まあ結論から述べると、間違いなくシリーズ最高傑作でしょう
▼こんなタイトルなので、本編の進捗が遅いから片手間に作った、30分くらいの外伝かと思いきや、2.5といいながらもしっかり本編、ボリュームも凄いです。3,4時間はある
ギャグ、シリアス、シナリオ、どこを取ってもシリーズ屈指の完成度。
特にギャグはフリーゲーム史上でもトップクラスの爆笑の渦でしょう。何十回笑ったやら、もう分からない。
お約束のモノマネも笑ってしまう(ただし大塚明夫だけは全く似ていなかった。寧ろ響の声のほうが大塚に似てる)
キャラも面白過ぎだね。大谷と小山なんて、絵すらないその他(男)扱いなのに、最高にキャラが立ってる。
▼パロディも凄い勢いだ。
パロディというか、なんかもう、全部実名なんだよね
ヨネダとかパンダとか、もじって遊ばない、そのまんまコメダ(どっかのハゲた元知事みたいだな)が出てくる
そんな、序盤から延々と続くコメダの熱いダイマとか、ライフガードとか、そこまで細かく説明する必要、ある!?というほど、本当に長々と続くことには驚いた。
木立拾氏の素材絵なんだね。
コメダには1,2回しか行ったことがないのだが、これだけやるからには、店内の雰囲気は忠実なんだろうか(壁の絵は有り得ないとして)。
ねおんそふと、よっぽどコメダが好きなんだろうか(笑)
▼さて本作は、マキシマムデイズ1の八重ルートでラスボスだった黒部が主人公で、前作の主人公、ヒロインは一切登場しないばかりか、ほぼ新キャラのみで構成されている(前作キャラの立ち絵も描き直すという、手の込みよう)。
よって残念ながら、メインヒロインとはとても思えない六花の顔芸は、今回も無し。
ジャンルもギャルゲーではなく恋愛要素もないので、女性キャラこそ多いが、主人公と恋愛関係になるヒロインも登場しない
ボイスコも代わり(1の中の人、下手だから降板したんだろうか…)、立ち絵がつき、まるで別人のようになっているので、黒部すらも新キャラと言えるかもしれない
ラスボスが主人公というのは、かなり稀有な例じゃなかろうか。
しかもこの黒部、1では立ち絵すらなく、ただのシルエットモブだったからね。人気キャラでもなんでもない、小悪党
やられ役で、七耶にボコられるだけの、名ばかりのラスボスだった
端役がレギュラーに昇格する例は軌跡シリーズとかがあるが、主人公にまでなるのは、同人ゲーといえども、珍しいのでは
▼そんな屑だった黒部君が長い1日により綺麗な黒部に生まれ変わるのが、本作のメインテーマの1つ
伏線回収というだけあって、前作最大の謎だった「彼女」とか、もういきなり回収しちゃう(「彼女」についてはまだ終わってないかもしれないが)。
そして回収した伏線と同じくらい、再度、次回作への伏線をバラ撒く
ここからネタバレ。ストーリーの核心に触れています
すっかり綺麗なジャイアンのごとく綺麗な黒部になったが、総帥の画策により、また汚い黒部に戻ってしまうのか!?
とプレイヤーに揺さぶりをかけるのが、面白い展開だね。
実は主人公の黒部がただの付属品で、総帥が欲していたのも響だったとはね…
これまでの長い1日をひっくり返す、インパクトの強いオチだ。
キョウに至っては実は戦うと強いんやろなあ…なんて思ってたら、本当に見せ場もなく終わってしまった。背負っていた武器すら抜かない。付属品ですらなく、響に対するエサだとは…
謎おばさんの華が、公安だとはなあ。公安のスパイって相棒の神戸君とか、コナンの安室を思い出すね
前作まではヤンキーモノだったけど、話を政治に寄せてきたね。まあ政治といっても、出てくる法案や組織は全てハチャメチャな架空の物だから、リアリティはないんだけど…
日本が超社畜社会で人と人との関係が希薄になってるなんて、架空といえど納得しちゃうね。
ここは風刺として書いたのかも。
華の正体が後付けでないなら、このストーリー展開は最初から決めてたのかな
▼3では、総帥に切り捨てられたダブル主人公が、仲間たちを引っ提げて総帥の野望を打ち砕くシナリオになるんだろうね
本編ラスボスのマサトも、メンバーに加わるかもしれない。コントロールされていたのは読み通りだったけど、まだ登場しそうな空気がある。
初代主人公&二代目主人公&初代ラスボスで最終章ラスボスに挑むとか、まるで少年漫画だね。想像しただけでアツイ。
子供vs大人という構図のゲームなので、大人のマサトはメンバー入りはしないだろうけど、サポートでなら、アリじゃないかな
▼まー凄い良作なんだけど、唯一酷いのが、ボイスの音質。オマケモードにも書かれてるが、なぜか常にノイジーで音が小さく、音割れしてしまっている。
オプションでかなり細かく調整しないと、ちゃんと聞けないくらい。
前作までは音質も綺麗だったんだけどね…
ボイスコは、かなり頑張ってるのに…
評価A+
80点
すっげえ面白くなってる。はっきりわかんだね。
声に出して笑えるほどのギャグと、引き付けられるシリアスのバランス感覚は流石。
▼次が最終作らしいですが、もう少し続くのかな?って思ってました。
或いは、ねおんそふとの財政が厳しいことが理由かもしれません。
危ぶみながらも、シリーズ完結への期待が持たれます。
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