2015年07月19日
REITの利回りが戻ってきた。5%越えもあり。
ギリシアショックで若干高値感が漂っていた日本株が一気に1,000円以上下がりました。その後は、意外にも短期間でもとの高値付近に戻ってきてしまいましたが、その中でもREITが若干戻りきれていないです。REITの基本は利回りが命ですが、なんと5%越えの銘柄も散見されるようになりました。
<図.Japan REITのWebサイトより>
■日本リートが5%越え
[3296]日本リート投資法人が7/17時点の分配金利回りが5.11%です。5%を越える利回りはアベノミクス相場前はごろごろ転がっていましたが約2年ぶりくらいです。
[3459]サムティ・レジデンシャル投資法人(以下サムティR)も見逃せません。
7/17現在で90,500円という単価も見所ながら、分配金利回りは3.82%。え、あまり高くないじゃないかと思います。これには上場直後は家賃収入期間が不十分であるため分配金が少な目に計上されるという傾向があります。
HPから分配金の想定額を引用してみますと、
当期:1,444円
来期:2,552円
と計画されており、あくまで当期の分配金を使用した利回りが
1,444 x 2 / 90,500 = 3.19%
【当期と来期で計算】
(1,444+2,552) / 90,500 = 4.41%
【来期で計算】
2,552 x 2 / 90,500 = 5.63%
となり、なんと現在上場しているREITのなかではトップの分配金利回りとなります。こんな銘柄も放置状態なんですね。
(補足:IPO決定価格は102,000円)
■サムティRはなぜ安価なのか
もちろん、安値で放置されているのには理由があります。
1.取り扱い物件が地方でショボい
投資方針として、7割以上を地方物件で利回りを高めていることが記されていますが、逆を言えば将来の人口減から入居率の低下の可能性が高く、家賃の上昇も見込めない地方であるため、他のREITと同じ利回りで評価して良いのかという問題です。また、親会社のサムティのマンションを購入するという物件の目利きに関する疑問点です。一言で言うと「ショボい物件」ということになります。
2.減価償却費用を分配金に回している
「利益超過分配金」という表現が投資方針にかかれていますが、これは家賃ではなく減価償却費用の現金還元です。ご存じの通り、減価償却費用は本当に費用として現金がなくなっているのではなく、あくまで物件の劣化に対する会計上の数字にすぎません。サムティRは地方物件が多いため、都心よりも土地が安価で多くの減価償却費用を計上することができ、それを投資家に還元していることになります。この仕組み自体は個人的に良いことだと思いますが、他のREITではGLP投資法人くらいしか採用していないマニアックな手法です。よって、他のREITの分配金利回りと同じ基準で比べて良いかという問題に繋がります。減価償却費はいずれなくなったり、物件用の修繕費用として留保すべきという考えもあるため、悪く言えば「数字のマジック」と指摘されるケースがあります。
(補足:超過分配金を考慮しない、来期以降の分配金利回りは4.40%)
3.分配金が維持される懸念
上場直後のREITにありがちですが、来期以降の予想に信用がなく、かつ、親会社も信用がないケースです。REITは物件の入居率や家賃、公募増資などで分配金が簡単に上下します。(過去のREITがこういうことをやらかしてきたため)
そこで、せめて数年実績が出てくれないと信用されません。
また、分配金が確定するのが、初回が来年の1/31と期間が長いのも不信感に繋がっています。
■サムティRは買えるのか
これらの3点が、主に「プロ」に嫌われている理由だと推測します。
しかしながらアマチュアとしてはここはありがたく「ゴチ」で良いのではないかと思います。理由は、
1.日銀がREIT市場に目を光らせている
2.不動産市況は2020年まではしばらく安泰
3.賃貸マンションが中心で、家賃が下がりにくい
この3つです。そして、超過分配金を組もうが、還元される額が多いことに越したことはないです。正直、いくらでもけちがつけられることは重々承知ですが、分配金利回り5.6%越えという事実に市場が放置していくとは思えません。
類似のREITとして、[8979]スターツプロシード投資法人があります。サムティR同様に、親会社のスターツから提供されるショボイ物件、賃貸アパート・マンションを中心とした将来性のない物件目白押しで上場して長期間放置されてきました。そして、2015年の配当利回りとしては、3.8〜4.3%(7/17時点で4.33%)で上下しています。
この分配金利回りをサムティRに適用させると、
・134,000〜118,600円(分配金は2,552円x2を前提)
となります。
確かに、プロの目から見ればスターツの物件は「とても買えたものではない」ということになるのではないかというのは想像できます。しかしながら、きちんとした分配金の実績が評価ということではないでしょか。やはりREITは分配金利回りで評価するというシンプルな方法で行ってみたいと思います。
<図.Japan REITのWebサイトより>
■日本リートが5%越え
[3296]日本リート投資法人が7/17時点の分配金利回りが5.11%です。5%を越える利回りはアベノミクス相場前はごろごろ転がっていましたが約2年ぶりくらいです。
[3459]サムティ・レジデンシャル投資法人(以下サムティR)も見逃せません。
7/17現在で90,500円という単価も見所ながら、分配金利回りは3.82%。え、あまり高くないじゃないかと思います。これには上場直後は家賃収入期間が不十分であるため分配金が少な目に計上されるという傾向があります。
HPから分配金の想定額を引用してみますと、
当期:1,444円
来期:2,552円
と計画されており、あくまで当期の分配金を使用した利回りが
1,444 x 2 / 90,500 = 3.19%
【当期と来期で計算】
(1,444+2,552) / 90,500 = 4.41%
【来期で計算】
2,552 x 2 / 90,500 = 5.63%
となり、なんと現在上場しているREITのなかではトップの分配金利回りとなります。こんな銘柄も放置状態なんですね。
(補足:IPO決定価格は102,000円)
■サムティRはなぜ安価なのか
もちろん、安値で放置されているのには理由があります。
1.取り扱い物件が地方でショボい
投資方針として、7割以上を地方物件で利回りを高めていることが記されていますが、逆を言えば将来の人口減から入居率の低下の可能性が高く、家賃の上昇も見込めない地方であるため、他のREITと同じ利回りで評価して良いのかという問題です。また、親会社のサムティのマンションを購入するという物件の目利きに関する疑問点です。一言で言うと「ショボい物件」ということになります。
2.減価償却費用を分配金に回している
「利益超過分配金」という表現が投資方針にかかれていますが、これは家賃ではなく減価償却費用の現金還元です。ご存じの通り、減価償却費用は本当に費用として現金がなくなっているのではなく、あくまで物件の劣化に対する会計上の数字にすぎません。サムティRは地方物件が多いため、都心よりも土地が安価で多くの減価償却費用を計上することができ、それを投資家に還元していることになります。この仕組み自体は個人的に良いことだと思いますが、他のREITではGLP投資法人くらいしか採用していないマニアックな手法です。よって、他のREITの分配金利回りと同じ基準で比べて良いかという問題に繋がります。減価償却費はいずれなくなったり、物件用の修繕費用として留保すべきという考えもあるため、悪く言えば「数字のマジック」と指摘されるケースがあります。
(補足:超過分配金を考慮しない、来期以降の分配金利回りは4.40%)
3.分配金が維持される懸念
上場直後のREITにありがちですが、来期以降の予想に信用がなく、かつ、親会社も信用がないケースです。REITは物件の入居率や家賃、公募増資などで分配金が簡単に上下します。(過去のREITがこういうことをやらかしてきたため)
そこで、せめて数年実績が出てくれないと信用されません。
また、分配金が確定するのが、初回が来年の1/31と期間が長いのも不信感に繋がっています。
■サムティRは買えるのか
これらの3点が、主に「プロ」に嫌われている理由だと推測します。
しかしながらアマチュアとしてはここはありがたく「ゴチ」で良いのではないかと思います。理由は、
1.日銀がREIT市場に目を光らせている
2.不動産市況は2020年まではしばらく安泰
3.賃貸マンションが中心で、家賃が下がりにくい
この3つです。そして、超過分配金を組もうが、還元される額が多いことに越したことはないです。正直、いくらでもけちがつけられることは重々承知ですが、分配金利回り5.6%越えという事実に市場が放置していくとは思えません。
類似のREITとして、[8979]スターツプロシード投資法人があります。サムティR同様に、親会社のスターツから提供されるショボイ物件、賃貸アパート・マンションを中心とした将来性のない物件目白押しで上場して長期間放置されてきました。そして、2015年の配当利回りとしては、3.8〜4.3%(7/17時点で4.33%)で上下しています。
この分配金利回りをサムティRに適用させると、
・134,000〜118,600円(分配金は2,552円x2を前提)
となります。
確かに、プロの目から見ればスターツの物件は「とても買えたものではない」ということになるのではないかというのは想像できます。しかしながら、きちんとした分配金の実績が評価ということではないでしょか。やはりREITは分配金利回りで評価するというシンプルな方法で行ってみたいと思います。
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