BMWの新型3シリーズは、内装の質感が大幅に向上したことが各メディアでの事前情報報じられていましたが、日本仕様の実車を見て、確かに大幅な質感向上を果たしており、「3シリーズの内装はチープ」というのはもう過去の話であるこということが確認できました。
まずドアを空けて、今まではパワーシートのスイッチなど。細かい部分の質感が非常に気になりましたが、他のプレミアムブランドと比べても一般的なデザインとなり、スイッチレバー等にも金属加飾も加わりずいぶん見栄えがよくなりましたね。
ドアトリム周りもごく一部を除き、非常に仕上がりがよくなったと思います。
ハーマンカードンのスピーカーグリルもシンプルながら質感向上に寄与していると思います。オーディオのグレードアップによるこういう差別化はいいですね。
ステアリングに関しては、見栄えの良いパドルシフトに加え、中央のステアリングパッドがレザー巻きになっています。
レクサスでは一部のクルマ以外は樹脂パッドですから、ずいぶん違います。(もともとBMWのステアリング周りのレザーの質感は高いですし)
また、シルバー部分の塗装も高輝度な見栄えの良いものです。
スイッチ類ですが、クルーズコントロール系は「左」、マルチメディア系は「右」に統一されていて、これはレクサスとは真逆の配置ですね。
注目のメーターはフル液晶となりましたが、解像度が高いので文字も読みやすく、メーター自体のデザインも異型でかっこいいですね。
物理的な2眼メーターの良さももちろんありますが、先進性の高さを感じます。
レクサスの液晶メーターは解像度が高くないため、漢字や文字を読みやすくするためフォントが大きくなり、同時表示文字数が少ないなど欠点があります。
運転席右下方面には、欧州車で定番のライト類のスイッチが。
ダイヤル式ではなくスイッチ式ですが、メインに使用される「AUTO」は金属加飾があしらわれていて差別化されているのはいいですね。コスト優先ならすべて樹脂スイッチですから、しっかり差別化しているのは感心しました。
足元に関しては、当然LED照明を備えていますが、一部に金属パーツをあしらい、なかなかスポーティなデザインのペダルを装備。
ただ、フットレストには金属加飾がなく、非常にシンプルな仕上がりでした。
このあたりの質感は高くありません。
ナビゲーションのモニターサイズは、レクサスでも定番のワイド型10.3(10.25)インチですが、メーター同様、レクサスのそれとは解像度が異なり、高精細で非常に文字フォントやグラフィックがキレイです。
スイッチ類もかつてのBMW3シリーズからは想像もできないほど仕上がりが良くなっているように見えます。
ただ、シートの送風機能(ベンレーション機能)はありません。ここが装備的にはISに対して、唯一の弱点でしょうか。
ルームランプも上位モデルと同様の立派な光り方に。
常時点灯の赤色イルミや、今やレクサスと同様、緊急通報スイッチ(ヘルプネット類似機能)も備えています。
シフトパネル周辺はびっくりするぐらい進化していて、木目パネルも含め、大変見栄えがよくなりました。
カップホルダーも蓋付きです!!(レクサスは第2世代において、コストダウンも兼ねてか、フタ付きのドリンクホルダーや小物入れを減らす車種が多かったですが、結局BMWはの真似で元に戻りそうな予感がします。)
なお、運転モードを切り替える「ドライブモードセレクトスイッチ」もシンプルなボタン式で縦に平然と並んでいます。
自動車評論家目線で見ると、「スイッチ類が煩雑!」という印象ですが。(レクサスなら確実に言われる)
フタを空けた状態。なんと、ワイヤレス給電(Qi)も備えています。
ここにもUSB端子、そしてアクセサリーソケットを備えています。何よりドリンクホルダーがちゃんと「横並び」になっているのは嬉しいですね。
アームレスト下の、センターコンソールボックスは、幅広で、照明もついています。
また単なるフェルト素材ではなく、異音&滑り止め防止のラバーも敷いてあるなど、ちょっとした気配りも嬉しいところ。
また、USBが最新規格の「USB-type C」になっているなど先進性を感じさせられます。
助手席側。
ハード樹脂が結構な量が使用されていますが、派手目なアンビエントライトや高輝度な金属調パーツ、見栄えのよいスピーカーグリル(オプション)を備えているので、あまり気にならず、十分な質感を確保しています。
グローブボックスは当然起毛処理、照明のLEDも明るく実用的です。
しかし、アンビエントライトが派手ですねぇ。(私的には全然アリ)
助手席側ドアトリム。
シンプルながら、チープさはなくうまくまとめていますね。
金属調パーツに沿った明院のアンビエントライトの他にも、インナードアハンドル、ドアポケットにも赤色LEDが仕込まれているなど、雰囲気と実用性を確保しているのは非常に好感が持てますね。このへんは第3世代レクサスにも見習って欲しいところ。
全体的に前席に関しては非常に質感が向上しており、「3シリーズの内装はチープだからレクサスにした」、という方からすると、新型BMW3シリーズではすでにこれを克服し、むしろ逆転しており、新型ISでこのクオリティを超えるのはなかなか難しいのではと感じます。
ただ、全体的に「樹脂」やスイッチ類の質感、ルーフ・ピラー素材はまだまだと感じる部分がありました。
コストを掛けるところとそうでないところの差が大きい印象です。
たとえば、こういうパワーウィンドウスイッチ類は相変わらずプラ感&大雑把感が漂います。
ルームミラーも無骨で、気になりました。
フレームレスタイプを採用する車種が増えましたが、ミラー自体も小型ですし、ETCユニットの問題もあるのか見栄えは残念です。
さて、リヤシート側です。
ドアを広げると、さすがホイールベースを延長したせいもあり、広さを感じます。
また、前席シート下に足元を照らすLED照明があるので、足元が明るいのがいいですね。
ちなみに、現行ISのリヤシートはこちら。
新型BMW3シリーズと比べると、狭さを感じます。
しかし、シート自体の質感はセミアニリン本革ということもあり、ISの方がずいぶん質感が高いです。
BMWのレザーは固めですが、耐久性もあるので、好みによると思いますが、上質感があるのはISの方ですね。
リヤシートに座ると、ISのような「薄暗さ」は感じません。それは、ドアトリムのアンビエントライト類や足元照明がしっかりあるからでしょう。
後席でもしっかりと考えられているのは好印象でしたね。
第3世代のISはこういうところをしっかり真似してほしいですね。
後席ドアトリムに備わるカップホルダーも実用的ですし、照明もバッチリ。
現行レクサスISには、ドアポケットにはカップホルダー等はありません。細かいですが、これは嬉しい装備。
リヤ席中央には、オプションですが、なんと「3ゾーン」の用エアコン調整が!
レクサスではES/GSのversion.L系など一部の車種でしか3ゾーン調整機能がありませんが、BMW3シリーズは標準装備!
また、オプションの「コンフォート・パッケージ」を装備しているため、ここにもアクセサリーソケットと、USCB-C規格の充電ソケットが2つ備えられています。
ただ、このあたりの樹脂の質感はいま一つなのは残念なところ。
リア席中央のアームレストは薄型で剛性感が乏しいのが残念。
ただ、ドリンクホルダーは展開式のものがしっかり備えられていました。
天井には、左右独立式のスポット型LEDと常時点灯する赤色イルミが。
このあたりもしっかり作られています。ルーフの仕上げはレクサスのほうが優位性がありますが・・・。
ざっと一通りみたところ、新型BMW3シリーズはやはり噂通り非常に内装の質感が向上しており、静的質感を大きく改善してきたことはすばらしいと思います。もともと走りの質感などではファンが多いですから。
私はどうしてもレクサス「IS」との比較を気にしてしまうのですが、設計年度が古く、改良の進歩が遅い現行モデルのISにおいては多くの部分で装備・質感の差がついてしまっていることが確認できました。
もちろん、レクサスならではの丁寧な仕上げの部分もあり、ISの方が良いと感じる部分もありますが、それほど多くはありません。
ISの方が明確に優位であると感じる部分は以下の部分ぐらいではないでしょうか。セダン不遇の時代の中、また1つ次期ISがに大きな壁が立ちふさがったようにも思います。
・天井/ピラー/バイザー等の質感
・シートベンチレーション機能
・運転液パワーイージーアクセス機能
・セミアニリン本革の質感
・樹脂そのものの素材の質感、パワーウォインドウスイッチ類の質感
・リヤセンターアームレストの質感・剛性感
次モデルの「IS」が2020年頃に発売されるとすればすでにデザインや基本設計などは完了しているものと思いますが、果たしてここまでのクオリティの仕上がりとなるかのでしょうか。全体的に、3シリーズは使い勝手の面(収納、間接照明等)でも、非常に配慮した作りをしていると感じました。
ISには、上位車種に遠慮しない技術や装備を投入しなければ、新型BMWの3シリーズには対抗できないように思いますので、キープコンセプトでない、驚くほど大きな進化・質感の向上に期待したいですね。
■外装編はこちら
BMW新型3シリーズ(G20)早速チェックしてきました!(外装編)
http://www.namaxchang.com/article/463966475.html?1549191148
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今回の3シリーズは本当に質感がアップしましたね!
時期ISは室内装備に関するブレークスルーが欲しいですよね。
単なるスポーツセダンに終わらない1代であってほしいところです。
ドアミラーの位置、確かに欧州車はドアはなく、Aピラーの付け根が多いですよね。視界を確保する点でもドア付けの方が有利に思いますが、あとは空力の問題でしょうか?・・
本当にレクサスは真剣に三歩先を狙わないと厳しいと思います。ESでデジタルアウターミラーを世界初採用したのですから、どの車種でも選択可能にし、そしてインテリアにフィットしたインナーディスプレイのデザインと解像度アップを期待したいです。その先駆けが次期ISなら嬉しいのですが。
欧州車で、いつも感じるのですが何故ドアミラーはピラーの付け根の位置なのでしょう?レクサスはこの点では優れていて、視界の広さ、力強さ、かっこよさを実現していると思います。
新型スープラ、BMWとの共同開発で出来上がったら、先代80ではドアから力強く生えたドアミラーでしたのに、90ではBMWと同じになってしまいました。ここを見ただけでも、古くさく感じてしまいます。とても残念です。
今回の3シリーズは内外装ともに魅力的な1台に仕上がっていると思いました。
ツッコミどころはたくさんあるのですが、コストを掛けているところと無視している部分がはっきりしているのが特徴で、全体としては好印象です。
第2世代レクサスはGSにせよISもせよ、内装についてもBMWなどの欧州車を意識した改良が多かったですが、結局はレクサスがもともと志していた部分にBMWも回帰している部分は見受けられましたね。
特に小物入れの拡充や細かい照明の追加などは好印象です。
第3世代のISがどのような方向に進むのか非常に気になるところですが、内装に関してはESを超えるレベルを目指さないと3シリーズには勝てないかもしれません。
非常に詳細かつ公平な分析ありがとうございます。
今回の3シリーズには大いに興味が湧きます。
シフト周りは完全に5シリーズ以上の質感に見えますね。全体的にデザインも大人びた感じです。
これはISはかなり苦しい戦いになりそうな予感です。間違っても、アンビエントイルミがないとか、セミアニリンやシートベンチレーションがなくなるとか、最近のレクサスにありがちなのをしないで欲しいです。数少ない優位点がなくなってしまいますね。
ドリンクホルダーの蓋も復活して欲しいです。
気がつけば、ドイツ御三家は蓋つきになっていく傾向ですよね。レクサスは微笑むプレミアムの頃の志しを貫いていたらよかったのに。