児童虐待によって心に傷を負った少年が主人公の、再生ストーリー
児童養護施設を舞台とした、同名ゲームのリメイク版
まずタイトル画面に第1回人気投票結果という、見慣れない項目があり、気になった
クリックしてみると…
票数少なすぎィイイイイイイイイイイイィィィィ!!!
クロスオーバーが裸足で逃げ出すレベル
しかも第2回もやるという…
やります!と赤字に!までつけて…
凄いメンタルだ…!
私は震えた
実を言うとこのゲーム、ストーリーが非常に長いという事で、ちょっとプレイして面白くなかったら止めようかな…って思ったんだけど、もうこの時点で「こいつ、出来る…!」感がバリバリで、最後までやろうと決めた
だが実際にプレイすると序盤から面白いので、クリアまで一気にやってしまった
プレイタイムも約120分だったし、テンポは非常に良かった
児童養護施設と高校を舞台に、主人公や他の児童たちの青春と成長を描いた再生ストーリー
フリゲでは珍しいくらい参考文献を読み漁って勉強している。
神長豊は「クロス探偵物語」を作るのに図書館に通って本を100冊読んだと言っていたが、専門的なゲームを作るにあたって、リアルなディティールを求めたのだろうか
プレイ中、おかしく感じる部分は殆どなかった
こういうゲーム特有の頭の悪いキャラがおらず、非常にスムーズにストーリーが展開する事もいいね
「お母さんを返して」の久美と違い、親の事をかなり冷静に見ている
どのキャラクターも妙に理知的な考えを持ってて(悪役は除く)、イラっとすることがなかった
モニカも物分かりがいい母親だ
象徴的なのが、幼馴染の沙希が福祉の仕事に興味を持った理由として「可哀想な子供たちの力になれたら」と欺瞞に満ちた事を言うシーン
あーコイツやっちゃったなあ…って
「明日の子供たち」でも主人公がこの発言をした所為で女子の信頼を失っていたが、こういう子らは決めつけと同情を一番嫌うだろう。
本人らは自分たちにある程度満足してるだろうし、仲間意識も強いだろうから、自分だけではなく、仲間を馬鹿にされたとも思うんだろう
案の定、主人公は「かわいそう…?」と静かに怒る。
音楽が止まり緊張感のあるシーンへ。沙希に正論を吐きながらも怒りが収まらない
だが親友の元は「殆どの人は「可哀想」だけで終わるところを、ボランティアにまで来てくれたんだからお礼はいわないと」なんてとても高校生とは思えない発言をさらっとする
こういう所だね
ヒロインが複数いて、ひとりひとりのトラウマに切り込んで解消していく展開だが、こういうストーリーではひとり解決したら次、また解決したら次…というのが普通だが、本作は解決してなくても次に進むのが妙にリアルだ
悩みは待ってくれないからね
夏美の問題が解決してないのにリリィの話にいったので、夏美の話はもう終わったのと疑問だったが、後々ちゃんと絡んでくる
そして、「ひとりの抱える問題を、仲間全員で解決しようと頑張る」のが児童養護施設の仲間感があって実によかった
「Blue*」も主人公がひとりずつヒロインの問題を解決していくスタイルだったが、ストーリーを終えたヒロインがモブキャラになってしまうので酷く違和感があった
だが本作は主役を終えたヒロインもまだ活躍の場がある
ネタバレ感想
主人公に好意を向けたキャラが複数いるので誰がヒロインだろうかと思ったが、夏美…
一番気になるキャラだったので、主人公の恋人役なのはピタリとハマってたな
それに、自分の命の価値を疑い自殺未遂まで起こした、タイトルにもなっている「あなたの命の価値」通りのキャラクターだから、ヒロインは他にないだろう
(オリジナル版では分岐する模様?クリアしてみると、勇気が夏美以外を選ぶとか想像出来ん…勇気たちが再生させないと、コミュ障過ぎて就職もままならないだろうし…)
そんな夏美と打ち解けて、恋愛して、同棲して、結婚して、セックスして、子供が出来て、子育てして、子供が成長して…
勇気と夏美は一緒に歳を取っていく…
そして子供も結婚…
いやあ…
一大抒情詩だね…
どうもこういうストーリーには弱いんだが、結婚以降はそこまで大きな波乱がなく、割とダイジェストで流されるのがリアルだった
もう早い速い、時の流れが速い
勇気が「あと18年もあるよ?」と言っていたが、その18年分は結婚までの時間の1/5程度で描かれる。現実の人間が感じる時間経過と同じだ
以前、他の家族を題材にした作品でも、交際期間はまるで映画のようにドラマチックに描かれるが、いざ結婚してからはシリアスは鳴りを潜め日常に変わったので、リアルだと思ったのだが、本作はそれと同じ描き方を、意図的かどうかは分からないがやっていた
若い夫婦がよく嫌っている「お互いをパパ、ママと呼ぶ」を自らやっているし、本当に日常になった感がある
ぶっちゃけ勇気も夏美も、恋人や夫、妻が欲しかったというより、家族が欲しかったんやもんな…
勇気の上司は、いきなり「彼女とヤってんの?」と食い気味だったり、風俗に誘ってきたりと、いかにもやらかしそうな臭いがプンプンしたけど、想定外にいい人だったね。
この人のゲッスイ発言がなかったら、娘が生まれるのも遅れたんやろな…
そんなゲッスイ発言のお陰で生まれてきた娘が、大学生になる頃には夏美が銀髪でおばあちゃんのようになっているが、まだ30代の若い母親にしては、老けすぎ!
先生も老婆のようになっているし…
まあそれだけ苦労したんやな…って…
将来編は他のキャラクターが登場しないのだが、元気でやってるんだろうか…
名前すら出てこなかったリリィにいたっては、アメリカで撃ち殺されてないか心配
彼女たちの顔も見たかったな
でも大事な仲間ではあるが大人になり疎遠になってるのが、妙にリアルだとも思った(すぐ近所のキズナの学園にも帰ってないし)
評価B+
70点
OPとEDではオリジナル曲が流れるが、ちょっと感動できた
いやあ…
ゲームって良いですね…
でも、このゲームをクリアしてしんみりしていた直後、ニュースサイトに児童養護施設で刺され死亡 元入所者「施設に恨み」って記事が出ててまさかのリアルからの水差し…
一気に現実に引き戻されたな…
CSでは、ゴーストトリックを今更クリア。前情報ほぼなしでプレイ。
驚いた
これ、逆転裁判の巧舟のゲームだし、マヨイっぽい赤毛チョンマゲがヒロインの推理ADVと思ってたんだけど、ADVじゃなくてパズルゲームだったんだね…
時をあやつり過去干渉し、未来を変えていく…
何故か比較されてないのが不思議だが、ROOMMANIA#203に少し似ていたな
高度なドミノ倒しや神のいたずらとでもいうべきか…
久しぶりに、よくこんなゲーム作ったなーと感心した
ストーリーや演出は流石巧だ。ミサイルが登場するのでゲストと思いきや、まさか主役だとは
ゴーストトリックで検索すると最初にミサイルと出るので、お、ミサイル凄い人気じゃん、可愛いからな…なんて思っていたが、主役だからなんだね
終わってみればこれは黒猫のシセルと子犬ミサイルの物語だったね
逆転裁判と違って分かり易い悪を倒すゲームでもないし(むしろ野放し)、実は壮大なタイニーストーリーなんだな
過去のヨミエルを助けるのが未来のヨミエルなんてのも最高に粋だった。身内に悪人が誰もいないんだよね。裏切りもなし
エンディングの異議あり!に該当するシーンは少し泣きそうになってしまった
難易度と言うか、ゲームバランスはかなり悪かった。中盤〜終盤が難しすぎる。それにしては、最終盤はとても簡単だ。
ゴーストトリック2は出ないようだが、このゲーム性を1度で終わらせるのは惜しいね
評価B+ 70点くらいかな
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