(2018年投稿記事です。)
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奪還作戦に向けて、ついに動き出したJTFと米軍部隊!
しかし敵も作戦阻止に向けて、正規・非正規戦を織り交ぜて攻撃を開始。
国際法と国内法の枷に縛られた、JTFを襲う数々の攻撃!
小説より混沌とした、現代の複合海空戦の様子をご紹介!
(前記事):幕僚編D反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!
(次記事):幕僚編F反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!
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(1)高速自爆ボート出現!JTFは攻撃できるか?!
反撃作戦が開始され、各部隊が行動を開始いたしました。
しかし行動を開始すると、通信量の増加・基地活動の激化により情報を察知されやすくなります。
今回は呉から奪還部隊が出撃する、という情報をわざと流出させます。
流出情報を逆用して、敵X国潜水艦を誘因・撃破する戦法に出ました。
1.1 不審高速艇出没!まさか高速自爆ボートか?
JTF奪還部隊が呉から出撃の情報を受けて、やはり潜伏していた敵X国SSが動き出しました。
しかし、JTF側の目的は敵SSを誘引することです。
探知された敵SSは、TG21.4とTF24(航空隊)のHS、P-3Cにより捕捉・攻撃により見事撃沈!
『敵SS1隻撃沈確認!!』
すんなり、呉から出撃する際に邪魔になっていた敵SS1隻の排除に成功いたしました。
これで奪還部隊を、小笠原列島に進出できます!
ところが、すんなりいかないのが現実の作戦です。
(S-2)
『海保より連絡!不審高速艇が海上規制を無視して出航!』
『海自の奪還部隊に向けて高速航行中!!』
JTFと協同関係にある海上保安庁が、海上の警戒や商船・漁船の出港規制を実施しています。
海保からの情報に騒然とするSF司令部!!
(SF幕僚長)
『まさか高速自爆ボートじゃないだろうな・・・』
図1 高速自爆ボート
引用URL:https://cdn-images-1.medium.com/max/2000/1*2VVjW-p-kSIMIkj-pYwr6Q.jpeg
※高速自爆ボート
イラン革命防衛隊がホルムズ海峡にて、A2/AD戦術の一つとして使用。
2000年にイエメンで発生した、米駆逐艦「コール」爆破事件が一例。
現代軍艦の弱点となる、超小型目標に対する防御を突いた戦法
1.2 高速自爆ボートを撃破!
(S-2)
『海保より至急電!不審高速艇より海保巡視艇攻撃を受けた!』
『海保は追跡を中止、高速艇はX国旗を掲げている!!』
追跡していた海保が攻撃を受ける事態となりました。
ただし海保は、X国旗掲揚という貴重な情報を伝達してきました。
不審高速艇がX国旗を掲げたということは、高速自爆ボートと判断できます。
SF司令官より命令が発せられます。
『TG21.4は、高速自爆ボートを撃破せよ!』
高速自爆ボートは、目標として小さいため対艦ミサイルが使えません。
よって主砲・CIWS・自衛用火器にて、対処となります。
何とか出現した6隻の撃破に成功しました。
敵味方不明・本土から出たゲリコマの場合、すぐに攻撃できません。
当時のROE(部隊行動基準)では、SF司令官の判断を仰ぐ必要がありました。
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(2)悲痛!LSF(Low Slow Flyer)対処遅れにより損害発生!
敵X国の攻撃は、さらに不正規戦を利用した厳しいものになってきます。
次に始まったのは、LSF(低空低速飛行体)による攻撃です。
(空自連絡幕僚)
『空自JADGEより連絡!日本本土より、識別不明の航空機離陸!』
『当該航空機低速にてTG21.1作戦海域に近づく!緊急発進にて対応中!』
正体不明機が、横須賀を出港して対潜行動中のTG21.1に近接するとの連絡が来ました。
(S-3)
『来たぞ!LSFの可能性がある!敵味方識別を急げ!』
※LSF:Low Slow Flyer(低空低速飛行体)
911事件以降、新たな脅威として認識された目標
小型軽飛行機・ヘリコプター等で軍事目標へ、緊急事態を装い着陸・自爆攻撃等の攻撃
民間識別IFFのまま飛行するため、判断が非常に困難
米海軍では、150ノット以下の飛行速度機をLSFの基準として対処
LSF対処の動画(蘭海軍)
図2 LSFの対象となりやすい機体(An-2)
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f0/Antonov_An-2R_on_ski_Ryabtsev.jpg
LSFは、艦隊に接近して重要目標(HVU)を攻撃する可能性があります。
しかし本当に民間機である可能性もあり、非常に判断が難しい状況です。
2.1 こちら報道ヘリ、緊急事態により着艦許可を求める!
LSFの可能性がある機体は、ヘリコプターと判明しました。
対処は、ROEに従い当該空域から離脱するよう警告を行います。
(TG21.1)
『飛行中のヘリに警告する!現在作戦行動中につき撃墜される危険がある!』
『直ちに管制官の指示に従い、この空域から離脱せよ!』
(民間ヘリ?)
『こちらは報道ヘリである。現在空撮取材中である。自衛隊の管制に従う義務はない!』
(統裁部が模擬HSの無線交信を演習部と実施)
だあああ!管制に従えよ〜!
さらにエスカレートしてこんなことまで言い始めました!
(民間ヘリ?)
『こちら報道ヘリ、機体に不具合発生。自衛艦への予防着陸を求める!』
『緊急事態宣言!直ちに近くの護衛艦への着艦を要請する!』
さあいよいよ混沌としてきました。
2.2 撃墜か?追い払いか?揺れるJTFの判断!
SF司令部内では、LSFに対する処置で大揉めとなります。
(S-3)
『CTG21.1からも撃墜許可を求めています!撃墜の判断を出すべきです!』
(S-0:法務)
『完全に敵味方識別ができていない!ホントに民間機だと違法行為になるぞ!』
司令部内では、撃墜か?追い払いかで大激論となりました。
その間にも、LSFがどんどんと近づいてきました。
『LSF、短SAM射程圏内まで近づきました!』
『国交省からは、報道ヘリの離陸を確認していないといってきています!』
ついに、SF司令官の決心と命令が下されます。
(SF司令官)
『LSFに対し、主砲による威嚇射撃を実施。』
『CIWS射程内まで進行した場合撃墜を許可する!』
とうとう、撃墜命令が発せられました。
2.3 LSF、DDGに急降下!ついに被害が・・・
撃墜命令が発令され、TG21.1がLSFに対処を開始します。
主砲による威嚇射撃が開始されても、TG21.1に近接を続けます。
ついに最悪の事態に・・・
TG21.1『緊急!LSFがイージス艦に向けて急降下〜!撃墜する!』
TG21.1からの絶叫に似た衛星無線通信が、SF司令部内に響き渡ります。
図3 LSF(ヘリ)が突っ込んできた!(イメージ)
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/mHjXmv7VoTo/hqdefault.jpg
統裁部の審判結果として、
『LSF撃墜成功、ただし攻撃したDD1隻に残骸落下』
『DDは中破判定、自力航行可能・対艦ミサイル発射不能』
SF司令部では、一時演習中断となりLSF対処の問題点洗い出しとなります。
『撃墜判断時期が遅すぎたのではないか?』
『CTG21.1に、射撃権限を委譲すべきでは?』
国際法と有事法制、国内各種法の狭間により判断が遅れる事態となりました。
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(3)戦時国際法と有事法制・国内法に揺れる現場
演習での、高速自爆ボートやLSFなどの攻撃対処を経験して気付いたことがあります。
『法律が、前線の混沌とした状況から完全に遊離している』
戦時国際法(特に海戦部分)では、高速自爆ボート・LSFへの攻撃は認められています。
(特にサンレモ・マニュアルに、自隊防護で規定があります。)
※サンレモ・マニュアル(海上武力紛争に適用される国際法サンレモ・マニュアル)
戦時国際法の海戦に関する部分は、多くが「慣習法(不文法)」である。
この慣習法を明文化・条約化する目的で、1994年に起案された。
現在まで条約として成立していないが、多くの国がROEの基準としている。
サンレモ・マニュアルでの規定を適用すると、国内法に引っかかる状態が現場にあります。
(LSF対処は、特に国内法との相反が激しい)
政治の世界で、政治家が勇ましいことを発言していますが国際法を読んだことがあるのでしょうか?
3.1 政治家たちへの提言!
現場にいたものとしては、現代の戦闘に合致した国内法の整備をしてほしいものです。
政治家の戦争観は、第2次世界大戦のままで止まっているとしか思えない現状があります。
せめて、現代の戦闘に合致した法律整備をお願いしたいものです。
さあ、どんどんと反撃作戦を進めていきますよ〜!
(次記事):幕僚編F反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!
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