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Notabene 45. Ein Tagebuch von Erich Kästner.

『ケストナーの終戦日記― 一九四五年を忘れるな』
エーリヒ・ケストナー著 / 高橋健二 訳
駸々堂 1985年8月15日第1刷
Notabene 45. Ein Tagebuch von Erich Kästner.

終戦間際までよくベルリンに留まっていたなあと思う。戦火を潜りぬけたとはいえほとんどの所持品を失い、住む家もなくなり…銀行の預金は凍結されているし、執筆も出版も禁止。これでもかといった仕打ちだ。焼けてしまった蔵書、四千冊にはどんな本があったのだろう。戦後、出版物の補償はしてもらえるだろうけど、蔵書までは補償対象外なんだろうな。
第三帝国の執拗さといったらベトベトだ。戦争中は行動力とガッツがないと生き延びられないと毎度思ってしまう。あとは運…いやいや、体力と知力と勘が三位一体になって初めて生き残ることができるのだ。英知なくしては体力も無駄に消費してしまうし、鋭い勘の働きなしに英知だけでは下手をすると理屈をこねている間に死ぬだろうし、せっかくの勘も体力なしには身体が動かない…と無理矢理グーチョキパーの関係を作ってみました。
何より真っ当な人間性と非常事態でも人を思い遣る心が大切だし必要だ。
本書の邦訳タイトルは『ケストナーの終戦日記』。
1945年2月から始まっているのだか訳者の考えで終戦日記にしたらしい。
そこら辺は訳者あとがきを参照。
ケストナーの日記は内容を美化せずにそのまま個人の体験記録として書かれている。まえがきには「日記は芸術作品であろうとすればするほど、日記でなくなる」と記してある。美化強化協会にも自己美化協会にも属していないのだそうだ。私もどちらかと言えば自己美化協会には属したくないので、ここでは人名以外はありのままを書いている。しかしながらケストナーのありのままっぷりと言い回しには尊敬だ。たまにはケストナーのように気の利いた文句のひとつも書いてみたいもんだ。憧れちゃいます。

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