不思議な世界に迷い込んだ主人公のばらとパートナー十夜が、虚ろの町からの脱出を目指すADV
説明を読んで「ギャロウズ横丁の羊たち」みたいなゲームだと思ったけど、全然違うね
まさかこのブルーをイメージした清涼感のあるタイトル画面や、CLAMP漫画にいるようなほわんとした萌えキャラから…
「サイレントヒル」風のホラーゲームになるとは
完成度は非常に高く、グラフィックは綺麗だし、難易度も低く、サクサク進む。
特筆すべきポイントとして、恐怖の異世界に迷い込む演出が凄く上手い。マトモに話が通じる奴がいないし、異形の形ばかり
次々に起こるホラーシーンはなかなかに怖い
(顔が無いわりにでかいな)
ずっとこんな調子で進むと思われた
ところが、やってみると実に不思議なテイストで、ホラーの中にも妙に温かい世界がある
死語で言うと、ホラーなのにヌクモリティがある
十夜と出会うまではゴリゴリのホラーなのだが、そこからの展開は妙にギャグテイストで、この変化にも引き付けられた(それでいて怖いシーンもちゃんとある)
更に電車に乗ると、思いの他現代風、かつ生活感と清潔感のある、オシャレな町に出て拍子抜けする
常に夜で、つらされた提灯などは和の雰囲気がある
宿泊するホテルなどはアレにしか見えない
しかも出てきた神様は想像と違い、ものっそい俗物だ
イケメンでゆるい喋り方の神様、いいキャラしてる。
このストーリーというよりも寧ろ、テイストがどんどん変わっていく展開が、実に面白い。
戸惑いを超えて面白みを感じた。
更にこの後、再度序盤のホラーテイストに戻るのだが、おばあちゃんを想起する、少女の孤独を描いたストーリーには思わず涙しそうになった。
悲しいなぁ…
おばあちゃんのキャラデザが、少女漫画風の主人公たちと違い、絵本風に描かれてるのも良かった。
この少女を助けてやりたいと、プレイヤーながらにしみじみ思った私は、ラスダンの攻略へと差し掛かった
以下ネタバレ
ここでも本作はまた違った顔を覗かせ、「クチダケ」に見られるような、クリーチャーの視覚が円形で表現されたステルスアクションゲーになる。
のばらと十夜の過去の接点や現在につながる関係性、そしておばあちゃんの孫への深い愛情に涙する。
うーん、やっぱストーリーええな…
おばあちゃんとの想い出は大体の人にはあるものだし、これは感情移入しちゃうよ。プレイヤーの多くがするだろう
そして大好きなおばあちゃんの声に導かれ、のばらが入ったのは、火葬場だった。
おばあちゃんの遺体がそうされたように、狭い部屋で業火に焼かれるのばら
業火に焼かれるのばら
業火に…
って、えっ…?
えっ…?
なんだこのエンディングは…っ
バッドエンドじゃねえかっ…
通るか…っ!
こんなもん…っ!
ということで2時間30分プレイした末、バッドエンドでした
しかも作者コメントによると…
END1…赤い蝶のポイント5以上で到達します。
明らかに違うだろ…という選択肢や、逃げる、物をよく調べない…などを繰り返せば、
自然とこのエンディングに到達するかと思います。
明らかに違うだろ…という選択肢…
違うだろおおおおお!!!
違うだろこのハゲぇええええええええ!!!
なんなんでしょうね…管理人の畜生ぶりがなせるわざなんでしょうか…
かなりマジメにプレーしたんですが…
ファーストプレイがバッドエンドだったのは、私だけ…?
というわけで、本作のレビュー感想は未完とします。
EDを見た後、総評を書きます。
これにて、御免!!!
ウワァァ━━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━━ン!!!!
【後日談】
イイハナシダナー!!!
というわけでベストエンド攻略。
いやあ…
沁みますねえ…
最初がバッドエンドだったので、これもう半分「鬱ろ町ののばら」だろとか思ったんだけどね。
孫娘とおばあちゃんに纏わる良質のストーリーだった。
オマケのギャグシナリオでは同棲してたし、恋愛要素も若干あるが、十夜とは、友達以上恋人未満ってとこかしら。
まあ、もうすぐ成人男性になる十夜と、まだ女子小学生ののばらが付き合うとか……
アグネスの出番になっちゃうけどね
でも本人たちの感情も周りの反応も、疚しさを煽らない設定だったね。
下手にロリコン煽りされても冷めるので、扱いはこれでよかったと思う。
数値を操作できて便利ではあるものの、エンディング攻略はもっと簡単でもいいかも。何せ、フラグ立てのために最初からやり直さないといけないからね…
まあ作者も意図的に難しくしたらしいけど。
システム面では、折角プレイヤーキャラをザッピング出来るので、もっとそれが必須の謎解きがあるとよかったね。バイオハザード0みたいな
評価A+
85点
ここ数年の良作の1本として、間違いなくお勧めします。
ヒントとかいうチンケなものは、無しでプレイしましょう。
そして私と一緒にバッドエンドを(略)
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