゴルシコフ級フリゲート(22350型)
1024px-Admiral_Gorshkov_frigate_03.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5a/Admiral_Gorshkov_frigate_03.jpg/1024px-Admiral_Gorshkov_frigate_03.jpg

ロシア海軍からは、「(´・ω・`)知らんがな」といわれそうです。

1.2 ロマンがあったソ連艦の曲線美!

かつてのソ連海軍の軍艦には、西側海軍にはなかったロマンがありました。

図3 キーロフ級巡洋艦とスラヴァ級巡洋艦
640px-Nuclear_cruiser_Kirov.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/キーロフ級ミサイル巡洋艦#/media/File:Nuclear_cruiser_Kirov.jpg

かつて存在した、ソ連感のロマンはどこに行ったんだ〜!

1.3 みんなフェーズドアレーレーダーが悪いんや・・・

最近流行のステルス船型は、フェーズドアレーレーダーの登場によるところが大きいでしょう。

大型のアンテナを展開する必要が無くなり、艦橋の側面に設置すれば良いのです。

ロシアでも研究が進んでおり、地対空ミサイル用のレーダーを転用する例が多いようです。

図4 S-500用レーダーと思われるもの
DdU8WzwW4AMxeQK.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/DdU8WzwW4AMxeQK.jpg

もはや、かつての軍艦のロマンが失われようとしています。
\ロシア軍艦のロマン!/

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(2)最初にステルス理論を発表したのはソ連なんだよね・・・

ウダウダとステルス化について、愚痴を垂れてみましたが、最初にレーダーの反射面積に関する論文を発表したのはソ連です。

2.1 回折理論による鋭角面の電波解析(1962年)が最初!

1962年に、ソ連モスクワ工科大学ピヨートル・ユフィムツェフが発表した論文がステルスの基礎理論となりました。

当時ソ連では、あまり注目されなかった論文です。

しかし英訳した論文を米国が入手して、航空機に応用したのがステルスの始まりです。

RCS(レーダー反射面積)という言葉も、最初はソ連の論文からでした。

2.2 航空機から艦艇への応用

航空機の分野で大きく発展したステルス化は、やがて艦艇の分野にも広がります。

艦艇にて初めて、ステルスの思想を取り入れたのがキーロフ級巡洋艦です。

西側ではラファイエット級(フランス)フリゲート艦が、設計段階からステルス化を考慮した建造となりました。

図5 ラファイエット級フリゲート
FS_Surcouf.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/ラファイエット級フリゲート#/media/File:FS_Surcouf.jpg

意外と艦艇へのステルス化は、遅い部類なんです。

現在ではステルスを考慮していない艦艇設計は、ほとんどありません。
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(3)これからのロシア軍艦に注目!

ロシア軍艦も、ステルス化のブームに乗っている状況です。

しかし、ロシア軍艦のことですからきっと驚かせてくれるに違いない!

既に、新型駆逐艦のコンセプトモデルでは、仰天の変態設計になっています。

図6 ロシア新型駆逐艦(プロジェクト23560)
640px-Mock_Leader_class_destroyer_on_≪Army_2015≫_3.jpg
引用URL:wiki

戦艦「扶桑」「山城」もびっくりの多重艦橋ですよ!

ここからどうなるのか、実際の駆逐艦が出て来るのが楽しみです!

それでは、Ураааааааа!!
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posted by sstd7628 at 13:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事技術

2020年02月26日

幕僚編E自爆ボート・LSF!JTFを阻む敵の罠!

『敵さん、LSFにて奪還部隊を阻止するようだな・・・』
(2018年投稿記事です。)
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奪還作戦に向けて、ついに動き出したJTFと米軍部隊!

しかし敵も作戦阻止に向けて、正規・非正規戦を織り交ぜて攻撃を開始。

国際法と国内法の枷に縛られた、JTFを襲う数々の攻撃!

小説より混沌とした、現代の複合海空戦の様子をご紹介!
(前記事):幕僚編D反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!
(次記事):幕僚編F反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!
\こちらもご参考にPR!/
(1)高速自爆ボート出現!JTFは攻撃できるか?!

反撃作戦が開始され、各部隊が行動を開始いたしました。

しかし行動を開始すると、通信量の増加・基地活動の激化により情報を察知されやすくなります。

今回は呉から奪還部隊が出撃する、という情報をわざと流出させます。

流出情報を逆用して、敵X国潜水艦を誘因・撃破する戦法に出ました。

1.1 不審高速艇出没!まさか高速自爆ボートか?

JTF奪還部隊が呉から出撃の情報を受けて、やはり潜伏していた敵X国SSが動き出しました。

しかし、JTF側の目的は敵SSを誘引することです。

探知された敵SSは、TG21.4とTF24(航空隊)のHS、P-3Cにより捕捉・攻撃により見事撃沈!
『敵SS1隻撃沈確認!!』

すんなり、呉から出撃する際に邪魔になっていた敵SS1隻の排除に成功いたしました。

これで奪還部隊を、小笠原列島に進出できます!

ところが、すんなりいかないのが現実の作戦です。

(S-2)
『海保より連絡!不審高速艇が海上規制を無視して出航!』
『海自の奪還部隊に向けて高速航行中!!』


JTFと協同関係にある海上保安庁が、海上の警戒や商船・漁船の出港規制を実施しています。

海保からの情報に騒然とするSF司令部!!

(SF幕僚長)
『まさか高速自爆ボートじゃないだろうな・・・』
図1 高速自爆ボート
kousoku.jpeg
引用URL:https://cdn-images-1.medium.com/max/2000/1*2VVjW-p-kSIMIkj-pYwr6Q.jpeg
※高速自爆ボート
イラン革命防衛隊がホルムズ海峡にて、A2/AD戦術の一つとして使用。
2000年にイエメンで発生した、米駆逐艦「コール」爆破事件が一例。
現代軍艦の弱点となる、超小型目標に対する防御を突いた戦法

1.2 高速自爆ボートを撃破!

(S-2)
『海保より至急電!不審高速艇より海保巡視艇攻撃を受けた!』
『海保は追跡を中止、高速艇はX国旗を掲げている!!』


追跡していた海保が攻撃を受ける事態となりました。

ただし海保は、X国旗掲揚という貴重な情報を伝達してきました。

不審高速艇がX国旗を掲げたということは、高速自爆ボートと判断できます。

SF司令官より命令が発せられます。
『TG21.4は、高速自爆ボートを撃破せよ!』

高速自爆ボートは、目標として小さいため対艦ミサイルが使えません。

よって主砲・CIWS・自衛用火器にて、対処となります。

何とか出現した6隻の撃破に成功しました。

敵味方不明・本土から出たゲリコマの場合、すぐに攻撃できません。

当時のROE(部隊行動基準)では、SF司令官の判断を仰ぐ必要がありました。
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(2)悲痛!LSF(Low Slow Flyer)対処遅れにより損害発生!

敵X国の攻撃は、さらに不正規戦を利用した厳しいものになってきます。

次に始まったのは、LSF(低空低速飛行体)による攻撃です。

(空自連絡幕僚)
『空自JADGEより連絡!日本本土より、識別不明の航空機離陸!』
『当該航空機低速にてTG21.1作戦海域に近づく!緊急発進にて対応中!』


正体不明機が、横須賀を出港して対潜行動中のTG21.1に近接するとの連絡が来ました。

(S-3)
『来たぞ!LSFの可能性がある!敵味方識別を急げ!』
※LSF:Low Slow Flyer(低空低速飛行体)
911事件以降、新たな脅威として認識された目標
小型軽飛行機・ヘリコプター等で軍事目標へ、緊急事態を装い着陸・自爆攻撃等の攻撃
民間識別IFFのまま飛行するため、判断が非常に困難
米海軍では、150ノット以下の飛行速度機をLSFの基準として対処

LSF対処の動画(蘭海軍)


図2 LSFの対象となりやすい機体(An-2)
An-2.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f0/Antonov_An-2R_on_ski_Ryabtsev.jpg

LSFは、艦隊に接近して重要目標(HVU)を攻撃する可能性があります。

しかし本当に民間機である可能性もあり、非常に判断が難しい状況です。

2.1 こちら報道ヘリ、緊急事態により着艦許可を求める!

LSFの可能性がある機体は、ヘリコプターと判明しました。

対処は、ROEに従い当該空域から離脱するよう警告を行います。

(TG21.1)
『飛行中のヘリに警告する!現在作戦行動中につき撃墜される危険がある!』
『直ちに管制官の指示に従い、この空域から離脱せよ!』

(民間ヘリ?)
『こちらは報道ヘリである。現在空撮取材中である。自衛隊の管制に従う義務はない!』
(統裁部が模擬HSの無線交信を演習部と実施)

だあああ!管制に従えよ〜!

さらにエスカレートしてこんなことまで言い始めました!
(民間ヘリ?)
『こちら報道ヘリ、機体に不具合発生。自衛艦への予防着陸を求める!』
『緊急事態宣言!直ちに近くの護衛艦への着艦を要請する!』

さあいよいよ混沌としてきました。

2.2 撃墜か?追い払いか?揺れるJTFの判断!

SF司令部内では、LSFに対する処置で大揉めとなります。
(S-3)
『CTG21.1からも撃墜許可を求めています!撃墜の判断を出すべきです!』
(S-0:法務)
『完全に敵味方識別ができていない!ホントに民間機だと違法行為になるぞ!』

司令部内では、撃墜か?追い払いかで大激論となりました。

その間にも、LSFがどんどんと近づいてきました。
『LSF、短SAM射程圏内まで近づきました!』
『国交省からは、報道ヘリの離陸を確認していないといってきています!』


ついに、SF司令官の決心と命令が下されます。
(SF司令官)
『LSFに対し、主砲による威嚇射撃を実施。』
『CIWS射程内まで進行した場合撃墜を許可する!』

とうとう、撃墜命令が発せられました。

2.3 LSF、DDGに急降下!ついに被害が・・・

撃墜命令が発令され、TG21.1がLSFに対処を開始します。

主砲による威嚇射撃が開始されても、TG21.1に近接を続けます。

ついに最悪の事態に・・・
TG21.1『緊急!LSFがイージス艦に向けて急降下〜!撃墜する!』
TG21.1からの絶叫に似た衛星無線通信が、SF司令部内に響き渡ります。

図3 LSF(ヘリ)が突っ込んできた!(イメージ)
LSF攻撃.jpg
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/mHjXmv7VoTo/hqdefault.jpg

統裁部の審判結果として、
『LSF撃墜成功、ただし攻撃したDD1隻に残骸落下』
『DDは中破判定、自力航行可能・対艦ミサイル発射不能』

SF司令部では、一時演習中断となりLSF対処の問題点洗い出しとなります。

『撃墜判断時期が遅すぎたのではないか?』
『CTG21.1に、射撃権限を委譲すべきでは?』


国際法と有事法制、国内各種法の狭間により判断が遅れる事態となりました。
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(3)戦時国際法と有事法制・国内法に揺れる現場


演習での、高速自爆ボートやLSFなどの攻撃対処を経験して気付いたことがあります。
『法律が、前線の混沌とした状況から完全に遊離している』

戦時国際法(特に海戦部分)では、高速自爆ボート・LSFへの攻撃は認められています。
(特にサンレモ・マニュアルに、自隊防護で規定があります。)

※サンレモ・マニュアル(海上武力紛争に適用される国際法サンレモ・マニュアル)
戦時国際法の海戦に関する部分は、多くが「慣習法(不文法)」である。
この慣習法を明文化・条約化する目的で、1994年に起案された。
現在まで条約として成立していないが、多くの国がROEの基準としている。

サンレモ・マニュアルでの規定を適用すると、国内法に引っかかる状態が現場にあります。
(LSF対処は、特に国内法との相反が激しい)

政治の世界で、政治家が勇ましいことを発言していますが国際法を読んだことがあるのでしょうか?

3.1 政治家たちへの提言!

現場にいたものとしては、現代の戦闘に合致した国内法の整備をしてほしいものです。

政治家の戦争観は、第2次世界大戦のままで止まっているとしか思えない現状があります。

せめて、現代の戦闘に合致した法律整備をお願いしたいものです。

さあ、どんどんと反撃作戦を進めていきますよ〜!
(次記事):幕僚編F反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!
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幕僚編D反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!

『闘いは前線だけじゃない、司令部でも起きているんだ!』
(2018年投稿記事です。)
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演習が始まり、敵X国の攻勢に苦闘し続けるJTF!

敵は2正面作戦を意図しているか?米軍との衝突を避けているのか?

戦況の混迷と、混乱する中で情勢判断を行い、敵の真の意図を見抜く必要があります。

反撃作戦のため、敵意図を探り作戦立案を行う幕僚達の闘いをご紹介!
(前回記事):『ウクライナからの軍事技術移転防止政策を!
(前記事):幕僚編CBMD演習発動!さらに窮地となりついにSFまで・・・
(次記事)幕僚編E自爆ボート・LSF!JTFを阻む敵の罠!
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(1)敵X国の意図・反撃目標の方針を見つけよ!

敵X国の攻勢が一段落して、2正面作戦の様相を呈して生きた演習です。

しかし敵X国の行動に不審な点を指摘する、,SF司令官の指揮官意図が示されました。

敵X国は、本当に2正面作戦を意図しているのか?

司令部では情勢判断を行い、判断結果から反撃作戦を計画していきます。

まずは、彼我(敵と味方)の行動結果を列挙して、情報再整理をします。

1.1 現在までの情勢結果

情勢判断を行うとき、現在までの行動結果を列挙します。

この作業は幕僚として、見落としが無いように書き出していきます。

1.1.1 敵X国の行動

・離島の占拠を継続
・水上部隊、SS(潜水艦)部隊が展開
・沖縄への航空攻撃・九州への弾道ミサイル発射
・在日米軍基地への直接攻撃は未実施


1.1.2 我(JTF)の行動

・最初の目標離島を占拠された状態
・沖縄への航空攻撃により、沖縄地上部隊が孤立状態
・弾道ミサイルにより、九州からの航空作戦能力減衰
・沖縄救出・離島奪還の2正面作戦を強いられる可能性
・沖縄もしくは離島への奪還部隊目標選定必要性あり

1.1.3 米軍の行動

・沖縄の米空軍は、制空戦闘に参加
・米海兵隊31MEUは、沖縄に健在
・CTG76(佐世保)の揚陸艦は無事であり、沖縄に弾薬輸送を希望
・CTF70は、小笠原列島東側に健在・敵SSの存在により西進阻害


1.1.4 現在の位置関係
図1 演習時の位置関係(仮想)
位置状況2.png
引用URL:http://www.gsi.go.jp/common/000087768.jpg

1.2 敵X国の意図

これらの行動情報から、敵の意図を推察していきます。
・敵X国は、2正面作戦を我(JTF)に強要する意図を作為
・敵X国は、米軍の全面介入を避けつつJTFと米軍を地理的に隔離
・2正面作戦は、敵X国の真の意図を隠す布陣
・敵X国の真の意図は、沖縄〜離島間でのJTF挟撃撃破
・米国の本格介入前に、作戦を終了させる意図


このように、敵の意図を導きだし、我(JTF)の作戦立案に役立てます

1.3 我(JTF)の行動方針
敵の意図を導きだした後、我(JTF)の行動方針と作戦方針を導き出します。

・主任務は離島奪還であることを再確認
・沖縄部隊の救出を、米軍CTF76と共同で部分作戦として実施
・敵SSの脅威を排除して、JTFとCTF70を合流、離島東側より奪還作戦実施
・作戦の前線集結・補給拠点を硫黄島に決定
・硫黄島への部隊集結行動により、敵水上部隊を誘因・分離撃破

1.4 我(JTF)の作戦方針
これらの情勢判断により、JTFは次の作戦方針を決定します。

・敵に対し、逆2正面作戦を強要
(沖縄救出を作為、さらにCTF70との合流を作為して、水上部隊撃破)
・離島奪還拠点として、硫黄島に部隊・作戦資材を集結
(敵SS部隊を誘因・撃破して、米軍西進を可能にする)
・離島奪還は東側より、米軍CTF70と共同で実施
(米軍CTF70との合流により、補給面の増強を行う)

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(2)弾薬を輸送せよ!後方の妙を見せるとき!

JTFの行動方針が決定いたしましたが、ここからさらに作戦計画の詳細を立案します。

この時、S-3(作戦)部門が作戦を立案します。

さらにS-4(後方)部門が、いかにして現実的な補給計画を用意するか、後方幕僚の手腕が問われます。

『後方活動範囲の限界が、作戦活動の限界点』
立派な作戦を立てても、後方の活動限界を無視していては、作戦が成り立ちません。

2.1 水上艦用対艦対空ミサイルを集積せよ!

後方幕僚部には、重要な役目が出てきました。
『水上艦の対艦対空ミサイルの再補給弾薬を硫黄島に集積』

作戦立案に伴い、いろんな分析が行われます。

その中で作戦分析幕僚部(S-9)と呼ばれる、軍事ORによる分析を行う部門があります。
※軍事ORについて
OR:オペレーションズ・リサーチのこと
数学的・統計モデル等を用いて、計画の効率的決定を行う科学的手法
引用文献:『軍事OR入門: 情報化時代の戦闘の科学』(飯田耕司著)

軍事ORのS-9部門から提出された作戦分析の結果、
・硫黄島集結までに、2〜3回の水上艦部隊の海戦事象発生
・3個TGを運用して、対艦攻撃・防空戦闘により多数の弾薬を消費
・硫黄島集結時、再補給をしなければ決戦時にJTF側に弾薬不足が発生

という結果が提出されました。

これに基づき、備蓄ミサイルの輸送を計画することになります。

2.2 対艦ミサイルが足りない!

後方幕僚部で輸送計画を立てたときに、ある問題が発生します。
『所要の対艦ミサイルが、必要分だけすぐに確保できない!』

対艦ミサイルといってもいろいろあります。

図2 対艦ミサイルいろいろ
191px-AGM-84_Harpoon_launched_from_USS_Leahy_(CG-16).jpgSSM-1B.jpg

引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/pg/hayabusa/img/main_825.jpg
https://www.mhi.com/jp/company/location/nagoyaguidew/history/images/index_pic_012.png


対艦ミサイルといっても、ホントにいろいろあります。

この中でRGM-84ハープーン・SSM-1B(90式艦対艦ミサイル)などが、水上艦で使用します。

『航空用対艦ミサイルをすぐに水上艦に乗せればいいじゃないか!』
そんなことを思う方もいるかと思います。

実際、可能なことは可能ですが簡単には実施できません!

また陸自の対艦ミサイルを、すぐに水上艦に乗せられるというわけでもありません。

さらに奪還部隊の陸自補給物品も、一緒に輸送する必要があります。

海自輸送艦では、陸自部隊輸送に四苦八苦する状態です。

以前の記事で、補給艦が足りない〜!と書いた記事を実感する状態です。
(関連記事)海上自衛隊は空母より強襲揚陸艦が欲しいのが現場の本音!

2.3 対艦ミサイルをたくさん撃ち込む必要あり!

敵水上艦に対して、対艦ミサイル1発だけで撃破できるわけではありません。

1隻に対して複数発射撃をして、ようやく撃破できます。
(敵艦からの迎撃・撃破効果には複数発の発射が必要)

色々、時間的制約などを考慮した結果
『所要の少ない水上部隊から、対艦ミサイルの一部を引き抜く!』
という荒業に出ました。

時間的余裕があれば、ミサイルを増やすこともできますが、時間優先です!
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(3)C-130Hを3機貸してください!!

何とか弾薬を確保したところで、今度は輸送手段の問題です。

当時、海自輸送機はC-130R導入前でした。

複数の対艦ミサイルを、短時間で大量に輸送するには空輸しかありません。

ということで、SF司令部に派遣されている空自連絡官のところに駆け込み、
『C-130Hを3機ほど貸して下さい!(はよ貸せやぁあああ!!)』
図3 空自C-130H
空自C-130.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/yusouki/C-130H/images/gallery/photo03.jpg
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何とか(交渉?乱闘?)の末に、C-130H輸送機が3機派遣されることに!

この時海自にも、C-130Hぐらいの輸送機があれば!と思いました。
(当時、海自輸送機はYS-11のみ)

何とか、反撃作戦の計画は整った!次は行動開始だ〜!
(次記事):幕僚編E自爆ボート・LSF!JTFを阻む敵の罠!
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ウクライナからの軍事技術移転防止政策を!

『中国J-20戦闘機の搭載レーダはこれが原型か?』
(2018年投稿記事です。)
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最近世界各国の軍事技術の情報が表に出るようになりました。

その中で、最新軍事技術を輸出の柱として据えるウクライナの動きが目につきます。

中国・北朝鮮の最新電子技術の出元は、ウクライナである可能性もあります。

そんなウクライナから流出する各国の軍事技術について注目!
(前回記事):『幕僚編CBMD演習発動!さらに窮地となりついにSFまで!
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(1)中国戦闘機搭載レーダーは、ウクライナが出元か?

最近、中国の戦闘機の搭載レーダーや電子機器などに急速な発展がみられます。

特にJ-20戦闘機の搭載レーダーについて、ウクライナ製を基にした可能性があります。

図1 ウクライナ発表の戦闘機レーダー外観
ウクライナ製レーダー.jpg
引用URL:https://i.imgur.com/aOxrWlZ.jpg

また、このレーダーを基にしたJ-10,J-16,J-20用レーダーの資料も発見しました。

図2 中国戦闘機レーダーの系譜
J-10シリーズ.jpg
引用URL:https://www.popsci.com/sites/popsci.com/files/styles/655_1x_/public/import/2014/Chinese%20fighter%20AESA.jpg?itok=x_VkuL9M

中国製のレーダーは、元をただせばウクライナ製レーダーである可能性が非常に高いといえます。

図3 中国J-20戦闘機
640px-J-20_at_Airshow_China_2016.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/J-20_(戦闘機)#/media/File:J-20_at_Airshow_China_2016.jpg

そのほか中国海軍のレーダーなども、ウクライナ製レーダーを搭載しているという情報があります。
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(2)北朝鮮弾道ミサイルもウクライナから情報流出?

以前から北朝鮮の急速なミサイル技術の進化に、ウクライナが関与している可能性がありました。

特に大きく報道されたのは火星14号のエンジンが、ウクライナから情報流出した可能性です。

図4 火星14号とRD-250エンジンの相似
火星14号.jpg
引用URL:https://cdn1.img.jp.sputniknews.com/images/399/04/3990434.jpg

ウクライナは当然否定を続けています。

しかし、疑惑は深まるばかりです。
(3)韓国のコールドランチ技術はどこから入手した?

ウクライナ絡みの軍事技術流出疑惑については、韓国にもあります。

韓国が保有する、玄武2B・天弓2に関する疑惑です。

3.1 なぜ玄武2Bはイスカンデルに相似している?

まず最初の疑惑としてなぜ韓国玄武2B弾道ミサイルが、ロシアのイスカンデルミサイルに相似しているのでしょうか?

図5 玄武2Bとイスカンデル
玄武2b.jpg
引用URL:https://rpr.c.yimg.jp/im_siggBIjNnO2HJ0GEEEIABYA76A---x291-n1/amd/20130216-00023506-roupeiro-000-14-view.jpg

2つのミサイルは、ほぼ同時期に登場しています。

これを偶然の一致と片付けるには、形状・射程などが一致しすぎています。

ロシアもしくはウクライナからの、技術流出があった可能性を指摘せざるを得ません。

そして2018年2月に、北朝鮮が登場させた短距離弾道ミサイルとなぜよく似ているのでしょうか?

図6 北朝鮮新型短距離ミサイル
北朝鮮ミサイル.jpg
引用URL:https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-fe-83/satoatusi2006/folder/1241890/85/41294285/img_0

この3国のミサイルについて、軍事技術面での繋がりがあるとすればウクライナのみです。

3.2 天弓2のコールドランチ技術はどこから入手した?

もう一つ、韓国に関してウクライナからの軍事技術流出の疑惑を持つ兵器があります。

KAMD(韓国型ミサイル防衛計画)として、開発された天弓2です。

図7 天弓2発射連続シーン
天弓2.JPG
引用URL:http://img.hani.co.kr/imgdb/resize/2015/0731/1438245850_143824580184_20150731.JPG

既に、ロシアからKAMDはS-400の技術を導入したと報じられています。

今まで、韓国にコールドランチ技術が無かったところに突然出現しました。

ロシアも関与していますが、ウクライナからの技術導入を疑うべきかもしれません。
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(4)中国にワッセナー・アレジメント参加を要求すべき!

ここまでウクライナ・中国・北朝鮮・韓国をめぐる、軍事技術移転の疑惑を書いて来ました。

しかし現状では通常の国際取引と返答されると、阻止する手段がありません。

今回政府に提案したいのは、中国にワッセナー・アレジメントの参加を要求してみては?
※ワッセナー・アレジメントの目的について
(1)通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の移転に関する透明性の増大及びより責任ある管理を実現し,それらの過度の蓄積を防止することにより,地域及び国際社会の安全と安定に寄与する。
(2)グローバルなテロとの闘いの一環として,テロリスト・グループ等による通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の取得を防止する。
WAは法的拘束力を有する国際約束に基づく枠組ではなく,通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の供給能力を有し,かつ不拡散のために努力する意志を有する参加国による紳士的な申合せとして存在している。
引用URL:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/wa/index.html
(通常兵器及び関連汎用品・技術の輸出管理に関するワッセナー・アレンジメント)

そのほかに、国際的な輸出規制条約などがあります。

図8 国際安全保障輸出規制の概要
kisei.gif
引用URL:http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/13/13050104/01.gif

南北融和のはずが不安定化の原因となっている、韓国・北朝鮮に対する圧力となります。

比較的、関係が好転してきた日中関係を利用して、非核化圧力を高める手段として使えるはずです。

今後不安定になる、日韓関係へのクサビとなるでしょう!
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posted by sstd7628 at 13:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界情勢

幕僚編CBMD演習発動!さらに窮地となりついにSFまで!

『BMD演習事項発生!墜とせえぇぇ!!!』
(2018年投稿記事です。)
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自衛隊統合演習が開始され、序盤から防戦に苦闘するJTFと米軍部隊!

しかし、防戦一方の部隊に対し、ついに弾道ミサイルに対するBMD演習事項が発生!

我が方の作戦妨害を狙い、沖縄九州戦線を分断される可能性が出てきました。

沖縄九州戦線を維持しながら、作戦目標達成に奮闘するJTFの奮闘をご紹介!
(前記事):幕僚編B演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!
(次記事):幕僚編D反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!
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(1)BMD演習事項発生!このタイミングかよ!

今回の自衛隊統合演習の中で予定されている演習事項に、BMD演習の予定がありました。

当時は、BMD体制が整備されつつあり、演習も何度か実施しています。

さらに練度向上の為に、自衛隊統合演習での生起事象(イベント)として盛り込まれ始めた時期です。

図1 BMD訓練
BMDPAC3.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/50/Start_to_PAC-3_Intercept_Test%2C_5_February_2000_%282%29.jpg

演習の事前説明会において、BMD演習項目の内容について提示されていました。
・BMD演習は、自衛隊統合演習中に1回生起
・弾道ミサイル発射は、統裁部所定で予告無しに実施
・演習部は、その時点での展開状況によりBMD対処を実施
・シミュレーションにより、BMD演習の結果を判定
・BMD演習の結果にかかわらず、着弾数発(想定)を任意の基地に想定状況付与
・着弾想定状況付与基地は演習内容に盛り込まれ、戦力低下と復旧訓練を演練


BMD対処を行いながら、当初作戦任務離島奪還を実施しなければなりません。

かなり厳しい内容となっています。

1.1 米軍衛星警戒情報!弾道ミサイル発射兆候あり!

前回から、沖縄方面で海空での激しい交戦状態が続くなか、SF司令部の米軍担当幕僚から緊急情報が入電!

(S-2)
『米軍より入電!X国弾道ミサイル基地で活動活発化!』
『弾道ミサイル搭載TEL(移動式輸送発射機)が展開した模様!


ついに来たか?それともブラフ(脅し)なのか?!

とにかく、BMD対処の行動を開始します。

TG21.2およびTG21.4の艦艇が太平洋に展開しています。

さらに米海軍佐世保基地を出港したCTF-76を護衛する、米軍の駆逐艦もBMD対処に入りました。

図2 米軍CTF-76に合流する第15駆逐隊(DESRON15)
640px-USS_Stethem_(DDG-63)_in_2009.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/第7艦隊_(アメリカ軍)#/media/File:USS_Stethem_(DDG-63)_in_2009.jpg

1.2 BOCC(共同運用調整所)は先制攻撃を保留!

さらにBMD演習は進められ、JTF2の上位部隊となるCJTF(統合幕僚長)と米軍の共同運用調整所で協議が進められます。

図3 BOCC(日米共同運用調整所)の位置付け
BOCC.gif
引用URL:http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2016/image/zuhyo02040305.gif

日米共同作戦の運用は、BOCCによって大方針が決められます。

そこで米軍から提案された先制攻撃によるTEL破壊」は、保留と決定!

その決定事項が通知されたときの、SF司令部の「・・うあぁぁ」という空気は今も覚えています。

沖縄の陸空自・米軍部隊は、すでに迎撃態勢が完了していました。
(S-3)
『弾道ミサイルは、沖縄部隊への発射の可能性が高いと見積もられる』

1.3 弾道ミサイル発射(模擬)!そして着弾!!

とにかく弾道ミサイルは迎撃の方針が決定され、部隊が展開します。

その中で、警報音と共についに緊急情報が!
(S-2)
『緊急!敵X国本土より弾道ミサイル発射!弾数●発!』
『ミサイル着弾予想地点は九州!ミサイル目標は九州!!』


なにい!九州だとおお!!

BMD対処司令官である航空総隊司令官から、撃墜命令が各部隊に発令!
(SF司令官)
『BMD対処!何としても墜とせえぇぇ!!』

SF司令官の絶叫に似た命令が、司令部指揮所に響き渡りました。

図4 イージス艦による迎撃
イージス艦迎撃.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/78/Lakeerie-sm3.jpg/250px-Lakeerie-sm3.jpg

BMD演習は、何とか予定の演練項目をこなしていきました。

そして統裁部より、弾道ミサイル着弾の想定状況が付与されました。

『空自新田原基地にMRBM1発着弾、海自鹿屋基地にSRBM1発着弾』
『弾頭は通常弾頭』『新田原基地は損害軽微、鹿屋基地は滑走路に着弾』


うあああ!航空戦の主力基地に損害が発生しました。

沖縄戦線への、重要な航空拠点にダメージを受ける事態です!

図5 空自と海自の基地
全国基地.gif
引用URL:http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/saihen/images/map.gif

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(2)SF司令部ゲリ・コマ攻撃にて通信機能低下!

BMD対処と、ミサイル着弾に伴う被害復旧に追われるSF司令部にさらに試練が襲い掛かります。

S-6(通信)
『先ほどから、MOFシステム及び衛星通信システムが安定しない!』
『MOFシステムと各艦艇をつなぐC2T(指揮管制ターミナル)が不調!』


BMDに続いて、今度は通信システムの故障発生か?!

指揮通信幕僚部(S-6)や整備班が必死になり、故障探求をしますが不具合が治りません!

後方幕僚部(S-4)も、艦補処等に連絡して予備品手配の最中に最悪の報告が!

『横須賀船越地区に、ゲリ・コマ攻撃多数!』
『衛星通信塔・電力施設にロケット弾着弾!』

図6 ゲリ・コマによるロケット弾攻撃!(イメージ)
rpg-7ゲリコマ.jpg
引用URL:http://mil.ru/images/military/military/photo/rpg-7_0003s.jpg


ついにSF司令部にまで、攻撃が及ぶ事態となりました!

可能な限り復旧を急ぐため、S-4(後方幕僚部)による必死の作業調整が続きます。

2.1 移動通信隊による通信網回復作業!

あまり知られていないことですが、海上自衛隊にも移動通信部隊が存在します。

現在は防衛大臣直轄となったシステム通信隊群移動通信隊(下総基地)を、万が一のために横須賀に呼び寄
せていました。

移動通信隊による懸命の移動無線システム稼働により、当面の通信が確保できます!

図7 移動通信隊(海上自衛隊)の衛星通信装備
移動通信隊(海上).jpg
引用URL:https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/19894791_778277525685534_4773605680935930613_n.jpg?_nc_cat=101&_nc_ht=scontent-nrt1-1.xx&oh=d68b816378e9e5a4d9e55b4538566f43&oe=5C4310BB


2.2 通信復旧の間に、さらに敵が展開!

BMD対処とゲリ・コマ被攻撃により、混乱する中でも作戦部隊は動いています。

混乱の間隙を突かれて、敵水上部隊主力が占拠された離島近くまで進出してきました。

複合攻撃と同調して離島の守備を固めて、占拠を恒常化させる狙いでしょう。
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(3)混迷と不可思議な戦線、沖縄戦線は囮か?!

早くも沖縄・九州戦線と、離島戦線の2正面作戦の様相を呈してきました。

混乱する戦況の中で、一つの意図的な敵行動が浮かび上がって来ました。

(SF司令官)
『なぜ、沖縄の部隊への敵攻撃が散発的なのか?』
『敵攻撃は、米軍部隊・基地を巧妙に避けている?』
『敵攻撃の意図は、沖縄への戦力分断か?』


どうやら、敵の意図に作為的な部分が見え始めました。

米軍部隊・基地への攻撃が、ほとんど行われていない状況が発生しています。

さらに占拠された離島に、一番近い沖縄への攻撃が散発的です。

情勢分析を再整理して、反撃作戦を立案する重要なヒントかも!

さあ、情報再整理・情勢分析・作戦計画立案の時間だ!
(次記事):幕僚編D反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!
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幕僚編B演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!

『交戦事象同時多発発生!これが戦争か・・・』
(2018年投稿記事です。)
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自衛隊統合演習がついに開始となり、次々と交戦事象が発生します。

対抗部隊(敵部隊)による攻勢が続き、JTFは苦境に立たされる!

SF司令部も鉄火場のような状態の中で、必死に敵の目的を妨害!

演習序盤の、苦闘するSF司令部幕僚たちの闘いをご紹介!
(前回記事):『韓国は佐世保にて日米韓旗問題の第2ラウンドか?!
(前記事):幕僚編A実動演習事前準備!任務離島奪還作戦!
(次記事):幕僚編CBMD演習発動!さらに窮地となりついにSFまで!
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(1)敵X国SS探知!さらに多数の交戦発生!

演習開始序盤から、敵X国SS(潜水艦)探知の情報が司令部に通報されました。

さらに、敵X国がついに攻勢を開始して、一気に鉄火場のような忙しさに!

(S-2)
『敵SS×2探知、我方EEZ内にて潜航行動中!』
『敵SS×2は、呉〜横須賀の海域にて活動の模様』
『CTF70(米第7艦隊)より、敵SSN×1を探知の通報!』

演習開始直後から、敵SSの探知情報が入ってきました。

演習開始前の情勢見積もりでは、敵SSが2〜3隻ほど我が方の海域に侵入しているとの見積もり通りです。


しかし、探知情報があってもSS攻撃は一筋縄ではいきません。

精密な位置情報を把握して攻撃するしかない・・・

とにかく敵SS部隊の脅威を排除しないことには、味方水上部隊の行動を阻害されます。

1.1 敵本土より航空機・巡航ミサイルの複合攻撃!

(S-2)
『敵本土より航空機・ミサイル探知!沖縄・九州に接近!』
『敵水上部隊、味方TG21.2へ急速接近!』


ついに敵本土から、航空機と共に巡航ミサイルが発射されたとの急報が入ります。

併せて、沖縄近くに展開していた味方水上部隊TG21.2にも攻撃が切迫!

敵X国は、占拠した離島を確実に占領するために戦闘を拡大させる意図か?

そのため、敵X国本土に近い、沖縄・九州の基地機能減衰を狙う攻撃が始まります。

自衛隊・在日米軍が応戦のため出撃して、交戦事象が多発!

図1 拡大する戦線
拡大する戦線.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/msc/images/mdgs/mdgs11.jpg

しかし、応戦する味方部隊も徐々に押され始め、損害が出始めます。
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(2)味方DD(護衛艦)被撃沈!ゲリ・コマ出現!

味方部隊は、JTF1(陸自)JTF3(空自)と共同で必死の防戦を開始!

しかしついに損害が・・・!

2.1 味方DD被撃沈!戦闘機被撃墜が増加!!
(S-2)
『JTF3の防空戦にて、被撃墜が増加している!』
『TG21.2のDD×1被撃沈!DD×1も大破!』


ついに我が方(JTF2)のDD(護衛艦)も、対艦ミサイル攻撃を受けて損害が発生しました。

展開していた部隊の防空能力を超える飽和攻撃により、撃沈・大破の損害が・・・

図2 撃沈されるDD(イメージ)
AGM-84_Harpoon-damage.jpg
引用URL:https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:AGM-84_Harpoon?uselang=ja#/media/File:AGM-84_Harpoon-damage.jpg


すぐに、沈没艦の生存者救助・大破した艦を佐世保にえい航する手配をします。

2.2 横須賀にゲリ・コマ部隊出現!!

さらに凶報が連続して飛び込んできます。

横須賀他、各地の基地・駐屯地にゲリ・コマ部隊による攻撃情報が入電しました!

SF司令部のある横須賀地区にも、ゲリ・コマ攻撃が生起!

警備中の陸自部隊および、海自横須賀警備隊が応戦中とのこと!

海自司令部機能をマヒさせるため狙われている模様です。

航空攻撃・巡航ミサイルと同時のゲリ・コマ攻撃にて、混乱と指揮系統の断絶を狙った複合戦となってきました。
図4 ゲリ・コマ攻撃への陸自の反撃!
640px-Japanese_15th_Regiment_conducting_urban_training_11-13-07.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/CQB#/media/File:Japanese_15th_Regiment_conducting_urban_training_11-13-07.jpg

2.3 驚愕のゲリ・コマ部隊の正体!?

横須賀へのゲリ・コマ攻撃は、何とか撃退されたとの情報が入ってきました。

捕虜にしたゲリ・コマ部隊から、敵の攻撃意図を探れるかも?

ゲリ・コマの情報要素要求(EEI)を問い合わせてみると、驚愕の情報が!
(S-2)
『横須賀のゲリ・コマは、Y国特殊部隊およびZ国活動家の模様』

なんだとおおお!!Y国はともかく、Z国がなんで?!

Y国のゲリ・コマは、情報見積もりにあったけど、一応友好国のZ国までもか?!

ここで、私の幕僚としての交代時間が来ました。

演習は、1週間にわたって続くため、幕僚たちも交代制で勤務についています。
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(3)先任幕僚が明かすシビアな現実・・・

演習の担当時間(ワッチ)が終了して、次のワッチまで休息時間です。

この間に、後方幕僚部の先任幕僚がいろいろな話をしてくれました。

『Z国のゲリ・コマ攻撃参加にずいぶん驚いていたな?』

まさか、演習でここまでの想定があり、驚愕していたのを見ていたようです。
『対象国 甲/乙/丙/丁という言葉は知っているな?』『はい。』
『日本が有事になったとき、当該国が何もしてこないと思うか?』


・・・返す言葉もありませんでした。

想像以上に、シビアで現実的な想定に改めて驚愕させられました。

司令部幕僚という仕事が、上辺の情報に踊らされることなく現実を見て準備する重要性を痛感する話です。

さあ、まだまだ演習が続くぞ〜(・・・初日でかなり疲労が・・・)
(次記事):幕僚編CBMD演習発動!さらに窮地となりついにSFまで・・・
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韓国は佐世保にて日米韓旗問題の第2ラウンドか?!

『米軍も参加して、旭日旗問題第2ラウンドがあるかも?』
(2018年投稿記事です。)
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韓国国際観艦式は、ご存知の通りグダグダの状態で終了いたしました。

しかし、韓国関連に関して在日米軍が気になる処置を始めたという情報が入りました。

2018年11月に佐世保に入港予定の、韓国軍訓練艦隊についてトラブルの予感が・・・

日米地位協定が絡んだ、旗問題第2ラウンドがあるかも?!
(前回記事):『幕僚編A実動演習事前準備!任務離島奪還作戦!
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(1)在日米軍の処置基地入場者スクリーニング

気になる情報として、在日米軍基地の外国人入場者に関するチェックに関する新指針です。

この中で在日米軍基地に入場する場合で、韓国籍の人間に対するチェックが厳しくなるとの報道がありました。

1.1 在日米軍基地での在日韓国人入場基準見直し


報道によると韓国人(韓国籍)について、30日前の事前申請が必要になるとのことです。
(日本人に対しては、従来の通り)

図1 基地入構「ONEDAY PASS」(横須賀基地用)
beigun.jpg
引用URL:https://blog-imgs-71.fc2.com/s/e/n/senri32/P5190036.jpg

普通の日本人の場合、必要な身分証明書等とエスコートがあれば、当日の申請で入場可能でした。

これが今後在日韓国人(韓国籍)の場合について、
・30日前の事前申請
・基地警備審査部門での審査
・基地司令官の許可

を経る必要が出てきます。

※在日米軍基地の入場審査の厳しさについて
私ペンギンは、以前米軍基地内に存在する部隊での勤務経験があります。
基地警部セクションと、基地入場者に関す交渉経験をしたことがあります。
米軍は、米軍基地入場に関しては、かなり厳格に実施します。
必要書類が用意できない場合、「日本政府の人間(この時は会計検査院の調査官)でも入場不許可になります。


1.2 米軍基地は米軍に管轄権がある!(地位協定)

在日米軍は、日米地位協定により、米軍基地として提供された場所の管轄権をもっています。
※日米地位協定について
日米地位協定は、日米安全保障条約に基づきます。
日本と在日米軍の地位について定めた協定であり、地位協定第2条に基づき米軍は、提供された基地の管轄権を持ちます。
今度、問題になりそうなのは佐世保が日米地位協定がらみで複雑な場所だからです。

実をいうと佐世保基地は、自衛隊管轄・米軍管轄の場所が交錯しています。

そのため、地位協定による複雑な管理権条項があります。
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(2)佐世保入港の韓国訓練艦隊を在日韓国人が出迎えできない可能性

佐世保については、米軍と自衛隊の管理区域が複雑にまじりあっています。

そのため、「2−4−(a)」「2−4−(b)」問題という、一般の方には分かり難い問題があります。
(地味で関心を示さない人がほとんどですが、非常に重要な問題です!)

ここで韓国から、『訓練艦隊入港歓迎を日本に邪魔された!』といわれる可能性があるのです。

図2 佐世保基地周辺の状況
佐世保地区区分.jpg
引用URL:http://www.rimpeace.or.jp/jrp/sasebo/saseboindex/saebomap/sbm.jpg

ここで、日米地位協定の問題となる「第2条第4項」問題があります。

※「日米地位協定」(第2条第4項(a))
合衆国軍隊が施設及び区域を一時的に使用していないときは、日本国政府は、臨時に
そのような施設及び区域をみずから使用し、又は日本国民に使用させることができる。ただし、
この使用が、合衆国軍隊による当該施設及び区域の正規の使用の目的にとつて有害でないことが
合同委員会を通じて両政府間に合意された場合に限る。

※「日米地位協定」(第2条第4項(b))
合衆国軍隊が一定の期間を限つて使用すべき施設及び区域に関しては 合同委員会は 、 、
当該施設及び区域に関する協定中に、適用があるこの協定の規定の範囲を明記しなければならな
い。

分かりやすく書くと、
『2−4‐(a)』:米軍に第1次管轄権、自衛隊も共同使用できる。
『2−4‐(b)』:自衛隊に第1次管轄権、米軍も共同使用できる。


ということになります。

この分かり難さが、旗問題第2ラウンドとなる可能性があります。

この時、艦艇の桟橋部分への入り口は在日米軍が管理しています。

\日米地位協定「第2条第4項」を取り上げる人っていないのよね〜/

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(3)日本、旭日旗問題で同胞の歓迎団入場拒否!

来月の韓国の新聞には、こんな見出しが出ているかもしれません。

『日本の佐世保に寄港する韓国軍訓練艦隊を出迎えする!』
    ↓
(在日米軍による、基地入場拒否(事前申請が不足))
    ↓
『日本が、旗問題の仕返しに同胞の歓迎を拒否した!!』

こんなことが、現実味を帯びてきました。
(韓国軍訓練艦隊は、ちゃんと入港して行動許可が出ます)

図3 中国海軍の晴美ふ頭入校歓迎
中国海軍晴美ふ頭入校歓迎行事.jpg
引用URL:http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/19/a69d1d0a16df3e3ad4ef53f89220b4b5.jpg

10年ほど前に、中国海軍が東京晴美ふ頭に入港して歓迎が行われました。

この時は、民間の晴美ふ頭だったので特に問題はありませんでした。

このやり方をまねて在日本大韓民国国民団(通称:民団)に、何かアクションを起こされる可能性があります。
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(4)いよいよ韓国情勢が怪しくなってきた・・・

韓国国際観艦式におけるドタバタを取り返すために、佐世保入港時に何か起きるかもしれません。

『入港歓迎行事に参加できなくなった!日本の「旗問題」の逆ギレだ!』

これほどわかりやすく、韓国世論を先導する方法はほかにないでしょう。

しかし佐世保は、米軍の管轄権の問題が絡んできます。

変に反論することなどで、余計に話がバタつく可能性もあります。

冷静に、佐世保へ韓国海軍を歓迎いたしましょう!
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posted by sstd7628 at 11:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界情勢

幕僚編A実動演習事前準備!任務離島奪還作戦!

『JTFにおけるJTF2(海上部隊)の作戦を準備!』
(2018年投稿記事です。)
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自衛艦隊後方幕僚部の幕僚となったペンギンは、いよいよ動き出します。

JTF編成下の中で、JTF2部隊の任務と目標が定められます。

任務・目標を元に各種作戦、後方支援の任務作戦策定が必要です。

さあ、どのようにして作戦立案をしていくのかご紹介!
(前記事):艦補処自衛艦隊司令部後方幕僚に派遣!(その1)
(次記事):幕僚編B演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!
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(1)想定状況付与!占拠された離島を奪還せよ!

自衛隊演習において、演習のシナリオは毎年変化します。

私が参加した年の、演習シナリオは奇襲占拠された(架空の)離島奪還です。

実動演習の前に、図上演習にてある程度の状況推移が行われています。

1.1 図上演習は、戦略(政策)レベルでの動きを決定!

図上演習では、外交情勢の悪化から(対抗国)の軍事行動までが行われます。

実動演習では、図上演習での結果を受けて実動演習にて対処します。

防衛省本省や関係省庁・統幕などが参加して実施されます。

図1 図上演習装置(東京目黒「海自幹部学校」にある)
図上演習装置.jpg
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/msc/images/organization/o-05.jpg

1.2 統制部と対抗部隊の存在

演習の大きな特徴として、統制部と対抗部隊の存在があります。

統制部は、審判と演習統制の2つの役目を持ちます。

統制部がシナリオを進め、演習部が状況判断・作戦行動を行います。


対抗部隊は、統制部が演習を進めるうえで、敵役として行動を行います。
(自衛隊統合演習では、3自衛隊の一部部隊および米軍の一部が対抗部隊となります。)

図2 図上演習および実動演習の流れ
図演および実動演習.png
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/msc/images/mdgs/mdgs03.png

1.3 演習部に陸・空の部隊も配属!

自衛隊統合演習では、海上自衛隊部隊のみで演習を行うわけではありません。

統合運用のために、JTF2には陸・空の一部部隊が配属されます。

※統合部隊における配属とは?
統合任務部隊で陸・空の一部部隊は、JTF2(海上部隊)に配属言う形で派出されます。
配属は、一定期間の間にJTF2の指揮下に置かれることです。
(作戦が終わったら、元の指揮官の指揮下になります。)
反対用語として隷属があり、恒常的に指揮下に置かれる部隊等を指します。

今回は、空自からC-130輸送機1〜3機、陸自から西方普通科連隊1個中隊が配属になります。

図3 西方普通科連隊(WaiR)
西方普通科連隊.jpg
引用URL:wiki


最終的に、西普連(WaiR)を上陸させて離島奪還が目標です。

陸・空からも連絡幕僚がSFに常駐して、統合作戦が行われます。
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(2)弾薬・燃料が予想よりキツイ!(後方主任幕僚)

実動演習の作戦計画は、一応事前にある程度準備されています。

しかし、図上演習の結果を踏まえて、(最新の想定)一般状況が改めて示されます。

ここで演習部は、(最新想定の)彼我部隊の状況を把握して修正します。

2.1 弾薬・燃料が予想より少ない!

最新の状況想定付与が示されたとき、(演習部)後方幕僚部全員が息を呑みました。

後方主任幕僚の「弾薬・燃料が予想よりキツイな・・・」という言葉が、(想定)状況の悪化を示していました。

演習だから、弾薬・燃料全て満タンで開始されるわけではありません。

図4 対艦ミサイル8発フル搭載の状況
対艦ミサイル.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/6d/JS_Yugiri_Mk_141_Harpoon_Launchers.jpg

図上演習の結果、いくらかの弾薬変化、各艦各基地の備蓄量が変化しています。

2.2 ゲリ・コマによる備蓄の減少!

中には、ゲリ・コマにて破壊工作により使用不能の、燃料タンクが発生していました。

図5 燃料タンク(想定:ゲリ・コマにより使用不能)
nennryou.jpg

作戦開始前に、かなり後方支援に痛手となる状況付与が行われました。

2.3 想定数量に従い、後方支援作戦計画を修正!

とにかく、急いで作戦計画を修正して、全般作戦計画に反映させる必要があります。

自衛艦隊(SF)JTF2の作戦計画に基づいて,、各隷下部隊の作戦が決まります!

演習部の後方幕僚部(S-4)は、大急ぎで修正計画を作成します。

CJTF2(自衛艦隊司令官)の作戦計画決裁を受けて、作戦準備が整いました。

後は、実動演習の発動を待つのみです!(実動演習24時間前)
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(3)想像よりエグイ自衛隊演習の想定状況!

今回は、実動演習開始直前の司令部の動きを記事にしてみました。
(まだ演習開始前なのに、いろんなことがあり過ぎます。)

図上演習によるいろんな状況の推移の結果、実動演習で行動を起こします。

この中で、ちょっとぼやかして書かざるを得ない部分があります。

政治が関わる、防衛出動待機命令等の部分です。

3.1 政府からの命令に関するタイミングが・・・

今回、あいまいに表現して書いているのは、自衛隊の行動に関する部分です。

・『武力攻撃事態等に関する各種命令指示』
・『防衛出動待機命令   (自衛隊法第77条)』
・『防衛出動命令     (自衛隊法第76条)』
・『防衛出動時の武力行使 (自衛隊法第88条)』

などについてです。

どの時点で、何の命令が出ているかはちょっと書けない話です。

どのようなプロセス、タイミングなのか作戦行動と連結するためです。

3.2 防衛出動待機命令は出ないものと考えよ!

現在は、有事法制が整備されましたが、ひと昔はかなり異なっていたそうです。


『防衛出動待機命令は、出ないものと心得よ』
『防衛出動命令発令は、戦闘に間に合わないと思え』


昔の状況を知っている後方主任幕僚の、重い言葉が突き刺さります。

今の時代は、ちゃんと適時適切に政府の命令が出てくれることを願います。
(後方幕僚部の演習体験で実感いたしました・・・)

さて、ついに実動演習の開始だ!
(次記事):幕僚編B演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!
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