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2017年05月30日

栄養補給法〜静脈栄養〜

今日は、静脈栄養法についてお話します。
静脈栄養はいわゆる点滴と考えてもらえれば結構です。
ただ医療では点滴とは言わず、静脈栄養や輸液と呼びます。
私たち管理栄養士にとってはちょっと馴染みのないところかと思いますので、
出来る限り噛み砕いてお話するようにしますね。

今まで重ね重ねお話してきたので、もうお分かりかと思いますが、
静脈栄養の対象は「腸管が使えない人」となります。
腸管が使えないので、消化された状態で投与することとなる静脈栄養を選択するということです。
静脈栄養には大きく中心静脈栄養(TPN)という太い血管から投与するもの、
末梢静脈栄養(PPN)といって細い血管から投与するものの二種類があります。
中心静脈栄養であれば、一日の必要量を投与することが出来ますが、
末梢静脈栄養だと投与できるのは1000kcal程度が上限ですので、
末梢静脈栄養のみでずっととなると栄養状態低下の原因となります。
中心静脈栄養にはルート作成オペが必要ですが、末梢静脈栄養は穿刺のみです。
よく私たちが目にする腕から刺さっている点滴、あれは末梢静脈栄養です。
輸液を行う目的は大きく二つあります。
一つは栄養補給目的、もう一つは水分補給(電解質補正)です。
栄養補給目的のものはグルコースやアミノ酸なのがしっかり入っていて、
エネルギーが確保できるものです。
水分補給目的のものはナトリウムやカリウムが入っていて、
体内に効率良く水分が吸収されるようになっているものです。
静脈栄養は経口摂取や経腸栄養とも併用できますので、
末梢静脈栄養の際は、それらと組み合わせる必要があります。
例えば、食事をとりながら脱水補正の目的で水分補給目的の輸液を投与するなど。
中心静脈栄養の場合は、吸収不良などで腸管を使用するのが難しく、
1か月以上静脈栄養を行わざるを得ない時に選択されるものですので、
中心静脈栄養のみで行うことがほとんどです。

今日のお話は少し難しかったでしょうか。
病院でNSTをやっていると、管理栄養士は栄養全般の話をしますので、
経口や経腸だけではなくて輸液も理解することが必要です。
必要エネルギー量、摂取エネルギー量、必要タンパク質(輸液だとアミノ酸と表現します)など、
電卓をたたきながらディスカッションします。
静脈栄養はとっつきにくいと感じるかもしれませんが、しっかり理解しておきましょうね。



2017年05月29日

経腸栄養剤

今日は、経腸栄養剤についてお話します。

経腸栄養剤には本当に沢山の種類があります。
1ml=1.0kcalのもの、1.6kcalのもの、2.0kcalのもの。
糖尿病用、腎臓病用、COPD用などの疾患別。
液体タイプ、半固形タイプ。

〇濃度
同じエネルギーを投与しようとした場合、
当然1mlあたりのエネルギーが低いものの方が投与量が多くなります。
そのため、心疾患や腎疾患などの水分制限を行いたい方には向いていません。
ただ、高濃度のものを使用する場合、栄養剤中の水分量が少なくなるので、

〇疾患別
それぞれの病態に合わせた栄養剤が販売されています。
血糖コントロール不良の方むけに糖質の種類に配慮したもの
腎疾患用にタンパク質やカリウムや塩分などを控えたもの、
COPD用に呼吸商を低く抑えた脂質リッチなものなどなど。
それぞれの病態に合った栄養剤を使用しましょう。

〇栄養剤の形態
栄養剤は通常液体です。
ただ、半固形にすることによって逆流等が起こり難いと言われており、
現在の医療ではちょっとした栄養剤の半固形ブームになっています。
胃内で液体を半固形にするものも市販されていますが、
半固形の状態ものもあります。
後者は投与する際に非常に力を要するというデメリットもあります。

いずれの場合も、検査値等を参考にしながら、モニタリングすることが重要です。
消化器症状は出ていないか、投与速度は適正か、投与量は適正か、
水分量は足りているか(脱水にはなっていないか)など確認し、再評価を行うことが必要になります。





2017年05月28日

栄養補給法〜経腸栄養〜

前回、栄養補給法のお話をしました。
今日はその中の一つ経腸栄養についてお話します。
管理栄養士である以上は、経口栄養だけではなく、経腸栄養も専門になります。
他職種から栄養剤に関する質問を受けることも多々ありますので、
しっかり理解しておきましょうね。

栄養学の流れを少しお話してみます。
昔の栄養学というと、食べられれば経口、食べられなければ点滴(静脈栄養)というのが一般的でした。
なので、腸管が使えても自力で摂取することが出来なければ静脈栄養になってしまう方が多くいました。
前回お話ししたとおり、静脈栄養は腸管を使わない栄養法ですから、
腸管が使えるのに静脈栄養にすることによって、本来は食べる機能は備わっていたのに、
医療側が食べられない状態を作ってしまったということが良くあったようです。
静脈栄養は毒なんていう方もいますが、静脈栄養も性格な使い方をすれば素晴らしい栄養法です。
医療者側がその患者さんにどの栄養ルートを選択してあげるか、
いかに栄養法を上手く使いこなすかが、
その後の患者さんの回復に大きく関わってくるということをぜひ覚えておいてください。

前置きが長くなりましたが、本題に入りますね。
経腸栄養法は腸管を使う栄養法です。
経口栄養法に次いで生理的な栄養法で、食事は食べられないけれど、腸管は使える方に施行されます。
特に脳血管疾患後の嚥下障害にはよく使われますね。
経腸栄養には経鼻、胃・腸瘻造設によるものがあります。
一般的には、4週間以内の短期間であれば経鼻、それ以上になる場合は胃・腸瘻を造設ということになります。
一言で言えば、経鼻は鼻から管を通して栄養剤を入れる栄養法。
管を入れるのは容易でありますが、入れられる方はとっても苦痛を伴います。
回復期の病院でリハビリに力を入れているっていう病院でない限り、管は入れっぱなしです。
管はテープで鼻にとめるかたちになるんですが、鼻にも潰瘍ができやすくなります。
このように経鼻で長期間は困難なので、経口栄養に移行できる見込みがなく、
しばらく経腸栄養法になる場合には、胃瘻や腸瘻を造設します。
経鼻栄養法の時期は、今後経口栄養が可能になるか、困難かを見極める重要な時期ともいえます。
経鼻が困難だと第一選択は胃瘻です。
胃瘻を造設したら、原則24〜48時間以内には経腸栄養を開始できます。
術後で胃全摘しているような場合は腸瘻が選択されます。
基本的に胃瘻であれば、持続投与と間欠投与共に可なのですが、
腸瘻になると24H持続投与となります。
胃瘻や腸瘻を作っても、経口栄養へ移行できた場合には容易に抜くことが出来ます。
胃瘻や腸瘻と経口栄養も併用できます。

ちょっとここで余談。
いわゆるPEGと呼ばれるものですが、胃瘻=PEGではありません。
良く間違う方が多いのですが、経費内視鏡的胃瘻造設術=PEGなので、
「PEGを作った」とか「PEGによる栄養」とは言うのは使い方が間違っています。
「胃瘻を作った」や「胃瘻による栄養」というようにしましょう。
「PEGを施行した」なら〇です。

近年、疾患別や濃度別など、様々な栄養剤が増えてきています。
どの栄養剤を選択するかは、管理栄養士の腕の見せ所と言ってもいいでしょう。
次回、栄養剤について詳しく説明します。

2017年05月27日

栄養補給法〜経口栄養法、経腸(経管)栄養法、静脈栄養法〜

今日は栄養補給法についてお話します。
この内容はひじょーーーうに重要です。
国家試験を受ける際もその後も管理栄養士であれば常識として知っておかなくてはなりません。
前回までお話しした管理栄養士の上級資格を受験する上でも、
筆記試験で「必ず」出題されます。
知らないと就職してから恥ずかしい思いをするので、必ず覚えておいてください。

栄養補給法には大きく分けて経口栄養法、経腸(経管)栄養法、静脈栄養法の3つがあります。
どの栄養補給法を選択するかは消化管が安全に使用できるかどうかがポイントとなります。
「腸管が使用できれば、腸管を使用する」というのが栄養学の基本となっていますので、
腸管が使用できれば、腸管を使用しない静脈栄養法の選択肢はなくなります。
そのあとは、経口摂取が出来れば経口摂取、できなければ経腸栄養という流れになります。
一番生理的なのは経口摂取なので、栄養補給ルートを選択した際に経口摂取が困難であっても、
定期的なモニタリングの中で経口摂取を目指します。

上記でふれた「腸管が使用できれば、腸管を使用する」というワードですが、
栄養の学会に出席すれば、耳にタコというくらい出てくる言葉なので必ず覚えておいてください。
その理由は、腸管(小腸のことと考えてよいです)は使用しないと萎縮してしまうので、
いざ使おうと思った時には使えなくなってしまうからです。
なので、意識がないような重篤な状態であっても消化管が機能しているのであれば、
24時間以内の経腸栄養剤の投与がのぞまれます。

次回以降、経管栄養法と静脈栄養法について詳しくお話していきますね。

2017年05月26日

病院管理栄養士が持っておきたい資格〜NST専門療法士〜

病院管理栄養士が持っておきたい資格の第三弾です。
今日は、栄養サポートチーム(NST)専門療法士についてお話します。
日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)の資格です。

この資格は、私が病院管理栄養士を目指してからどうしてもとりたかった資格です。
なぜなら、病院で勤務したい理由にはNSTに携わって、
低栄養患者の栄養サポートの業務に従事したかったから。
他職種と栄養に関するディスカッションを行うためには、この資格はどうしても欲しかった。
この資格は他の資格に比べて、実務経験(5年間)が必要です。
加えて日本静脈経腸栄養学会の本学会への参加や一週間の病院研修(研修を行える医師がいる認定病院)
を経て、筆記試験をパスすると資格取得となります。
症例提出は要りません。

この資格の特色としては、沢山のコメディカルスタッフが受験できるので範囲が広いことですが、
管理栄養士であれば、まず合格できると思います。
(糖尿病療養指導士も他職種が受験できますが、あの資格は糖尿病に限っていますので。)
栄養療法理解のための基礎知識、栄養療法の基礎、経腸栄養法と静脈栄養法、
病態下の静脈・経腸栄養法、在宅栄養法など。
追加で学ばなければならないことは、静脈栄養の手法やルート、カテーテル関連の
普段看護師さんがやっている手技あたり。
他は普段業務で行っている管理栄養士の業務の延長なので、きちんと勉強すれば大丈夫です。

病院では2010年にNST加算が診療報酬をして採用され、
NSTを行うことによって加算がとれるようになりました(患者さんからお金がもらえるようになりました)。
以降、病院ではNSTが盛り上がり、規模の大きい病院ではNSTが2チームあるようなところもあります。
NSTでは沢山の職種が集合し、それぞれの立場から最善の方法をディスカッションします。
(NSTについてもまたどこかで詳しくお話する機会があればいいかなと思っています。)
全く同じ病態の患者さんはいないので、栄養療法に正解はないと思っています。
一番尊重しなければならないのは、患者さん(意思疎通不可であればご家族)の意向でしょう。
そして、色んな疾患を併発していれば、何かを犠牲にして何かを優先にした栄養療法がおこなわれるので、
優先ポイントが何になるかによって栄養療法が180℃変わることだってあります。
前に栄養療法には正解はないとお話ししましたが、
とは言え、頓珍漢な栄養療法は患者さんを苦しめることになります。
専門的な医療に関することは医師が判断してくれますので、安心してください。
管理栄養士は、栄養の専門家として本当にそれが最善の方法なのか吟味することに専念すべきでしょう。
最善の方法なのかを吟味するためには、必ず知識が必要です。
そのためのベースとしてこの資格は有意であると私は考えています。

晴れて管理栄養士の資格を取得した後、病院での勤務を希望している方に対して、
三回続けて持っておきたい資格についてお話しました。
国家試験の内容とは少しそれましたが、
そんな資格もあるんだなーということで興味を持ってもらえれば幸いです。
実際に取得できるのは先になりますが、
JSPENからNST専門療法士のための参考書が何冊か出版されています。

〇テキスト

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2017年05月25日

病院管理栄養士が持っておきたい資格〜病態栄養認定管理栄養士〜

前回は糖尿病療養指導士についてご説明しました。
今日は第二弾、病態栄養認定管理栄養士についてお話します。

病態栄養学とは、種々の疾患の発生機序や病態を栄養学的側面から究明し、
その治療ならびに予防を目的とする特色のある分野です。
この資格の具体的な内容としては、チーム医療について、
病態栄養の基礎知識(国家試験でいう基礎栄養学的な内容)、
栄養アセスメントとカルテ記載、栄養補給法(TPN、PPN、ENなど)、
病態栄養(疾病別)、病態栄養教育…こんなところです。
一部国家試験に似た内容もありますが、より専門的な内容になっています。

病態栄養認定管理栄養士の更新は糖尿病療養指導士と同じで5年です。
以前は病態栄養専門師という名称でしたが、
認定管理栄養士と専門管理栄養士を明確に分けるために名称改定されました。
つまり、病態栄養認定管理栄養士を取得後は、
透析やがんに関する更に専門的な資格を受験できるということです。
病態栄養認定管理栄養士は糖尿病療養指導士とセットでもっておくことをおススメします。
この二つの資格の学会が関連している関係で、
受験や更新の際に、一部単位が免除されるためです。

この資格は特に病院管理栄養士として勤務するのでなければあまり出番はないかもしれません。
糖尿病療養指導士や栄養サポートチーム専門療法士は他の職種でも受験できますが、
この資格を受験できるのはもちろん管理栄養士のみです。
そのため、他の資格に比べると範囲が狭く内容は深くの内容になっていると思います。
病院の管理栄養士として専門性を高めたい場合には、オススメの資格です。

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2017年05月24日

病院管理栄養士が持っておきたい資格〜日本糖尿病療養指導士〜

今日は管理栄養士として将来病院で勤務を希望している方にお届けします。
病院で勤務するにあたり、管理栄養士の上級資格をいくつか持っておくことをおススメします。
これについてはマストではありませんし、
とったら終わりの資格ではないので、費用も時間もかかります。
費用というのは、受験費用、更新費用、学会費用、
受験や更新に伴う学会への参加費用や宿泊費用、講習会参加費用などなど馬鹿になりませんし、
ほとんどの場合、病院で出してはくれないので自腹になります。
資格を取って維持するのは大変なことではありますが、
それ以上に意味のあるものだと思い、私は管理栄養士以外に三つの資格を持っています。
日本糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、栄養サポートチーム専門療法士(NST専門療法士)です。
やはり病院で勤務する以上は知っておきたい内容が詰まっていますので、
医療に関して何も勉強をしてきていない管理栄養士にとって、
資格取得のための勉強は有意なものになると思います。
今日はその中でも日本糖尿病療養指導士についてお話します。

日本糖尿病療養指導士という資格を知っていますか?
日本糖尿病療養指導士は別名Certified Diabetes Educator of Japan、
略してCDEJ(そのままシーディーイージェーと読みます)とも呼ばれます。
1993年に患者の健康と福祉の充実を目指して
一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構が発足し、
この機構により2000年度から認定試験を行っているのが日本糖尿病療養指導士です。
受験条件は、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のいずれの資格を有していて、
過去10年以内に2年以上継続して通算1000時間以上の糖尿病患者の療養指導を行っていること。
受験に当たっては、講習会、症例10症例提出、筆記試験などを経て資格が与えられます。
注意しなければならないのは、勤務している病院に日本糖尿病学会専門医か
日本糖尿病学会の会員で糖尿病の診療と療養指導に従事している常勤の医師がいることが条件です。
日本糖尿病療養指導士は、一般的な糖尿病の知識をはじめ、食事療法、運動療法、薬物療法、
心理的なケア、ライフステージ別の糖尿病、急性・慢性合併症等々、
専門以外の糖尿病に関することも学びます。
また、資格を取得したら終わりではなく、5年後ごとに資格更新しなければならず、
そのためには学会への出席や症例の提出が求められるので、
常に最新の情報を勉強しなくてはなりません。

平成24年の国民健康・栄養調査の結果によれば、20歳以上で糖尿病が強く疑われる者のうち、
現在治療を受けている者の割合は、男性65.9%、女性64.3%で、
残りは未受診か、過去または現在において治療中断者であるというデータがあります。
このような実態から、治療継続への療養指導の充実が望まれ、
日本糖尿病療養指導士の活躍の幅は広がって来ており、認知度も上がって来ています。
病院やクリニックの医療従事者であれば、この資格を持っている者も多いでしょう。
特に看護師や管理栄養士は取得率も高いです。

私も転職活動をした際に、
面接官から「糖尿病療養指導士は受験するつもりがありますか?具体的にいつ受験しますか?」
と聞かれたことがあります。
それだけ、この資格の需要も増えてきていると考えていいのではないでしょうか。
2012年度の診療報酬改定では、医師、看護師・保健師、管理栄養士の3職種が
透析予防診療チームを構成し、個別に透析予防に関わる指導管理を行った場合にも
保険点数が認められるようになりました。
透析には莫大なお金がかかるので、国が医療費削減のために動いたのでしょう。
糖尿病療養指導士の活躍の場は広がるのではないかと私も期待しています。
興味のある方は日本糖尿病療養指導士認定機構のホームページを見てみてくださいね。

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2017年05月23日

管理栄養士取得後は?

今日は国家試験の内容からは少し離れて、
「管理栄養士の国家試験に晴れてパスした後、どうしようか?」
という内容でお話ししようかと思います。

皆さんはどう考えていますか?
管理栄養士は活動の幅が広いので、色々な夢を持っている方がいるでしょう。
食品会社で製品開発をしたい、
スポーツ栄養士としてアスリートの支援をしたい、
介護施設の栄養士として高齢者の栄養管理をしたい、
保育園の栄養士として乳幼児の食事を作りたい、
病院栄養士として患者さんの栄養指導や栄養管理を行いたい、
給食委託業者で献立作成や調理に従事したい…
これは管理栄養士の一部の働き方ですが、これだけあります。
管理栄養士は本当にたくさんの働き方があります。
だからこそ良く考えてほしいと思います。
管理栄養士であっても違う業界になれば、
経験値は低く見なされ、また一から学ばなくてはいけないことがたくさんあるんです。

少し私の話をしてみます。
私が管理栄養士を目指したのは、高校の時でした。
管理栄養士を目指したのは母の勧めで、
勧めた理由は何の取柄もない私に手に職をつけさせたかったからのようです。
特になりたいものもなかったし、将来を安易に考えていた私は、
良く分からないまま短大の食物栄養学科へ進みました。
短大に入ってからも栄養学をなかなか好きになれなかった私。
とりあえず食物栄養学科に進学させてもらった手前、
管理栄養士までは取得しようと決めていました。
何ていうか親への建前のような気持ちが大きかった…。
短大の場合3年間の栄養士としての実務経験がないと国家試験が受験できないので、
とりあえず実務経験が認められる食品会社に就職しました。
そして3年後に管理栄養士の資格を取得後、病院に就職しました。
好きではない栄養士の業界に戻って来たのは、
国家試験の勉強で少し栄養士が好きになって、やっぱりもう一度試してみたくなったからかな。
病院に就職した理由は、臨床栄養学が好きだったから、
管理栄養士として働く上で一番人の役に立てそうな気がしたから、
栄養指導では管理栄養士しか加算がもらえない、そんな栄養指導を一番しているのは病院、
こんな理由だったと思います。
就職後もしばらくは栄養士の仕事が好きにはなれなかったけれど、
いくつかの病院を経験していく内にこの仕事が大好きになりました。
とりあえずとりあえずの人生で、
当時もう少し将来を見据えて計画的に事を勧められなかったのかという反省点はありますが、
好きなことを仕事にできたことを母にとても感謝しています。

私は病院一本で働いてきたので、
他の業界の管理栄養士の常識が私には常識じゃないこともたくさんあると思います。
ただ病院で働いていると、他の業界でも比較的通用することは多いとは感じます。
病院から他の業界への転職をする場合の適応についてお話してみます。
〇老人福祉施設
老人福祉施設に退院した患者さんの施設の管理栄養士から、
食形態や経腸栄養剤の相談があることも多々あります。
有難いことに病院の管理栄養士が立てた処方ならば問題ないと思ってくれているようでした。
ただ、患者さんの状態は日々変わるものですから、
絶対に誤嚥しない食形態や完璧な経腸栄養剤の処方はない訳ですし、
それは老人福祉施設の管理栄養士がしっかりプランとモニタリングを繰り返して
栄養管理していかなくてはなりません。
病院は高齢者がほとんどで、病院管理栄養士にとって栄養管理は仕事の柱になりますので、
病院で働いていれば老人福祉施設の管理栄養士の仕事は網羅出来ていると考えていいと思います。
〇給食委託業者
病院管理栄養士は献立の展開を理解していることが条件です。
常食からどう展開して、軟菜、減塩食・低たんぱく質食、低脂質食を作るのか。
給食委託業者の仕事は、調理・食材発注・献立作成(病院側が管理している病院もあります)
がメインですから、病院管理栄養士からの転職は問題ありません。
逆に、給食委託業者から病院管理栄養士に転職する方が多いですね。
〇保育園
病院では小児科がない限り、乳幼児の食事を作ることはありませんから、
病院栄養士であれば疎い部門だと言えます。
保育園では、食物アレルギーの対応や調理がメインになりますから、
勉強すれば問題なく業務はこなせると思います。
〇スポーツ栄養士、食品会社の製品開発
これは、病院管理栄養士とは畑違いの仕事になりますので、
病院での経験は生かせず、転職も難しいと思います。

私と同じように色々な病態の栄養指導をやりたい、栄養管理をやりたい、
という方は病院管理栄養士を目指されるといいと思います。
ただ、医師をはじめ、他の医療職と対等に患者さんの病態について
相談を出来る関係にならないといけませんので、勉強は必要です。
病院で働くようになって非常に感じたことですが、
管理栄養士は医療に関する基本的内容を全くと言って良い程勉強してきていない。
管理栄養士の就職は幅広いが故、病院栄養士に特化した内容にはなっていないので、
就職してからが非常に苦労します。
そんな時、私の勉強の助けになってくれたのが資格取得です。
次回以降は、病院管理栄養士であれば持っていて損はない資格についてお話しようと思います。

2017年05月22日

アレルギー表記の確認方法

「食べ物と健康」の食品表示基準について。
期限表示、強調表示、添加物表示、遺伝子組み換え食品表示など、
色々な表示の取り決めがありますが、今日はアレルギー表示についてお話してみようと思います。

アレルギーのある食物を摂取してしまった場合、
アナフィラキシーショック(低血圧、意識消失、嘔吐、下痢などの症状が起こる)
という重篤な状態にもなりかねません。
自分で一から調理するという場合であれば心配はいりませんが、
調理済み品を購入する際、外食する際には、細心の注意が必要です。

アレルギー物質を含む特定原材料7品目については、
含有量に関わらずその表示が義務付けられています。
また、特定原材料に準する20品目についても表示が推奨されています。

〇特定原材料7品目(義務表示品目)
卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに

〇特定原材料に準ずる20品目(推奨表示品目)
いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、やまいも、カシューナッツ、
もも、ごま、さば、さけ、いか、鶏肉、りんご、まつたけ、あわび、オレンジ、
牛肉、ゼラチン、豚肉

※一般的にアレルギーが多い食材は特定原材料品目、
それ程多くないが存在する食材は特定原材料に準ずる品目に分類されていると考えてよいと思います。
なお、アレルギー物質の混入が防げない場合は、「同一ラインで〇〇を含む食品を製造しています」
等の注意喚起が必要で、「入っているかもしれません」という可能性表示は禁止されています。

表示対象は、容器包装された食品または食品低下物(業務用や加工食品の原料を含む)で、
特定原材料の場合は加工助剤(食品の加工工程で使用され、
最終的には中和されたり除去されて食品中には残留しないか、残留しても微量なもの)や
キャリーオーバー(原料中の食品添加物で、その原料を用いて製造された食品に移行した量では
その効果を発揮できない残留する微量な食品添加物のこと)であっても表示の義務はありますが、
含有量が数㎍/g未満のものは表示の必要性はありません。
また、店頭販売の総菜、パン、弁当などは表示が免除されています。

2015年3月の食品表示基準の改定で、アレルギー表示に関して見直しが行われました。
@特定加工食品及びその拡大表記の廃止。代替表記は存続。
A個別表示を原則とし、一括表示は「表示面積に制約がある」などの場合に、例外的に可能とする。
B一括表示の場合は、原材料として特定原材料名又は代替表記で表示されていても、
 一括表示欄に特定原材料名又は代替表記を改めて表示する。

まず、表示を確認すればアレルギー対応は可能かと思いますが、
必ずしも含有量がゼロでない場合もありますし、
店頭販売の総菜の場合は入っていないだろうと思っても入っている可能性があるということになります。
また、アレルギー表示を確認するだけでなく、
同一ラインで製造されてるかどうかの表記の有無も確認すると尚安心です。
実際の現場では、小児アレルギーを持つ母親向けに栄養指導を行うことがあります。
その際、管理栄養士はアレルギー表示の見方についてでも指導するので、
しっかり理解しておきましょう。



2017年05月21日

食事バランスガイド

公衆栄養学ではデータに関する問いがたくさん出てきます。
国民健康・栄養調査であれば、BMI分布、食品群の組み合わせ状況、生活活動の実践度の状況、
睡眠の質、血圧に関する状況、飲酒・喫煙に関する状況、朝食の欠食率などなど。
国民健康・栄養調査以外にも、食生活指針、健康日本21など、
色んな政策がありますので、それぞれがどんな目的で施行されているのか、
しっかり頭にいれておきましょう。
当然最新のデータが重要なので、古い参考書等で勉強されている方は、
必ず新しい数字を見直しておいてください。
数字は必ず問われます。

今日は公衆栄養学の範囲である食事バランスガイドについて少しふれておこうと思います。

「食生活指針」を具体的な行動に結びつけ、
国民一人ひとりがバランスのとれた食生活を実現していくことができるよう、
食事の望ましい組み合わせやおおよその量を分かりやすくイラストで示したもの。
2005年に厚生労働省と農林水産省の共同により作成されました。

〇特徴は以下のように発表されています。
・回転をすることにより初めてバランスが確保される「コマ」の型を採用し、
 名称に「バランス」を取り入れた。
・食品単体の組み合わせではなく、料理の組み合わせを中心に表現することを基本としたことから、
 「フード」ではなく、個々人の食べるという行為も意味する「食事」という言葉を用いた。
・とりわけ生活習慣病予防の観点から、男性肥満者、単身者、子育て世代といった
 対象に焦点を絞った普及活動(肥満、エネルギー及び脂質の過剰摂取、野菜不足、
 朝食欠食などの解消への取り組み)に配慮することとしている。

〇摂取の目安
1日の適正エネルギー  主食  副菜  主菜  牛乳・乳製品  果物
@1400〜2000kcal   4〜5  5〜6  3〜4    2      2
A2000〜2400kcal   5〜7  5〜6  3〜5    2      2
B2400〜3000kcal   6〜8  6〜7  4〜6    2〜3     2〜3

〇対象
@:6〜9歳男女、10〜11歳女子、身体活動の低い12〜69歳女性、70歳以上の女性、
  身体活動量の低い70歳以上の男性
A:10〜11歳男子、身体活動量の低い12〜69歳男性、身体活動量ふつう以上の12〜69歳女性、
  身体活動量ふつう以上の70歳以上男性
B:身体活動量ふつう以上の12〜68歳男性

食事バランスガイド.jpg

1つ(SV)の基準は、
主食は炭水化物40g、副菜は重さ70g、主菜はタンパク質6g、乳製品はカルシウム100r、果物は重さ100g、
と定められています。

食事バランスガイドは見た目がカラフルで目に入りやすいと思います。
しかし、現状ではあまり活用されていませんね。
記載されている料理も少ないですし、これではエネルギー計算なんてできない。
対象は一般の人向けなので、私たち管理栄養士の中で活用することはまずありません。
食事バランスガイドは、あくまで食事に興味を持って!食事はバランスよくね!という
導入に過ぎないのだろうと思います。
なので、患者さん(対象者)が食事バランスガイドを使用している場合、
管理栄養士が再度エネルギー計算をし直す必要があります。
その際は食品成分表や糖尿病の食品交換表を使うといいでしょう。
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食品会社で勤務しながら、半年間の独学を経て管理栄養士の国家試験に合格。その後、管理栄養士として勤務するために病院へ転職。6年間で3つの病院を経験。現在は、管理栄養士国家試験の参考書の校正や答案添削を行っています。 <取得資格>管理栄養士、栄養教諭、糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、NST専門療養士
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