幼い頃に形成された人格と、兄の起こした事件で生きる希望を失った主人公は、クラスでも空気同然の扱いだった。
ある時、片腕片足を欠損した少女と知り合う
誰もが教室の片隅にいる自分を見ていないが、その少女だけはしっかりと見据えていた
現在chapter1とchapter2まで公開中ということで、まずはそこまでのレビュー。
ビジュアルノベルとして見ると、退廃的な世界観、陰湿なムードを作る音楽の使い方、海外の学校が舞台ということで、まるで外国映画のような台詞回しなど、どこをとってもクオリティが高い。
立ち絵が存在せず、すべてスチルというのも、凄い力の入れよう(背景が真っ黒のシーンもあるが)。
ギャグ要素は一切なく、非常に暗い雰囲気で、主人公の底抜けの陰キャぶりもよく描けてる。
(意外とちゃんとしたランチを食べてる)
男ならまだしも、女はグループを作るものなので、こんなところでボッチメシをしている女子、いるんだろうか…
思わず涙が出そうになった…
余りにも哀れで
そんな主人公の前に現れたのが身体障害者のヒロイン。
主人公とは全く違う人格なのに、彼女もまた退廃的で、どこか通ずる部分がある
(ドアノブって海外だと右側なの?)
マリファナを平然と吸っていたり、ポジティブ陽キャ障害者ぶりがすごい
主人公を見る時の、邪悪な笑みの連続にはゾクっとした。
手足の欠損したヒロインといえばかたわ少女を思い出すのだが、ある意味近いものがあるかもしれない。
尚、本作は百合ゲーらしいのだが(タグも百合1つのみという、男らしさ(?))、chapter2までだと、百合らしさは余りない
傷を負った少女同士の心の触れ合いになるか、または違う方向に転がるか…くらいの雰囲気。
だがヒロインが身体障害者の百合モノとは相当画期的ではないか。少なくともフリゲでは見た事が無いほどには。
評価B+
70点
最近は、こういう仄暗い作風のクオリティが高いゲームが、増えましたね。
chapter3はまだ原作しか出来ておらず公開予定日を過ぎてしまったようだが、本作は間違いなくビジュアルノベルでしか出来ない内容なので、完成がとても楽しみだ
特にタイトル画面の波の音にどうストーリーがつながるのか、とても興味がある(多分海までドライブに行くとか、入水自殺するとかだろう)。
こういう演出も、ゲームでしかできないですね。
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