2018年8月、数年ぶりに帰省した田舎町で僕は何故かビー玉を探す不思議な女の子と出会った。
「──じゃあ、私のお願い……聞いてくれない?」
きっと忘れることのない、僕の見つけた平成最後の夏休み。
▼最初に目につくポイントとして、夏らしいさわやかなスケッチを想い起こさせるグラフィックがすばらしい。
キャラクターデザインも綺麗だし、ヒロインの真琴も可愛い(おっぱいは小さいけど)
更に特筆すべきは、画面内画風を全て統一していることだね。
こういうゲームって結構、素材を使うから全く雰囲気の違う背景が有って浮いてることがあるんだけど(漫画でも、背景を描くアシの画風が、作者とまるで違って変だなってことがある)細部にいたるまで全部夏っぽいさわやかなタッチで統一されているのがすごいね
メニュー、バックログすらも同じタッチ
メッセージウィンドウや、nextで撥ねるビー玉、「もどる」もビー玉
▼さてノベルゲームということで肝心のストーリーはどうか?というと、これまたひと夏(ふた夏)の青年と少女の思い出+SFジュヴナイルといった内容
「ぼくのなつやすみ」とか、「白中探険部」が好きな人ならハマるかもしれない(テイストも「白中探険部」に似ているし)
ただ、主人公が18歳の大学生で、回想シーンが12年前の2005〜2006年という設定のため、正直あまりノスタルジーは感じなかった
これは私が既に成人男性だからだろう。主人公と同年齢なら楽しめると思う
回想でベイブレード、マジレンジャー、ハンカチ王子、マー君などのワードが出てくるが、まあ懐かしいっちゃ懐かしいんだが、私にはノスタルジーとまでは到底いかなかった(ベイブレは子供のときからあったが…)
ゲーム世代でいうと、DS時代かあ…
まあ、懐かしいけどねえ…
▼恋愛要素もあるが終盤からだし、キスシーンなどもないので、そちらは控えめで、夏の経験により青年が成長するストーリーが、むしろメイン
▼キャラクターもみんな立っててよかったと思う。
実のおばあちゃんより、駄菓子屋のおばあちゃん(絵すらない)のほうが重要キャラだったのは、なんとも奇妙
▼以下ネタバレ
恭平の幼馴染の少女=失踪した少女が真琴ってのは非常にベタもベタで、ストーリーが未来、現代、過去とリンクしているのが、王道オブ王道だった。
「時をかける少女」のパロディもあるし、まあ元ネタとなった作品があることはまちがいないだろう
でも、主人公が祖父への苦手意識を無くしたり、男としてひと皮ムケるストーリーはやっぱりいいもんだね。
ラストシーンが主人公とヒロインの再会ではないことも、独特の哀愁がある。
まさか再会しないまま終わるとは。
クリア後のタイトル画面が、真昼の夕焼けから、
ふたりで見た想い出の花火になるのも、綺麗な演出だね
真昼なのになぜ夕方?って思ってたからね、これは小粋だよ
評価B+
70点
実によかった。クリア後、晴れやかな気分になれました。
リリースが8/31だが、この夏の夏ゲー(変な日本語だな)一番の快作じゃないでしょうか
▼しかしなんていうかアレですね。
折角爽やかないいゲームなのに、開発のスタジオワンダーフォーゲルのロゴが、明らかにアレなのは、もうちょっとどうにかならんかったんでしょうか
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