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2017年10月03日
21神経系【ポイント】
本日は、「神経系」についてお話します。
【神経系】
神経系は、大きく中枢神経と末梢神経からなり、
視覚や触覚などの刺激は末梢神経を通して中枢神経に伝達されます。
末梢神経は12対の脳神経と31対の脊髄神経からなります。
【中枢神経系】
脳は延髄・橋・小脳・中脳・間脳・大脳からなります。
延髄・橋・中脳の3つを合わせて、脳幹といいます。
【末梢神経系】
〇脳神経
脳から直接出入りする末梢神経を脳神経といい、左右12対あります。
脊髄から出入りする末梢神経を脊髄神経といい左右31対あります。
【脳内神経伝達物質】
神経伝達物質の多くの種類があり、アセチルコリン、アミノ酸、モノアミン、ペプチド、
プリン誘導体に大別できます。
【自律神経】
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、その中枢は間脳の視床下部にあります。
【感覚器】
・味覚
舌の表面には、舌乳頭と呼ぶ突起が多数あり、その上皮内に味蕾があります。
味蕾の中に味細胞があり、ここで生じた味覚は大脳の味覚野へと伝えられます。
舌の前方2/3の味覚は顔面神経の、舌の後方1/3の味覚は舌咽神経の支配を受けます。
・嗅覚
・視覚
【脳血管疾患の分類】
脳血管疾患は血管の破綻(出血性)と血管の閉塞(閉塞性)に分けられます。
更に出血性はくも膜下出血と脳出血に分けられ、梗塞性は脳梗塞です。
【くも膜下出血】
くも膜下腔に出血した病態の総称をくも膜下出血と言い、脳血管疾患の約10%を占めます。
脳動脈瘤の破綻によっておこるものが大半を占めます。
突然の激しい頭痛、嘔気、嘔吐、意識消失を認めます。
【脳内出血】
脳の血管が破綻し、脳実質内の出血を起こしたもので、脳血管疾患の約20〜30%を占めます。
再発予防とリハビリテーションが重要です。
【脳梗塞】
脳血管が閉塞することによって、灌流領域の脳組織が壊死に陥るもので、脳血管疾患の約60%を占めます。
【一過性脳虚血発作(TIA)】
局所の脳虚血や網膜虚血による短時間持続する局所神経症状発作であり、
その自足は通常1時間未満であり、画像上、急性脳梗塞を示す証拠がないものと定義されます。
【認知症】
脳の後天的な器質性病変により生じるもので、正常な老化の範囲を超え、
広い範囲の知能低下をきたし、社会生活を送る上で大きな困難を生じる疾患です。
アルツハイマー型認知症、前頭側頭型認知症、レヴィ小体型認知症などがあります。
【パーキンソン病】
脳内のドーパミンが欠乏することで、全身に運動の指令がうまく伝わらず、
体の動きが不自由になる神経変性疾患のことです。
L-ドーパを含む薬剤の投与が有効です。
【アルコール依存症】
アルコールに対する精神的依存と、身体依存がみられるものをいいます。
次回、問題を出題します。
【神経系】
神経系は、大きく中枢神経と末梢神経からなり、
視覚や触覚などの刺激は末梢神経を通して中枢神経に伝達されます。
末梢神経は12対の脳神経と31対の脊髄神経からなります。
【中枢神経系】
脳は延髄・橋・小脳・中脳・間脳・大脳からなります。
延髄・橋・中脳の3つを合わせて、脳幹といいます。
【末梢神経系】
〇脳神経
脳から直接出入りする末梢神経を脳神経といい、左右12対あります。
脊髄から出入りする末梢神経を脊髄神経といい左右31対あります。
【脳内神経伝達物質】
神経伝達物質の多くの種類があり、アセチルコリン、アミノ酸、モノアミン、ペプチド、
プリン誘導体に大別できます。
【自律神経】
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、その中枢は間脳の視床下部にあります。
【感覚器】
・味覚
舌の表面には、舌乳頭と呼ぶ突起が多数あり、その上皮内に味蕾があります。
味蕾の中に味細胞があり、ここで生じた味覚は大脳の味覚野へと伝えられます。
舌の前方2/3の味覚は顔面神経の、舌の後方1/3の味覚は舌咽神経の支配を受けます。
・嗅覚
・視覚
【脳血管疾患の分類】
脳血管疾患は血管の破綻(出血性)と血管の閉塞(閉塞性)に分けられます。
更に出血性はくも膜下出血と脳出血に分けられ、梗塞性は脳梗塞です。
【くも膜下出血】
くも膜下腔に出血した病態の総称をくも膜下出血と言い、脳血管疾患の約10%を占めます。
脳動脈瘤の破綻によっておこるものが大半を占めます。
突然の激しい頭痛、嘔気、嘔吐、意識消失を認めます。
【脳内出血】
脳の血管が破綻し、脳実質内の出血を起こしたもので、脳血管疾患の約20〜30%を占めます。
再発予防とリハビリテーションが重要です。
【脳梗塞】
脳血管が閉塞することによって、灌流領域の脳組織が壊死に陥るもので、脳血管疾患の約60%を占めます。
【一過性脳虚血発作(TIA)】
局所の脳虚血や網膜虚血による短時間持続する局所神経症状発作であり、
その自足は通常1時間未満であり、画像上、急性脳梗塞を示す証拠がないものと定義されます。
【認知症】
脳の後天的な器質性病変により生じるもので、正常な老化の範囲を超え、
広い範囲の知能低下をきたし、社会生活を送る上で大きな困難を生じる疾患です。
アルツハイマー型認知症、前頭側頭型認知症、レヴィ小体型認知症などがあります。
【パーキンソン病】
脳内のドーパミンが欠乏することで、全身に運動の指令がうまく伝わらず、
体の動きが不自由になる神経変性疾患のことです。
L-ドーパを含む薬剤の投与が有効です。
【アルコール依存症】
アルコールに対する精神的依存と、身体依存がみられるものをいいます。
次回、問題を出題します。
2017年10月02日
S内分泌系【解説】
それでは、「内分泌系」の問題の解説です。
【解説】…正答(3)
(1)誤り。オキシトシンは、下垂体の後葉から分泌される。
(2)誤り。副甲状腺ホルモンは、血中のカルシウム濃度を上昇させる。
血中カルシウム濃度を低下させるのは甲状腺の傍濾胞細胞から分泌されるカルシトニンである。
(3)正しい。アルドステロンはナトリウムの再吸収を促進し、カリウムの排泄を促進する。
(4)誤り。アドレナリンは副腎髄質ホルモンである。
(5)誤り。エストロゲンは破骨細胞の活性を抑えて、骨吸収を抑制する。
【解説】…正答(2)・(5)
(1)誤り。トリヨードチロニン(T3)は甲状腺ホルモンであるから、
甲状腺機能が低下した病態ではこの分泌が低下し、血清FT3値は低下する。
(2)正しい。甲状腺ホルモンは、下垂体後葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)により
分泌が促進される。
このため、甲状腺ホルモンの分泌が低下するとTSHの分泌が促進するので、血清TSH値が上昇する。
(3)誤り。甲状腺ホルモンには血清総コレステロール値を低下させる作用がある。
このため、甲状腺ホルモンの分泌が低下するとその作用が弱まり、
血清総コレステロール値は上昇する。
(4)誤り。基礎代謝が低下するため、エネルギー必要量が減少する。
(5)正しい。脈拍数が減少して徐脈となる。
Q1.ホルモンに関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)オキシトシンは、下垂体の前葉から分泌される。
(2)副甲状腺ホルモン(PTH)は、血中のカルシウム濃度を低下させる。
(3)アルドステロンは、尿へのカリウム排泄を増加する。
(4)アドレナリンは、副腎皮質ホルモンの1つである。
(5)エストロゲンは、骨吸収を促進する。
(2)副甲状腺ホルモン(PTH)は、血中のカルシウム濃度を低下させる。
(3)アルドステロンは、尿へのカリウム排泄を増加する。
(4)アドレナリンは、副腎皮質ホルモンの1つである。
(5)エストロゲンは、骨吸収を促進する。
【解説】…正答(3)
(1)誤り。オキシトシンは、下垂体の後葉から分泌される。
(2)誤り。副甲状腺ホルモンは、血中のカルシウム濃度を上昇させる。
血中カルシウム濃度を低下させるのは甲状腺の傍濾胞細胞から分泌されるカルシトニンである。
(3)正しい。アルドステロンはナトリウムの再吸収を促進し、カリウムの排泄を促進する。
(4)誤り。アドレナリンは副腎髄質ホルモンである。
(5)誤り。エストロゲンは破骨細胞の活性を抑えて、骨吸収を抑制する。
Q2.原発性甲状腺機能低下症に関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)血清遊離トリヨードチロニン(FT3)値が上昇する。
(2)血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。
(3)血清総コレステロール値が低下する。
(4)エネルギー必要量が増加する。
(5)脈拍数が減少する。
(2)血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。
(3)血清総コレステロール値が低下する。
(4)エネルギー必要量が増加する。
(5)脈拍数が減少する。
【解説】…正答(2)・(5)
(1)誤り。トリヨードチロニン(T3)は甲状腺ホルモンであるから、
甲状腺機能が低下した病態ではこの分泌が低下し、血清FT3値は低下する。
(2)正しい。甲状腺ホルモンは、下垂体後葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)により
分泌が促進される。
このため、甲状腺ホルモンの分泌が低下するとTSHの分泌が促進するので、血清TSH値が上昇する。
(3)誤り。甲状腺ホルモンには血清総コレステロール値を低下させる作用がある。
このため、甲状腺ホルモンの分泌が低下するとその作用が弱まり、
血清総コレステロール値は上昇する。
(4)誤り。基礎代謝が低下するため、エネルギー必要量が減少する。
(5)正しい。脈拍数が減少して徐脈となる。
2017年09月30日
S内分泌系【問題】
それでは、「内分泌系」から二問出題します。
次回、解説します。
Q1.ホルモンに関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)オキシトシンは、下垂体の前葉から分泌される。
(2)副甲状腺ホルモン(PTH)は、血中のカルシウム濃度を低下させる。
(3)アルドステロンは、尿へのカリウム排泄を増加する。
(4)アドレナリンは、副腎皮質ホルモンの1つである。
(5)エストロゲンは、骨吸収を促進する。
(2)副甲状腺ホルモン(PTH)は、血中のカルシウム濃度を低下させる。
(3)アルドステロンは、尿へのカリウム排泄を増加する。
(4)アドレナリンは、副腎皮質ホルモンの1つである。
(5)エストロゲンは、骨吸収を促進する。
Q2.原発性甲状腺機能低下症に関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)血清遊離トリヨードチロニン(FT3)値が上昇する。
(2)血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。
(3)血清総コレステロール値が低下する。
(4)エネルギー必要量が増加する。
(5)脈拍数が減少する。
(2)血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。
(3)血清総コレステロール値が低下する。
(4)エネルギー必要量が増加する。
(5)脈拍数が減少する。
次回、解説します。
2017年09月29日
S内分泌系【ポイント】
本日は、「内分泌系」についてお話します。
【ホルモンの作用】
ホルモンとは、内分泌腺で産生され、血液・体液中に直接放出される化学物質です。
ホルモンにはさまざまな種類があり、ストレスや体液量・血圧・血糖値などの変化を刺激因子として、
必要なホルモンの分泌が行われます。
ホルモン分泌の調整方法にはさまざまなものがありますが、
中でも最も主要なものは、フィードバックによる調整です(フィードバック機構)。
【主な内分泌系とホルモン】
【下垂体疾患】
〇先端巨大症
一般に成長期以降に、下垂体前葉の成長ホルモン産生下垂体腫瘍により、
成長ホルモンが過剰に分泌されて起こります。
〇クッシング病(ACTH産生腫瘍)
下垂体前葉の副腎皮質刺激ホルモンの産生下垂体腫瘍により、
ACTHが過剰に分泌されて起こります。
〇尿崩症
下垂体後葉からのバソプレシンの分泌低下により起こります。
〇抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
異所性ADH産生腫瘍や脳腫瘍、東部外傷などにより、下垂体後葉からのバソプレシンが
過剰に分泌されて起こります。
【甲状腺疾患】
〇バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
甲状腺の自己面積疾患で、甲状腺ホルモンの過剰分泌により起こります。
〇慢性甲状腺炎(橋本病)
甲状腺の自己免疫疾患で、びまん性の甲状腺肥大がみられます。
〇粘液水腫(後天性甲状腺機能低下症)
後天的な甲状腺機能低下により起こります。
〇甲状腺機能亢進症と低下症の症状
【副甲状腺疾患】
〇原発性副甲状腺機能亢進症
副甲状腺の過形成、腺腫、がんにより副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されておこります。
血中カルシウム濃度が上昇し、高カルシウム血症をきたします。
〇特発性副甲状腺機能低下症
副甲状腺ホルモンの分泌不全もしくは作用不全により起こります。
血中カルシウム濃度が低下し、低カルシウム血症、高リン血症をきたします。
【副腎疾患】
〇原発性アルドステロン症
副腎皮質腺腫や過形成などにより、副腎皮質からミネラルコルチコイドが過剰に分泌されておこります。
高血圧、高ナトリウム血症、低カリウム血症、低レニン血症、代謝性アルカローシスが起こります。
〇クッシング症候群
副腎皮質ホルモンのうち、グルココルチコイドが慢性的に過剰に分泌されて起こります。
〇アジソン病
自己免疫副腎炎、がん、結核などにより慢性的に両側の副腎皮質の機能が低下したもので、
副腎皮質からのミネラルコルチコイド及びグルココルチコイドの分泌が低下します。
〇褐色細胞腫
副腎髄質または傍大動脈交感神経節の腫瘍から、カテコールアミンの産生が増加して起こります。
次回、問題を出題します。
【ホルモンの作用】
ホルモンとは、内分泌腺で産生され、血液・体液中に直接放出される化学物質です。
ホルモンにはさまざまな種類があり、ストレスや体液量・血圧・血糖値などの変化を刺激因子として、
必要なホルモンの分泌が行われます。
ホルモン分泌の調整方法にはさまざまなものがありますが、
中でも最も主要なものは、フィードバックによる調整です(フィードバック機構)。
【主な内分泌系とホルモン】
【下垂体疾患】
〇先端巨大症
一般に成長期以降に、下垂体前葉の成長ホルモン産生下垂体腫瘍により、
成長ホルモンが過剰に分泌されて起こります。
〇クッシング病(ACTH産生腫瘍)
下垂体前葉の副腎皮質刺激ホルモンの産生下垂体腫瘍により、
ACTHが過剰に分泌されて起こります。
〇尿崩症
下垂体後葉からのバソプレシンの分泌低下により起こります。
〇抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
異所性ADH産生腫瘍や脳腫瘍、東部外傷などにより、下垂体後葉からのバソプレシンが
過剰に分泌されて起こります。
【甲状腺疾患】
〇バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
甲状腺の自己面積疾患で、甲状腺ホルモンの過剰分泌により起こります。
〇慢性甲状腺炎(橋本病)
甲状腺の自己免疫疾患で、びまん性の甲状腺肥大がみられます。
〇粘液水腫(後天性甲状腺機能低下症)
後天的な甲状腺機能低下により起こります。
〇甲状腺機能亢進症と低下症の症状
【副甲状腺疾患】
〇原発性副甲状腺機能亢進症
副甲状腺の過形成、腺腫、がんにより副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されておこります。
血中カルシウム濃度が上昇し、高カルシウム血症をきたします。
〇特発性副甲状腺機能低下症
副甲状腺ホルモンの分泌不全もしくは作用不全により起こります。
血中カルシウム濃度が低下し、低カルシウム血症、高リン血症をきたします。
【副腎疾患】
〇原発性アルドステロン症
副腎皮質腺腫や過形成などにより、副腎皮質からミネラルコルチコイドが過剰に分泌されておこります。
高血圧、高ナトリウム血症、低カリウム血症、低レニン血症、代謝性アルカローシスが起こります。
〇クッシング症候群
副腎皮質ホルモンのうち、グルココルチコイドが慢性的に過剰に分泌されて起こります。
〇アジソン病
自己免疫副腎炎、がん、結核などにより慢性的に両側の副腎皮質の機能が低下したもので、
副腎皮質からのミネラルコルチコイド及びグルココルチコイドの分泌が低下します。
〇褐色細胞腫
副腎髄質または傍大動脈交感神経節の腫瘍から、カテコールアミンの産生が増加して起こります。
次回、問題を出題します。
2017年09月28日
R腎・尿路系【解説】
それでは、「腎・尿路系」から四問出題します。
【解説】…正答(5)
(1)誤り。レニンは腎臓の傍糸球体装置から分泌される。
(2)誤り。活性型ビタミンDの産生を促進するのは、副甲状腺ホルモンである。
副甲状腺ホルモンはパラソルモンと呼ばれ、血中カルシウム濃度を上昇させる働きがある。
(3)誤り。eGFRの計算には、活性クレアチニン値と年齢を用いる。
(4)誤り。慢性腎不全では、エリスロポエチンの産生が減少する。
エリスロポエチンは赤血球産生を促進する働きがある。
したがって、慢性腎不全では貧血が起こる。
(5)正しい。バソプレシン分泌が低下すると、集合管での水の再吸収が低下し、低張尿となる。
【解説】…正答(3)
(1)誤り。小児の急性糸球体腎炎は、多くがA群β溶血性連鎖球菌感染に続発する。
(2)誤り。高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準には含まれていない。
ネフローゼ症候群の診断基準は、@たんぱく尿、A低アルブミン血症、B浮腫、C脂質異常症であり、
@とAの両所見を認めることが診断の必須条件である。
(3)正しい。透析アミロイドーシスは、アミロイド構成たんぱくが全身諸臓器に沈着して起こる。
(4)誤り。尿路結石は、シュウ酸カルシウム結石が最も多い。
(5)誤り。大量出血では、腎前性急性腎不全ときたす。
腎後性急性腎不全は、尿路の閉塞や外部からの圧迫により起こる。
【解説】…正答(5)
(1)・(2)誤り。カリウムとリン酸は本来尿中に排泄されるが、腎不全で欠尿になると、
血中に増加する。
このため、高カリウム血症、高リン血症がみられる。
(3)誤り。通常BUN/Cr比は10である。
BUNは食事でのたんぱく質摂取量の増加に伴い上昇する。
これらの比が10〜15に保たれるようにすることが、たんぱく質摂取の目安となる。
(4)誤り。低たんぱく質食とする。
CKDのステージ分類に応じた摂取量とする。
(5)正しい。エネルギー不足になると体たんぱく質が崩壊し、BUNが増加するため、
十分なエネルギー摂取量が必要である。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。
(2)誤り。腹膜透析、血液透析ともに、たんぱく質を0.9〜1.2g/s標準体重/日とする。
(3)誤り。血液透析では、カリウムを2,000r/日以下に制限する。
(4)誤り。血液透析では、食塩を6g/日未満とする。
(5)誤り。血液透析、腹膜透析ともに、リンを「たんぱく質(g)×15」r/日以下とする。
Q1.腎臓の機能に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)腎臓の近位尿細管より、レニンが分泌される。
(2)甲状腺ホルモンにより、活性型ビタミンDの産生が促進される。
(3)推算糸球体濾過量(eGFR)の計算には、血清尿素窒素値を用いる。
(4)慢性腎不全では、エリスロポエチンの産生が亢進する。
(5)バソプレシン分泌が低下すると、低張尿となる。
(2)甲状腺ホルモンにより、活性型ビタミンDの産生が促進される。
(3)推算糸球体濾過量(eGFR)の計算には、血清尿素窒素値を用いる。
(4)慢性腎不全では、エリスロポエチンの産生が亢進する。
(5)バソプレシン分泌が低下すると、低張尿となる。
【解説】…正答(5)
(1)誤り。レニンは腎臓の傍糸球体装置から分泌される。
(2)誤り。活性型ビタミンDの産生を促進するのは、副甲状腺ホルモンである。
副甲状腺ホルモンはパラソルモンと呼ばれ、血中カルシウム濃度を上昇させる働きがある。
(3)誤り。eGFRの計算には、活性クレアチニン値と年齢を用いる。
(4)誤り。慢性腎不全では、エリスロポエチンの産生が減少する。
エリスロポエチンは赤血球産生を促進する働きがある。
したがって、慢性腎不全では貧血が起こる。
(5)正しい。バソプレシン分泌が低下すると、集合管での水の再吸収が低下し、低張尿となる。
Q2.腎・尿路疾患に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)小児の急性糸球体腎炎は、半数以上が黄色ブドウ球菌感染に続発する。
(2)高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準の1つである。
(3)血液透析の合併症に、アミロイドーシスがある。
(4)尿路結石は、尿酸結石が最も多い。
(5)大量出血により、腎後性急性腎不全をきたす。
(2)高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準の1つである。
(3)血液透析の合併症に、アミロイドーシスがある。
(4)尿路結石は、尿酸結石が最も多い。
(5)大量出血により、腎後性急性腎不全をきたす。
【解説】…正答(3)
(1)誤り。小児の急性糸球体腎炎は、多くがA群β溶血性連鎖球菌感染に続発する。
(2)誤り。高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準には含まれていない。
ネフローゼ症候群の診断基準は、@たんぱく尿、A低アルブミン血症、B浮腫、C脂質異常症であり、
@とAの両所見を認めることが診断の必須条件である。
(3)正しい。透析アミロイドーシスは、アミロイド構成たんぱくが全身諸臓器に沈着して起こる。
(4)誤り。尿路結石は、シュウ酸カルシウム結石が最も多い。
(5)誤り。大量出血では、腎前性急性腎不全ときたす。
腎後性急性腎不全は、尿路の閉塞や外部からの圧迫により起こる。
Q3.慢性腎不全に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)低カリウム血症がみられる。
(2)低リン血症がみられる。
(3)血中尿素窒素・クレアチニン比は20以上を治療目標とする。
(4)たんぱく質摂取量は1.2g/s標準体重/日とする。
(5)エネルギー必要量を充足させる。
(2)低リン血症がみられる。
(3)血中尿素窒素・クレアチニン比は20以上を治療目標とする。
(4)たんぱく質摂取量は1.2g/s標準体重/日とする。
(5)エネルギー必要量を充足させる。
【解説】…正答(5)
(1)・(2)誤り。カリウムとリン酸は本来尿中に排泄されるが、腎不全で欠尿になると、
血中に増加する。
このため、高カリウム血症、高リン血症がみられる。
(3)誤り。通常BUN/Cr比は10である。
BUNは食事でのたんぱく質摂取量の増加に伴い上昇する。
これらの比が10〜15に保たれるようにすることが、たんぱく質摂取の目安となる。
(4)誤り。低たんぱく質食とする。
CKDのステージ分類に応じた摂取量とする。
(5)正しい。エネルギー不足になると体たんぱく質が崩壊し、BUNが増加するため、
十分なエネルギー摂取量が必要である。
Q4.透析を受けている患者の食事療法に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)腹膜透析では、摂取するエネルギー量は透析液から吸収されるエネルギー量を差し引いて求める。
(2)腹膜透析では、たんぱく質を0.5g/s標準体重/日とする。
(3)血液透析では、カリウムを制限しない。
(4)血液透析では、食塩を0.3g/sドライウエイト/日とする。
(5)血液透析では、リンを1,200r/日以上とする。
(2)腹膜透析では、たんぱく質を0.5g/s標準体重/日とする。
(3)血液透析では、カリウムを制限しない。
(4)血液透析では、食塩を0.3g/sドライウエイト/日とする。
(5)血液透析では、リンを1,200r/日以上とする。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。
(2)誤り。腹膜透析、血液透析ともに、たんぱく質を0.9〜1.2g/s標準体重/日とする。
(3)誤り。血液透析では、カリウムを2,000r/日以下に制限する。
(4)誤り。血液透析では、食塩を6g/日未満とする。
(5)誤り。血液透析、腹膜透析ともに、リンを「たんぱく質(g)×15」r/日以下とする。
2017年09月27日
R腎・尿路系【問題】
それでは、「腎・尿路系」から四問出題します。
次回、解説します。
Q1.腎臓の機能に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)腎臓の近位尿細管より、レニンが分泌される。
(2)甲状腺ホルモンにより、活性型ビタミンDの産生が促進される。
(3)推算糸球体濾過量(eGFR)の計算には、血清尿素窒素値を用いる。
(4)慢性腎不全では、エリスロポエチンの産生が亢進する。
(5)バソプレシン分泌が低下すると、低張尿となる。
(2)甲状腺ホルモンにより、活性型ビタミンDの産生が促進される。
(3)推算糸球体濾過量(eGFR)の計算には、血清尿素窒素値を用いる。
(4)慢性腎不全では、エリスロポエチンの産生が亢進する。
(5)バソプレシン分泌が低下すると、低張尿となる。
Q2.腎・尿路疾患に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)小児の急性糸球体腎炎は、半数以上が黄色ブドウ球菌感染に続発する。
(2)高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準の1つである。
(3)血液透析の合併症に、アミロイドーシスがある。
(4)尿路結石は、尿酸結石が最も多い。
(5)大量出血により、腎後性急性腎不全をきたす。
(2)高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準の1つである。
(3)血液透析の合併症に、アミロイドーシスがある。
(4)尿路結石は、尿酸結石が最も多い。
(5)大量出血により、腎後性急性腎不全をきたす。
Q3.慢性腎不全に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)低カリウム血症がみられる。
(2)低リン血症がみられる。
(3)血中尿素窒素・クレアチニン比は20以上を治療目標とする。
(4)たんぱく質摂取量は1.2g/s標準体重/日とする。
(5)エネルギー必要量を充足させる。
(2)低リン血症がみられる。
(3)血中尿素窒素・クレアチニン比は20以上を治療目標とする。
(4)たんぱく質摂取量は1.2g/s標準体重/日とする。
(5)エネルギー必要量を充足させる。
Q4.透析を受けている患者の食事療法に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)腹膜透析では、摂取するエネルギー量は透析液から吸収されるエネルギー量を差し引いて求める。
(2)腹膜透析では、たんぱく質を0.5g/s標準体重/日とする。
(3)血液透析では、カリウムを制限しない。
(4)血液透析では、食塩を0.3g/sドライウエイト/日とする。
(5)血液透析では、リンを1,200r/日以上とする。
(2)腹膜透析では、たんぱく質を0.5g/s標準体重/日とする。
(3)血液透析では、カリウムを制限しない。
(4)血液透析では、食塩を0.3g/sドライウエイト/日とする。
(5)血液透析では、リンを1,200r/日以上とする。
次回、解説します。
2017年09月26日
R腎・尿路系【ポイント】
今日は、「腎・尿路系」についてお話します。
【腎臓の構造と機能】
腎臓は身体の背側、横隔膜の直下にありソラマメ形の臓器で左右1対からなります。
腎臓の機能単位をネフロン(腎単位)といい、腎小体と尿細管からなります。
腎小体は糸球体とボーマン嚢から構成されます。
尿細管は近位尿細管、ヘンレループ、遠位尿細管からなります。
各ネフロンで生成された尿は集合管で合流し、腎盂から尿管へと移行します。
〇腎臓の機能
・尿の生成(老廃物の排泄)
・循環血液量と体液浸透圧の調整
・血圧の調整
・血漿電解質濃度の調整
・血漿pHの調整
・レニンやエリスロポエチンなどの生理活性物質の産生・放出
・ビタミンDの活性化
尿の生成は、糸球体濾過と尿細管再吸収・排泄(分泌)という2段階を経て行われます。
糸球体濾液(原尿)の量は160〜180L/ 日であるが、尿として体外へ排泄されるのは1〜2L/日に過ぎず、
99%以上が尿細管で再吸収されます。
・バソプレシン:下垂体後葉から分泌されます。
集合管における水の再吸収を促進します。
激しい発汗や脱水などにより体内の水分が不足し、
血漿浸透圧が上昇された時に分泌されます。
ナトリウムの再吸収に伴って、循環血液量が増加するために血圧が上昇します。
・アルドステロン:副腎皮質から分泌されるアルドステロンは、遠位尿細管〜集合管に作用し、
ナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進します。
循環血液量の減少などにより血圧が低下すると、
レニンーアンギオテンシン系と介して分泌が促進されます。
ナトリウムの再吸収に伴って、循環血液量が増加するため、血圧が上昇します。
【電解質異常】
【急性糸球体腎炎】
扁桃炎、咽頭炎などの上気管感染後、10〜14日を経て発症する糸球体の組織障害です。
体内に侵入して来た抗原に対し抗体が産生され、免疫複合体をなって血中を流れ、
腎臓の糸球体に沈着することにより起きます。
3〜10歳の男児に多くみられます。
症状は血尿、浮腫、高血圧、蛋白尿、血尿です。
食事療法は塩分制限(3g/日)と水分制限とタンパク質制限です。
【IgA腎症】
何らかの原因で糸球体沈着性のIgAが血液中に増加し、糸球体メサンギウム領域に沈着し、
腎障害を生じる疾患で、慢性腎炎症候群を呈することが多くみられます。
進行期は安静、保温、食事療法、薬物療法が基本です。
【ネフローゼ症候群】
何らかの原因にとり糸球体基底膜が肥厚し、
たんぱく浸透性が亢進するため大量のたんぱくが尿中に排出される疾患です。
症状は高度のたんぱく尿、低アルブミン血症、浮腫、脂質異常、血液凝固能亢進、易感染性。
食事療法は、塩分制限(浮腫が著しい時は0〜4g/日、通常は3〜5g/日)。
【急性腎不全】
種々の原因で急激な腎機能の低下をきたす症候群で、
単一ネフロンあたりの糸球体濾過値が低下します。
腎前性腎不全と腎性腎不全と腎後性腎不全があります。
治療は薬物療法と透析療法と食事療法があります。
【慢性腎不全】
腎機能低下が数か月以上にわたって持続し、体液の恒常性維持が不可能となった状態です。
〇腎不全による異常
・水・電解質の異常
・窒素成分を含む老廃物、毒素などの排泄異常
・酸・塩基平衡の障害
・エリスロポエチンの産生障害
・ビタミンDの活性化障害
・尿濃縮能の低下
・免疫能の低下
【慢性腎臓病(CKD)】
慢性腎臓病(CKD)は、単一の疾患概念ではなく。原疾患を問わない慢性に経過する腎臓病を包括する疾患群。
〇定義
@尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか、
特に0.15g/gCr異常のたんぱく尿の存在が重要。
AGFR<60mL/分/1.73u
@、Aのいずれか、または両方が3ヵ月以上持続する。
〇食事療法
【血液透析・腹膜透析】
腎不全となった腎臓の機能を代行させる方法として、透析療法があります。
新規透析導入の原因は、第1位は糖尿病腎症、第2位は慢性糸球体腎炎、第3位は高血圧による腎硬化症です。
〇血液透析
血液を体外に循環させ、人工透析膜を介して血液中の洋室と水分を除去する方法です。
慢性腎不全に対する維持血液透析は、通常1回4〜5時間、週2~3回施行されます。
<合併症>
・不均衡症候群
・感染症
・肝炎
・循環器系障害
・腎性骨異栄養症
・透析アミロイドーシス
・貧血
・出血傾向
・中枢神経症状
・シャントトラブル
<食事療法>
適切なエネルギー、バランスのよいたんぱく質、塩分制限、水分制限、低カリウム、低リン食
〇腹膜透析
半透明の性質を有する腹膜と透析膜として利用するもので、腹腔内にカテーテルを留置し、
浸透圧差を用いて血液中の溶質と水分を除去する方法です。
<食事療法>
適切なエネルギー、バランスのよいたんぱく質、塩分制限、水分制限、低リン食とします。
なお、エネルギーについては、透析液から吸収されるエネルギー分を差し引く必要があります。
【尿管結石症】
尿路結石症の1つで、腎乳頭部で産生された結石が尿管内に加工し、嵌入した疾患です。
結石予防のために水分を多量に摂取し、シュウ酸カルシウム結石の場合には、シュウ酸を控えます。
次回、問題を出題します。
【腎臓の構造と機能】
腎臓は身体の背側、横隔膜の直下にありソラマメ形の臓器で左右1対からなります。
腎臓の機能単位をネフロン(腎単位)といい、腎小体と尿細管からなります。
腎小体は糸球体とボーマン嚢から構成されます。
尿細管は近位尿細管、ヘンレループ、遠位尿細管からなります。
各ネフロンで生成された尿は集合管で合流し、腎盂から尿管へと移行します。
〇腎臓の機能
・尿の生成(老廃物の排泄)
・循環血液量と体液浸透圧の調整
・血圧の調整
・血漿電解質濃度の調整
・血漿pHの調整
・レニンやエリスロポエチンなどの生理活性物質の産生・放出
・ビタミンDの活性化
尿の生成は、糸球体濾過と尿細管再吸収・排泄(分泌)という2段階を経て行われます。
糸球体濾液(原尿)の量は160〜180L/ 日であるが、尿として体外へ排泄されるのは1〜2L/日に過ぎず、
99%以上が尿細管で再吸収されます。
・バソプレシン:下垂体後葉から分泌されます。
集合管における水の再吸収を促進します。
激しい発汗や脱水などにより体内の水分が不足し、
血漿浸透圧が上昇された時に分泌されます。
ナトリウムの再吸収に伴って、循環血液量が増加するために血圧が上昇します。
・アルドステロン:副腎皮質から分泌されるアルドステロンは、遠位尿細管〜集合管に作用し、
ナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進します。
循環血液量の減少などにより血圧が低下すると、
レニンーアンギオテンシン系と介して分泌が促進されます。
ナトリウムの再吸収に伴って、循環血液量が増加するため、血圧が上昇します。
【電解質異常】
【急性糸球体腎炎】
扁桃炎、咽頭炎などの上気管感染後、10〜14日を経て発症する糸球体の組織障害です。
体内に侵入して来た抗原に対し抗体が産生され、免疫複合体をなって血中を流れ、
腎臓の糸球体に沈着することにより起きます。
3〜10歳の男児に多くみられます。
症状は血尿、浮腫、高血圧、蛋白尿、血尿です。
食事療法は塩分制限(3g/日)と水分制限とタンパク質制限です。
【IgA腎症】
何らかの原因で糸球体沈着性のIgAが血液中に増加し、糸球体メサンギウム領域に沈着し、
腎障害を生じる疾患で、慢性腎炎症候群を呈することが多くみられます。
進行期は安静、保温、食事療法、薬物療法が基本です。
【ネフローゼ症候群】
何らかの原因にとり糸球体基底膜が肥厚し、
たんぱく浸透性が亢進するため大量のたんぱくが尿中に排出される疾患です。
症状は高度のたんぱく尿、低アルブミン血症、浮腫、脂質異常、血液凝固能亢進、易感染性。
食事療法は、塩分制限(浮腫が著しい時は0〜4g/日、通常は3〜5g/日)。
【急性腎不全】
種々の原因で急激な腎機能の低下をきたす症候群で、
単一ネフロンあたりの糸球体濾過値が低下します。
腎前性腎不全と腎性腎不全と腎後性腎不全があります。
治療は薬物療法と透析療法と食事療法があります。
【慢性腎不全】
腎機能低下が数か月以上にわたって持続し、体液の恒常性維持が不可能となった状態です。
〇腎不全による異常
・水・電解質の異常
・窒素成分を含む老廃物、毒素などの排泄異常
・酸・塩基平衡の障害
・エリスロポエチンの産生障害
・ビタミンDの活性化障害
・尿濃縮能の低下
・免疫能の低下
【慢性腎臓病(CKD)】
慢性腎臓病(CKD)は、単一の疾患概念ではなく。原疾患を問わない慢性に経過する腎臓病を包括する疾患群。
〇定義
@尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか、
特に0.15g/gCr異常のたんぱく尿の存在が重要。
AGFR<60mL/分/1.73u
@、Aのいずれか、または両方が3ヵ月以上持続する。
〇食事療法
【血液透析・腹膜透析】
腎不全となった腎臓の機能を代行させる方法として、透析療法があります。
新規透析導入の原因は、第1位は糖尿病腎症、第2位は慢性糸球体腎炎、第3位は高血圧による腎硬化症です。
〇血液透析
血液を体外に循環させ、人工透析膜を介して血液中の洋室と水分を除去する方法です。
慢性腎不全に対する維持血液透析は、通常1回4〜5時間、週2~3回施行されます。
<合併症>
・不均衡症候群
・感染症
・肝炎
・循環器系障害
・腎性骨異栄養症
・透析アミロイドーシス
・貧血
・出血傾向
・中枢神経症状
・シャントトラブル
<食事療法>
適切なエネルギー、バランスのよいたんぱく質、塩分制限、水分制限、低カリウム、低リン食
〇腹膜透析
半透明の性質を有する腹膜と透析膜として利用するもので、腹腔内にカテーテルを留置し、
浸透圧差を用いて血液中の溶質と水分を除去する方法です。
<食事療法>
適切なエネルギー、バランスのよいたんぱく質、塩分制限、水分制限、低リン食とします。
なお、エネルギーについては、透析液から吸収されるエネルギー分を差し引く必要があります。
【尿管結石症】
尿路結石症の1つで、腎乳頭部で産生された結石が尿管内に加工し、嵌入した疾患です。
結石予防のために水分を多量に摂取し、シュウ酸カルシウム結石の場合には、シュウ酸を控えます。
次回、問題を出題します。
2017年09月25日
Q循環器系【解説】
それでは、「循環器系」の問題の解説をします。
【解説】…正答(3)
(1)誤り。左の房室弁は僧帽弁(二尖弁)という。三尖弁は右の房室弁のことである。
(2)誤り。冠動脈は大動脈基部から左右に出る。
大動脈弓から分岐するのは右から順に、腕頭動脈・左総頚動脈・左鎖骨下動脈である。
(3)正しい。
(4)誤り。刺激伝達系は次のように興奮が広がっていく。
洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維
(5)誤り。心房性ナトリウム利尿ペプチドは。利尿作用によって血液の循環量を減少させ、
血圧を低下させる。
他にも、アルドステロンの分泌抑制により血中のナトリウム濃度を低下させ、
さらに血管の平滑筋を弛緩させて、血圧を下げる作用がある。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。血圧が上昇すると、頸動脈洞と大動脈弓にある圧受容体が刺激され、
その情報は延髄に伝えられ、交感神経と副交感神経の興奮を起こす。
これにより、心拍数の低下と心収縮力の減弱が起こり、血圧は低下する。
(2)誤り。動脈血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の積であらわされる。
血圧=心拍出量×末梢血管抵抗
(3)誤り。血液粘性が高いと血液の流れが悪くなり、血圧が上昇する。
(4)誤り。副交感神経刺激により心拍出量は減少する。
(5)誤り。心臓への流入血液量が増えると心収縮能力は増大し、結果的に1回拍出量が草加する。
【解説】…正答(2)
(1)誤り。血圧上昇により腎臓の小動脈が硬化し、腎硬化症の合併症がみられる。
(2)正しい。利尿剤により尿排泄が頻繁になると、循環血漿量が減少し、血圧が低下する。
(3)誤り。グレープフルーツジュースの成分が肝臓の薬物代謝酵素の活性を阻害するため、
カルシウム拮抗薬の血中の濃度が上昇して薬効が増強される。
(4)誤り。アンギオテンシンU受容体拮抗薬はアルドステロンの分泌を抑制するため、
カリウムの排泄が抑制される。
この作用が高度になると、副作用として血清カリウム値が上昇する。
(5)誤り。降圧剤の多剤併用療法は有効である。
【解説】…正答(2)
(1)誤り。左心不全の所見である。
左心不全では、夜間の心拍数減少などにより肺にうっ血や水腫が起こし、呼吸困難となる。
(2)正しい。左心不全では腎血流量が低下し、
それを腎臓の傍糸球体装置が感知してレニンの分泌を亢進させ、
レニンーアンギオテンシン系が活性化する。
(3)誤り。左心不全では心臓喘息が生じる。
心臓喘息は急激な肺うっ血により起こる喘鳴である。
気管支喘息は、アレルギー、感染、ストレスなどが原因で起こる。
(4)誤り。右心不全の症状である。
右心不全では体静脈系の血液が停滞するため、肝腫大、腹水、脾腫、下腿浮腫などが生じる。
(5)誤り。心不全が進行すると心拍出量が減少することにより、脳血流量は低下する。
Q1.心臓に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)左心房と左心室の間の房室弁を三尖弁と呼ぶ。
(2)左右2本の冠動脈はともに大動脈弓より分岐する。
(3)心電図のP波は左右の心房節の脱分極で生じる。
(4)刺激伝達系のヒス束は洞房結節と房室結節(田原の結節)の間に存在する。
(5)心房性ナトリウム利尿ペプチドは血圧を上昇させる。
(2)左右2本の冠動脈はともに大動脈弓より分岐する。
(3)心電図のP波は左右の心房節の脱分極で生じる。
(4)刺激伝達系のヒス束は洞房結節と房室結節(田原の結節)の間に存在する。
(5)心房性ナトリウム利尿ペプチドは血圧を上昇させる。
【解説】…正答(3)
(1)誤り。左の房室弁は僧帽弁(二尖弁)という。三尖弁は右の房室弁のことである。
(2)誤り。冠動脈は大動脈基部から左右に出る。
大動脈弓から分岐するのは右から順に、腕頭動脈・左総頚動脈・左鎖骨下動脈である。
(3)正しい。
(4)誤り。刺激伝達系は次のように興奮が広がっていく。
洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維
(5)誤り。心房性ナトリウム利尿ペプチドは。利尿作用によって血液の循環量を減少させ、
血圧を低下させる。
他にも、アルドステロンの分泌抑制により血中のナトリウム濃度を低下させ、
さらに血管の平滑筋を弛緩させて、血圧を下げる作用がある。
Q2.血圧調整に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)血圧の上昇により圧受容体が刺激されると、心拍数は低下する。
(2)動脈血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の和であらわされる。
(3)血圧粘性が高いと、血圧は低下する。
(4)副交感神経刺激で、心拍出量は増加する。
(5)心臓への流入血液量が増えると、心収縮力が低下する。
(2)動脈血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の和であらわされる。
(3)血圧粘性が高いと、血圧は低下する。
(4)副交感神経刺激で、心拍出量は増加する。
(5)心臓への流入血液量が増えると、心収縮力が低下する。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。血圧が上昇すると、頸動脈洞と大動脈弓にある圧受容体が刺激され、
その情報は延髄に伝えられ、交感神経と副交感神経の興奮を起こす。
これにより、心拍数の低下と心収縮力の減弱が起こり、血圧は低下する。
(2)誤り。動脈血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の積であらわされる。
血圧=心拍出量×末梢血管抵抗
(3)誤り。血液粘性が高いと血液の流れが悪くなり、血圧が上昇する。
(4)誤り。副交感神経刺激により心拍出量は減少する。
(5)誤り。心臓への流入血液量が増えると心収縮能力は増大し、結果的に1回拍出量が草加する。
Q3.高血圧症に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)高血圧症は、腎機能障害を合併しない。
(2)高圧利尿薬は、全身の循環血漿量を減らす作用を持つ。
(3)カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースで服用すると効果が低下する。
(4)アンギオテンシンU受容体拮抗薬の副作用として、血清カリウム値の低下がある。
(5)降圧剤の多剤併用療法は禁忌である。
(2)高圧利尿薬は、全身の循環血漿量を減らす作用を持つ。
(3)カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースで服用すると効果が低下する。
(4)アンギオテンシンU受容体拮抗薬の副作用として、血清カリウム値の低下がある。
(5)降圧剤の多剤併用療法は禁忌である。
【解説】…正答(2)
(1)誤り。血圧上昇により腎臓の小動脈が硬化し、腎硬化症の合併症がみられる。
(2)正しい。利尿剤により尿排泄が頻繁になると、循環血漿量が減少し、血圧が低下する。
(3)誤り。グレープフルーツジュースの成分が肝臓の薬物代謝酵素の活性を阻害するため、
カルシウム拮抗薬の血中の濃度が上昇して薬効が増強される。
(4)誤り。アンギオテンシンU受容体拮抗薬はアルドステロンの分泌を抑制するため、
カリウムの排泄が抑制される。
この作用が高度になると、副作用として血清カリウム値が上昇する。
(5)誤り。降圧剤の多剤併用療法は有効である。
Q4.心不全に関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)右心不全では、発作性夜間呼吸困難が特徴的所見である。
(2)左心不全では、レニンーアンギオテンシン系が活性化する。
(3)左心不全では、気管支喘が生じる。
(4)左心不全では、肝腫大、腹水が生じる。
(5)心不全が進行しても、脳血流量は低下しない。
(2)左心不全では、レニンーアンギオテンシン系が活性化する。
(3)左心不全では、気管支喘が生じる。
(4)左心不全では、肝腫大、腹水が生じる。
(5)心不全が進行しても、脳血流量は低下しない。
【解説】…正答(2)
(1)誤り。左心不全の所見である。
左心不全では、夜間の心拍数減少などにより肺にうっ血や水腫が起こし、呼吸困難となる。
(2)正しい。左心不全では腎血流量が低下し、
それを腎臓の傍糸球体装置が感知してレニンの分泌を亢進させ、
レニンーアンギオテンシン系が活性化する。
(3)誤り。左心不全では心臓喘息が生じる。
心臓喘息は急激な肺うっ血により起こる喘鳴である。
気管支喘息は、アレルギー、感染、ストレスなどが原因で起こる。
(4)誤り。右心不全の症状である。
右心不全では体静脈系の血液が停滞するため、肝腫大、腹水、脾腫、下腿浮腫などが生じる。
(5)誤り。心不全が進行すると心拍出量が減少することにより、脳血流量は低下する。
2017年09月24日
Q循環器系【問題】
それでは、「循環器系」から四問出題します。
次回、解説します。
Q1.心臓に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)左心房と左心室の間の房室弁を三尖弁と呼ぶ。
(2)左右2本の冠動脈はともに大動脈弓より分岐する。
(3)心電図のP波は左右の心房節の脱分極で生じる。
(4)刺激伝達系のヒス束は洞房結節と房室結節(田原の結節)の間に存在する。
(5)心房性ナトリウム利尿ペプチドは血圧を上昇させる。
(2)左右2本の冠動脈はともに大動脈弓より分岐する。
(3)心電図のP波は左右の心房節の脱分極で生じる。
(4)刺激伝達系のヒス束は洞房結節と房室結節(田原の結節)の間に存在する。
(5)心房性ナトリウム利尿ペプチドは血圧を上昇させる。
Q2.血圧調整に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)血圧の上昇により圧受容体が刺激されると、心拍数は低下する。
(2)動脈血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の和であらわされる。
(3)血圧粘性が高いと、血圧は低下する。
(4)副交感神経刺激で、心拍出量は増加する。
(5)心臓への流入血液量が増えると、心収縮力が低下する。
(2)動脈血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の和であらわされる。
(3)血圧粘性が高いと、血圧は低下する。
(4)副交感神経刺激で、心拍出量は増加する。
(5)心臓への流入血液量が増えると、心収縮力が低下する。
Q3.高血圧症に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)高血圧症は、腎機能障害を合併しない。
(2)高圧利尿薬は、全身の循環血漿量を減らす作用を持つ。
(3)カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースで服用すると効果が低下する。
(4)アンギオテンシンU受容体拮抗薬の副作用として、血清カリウム値の低下がある。
(5)降圧剤の多剤併用療法は禁忌である。
(2)高圧利尿薬は、全身の循環血漿量を減らす作用を持つ。
(3)カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースで服用すると効果が低下する。
(4)アンギオテンシンU受容体拮抗薬の副作用として、血清カリウム値の低下がある。
(5)降圧剤の多剤併用療法は禁忌である。
Q4.心不全に関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)右心不全では、発作性夜間呼吸困難が特徴的所見である。
(2)左心不全では、レニンーアンギオテンシン系が活性化する。
(3)左心不全では、気管支喘が生じる。
(4)左心不全では、肝腫大、腹水が生じる。
(5)心不全が進行しても、脳血流量は低下しない。
(2)左心不全では、レニンーアンギオテンシン系が活性化する。
(3)左心不全では、気管支喘が生じる。
(4)左心不全では、肝腫大、腹水が生じる。
(5)心不全が進行しても、脳血流量は低下しない。
次回、解説します。
2017年09月23日
Q循環器系【ポイント】
今日は、「循環器系」についてお話します。
【循環器系の構造と機能】
心臓は重さ200〜300gある臓器です。
大きく右心系と左心系に分けられ、右心系は静脈血が、左心系は静脈血が流れています。
*大静脈→右心房→(三尖弁)→右心室→(肺動脈弁)→肺動脈→肺静脈→左心房→(僧帽弁)→左心室
→(大動脈弁)→大動脈
・肺循環:右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房
・体循環:左心室→大動脈→全身→上・下大動脈→右心房
【循環障害】
・充血
局所の動脈拡張によって流入する静脈血が増加した状態
・うっ血
局所からの静脈血の還流が妨げられ、臓器や組織の静脈血が増加した状態
・虚血
臓器または組織に流入する動脈血の量が減少した可逆的状態
・血栓
通常では怒らない心臓や血管内で生じる血液凝固のこと
・塞栓
心臓・血管内でできた血栓や、血管の外から入って来た遊離物が血流にのって運ばれ、
末梢の血管を閉塞した状態
・梗塞
血栓や塞栓によって血管が閉塞され、支配領域の動脈血の供給が途絶えることによって生じます。
【動脈硬化】
動脈壁への代謝産物の病的沈着などにより、動脈壁が部分的に肥厚・硬化して、
動脈血管の内向が狭くなって弾力を失った状態。
粥状硬化、中膜硬化、細動脈硬化に分類されます。
【高血圧】
収縮期血圧が140oHg以上、拡張期血圧が90oHg以上のどちらか、または双方を満たす場合。
本能性高血圧、二次性高血圧に分けられます。
【虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)】
冠状動脈の狭窄・閉塞により血流量が減少し、
心筋が必要としている酸素受容が保たれなくなった状態。
食事療法は、急性期には6〜8g/日の食塩制限を行います。
ワーファリンを服用している場合には、ビタミンKを多く含む食品(納豆、クロレラ、青汁など)を
摂取しないようにします。
【不整脈】
心臓の刺激の形成以上や伝導異常によっておこる病態で、脈が乱れている状態。
【肺血栓塞栓症】
主に下肢や骨盤内の静脈で形成された血栓が遊離して血流にのり、
肺動脈を閉塞して肺循環障害をきたす疾患。
【心不全】
心筋の収縮力が低下することにより心拍出量が低下し、
全身組織の需要を満たすだけの血液を全身に送り出すことができない状態。
食事療法は、塩分制限と水分制限が基本です。
塩分制限では、軽症・中等では6g/日以下、重症では3g/日以下、
水分制限では、中等症では1500ml/日以下、重症では800〜1000ml/日です。
次回、問題を出題します。
【循環器系の構造と機能】
心臓は重さ200〜300gある臓器です。
大きく右心系と左心系に分けられ、右心系は静脈血が、左心系は静脈血が流れています。
*大静脈→右心房→(三尖弁)→右心室→(肺動脈弁)→肺動脈→肺静脈→左心房→(僧帽弁)→左心室
→(大動脈弁)→大動脈
・肺循環:右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房
・体循環:左心室→大動脈→全身→上・下大動脈→右心房
【循環障害】
・充血
局所の動脈拡張によって流入する静脈血が増加した状態
・うっ血
局所からの静脈血の還流が妨げられ、臓器や組織の静脈血が増加した状態
・虚血
臓器または組織に流入する動脈血の量が減少した可逆的状態
・血栓
通常では怒らない心臓や血管内で生じる血液凝固のこと
・塞栓
心臓・血管内でできた血栓や、血管の外から入って来た遊離物が血流にのって運ばれ、
末梢の血管を閉塞した状態
・梗塞
血栓や塞栓によって血管が閉塞され、支配領域の動脈血の供給が途絶えることによって生じます。
【動脈硬化】
動脈壁への代謝産物の病的沈着などにより、動脈壁が部分的に肥厚・硬化して、
動脈血管の内向が狭くなって弾力を失った状態。
粥状硬化、中膜硬化、細動脈硬化に分類されます。
【高血圧】
収縮期血圧が140oHg以上、拡張期血圧が90oHg以上のどちらか、または双方を満たす場合。
本能性高血圧、二次性高血圧に分けられます。
【虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)】
冠状動脈の狭窄・閉塞により血流量が減少し、
心筋が必要としている酸素受容が保たれなくなった状態。
食事療法は、急性期には6〜8g/日の食塩制限を行います。
ワーファリンを服用している場合には、ビタミンKを多く含む食品(納豆、クロレラ、青汁など)を
摂取しないようにします。
【不整脈】
心臓の刺激の形成以上や伝導異常によっておこる病態で、脈が乱れている状態。
【肺血栓塞栓症】
主に下肢や骨盤内の静脈で形成された血栓が遊離して血流にのり、
肺動脈を閉塞して肺循環障害をきたす疾患。
【心不全】
心筋の収縮力が低下することにより心拍出量が低下し、
全身組織の需要を満たすだけの血液を全身に送り出すことができない状態。
食事療法は、塩分制限と水分制限が基本です。
塩分制限では、軽症・中等では6g/日以下、重症では3g/日以下、
水分制限では、中等症では1500ml/日以下、重症では800〜1000ml/日です。
次回、問題を出題します。