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2017年08月22日
F消化・吸収と栄養素の体内動態【解説】 ブログランキング始めました。
Q1.消化管ホルモンに関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)ガストリンは膵臓からの消化酵素の分泌を促進する。
(2)ガストリンは胆嚢を収縮させる。
(3)コレシストキニンは胃酸の分泌を促進する。
(4)コレシストキニンはペプシノーゲンの分泌を促進する。
(5)セレクチンは膵臓からの炭酸水素イオンの分泌を促進する。
(2)ガストリンは胆嚢を収縮させる。
(3)コレシストキニンは胃酸の分泌を促進する。
(4)コレシストキニンはペプシノーゲンの分泌を促進する。
(5)セレクチンは膵臓からの炭酸水素イオンの分泌を促進する。
【解説】…正答(5)
(1)〜(4)誤り。ガストリンは、胃酸及びペプシノーゲンの分泌を促進する。
コレシストキニンは、膵臓からの消化酵素の分泌を胆嚢の収縮を促進する。
Q2.消化と吸収に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)ラクトースを構成する単糖の吸収は、ナトリウムによって促進される。
(2)ジペプチドの吸収は、ナトリウムによって促進される。
(3)たんぱく質の消化は、小腸から始まる。
(4)トリアシルグリセロールを構成するオレイン酸は、門脈中に取り込まれる。
(5)食事中のコレステロールの吸収には、胆汁の分泌は必須ではない。
(2)ジペプチドの吸収は、ナトリウムによって促進される。
(3)たんぱく質の消化は、小腸から始まる。
(4)トリアシルグリセロールを構成するオレイン酸は、門脈中に取り込まれる。
(5)食事中のコレステロールの吸収には、胆汁の分泌は必須ではない。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。
ラクトースを構成するグルコースとガラクトースの吸収は、
Na+の濃度勾配を利用するNa+/D-グルコース共輸送担体(SGLT1)を介して行われる。
(2)誤り。
ジペプチドの吸収はH+によって促進される。
ジペプチドの吸収は、H+の濃度勾配を利用するH+/ジペプチド共輸送担体を介して行われる。
(3)誤り。
たんぱく質の消化は胃から始まる。
(4)誤り。
オレイン酸は炭素数18の調査脂肪酸であるので、
カイロミクロンの形でリンパ管中に取り込まれる。
(5)誤り。
コレステロールの吸収には、胆汁の分泌は必須である。
コレステロールは、胆汁中の胆汁酸とミセルを形成して吸収される。
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2017年08月21日
F消化・吸収と栄養素の体内動態【問題】
それでは、「消化・吸収と栄養素の体内動態」から二問出題します。
次回、解説します。
Q1.消化管ホルモンに関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)ガストリンは膵臓からの消化酵素の分泌を促進する。
(2)ガストリンは胆嚢を収縮させる。
(3)コレシストキニンは胃酸の分泌を促進する。
(4)コレシストキニンはペプシノーゲンの分泌を促進する。
(5)セレクチンは膵臓からの炭酸水素イオンの分泌を促進する。
(2)ガストリンは胆嚢を収縮させる。
(3)コレシストキニンは胃酸の分泌を促進する。
(4)コレシストキニンはペプシノーゲンの分泌を促進する。
(5)セレクチンは膵臓からの炭酸水素イオンの分泌を促進する。
Q2.消化と吸収に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)ラクトースを構成する単糖の吸収は、ナトリウムによって促進される。
(2)ジペプチドの吸収は、ナトリウムによって促進される。
(3)たんぱく質の消化は、小腸から始まる。
(4)トリアシルグリセロールを構成するオレイン酸は、門脈中に取り込まれる。
(5)食事中のコレステロールの吸収には、胆汁の分泌は必須ではない。
(2)ジペプチドの吸収は、ナトリウムによって促進される。
(3)たんぱく質の消化は、小腸から始まる。
(4)トリアシルグリセロールを構成するオレイン酸は、門脈中に取り込まれる。
(5)食事中のコレステロールの吸収には、胆汁の分泌は必須ではない。
次回、解説します。
2017年08月20日
F消化・吸収と栄養素の体内動態【ポイント】
今日は、消化・吸収と栄養素の体内動態についてお話します。
【消化・吸収とは】
多くの食物はそのままでは利用できない高分子の形で摂取されるため、
これらを分解して消化管の粘膜を通過しやすい低分子にする過程が必要です。
この分解過程を消化といいます。
また、消化により分解された栄養素が、血液やリンパ液へ移送される過程を吸収と言い、
吸収の約90%は小腸で行われます。
【消化器系】
食事をすると食物は、口腔→咽頭→食道→胃→小腸(十二指腸、空腸、回腸)
→大腸(盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸)→肛門を通り、
糞便として体外へ排出されます。
消化器系は、口腔から肛門まで続く消化管と、
分泌活動を行う唾液腺、肝臓、胆嚢、膵臓の副器官からなります。
【消化の種類】
・機械的消化
口腔内での咀嚼、異や超での蠕動運動や分節運動などによる消化をさします。
咀嚼によって食塊が細かく砕かれることにより、消化液の作用する表面を増加させます。
また、蠕動運動や分節運動によって、食塊と消化液が混和・攪拌されます。
・化学的消化
消化液中の消化酵素による加水分解、Bによる分解、アルカリによる中和、
胆汁による乳化などの消化をさします。
1日に7〜8Lの消化液が分泌されます。
化学的消化はさらに、管腔内消化と膜消化に分けられます。
管腔内消化とは、管腔内に分泌した唾液、胃液、膵液、胆汁、腸液などの
消化液によって行われる中間的な消化のことです。
幕消化とは、小腸の粘膜細胞の微絨毛膜表面に存在する消化酵素によって行われる最終的な消化のことです。
・生物学的消化
大腸での腸内細菌による発酵を伴う消化で、
大腸に到達するまでに消化されなかった物質が消化されます。
【消化過程の概要】
〇口腔
主な唾液腺には、耳下腺、舌下線、顎下腺の三つがあります。
・耳下腺:漿液性のさらさらした唾液を分泌、「αアミラーゼ」を含みでんぶんを分解。
・舌下腺:粘液性の唾液を分泌、「ムチン」を含む。
・顎下腺:漿液性と粘液の混合した唾液を分泌する。
※一日の分泌量は1〜1.5Lでほぼ中性(pH6〜7)
〇胃
食道から送り込まれた食塊は、胃の蠕動運動によって噴門から幽門へ運ばれます。
胃液と混ざって半流動状になり、十二指腸に移送されます。
胃内停滞時間は、糖質<タンパク質<脂質の順に長くなります。(脂質が一番消化に時間がかかる)
・主細胞:「ペプシノーゲン」を分泌。ペプシノーゲンはペプシンの前駆体。
・壁細胞:塩酸(胃B)を分泌。ビタミンB12の吸収に必要な内因シ(キャッスル因子)を分泌。
・副細胞:「ムチン」を主成分とする粘液を分泌。粘液は胃粘膜を保護する。
※一日の分泌量は1〜2Lで強酸性(pH1〜2)。
〇小腸
・膵液:膵臓で作られ十二指腸に分泌、炭酸水素イオンは胃から移送される酸性の消化粥を中和。
糖質、脂質、たんぱく質を分解する種々の酵素を含んでいる。
※一日の分泌量は1〜2Lで弱アルカリ性(pH7〜8)
・胆汁:肝臓で作られ濃縮されて胆嚢に蓄えられ消化する際に胆嚢が収縮して十二指腸に分泌。
胆汁は消化酵素を含んでいないが、主成分の胆汁酸の強い界面活性作用で脂質を乳化。
※一日の分泌量は0.5〜1Lで弱アルカリ性(pH7〜8)
・腸液
十二指腸腺(ブルンネル腺)、腸腺(リーベルキューン腺)から分泌。腸粘膜を保護。
※アルカリ性(pH8〜9)
【膜消化・吸収】
・吸収部位
栄養素と水の吸収の約90%は小腸で行われ、残りの10%は胃と大腸で行われます。
小腸での吸収は、小腸粘膜の吸収上皮細胞で膜消化と同時に進行します。
小腸の中で吸収の最も盛んな部位は空腸です。
胃の上皮細胞はほとんどの物質を透過させないので、
胃で吸収される栄養素や水の量はほんのわずかであり、アルコールや単糖類などの一部を吸収します。
また、大腸は、水や電解質を吸収する重要な器官であり、
この他、短鎖脂肪酸やアミノ酸、腸内細菌の動静するビタミン類なども吸収します。
・小腸での吸収機構
消化された栄養素が血管やリンパ管を通じて全身に供給されるには、
小腸吸収上皮細胞を通過する必要があります。
栄養素は微絨毛膜の透過、血管内の異動、側底膜の透過の過程を経て血管やリンパ管に移行します。
栄養素が微絨毛膜あるいは側底膜を透過すつ機構には、
濃度勾配に逆らう受動輸送と、濃度勾配に逆らう能動輸送があります。
受動輸送には、輸送担体を必要としない単純拡散と、輸送担体を必要とする促進拡散があります。
能動輸送には、一次性能動輸送、二次性能動輸送、三次性能動輸送があります。
【栄養素の体内動態】
・門脈系ー水溶性栄養素
単糖類、アミノ酸、水溶性ビタミン、無機質、短鎖・中鎖脂肪酸、グリセロールなどの
水溶性栄養素は、毛細血管→門脈→肝臓→心臓→全身へと運搬されます。
・リンパ系ー脂溶性栄養素
モノアシルグリセロール、調査脂肪酸、コレステロール、脂溶性ビタミンなどの脂溶性栄養素は、
胆汁酸塩とともにミセルを形成し、少量吸収上皮細胞に移行します。
微絨毛膜の表面に達するとミセルは壊れ、ミセルに溶解していた脂溶性栄養素は細胞内に入ります。
そして、細胞内でカイロミクロン(キロミクロン)を合成し、
乳び管→リンパ管→胸管→心臓→全身へと運搬されます。
【プレバイオティクスとプロバイオティクス】
・プレバイオティクス
腸内において有用な菌を増やし、腸内フローラの健常化を促進し、
ヒトに有益な作用をもたらす難消化性食品成分。
例)食物繊維、難消化性オリゴ糖(ラクツロース、フルクトオリゴ糖など)、レジスタントスターチ
・プロバイオティクス
腸内フローラのバランスを改善することにより、ヒトの有益な作用をもたらす生きた微生物。
例)ビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌
【消化吸収率】
真の消化吸収率=摂取食品中の栄養素量ー(糞便中排泄量ー内因性損失量)/摂取食品中の栄養素量✕100
見かけの消化吸収率=摂取食品中の栄養素量ー糞便中の排泄量/摂取食品中の栄養素量✕100
【消化・吸収とは】
多くの食物はそのままでは利用できない高分子の形で摂取されるため、
これらを分解して消化管の粘膜を通過しやすい低分子にする過程が必要です。
この分解過程を消化といいます。
また、消化により分解された栄養素が、血液やリンパ液へ移送される過程を吸収と言い、
吸収の約90%は小腸で行われます。
【消化器系】
食事をすると食物は、口腔→咽頭→食道→胃→小腸(十二指腸、空腸、回腸)
→大腸(盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸)→肛門を通り、
糞便として体外へ排出されます。
消化器系は、口腔から肛門まで続く消化管と、
分泌活動を行う唾液腺、肝臓、胆嚢、膵臓の副器官からなります。
【消化の種類】
・機械的消化
口腔内での咀嚼、異や超での蠕動運動や分節運動などによる消化をさします。
咀嚼によって食塊が細かく砕かれることにより、消化液の作用する表面を増加させます。
また、蠕動運動や分節運動によって、食塊と消化液が混和・攪拌されます。
・化学的消化
消化液中の消化酵素による加水分解、Bによる分解、アルカリによる中和、
胆汁による乳化などの消化をさします。
1日に7〜8Lの消化液が分泌されます。
化学的消化はさらに、管腔内消化と膜消化に分けられます。
管腔内消化とは、管腔内に分泌した唾液、胃液、膵液、胆汁、腸液などの
消化液によって行われる中間的な消化のことです。
幕消化とは、小腸の粘膜細胞の微絨毛膜表面に存在する消化酵素によって行われる最終的な消化のことです。
・生物学的消化
大腸での腸内細菌による発酵を伴う消化で、
大腸に到達するまでに消化されなかった物質が消化されます。
【消化過程の概要】
〇口腔
主な唾液腺には、耳下腺、舌下線、顎下腺の三つがあります。
・耳下腺:漿液性のさらさらした唾液を分泌、「αアミラーゼ」を含みでんぶんを分解。
・舌下腺:粘液性の唾液を分泌、「ムチン」を含む。
・顎下腺:漿液性と粘液の混合した唾液を分泌する。
※一日の分泌量は1〜1.5Lでほぼ中性(pH6〜7)
〇胃
食道から送り込まれた食塊は、胃の蠕動運動によって噴門から幽門へ運ばれます。
胃液と混ざって半流動状になり、十二指腸に移送されます。
胃内停滞時間は、糖質<タンパク質<脂質の順に長くなります。(脂質が一番消化に時間がかかる)
・主細胞:「ペプシノーゲン」を分泌。ペプシノーゲンはペプシンの前駆体。
・壁細胞:塩酸(胃B)を分泌。ビタミンB12の吸収に必要な内因シ(キャッスル因子)を分泌。
・副細胞:「ムチン」を主成分とする粘液を分泌。粘液は胃粘膜を保護する。
※一日の分泌量は1〜2Lで強酸性(pH1〜2)。
〇小腸
・膵液:膵臓で作られ十二指腸に分泌、炭酸水素イオンは胃から移送される酸性の消化粥を中和。
糖質、脂質、たんぱく質を分解する種々の酵素を含んでいる。
※一日の分泌量は1〜2Lで弱アルカリ性(pH7〜8)
・胆汁:肝臓で作られ濃縮されて胆嚢に蓄えられ消化する際に胆嚢が収縮して十二指腸に分泌。
胆汁は消化酵素を含んでいないが、主成分の胆汁酸の強い界面活性作用で脂質を乳化。
※一日の分泌量は0.5〜1Lで弱アルカリ性(pH7〜8)
・腸液
十二指腸腺(ブルンネル腺)、腸腺(リーベルキューン腺)から分泌。腸粘膜を保護。
※アルカリ性(pH8〜9)
【膜消化・吸収】
・吸収部位
栄養素と水の吸収の約90%は小腸で行われ、残りの10%は胃と大腸で行われます。
小腸での吸収は、小腸粘膜の吸収上皮細胞で膜消化と同時に進行します。
小腸の中で吸収の最も盛んな部位は空腸です。
胃の上皮細胞はほとんどの物質を透過させないので、
胃で吸収される栄養素や水の量はほんのわずかであり、アルコールや単糖類などの一部を吸収します。
また、大腸は、水や電解質を吸収する重要な器官であり、
この他、短鎖脂肪酸やアミノ酸、腸内細菌の動静するビタミン類なども吸収します。
・小腸での吸収機構
消化された栄養素が血管やリンパ管を通じて全身に供給されるには、
小腸吸収上皮細胞を通過する必要があります。
栄養素は微絨毛膜の透過、血管内の異動、側底膜の透過の過程を経て血管やリンパ管に移行します。
栄養素が微絨毛膜あるいは側底膜を透過すつ機構には、
濃度勾配に逆らう受動輸送と、濃度勾配に逆らう能動輸送があります。
受動輸送には、輸送担体を必要としない単純拡散と、輸送担体を必要とする促進拡散があります。
能動輸送には、一次性能動輸送、二次性能動輸送、三次性能動輸送があります。
【栄養素の体内動態】
・門脈系ー水溶性栄養素
単糖類、アミノ酸、水溶性ビタミン、無機質、短鎖・中鎖脂肪酸、グリセロールなどの
水溶性栄養素は、毛細血管→門脈→肝臓→心臓→全身へと運搬されます。
・リンパ系ー脂溶性栄養素
モノアシルグリセロール、調査脂肪酸、コレステロール、脂溶性ビタミンなどの脂溶性栄養素は、
胆汁酸塩とともにミセルを形成し、少量吸収上皮細胞に移行します。
微絨毛膜の表面に達するとミセルは壊れ、ミセルに溶解していた脂溶性栄養素は細胞内に入ります。
そして、細胞内でカイロミクロン(キロミクロン)を合成し、
乳び管→リンパ管→胸管→心臓→全身へと運搬されます。
【プレバイオティクスとプロバイオティクス】
・プレバイオティクス
腸内において有用な菌を増やし、腸内フローラの健常化を促進し、
ヒトに有益な作用をもたらす難消化性食品成分。
例)食物繊維、難消化性オリゴ糖(ラクツロース、フルクトオリゴ糖など)、レジスタントスターチ
・プロバイオティクス
腸内フローラのバランスを改善することにより、ヒトの有益な作用をもたらす生きた微生物。
例)ビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌
【消化吸収率】
真の消化吸収率=摂取食品中の栄養素量ー(糞便中排泄量ー内因性損失量)/摂取食品中の栄養素量✕100
見かけの消化吸収率=摂取食品中の栄養素量ー糞便中の排泄量/摂取食品中の栄養素量✕100
2017年08月19日
E生体エネルギーと代謝【解説】
昨日の問題の解説です。
【解説】…正答(2)、(4)
(1)誤り。
グルタチオンは、抗酸化作用をもつ物質であり、活性酸素の除去に関与する。
(2)正しい。
ATPは、代表的な高エネルギーリン酸化合物である。
GTP、CTP、UTPも高エネルギーリン酸化合物である。
(3)誤り。
脱共役たんぱく質(UCP)は、ATPの合成を抑制する。
(4)正しい。
ATPは、異化の化学エネルギーの供給を受けてADPとリン酸基が結合して作られる。
(5)誤り。
電子伝達系において、最後に電子を引き受ける電子受容体は酸素である。
電子を受け取った酸素は、還元されて水となる。
【解説】…正答(3)
(1)誤り。
アポ酵素は、単独で酸素活性をもたない。
アポ酵素に捕因子(水溶性ビタミンや金属イオンなど)が結合したホロ酵素は活性をもつ。
(2)誤り。
基質との親和性が低いと、ミカエリス定数(Km)は大きくなる。
(3)正しい。
リン酸化により活性型になるものと、不活性型になるものの両方がある。
リン酸基を付加する酵素は「キナーゼ」と総称される。
(4)誤り。
酵素の基質結合部位以外の結合場所をアロステリック部位という。
アロステリックは「別の場所」という意味である。
(5)誤り。
アイソザイムとは、同じ反応を触媒するが、
たんぱく質の構造が異なる2種類以上の酵素のことをいう。
Q1.生体エネルギーと生体酸化に関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)グルタチオンは、活性酸素の産生に関与する。
(2)ATPは、高エネルギーリン酸化合物である。
(3)脱共益たんぱく質(UCP)は、ATP合成を促進する。
(4)ATPの産生は、異化の過程で起こる。
(5)電子伝達系の電子受容体は、水素分子である。
(2)ATPは、高エネルギーリン酸化合物である。
(3)脱共益たんぱく質(UCP)は、ATP合成を促進する。
(4)ATPの産生は、異化の過程で起こる。
(5)電子伝達系の電子受容体は、水素分子である。
【解説】…正答(2)、(4)
(1)誤り。
グルタチオンは、抗酸化作用をもつ物質であり、活性酸素の除去に関与する。
(2)正しい。
ATPは、代表的な高エネルギーリン酸化合物である。
GTP、CTP、UTPも高エネルギーリン酸化合物である。
(3)誤り。
脱共役たんぱく質(UCP)は、ATPの合成を抑制する。
(4)正しい。
ATPは、異化の化学エネルギーの供給を受けてADPとリン酸基が結合して作られる。
(5)誤り。
電子伝達系において、最後に電子を引き受ける電子受容体は酸素である。
電子を受け取った酸素は、還元されて水となる。
Q2.酵素に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)アポ酵素は、単独で酵素活性をもつ。
(2)基質との親和性が低いと、ミカエリス定数(Km)は小さい。
(3)酵素活性の調整機構として、酵素たんぱく質のリン酸化がある。
(4)アロステリック部位は、酵素の基質結合部位である。
(5)アイソザイムは、同じ一次構造をもつ。
(2)基質との親和性が低いと、ミカエリス定数(Km)は小さい。
(3)酵素活性の調整機構として、酵素たんぱく質のリン酸化がある。
(4)アロステリック部位は、酵素の基質結合部位である。
(5)アイソザイムは、同じ一次構造をもつ。
【解説】…正答(3)
(1)誤り。
アポ酵素は、単独で酸素活性をもたない。
アポ酵素に捕因子(水溶性ビタミンや金属イオンなど)が結合したホロ酵素は活性をもつ。
(2)誤り。
基質との親和性が低いと、ミカエリス定数(Km)は大きくなる。
(3)正しい。
リン酸化により活性型になるものと、不活性型になるものの両方がある。
リン酸基を付加する酵素は「キナーゼ」と総称される。
(4)誤り。
酵素の基質結合部位以外の結合場所をアロステリック部位という。
アロステリックは「別の場所」という意味である。
(5)誤り。
アイソザイムとは、同じ反応を触媒するが、
たんぱく質の構造が異なる2種類以上の酵素のことをいう。
2017年08月18日
E生体エネルギーと代謝【問題】
それでは、「生体エネルギーと代謝」から二問出題します。
次回、解説します。
Q1.生体エネルギーと生体酸化に関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)グルタチオンは、活性酸素の産生に関与する。
(2)ATPは、高エネルギーリン酸化合物である。
(3)脱共益たんぱく質(UCP)は、ATP合成を促進する。
(4)ATPの産生は、異化の過程で起こる。
(5)電子伝達系の電子受容体は、水素分子である。
(2)ATPは、高エネルギーリン酸化合物である。
(3)脱共益たんぱく質(UCP)は、ATP合成を促進する。
(4)ATPの産生は、異化の過程で起こる。
(5)電子伝達系の電子受容体は、水素分子である。
Q2.酵素に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)アポ酵素は、単独で酵素活性をもつ。
(2)基質との親和性が低いと、ミカエリス定数(Km)は小さい。
(3)酵素活性の調整機構として、酵素たんぱく質のリン酸化がある。
(4)アロステリック部位は、酵素の基質結合部位である。
(5)アイソザイムは、同じ一次構造をもつ。
(2)基質との親和性が低いと、ミカエリス定数(Km)は小さい。
(3)酵素活性の調整機構として、酵素たんぱく質のリン酸化がある。
(4)アロステリック部位は、酵素の基質結合部位である。
(5)アイソザイムは、同じ一次構造をもつ。
次回、解説します。
2017年08月17日
E生体エネルギーと代謝【ポイント】
今日は、生体エネルギーと代謝についてお話します。
「酵素」の部分は、管理栄養士の国家試験でも狙われやすいポイントです。
しっかり学習しておきましょう。
【独立栄養と従属栄養】
植物やある種の細菌のように、
光合成などによって無機物だけを用いて自らが必要とする有機物を合成し、
体外から有機物を取り込んずに生きることを独立栄養いいます。
一方、ヒトや動物、菌類、多くの細菌のように、
他の生物が合成した有機物に依存して生きることを従属栄養といいます。
【異化と同化】
外界から取り込んだ物質を変化させる過程を代謝といい、代謝には同化と異化の2つがあります。
同化とは、摂取した食物から必要な物質を合成・変換する過程をいい、
異化とは不必要になったものを分解・排泄する過程をいいます。
【高エネルギーリン酸化合物】
異化により発生したエネルギーは一時的に高エネルギーリン酸化合物として貯蔵され、
さまざまな吸エルゴン反応の合成、生体膜の能動輸送、筋肉の収縮などに用いられます。
高エネルギーリン酸化合物の代表が、ATP(アデノシン三リン酸)です。
【生体エネルギーの獲得】
生体は、糖質・脂肪・たんぱく質を取り入れ、体内で変化させることで、
生命維持に必要なエネルギーを得ています。
概略的には、食物中の有機分子の炭素C、水素Hno電子を取り去り、
二酸化炭素CO2と水H2Oに分解す津家庭の反応を通じて、エネルギー(ATP)を生成しています。
【酵素】
酵素は、生体において化学反応を触媒するたんぱく質です。
触媒とは、それ自身は変化せず、化学反応の速度を速めるものです。
酵素を含め触媒は、化学反応の活性化エネルギーを低下させることによって反応速度を大きくします。
生体内の体部分の化学反応yは酵素の触媒作用で起こっています。
酵素が作用する物質を基質、反応により生じる部分を生成物といいます。
【酵素の特徴】
・活性部位
酵素の分子内で、基質と直接結合する部位を基質結合部位といい、
その中で反応に関与する部位を活性部位といいます。
活性部位は酵素表面のくぼみや裂け目であり、
酵素全体からみると比較的狭い領域であることが多くあります。
・基質特異性
酵素は普通の触媒とは異なって非常に特異的であり、
1つの酵素は原則として1種類の基質に作用し、1種類の化学反応を触媒します。
前者を酵素の基質特異性、後者を酵素の反応特異性をいいます。
・最適温度・最適pH
反応速度は温度やpHによって変化します。
その酵素が最大の活性を示す温度やpHをそれぞれ最適温度・最適pHといいます。
酵素はたんぱく質であるため、高温や強酸性、強アルカリ性では変性し、酵素活性を失います。
一般には、37〜40℃、pH7〜8(中性)付近で最大の活性を示しますが、
例えば好熱菌の酵素の最適温度は70〜80℃、消化酵素ペプシン最適pHは強酸性のpH2付近であるように、
特殊な条件下で最大活性を示す酵素もあります。
・捕因子
酵素は、たんぱく質のみによって反応を行う場合と、
反応に低分子の非たんぱく質成分の捕因子を必要とする場合があります。
水溶性ビタミンなどの有機物や金属イオンなどの無機物が捕因子となりますが、
特に有機物を捕因子とする場合、それを補酵素といいます。
また、たんぱく質と強く結合している捕因子のことを補欠分子族と呼びます。
捕因子を必要とするタイプの酵素において、
捕因子と結合した活性のある完全な酵素をホロ酵素、
活性のないたんぱく質部分のみをアポ酵素といいます。
・反応速度
酵素濃度を高くすると、反応速度は酵素濃度に比例して増加しますが、
ある酵素濃度を超えると増加は少なくなります。
基質濃度を高くすると、反応速度は双曲線状に増加します。
ある基質濃度以上では、反応速度は一定の値に近づきます。
【酵素反応の阻害】
酵素反応の速度(酵素活性)を低下させる物質を阻害剤(インヒビター)といい、
抗生物質や抗がん剤などに広く利用されています。
阻害剤が結合する部位の違いによって、競合(拮抗)阻害と非競合(非拮抗)阻害に大別されます。
競合阻害剤は、酵素反応の最大速度には影響を与えないが、ミカエリス定数(Km)を大きくします。
非競合阻害剤は、ミカエリス定数(Km)には影響を与えないが、
酵素反応の最大速度(Vmax)を低下させます。
※ミカエリス定数(Km)
ミカエリス定数(Km)とは最大反応速度(Vmax)の半分を与える基質濃度のことであり、
酵素の基質に対する親和性を反映します。
ミカエリス定数が小さいということは、酵素の基質に対する親和性が高いことを示し、
逆にミカエリス定数が大きいということは、酵素の基質に対する親和性が低いことを示します。
なお、ミカエリス定数は酵素の濃度によって変化しません。
【酵素活性の調整】
酵素活性は条件によって変動し、生命維持に都合が良い状態を作り出せるように調整されています。
活性が調整される酵素を調整酵素といい、アロステリック酵素と、
共有結合で修飾されて活性が変化する酵素があります。
【アイソザイム】
同一反応を触媒しますが、たんぱく質の構造が異なる酵素をアイソザイムといいます。
乳酸デヒドロゲナーゼには5種類のアイソザイムが存在します。
乳酸デヒドロゲナーゼのアイソザイムにはそれぞれ臓器特異性があり、各臓器の障害に伴い、
相応するアイソザイムの上昇をみるので、各疾患の診断に用いられています。
【代謝経路】
・糖質
糖質の主な構成単位であるグルコースは、解糖系でピルビン酸あるいは乳酸にまで分解されます。
ピルビン酸は、酸素が十分に存在する状況下では、アセチルCoAを経てクエン酸回路(TCA回路)に入り、
さらに電子伝達系での反応を受けてATPを産生します。
また、グルコースはグリコーゲンに変換されてエネルギーの貯蔵を行います。
・脂質
脂質から得られた脂肪酸は、β酸化によってアセチルCoAとなり、
グルコースに由来するアセチルCoAと同様にクエン酸回路と電子伝達系でATPを産生します。
また、脂肪酸はトリアシルグリセロール(中性脂肪)に合成されてエネルギーの貯蔵を行います。
一方、グリセロールは解糖系に入り、糖質代謝に組み込まれます。
・たんぱく質
たんぱく質の構成成分であるアミノ酸は、主にたんぱく質合成や体内の窒素化合物合成に使われますが、
エネルギー源としても利用されます。
アミノ酸は一部はアミノ基を失ってα-ケト酸となり、
ピルビン酸、アセチルCoA、クエン酸回路の代謝中間体を経て、
グルコールや脂肪酸と同じようにATPを産生します。
一方、アミノ基はアンモニアを絵h手尿素に変換され、尿中に排泄されます。
次回、問題を出題します。
「酵素」の部分は、管理栄養士の国家試験でも狙われやすいポイントです。
しっかり学習しておきましょう。
【独立栄養と従属栄養】
植物やある種の細菌のように、
光合成などによって無機物だけを用いて自らが必要とする有機物を合成し、
体外から有機物を取り込んずに生きることを独立栄養いいます。
一方、ヒトや動物、菌類、多くの細菌のように、
他の生物が合成した有機物に依存して生きることを従属栄養といいます。
【異化と同化】
外界から取り込んだ物質を変化させる過程を代謝といい、代謝には同化と異化の2つがあります。
同化とは、摂取した食物から必要な物質を合成・変換する過程をいい、
異化とは不必要になったものを分解・排泄する過程をいいます。
【高エネルギーリン酸化合物】
異化により発生したエネルギーは一時的に高エネルギーリン酸化合物として貯蔵され、
さまざまな吸エルゴン反応の合成、生体膜の能動輸送、筋肉の収縮などに用いられます。
高エネルギーリン酸化合物の代表が、ATP(アデノシン三リン酸)です。
【生体エネルギーの獲得】
生体は、糖質・脂肪・たんぱく質を取り入れ、体内で変化させることで、
生命維持に必要なエネルギーを得ています。
概略的には、食物中の有機分子の炭素C、水素Hno電子を取り去り、
二酸化炭素CO2と水H2Oに分解す津家庭の反応を通じて、エネルギー(ATP)を生成しています。
【酵素】
酵素は、生体において化学反応を触媒するたんぱく質です。
触媒とは、それ自身は変化せず、化学反応の速度を速めるものです。
酵素を含め触媒は、化学反応の活性化エネルギーを低下させることによって反応速度を大きくします。
生体内の体部分の化学反応yは酵素の触媒作用で起こっています。
酵素が作用する物質を基質、反応により生じる部分を生成物といいます。
【酵素の特徴】
・活性部位
酵素の分子内で、基質と直接結合する部位を基質結合部位といい、
その中で反応に関与する部位を活性部位といいます。
活性部位は酵素表面のくぼみや裂け目であり、
酵素全体からみると比較的狭い領域であることが多くあります。
・基質特異性
酵素は普通の触媒とは異なって非常に特異的であり、
1つの酵素は原則として1種類の基質に作用し、1種類の化学反応を触媒します。
前者を酵素の基質特異性、後者を酵素の反応特異性をいいます。
・最適温度・最適pH
反応速度は温度やpHによって変化します。
その酵素が最大の活性を示す温度やpHをそれぞれ最適温度・最適pHといいます。
酵素はたんぱく質であるため、高温や強酸性、強アルカリ性では変性し、酵素活性を失います。
一般には、37〜40℃、pH7〜8(中性)付近で最大の活性を示しますが、
例えば好熱菌の酵素の最適温度は70〜80℃、消化酵素ペプシン最適pHは強酸性のpH2付近であるように、
特殊な条件下で最大活性を示す酵素もあります。
・捕因子
酵素は、たんぱく質のみによって反応を行う場合と、
反応に低分子の非たんぱく質成分の捕因子を必要とする場合があります。
水溶性ビタミンなどの有機物や金属イオンなどの無機物が捕因子となりますが、
特に有機物を捕因子とする場合、それを補酵素といいます。
また、たんぱく質と強く結合している捕因子のことを補欠分子族と呼びます。
捕因子を必要とするタイプの酵素において、
捕因子と結合した活性のある完全な酵素をホロ酵素、
活性のないたんぱく質部分のみをアポ酵素といいます。
・反応速度
酵素濃度を高くすると、反応速度は酵素濃度に比例して増加しますが、
ある酵素濃度を超えると増加は少なくなります。
基質濃度を高くすると、反応速度は双曲線状に増加します。
ある基質濃度以上では、反応速度は一定の値に近づきます。
【酵素反応の阻害】
酵素反応の速度(酵素活性)を低下させる物質を阻害剤(インヒビター)といい、
抗生物質や抗がん剤などに広く利用されています。
阻害剤が結合する部位の違いによって、競合(拮抗)阻害と非競合(非拮抗)阻害に大別されます。
競合阻害剤は、酵素反応の最大速度には影響を与えないが、ミカエリス定数(Km)を大きくします。
非競合阻害剤は、ミカエリス定数(Km)には影響を与えないが、
酵素反応の最大速度(Vmax)を低下させます。
※ミカエリス定数(Km)
ミカエリス定数(Km)とは最大反応速度(Vmax)の半分を与える基質濃度のことであり、
酵素の基質に対する親和性を反映します。
ミカエリス定数が小さいということは、酵素の基質に対する親和性が高いことを示し、
逆にミカエリス定数が大きいということは、酵素の基質に対する親和性が低いことを示します。
なお、ミカエリス定数は酵素の濃度によって変化しません。
【酵素活性の調整】
酵素活性は条件によって変動し、生命維持に都合が良い状態を作り出せるように調整されています。
活性が調整される酵素を調整酵素といい、アロステリック酵素と、
共有結合で修飾されて活性が変化する酵素があります。
【アイソザイム】
同一反応を触媒しますが、たんぱく質の構造が異なる酵素をアイソザイムといいます。
乳酸デヒドロゲナーゼには5種類のアイソザイムが存在します。
乳酸デヒドロゲナーゼのアイソザイムにはそれぞれ臓器特異性があり、各臓器の障害に伴い、
相応するアイソザイムの上昇をみるので、各疾患の診断に用いられています。
【代謝経路】
・糖質
糖質の主な構成単位であるグルコースは、解糖系でピルビン酸あるいは乳酸にまで分解されます。
ピルビン酸は、酸素が十分に存在する状況下では、アセチルCoAを経てクエン酸回路(TCA回路)に入り、
さらに電子伝達系での反応を受けてATPを産生します。
また、グルコースはグリコーゲンに変換されてエネルギーの貯蔵を行います。
・脂質
脂質から得られた脂肪酸は、β酸化によってアセチルCoAとなり、
グルコースに由来するアセチルCoAと同様にクエン酸回路と電子伝達系でATPを産生します。
また、脂肪酸はトリアシルグリセロール(中性脂肪)に合成されてエネルギーの貯蔵を行います。
一方、グリセロールは解糖系に入り、糖質代謝に組み込まれます。
・たんぱく質
たんぱく質の構成成分であるアミノ酸は、主にたんぱく質合成や体内の窒素化合物合成に使われますが、
エネルギー源としても利用されます。
アミノ酸は一部はアミノ基を失ってα-ケト酸となり、
ピルビン酸、アセチルCoA、クエン酸回路の代謝中間体を経て、
グルコールや脂肪酸と同じようにATPを産生します。
一方、アミノ基はアンモニアを絵h手尿素に変換され、尿中に排泄されます。
次回、問題を出題します。
2017年08月16日
D核酸の構造と機能【解説】
昨日の核酸の構造と機能の問題の解説です。
【解説】…正答(5)
(1)誤り。
染色体DNAを基にしてmRNAが作られることを転写という。
複製とは、二本鎖DNAを基にして、それと同じ二本鎖DNAを作ることをいう。
(2)誤り。
cDNAはエキソン(エクソン)のみで構成されており、イントロンが含まれていない。
cDNAはmRNAから逆転転写酵素によってつくられる。
(3)誤り。
mRNAにおいてアミノ酸に対応する塩基の配列をコドンと呼ぶ。
アンチコドンは、tRNAにおいてアミノ酸に対応する塩基の配列のことである。
(4)誤り。
ミトコンドリアには、環状二本鎖のDNAが存在する。
(5)正しい。
アデニンとチミン(ウラシル)も互いに相補的塩基対をなす。
【解説】…正答(4)
(1)誤り。
tRNA(転写RNA)は、アミノ酸を運ぶ。
(2)誤り。
RNAはチミンを含まない。チミンを含むのはDNAである。
(3)誤り。
DNAポリメラーゼは、DNAを合成する酵素である。
(4)正しい。
ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)は、DNAを繰り返し複製し増幅する方法で、
微量のゲノムから目的のDNAを選択的に大量コピーできる。
(5)誤り。
DNAリガーゼは、DNA分子を連結する「のり」の役割をする酵素である。
DNA中の特定塩基配列を切断する「はさみ」の役割をする酵素は制限酵素である。
この2つの酵素は、遺伝子組み換えにおいて不可欠である。
Q1.核酸に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)染色体DNAを基にしてmRNAが作られることを複製という。
(2)cDNAにはエキソン(エクソン)が含まれていない。
(3)mRNAにおいてアミノ酸に対応する塩基の配列をアンチコドンと呼ぶ。
(4)ミトコンドリアには、DNAは存在しない。
(5)グアニンとシトシンは、互いに相補的塩基対をなす。
(2)cDNAにはエキソン(エクソン)が含まれていない。
(3)mRNAにおいてアミノ酸に対応する塩基の配列をアンチコドンと呼ぶ。
(4)ミトコンドリアには、DNAは存在しない。
(5)グアニンとシトシンは、互いに相補的塩基対をなす。
【解説】…正答(5)
(1)誤り。
染色体DNAを基にしてmRNAが作られることを転写という。
複製とは、二本鎖DNAを基にして、それと同じ二本鎖DNAを作ることをいう。
(2)誤り。
cDNAはエキソン(エクソン)のみで構成されており、イントロンが含まれていない。
cDNAはmRNAから逆転転写酵素によってつくられる。
(3)誤り。
mRNAにおいてアミノ酸に対応する塩基の配列をコドンと呼ぶ。
アンチコドンは、tRNAにおいてアミノ酸に対応する塩基の配列のことである。
(4)誤り。
ミトコンドリアには、環状二本鎖のDNAが存在する。
(5)正しい。
アデニンとチミン(ウラシル)も互いに相補的塩基対をなす。
Q2.核酸に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)tRNA(転移RNA)は、脂肪酸を運ぶ。
(2)RNAは、チミンを含む。
(3)DNAポリメラーゼは、DNAを分解する。
(4)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法は、DNAを増幅する。
(5)DNAリガーゼは、DNA中の特定塩基配列を切断する。
(2)RNAは、チミンを含む。
(3)DNAポリメラーゼは、DNAを分解する。
(4)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法は、DNAを増幅する。
(5)DNAリガーゼは、DNA中の特定塩基配列を切断する。
【解説】…正答(4)
(1)誤り。
tRNA(転写RNA)は、アミノ酸を運ぶ。
(2)誤り。
RNAはチミンを含まない。チミンを含むのはDNAである。
(3)誤り。
DNAポリメラーゼは、DNAを合成する酵素である。
(4)正しい。
ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)は、DNAを繰り返し複製し増幅する方法で、
微量のゲノムから目的のDNAを選択的に大量コピーできる。
(5)誤り。
DNAリガーゼは、DNA分子を連結する「のり」の役割をする酵素である。
DNA中の特定塩基配列を切断する「はさみ」の役割をする酵素は制限酵素である。
この2つの酵素は、遺伝子組み換えにおいて不可欠である。
2017年08月15日
D核酸の構造と機能【問題】
それでは、「核酸の構造と機能」から二問出題します。
解説は次回公開します。
Q1.核酸に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)染色体DNAを基にしてmRNAが作られることを複製という。
(2)cDNAにはエキソン(エクソン)が含まれていない。
(3)mRNAにおいてアミノ酸に対応する塩基の配列をアンチコドンと呼ぶ。
(4)ミトコンドリアには、DNAは存在しない。
(5)グアニンとシトシンは、互いに相補的塩基対をなす。
(2)cDNAにはエキソン(エクソン)が含まれていない。
(3)mRNAにおいてアミノ酸に対応する塩基の配列をアンチコドンと呼ぶ。
(4)ミトコンドリアには、DNAは存在しない。
(5)グアニンとシトシンは、互いに相補的塩基対をなす。
Q2.核酸に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)tRNA(転移RNA)は、脂肪酸を運ぶ。
(2)RNAは、チミンを含む。
(3)DNAポリメラーゼは、DNAを分解する。
(4)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法は、DNAを増幅する。
(5)DNAリガーゼは、DNA中の特定塩基配列を切断する。
(2)RNAは、チミンを含む。
(3)DNAポリメラーゼは、DNAを分解する。
(4)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法は、DNAを増幅する。
(5)DNAリガーゼは、DNA中の特定塩基配列を切断する。
解説は次回公開します。
2017年08月14日
D核酸の構造と機能【ポイント】
今日は、核酸の構造と機能についてお話します。
【ヌクレオチド】
ヌクレオチドは、ヌクレオシドにリン酸が結合した化合物です。
ヌクレオチドは、遺伝情報の保存と発現に関与する核酸の構成単位であり、
核酸にはDNA及びRNAの2種類があります。
・塩基
核酸に含まれる塩基には、プリン輪構造をとるプリン塩基と
ピリミジン輪構造をとるピリミジン塩基があります。
主要なプリン塩基としては、アデニン、グアニン、
ピリミジン塩基としては、シトシン、チミン、ウラシルがあります。
・五炭糖
核酸を構成する五炭糖にはデオキシリボースとリボースがあります。
核酸のうち、デオキシリボースを含むものをDNA、
リボースを含むものをRNAといいます。
・ヌクレオチド
ヌクレオチドは塩基、五炭糖、リン酸からなるが、
五炭糖がデオキシリボースのものをデオキシリボヌクレオチドといい、
五炭糖がリボースのものをリボヌクレオチドと言います。
主なヌクレオチドには、ATPやADPがあります。
【たんぱく質の生合成】
細胞の生命返照を担っている本体は、アミノ酸からでてきているたんぱく質であるが、
このたんぱく質のアミノ酸配列を決めているのはDNAです。
・転写(mRNAの合成)
遺伝子DNAのもつたんぱく質の一次構造は、RNAポリメラーゼの働きによりmRNAに写しとられます。
この過程は転写と呼ばれています。
DNAの塩基のアデニン(A)にはウラシル(U)が対応し、
グアニン(G)はシトシン(C)が、CにはGが、TにはAがそれぞれ対応します。
例えば、DNAの塩基配列のGAAはmRNAにはCUUと転写されます。
このようにしてできたmRNAは、核膜孔を通って細胞質中に移動し、リボソームに付着します。
・翻訳
mRNAに転写された遺伝情報にしたがって、リボソーム上でアミノ酸は配列され、
たんぱく質が合成されることを遺伝情報の翻訳といいます。
遺伝情報の翻訳には、tRNAと働きます。
tRNAはアンチコドンと呼ばれる3組の塩基部分をもち、
それに対応する特定のアミノ酸と結合して運搬します。
アミノ酸のtRNAの結合には、エネルギー源としてATPが用いられます。
・スプライシング
DNAはたんぱく質をコードしている領域である絵既存(エクソン)と、
たんぱく質をコードしない領域であるイントロンからなります。
そのため、DNAがRNAに転写されてできるmRNAの前駆体にはイントロンも含まれます。
mRNAの前駆体からイントロンを切断して除去し、
残されたエキソン部分をつなぎ合わせることによりmRNAが合成されます。
このような反応をスプライシングといいます。
次回、問題を出題します。
【ヌクレオチド】
ヌクレオチドは、ヌクレオシドにリン酸が結合した化合物です。
ヌクレオチドは、遺伝情報の保存と発現に関与する核酸の構成単位であり、
核酸にはDNA及びRNAの2種類があります。
・塩基
核酸に含まれる塩基には、プリン輪構造をとるプリン塩基と
ピリミジン輪構造をとるピリミジン塩基があります。
主要なプリン塩基としては、アデニン、グアニン、
ピリミジン塩基としては、シトシン、チミン、ウラシルがあります。
・五炭糖
核酸を構成する五炭糖にはデオキシリボースとリボースがあります。
核酸のうち、デオキシリボースを含むものをDNA、
リボースを含むものをRNAといいます。
・ヌクレオチド
ヌクレオチドは塩基、五炭糖、リン酸からなるが、
五炭糖がデオキシリボースのものをデオキシリボヌクレオチドといい、
五炭糖がリボースのものをリボヌクレオチドと言います。
主なヌクレオチドには、ATPやADPがあります。
【たんぱく質の生合成】
細胞の生命返照を担っている本体は、アミノ酸からでてきているたんぱく質であるが、
このたんぱく質のアミノ酸配列を決めているのはDNAです。
・転写(mRNAの合成)
遺伝子DNAのもつたんぱく質の一次構造は、RNAポリメラーゼの働きによりmRNAに写しとられます。
この過程は転写と呼ばれています。
DNAの塩基のアデニン(A)にはウラシル(U)が対応し、
グアニン(G)はシトシン(C)が、CにはGが、TにはAがそれぞれ対応します。
例えば、DNAの塩基配列のGAAはmRNAにはCUUと転写されます。
このようにしてできたmRNAは、核膜孔を通って細胞質中に移動し、リボソームに付着します。
・翻訳
mRNAに転写された遺伝情報にしたがって、リボソーム上でアミノ酸は配列され、
たんぱく質が合成されることを遺伝情報の翻訳といいます。
遺伝情報の翻訳には、tRNAと働きます。
tRNAはアンチコドンと呼ばれる3組の塩基部分をもち、
それに対応する特定のアミノ酸と結合して運搬します。
アミノ酸のtRNAの結合には、エネルギー源としてATPが用いられます。
・スプライシング
DNAはたんぱく質をコードしている領域である絵既存(エクソン)と、
たんぱく質をコードしない領域であるイントロンからなります。
そのため、DNAがRNAに転写されてできるmRNAの前駆体にはイントロンも含まれます。
mRNAの前駆体からイントロンを切断して除去し、
残されたエキソン部分をつなぎ合わせることによりmRNAが合成されます。
このような反応をスプライシングといいます。
次回、問題を出題します。
2017年08月13日
Cたんぱく質・アミノ酸の構造と機能【解説】
昨日の問題の解説です。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。
インスリンは。21個のアミノ酸からなるA鎖と30個のアミノ酸からなるB鎖が、
2カ所でジスルフィド結合(S-S結合)をした構造をとっている。
(2)誤り。コラーゲンは、三重らせん構造をもつ。
(3)誤り。インスリン受容体は1つの膜貫通領域をもつ。
7つの膜貫通領域をもつのは、Gたんぱく共役型受容体であり、
アドレナリン受容体やグルカゴン受容体がこれにあたる。
(4)誤り。ヘモグロビンは、α鎖2本とβ鎖2本からなる4量体である。
(5)誤り。IgGをはじめとした抗体は、短いL鎖と長いH鎖各2本、
合計4本のポチペプチドからなるY字型構造をとる。
たんぱく質の構造をしっかり理解しておきましょう。
Q1.たんぱく質の構造に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)インスリンは、A鎖とB鎖の2本のペプチド鎖からなる。
(2)コラーゲンは、二重らせん構造をもつ。
(3)インスリン受容体は、7つの膜貫通領域をもつ。
(4)ヘモグロビンは、α鎖とβ鎖からなる2量体である。
(5)IgGは、各4本のL鎖とH鎖をもつ。
(2)コラーゲンは、二重らせん構造をもつ。
(3)インスリン受容体は、7つの膜貫通領域をもつ。
(4)ヘモグロビンは、α鎖とβ鎖からなる2量体である。
(5)IgGは、各4本のL鎖とH鎖をもつ。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。
インスリンは。21個のアミノ酸からなるA鎖と30個のアミノ酸からなるB鎖が、
2カ所でジスルフィド結合(S-S結合)をした構造をとっている。
(2)誤り。コラーゲンは、三重らせん構造をもつ。
(3)誤り。インスリン受容体は1つの膜貫通領域をもつ。
7つの膜貫通領域をもつのは、Gたんぱく共役型受容体であり、
アドレナリン受容体やグルカゴン受容体がこれにあたる。
(4)誤り。ヘモグロビンは、α鎖2本とβ鎖2本からなる4量体である。
(5)誤り。IgGをはじめとした抗体は、短いL鎖と長いH鎖各2本、
合計4本のポチペプチドからなるY字型構造をとる。
たんぱく質の構造をしっかり理解しておきましょう。