2019年12月04日
お金の匂い
先日、茨城県のブランド牛の酪農家が紹介されているテレビ番組を見た。
案内をしてた牛舎の先代の奥様がレポーターに話した言葉がとても印象的だった。
彼女はレポーターに、
「いい匂いでしょ。」
と言ったのである。
牛舎は牛の糞尿などで強烈な臭いがする。
その都度世話をしても、その臭いはなかなか取れるものではない。
初めて牛舎を訪れた人は、けっこう面くらう。
本来なら、「臭いでしょ…」、と言うべきもの。私は逆説的に、自虐的に言ったのかと思ったのだが、実はそうではなかった。
彼女は続いて言う。
「これがお金の匂いだ…。」
これには脱帽した。
「さすが!」、と言うしかない。八十を超えた彼女の言葉には力がこもっていた。
私の学校は田舎にあるので、引率をしていると、時々牛舎の前を通ることがある。
そのたびに生徒たちは、
「くせ〜。窓閉めろ。」
などと、酪農家にはきわめて失礼な態度で大騒ぎする。
私が運転をしているときは、そうした態度をたしなめるが、臭いは隠せないので、なかなか意識改革することは難しい…。
しかしこの言葉は、それ以上の力を持っている。
数十万で仕入れた子牛を、二年あまり育てて出荷する。
価格はおそらく二百万程度にはなっているのだろう。
八十過ぎた老婆が、自ら焼いた牛肉をバクバク食べる姿も、カルチャーショックだった。
世の中には苦しい仕事もある。
それを教えるのも、私たち教員の務め。
いろいろな仕事によって、世の中は支えられている。
より好みすることなく、仕事に従事しなければいけない人がほとんどだ。
365日休みなし、24時間体制の牛舎での仕事を、生徒たちに経験させたいと思う。
彼らが私たちの食を支えているのだ。
案内をしてた牛舎の先代の奥様がレポーターに話した言葉がとても印象的だった。
彼女はレポーターに、
「いい匂いでしょ。」
と言ったのである。
牛舎は牛の糞尿などで強烈な臭いがする。
その都度世話をしても、その臭いはなかなか取れるものではない。
初めて牛舎を訪れた人は、けっこう面くらう。
本来なら、「臭いでしょ…」、と言うべきもの。私は逆説的に、自虐的に言ったのかと思ったのだが、実はそうではなかった。
彼女は続いて言う。
「これがお金の匂いだ…。」
これには脱帽した。
「さすが!」、と言うしかない。八十を超えた彼女の言葉には力がこもっていた。
私の学校は田舎にあるので、引率をしていると、時々牛舎の前を通ることがある。
そのたびに生徒たちは、
「くせ〜。窓閉めろ。」
などと、酪農家にはきわめて失礼な態度で大騒ぎする。
私が運転をしているときは、そうした態度をたしなめるが、臭いは隠せないので、なかなか意識改革することは難しい…。
しかしこの言葉は、それ以上の力を持っている。
数十万で仕入れた子牛を、二年あまり育てて出荷する。
価格はおそらく二百万程度にはなっているのだろう。
八十過ぎた老婆が、自ら焼いた牛肉をバクバク食べる姿も、カルチャーショックだった。
世の中には苦しい仕事もある。
それを教えるのも、私たち教員の務め。
いろいろな仕事によって、世の中は支えられている。
より好みすることなく、仕事に従事しなければいけない人がほとんどだ。
365日休みなし、24時間体制の牛舎での仕事を、生徒たちに経験させたいと思う。
彼らが私たちの食を支えているのだ。
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