この題材は、私的には「アルテ」ですかね。まああれは16世紀初頭だけどね。
まず特筆すべきは作画クオリティの高さ。
相当綺麗。それも、ゲームではあまり無い美術風のグラフィックで魅せます
ゲーム的には、サガシリーズを思い出す
作者が美術をやってるのは珍しくないけど(学生時代美術部だった人は多い)、大抵はアニメイラスト風に仕上げるので、絵そのものが美術的なのは珍しい
自作の絵画(絵画風イラスト?)その物もある
更にこれだけでは堅苦しいと思ったのか、デフォルメされた漫画的なイラストもあり、画力の幅も広くて驚きだ
絵だけではなく、ストーリーも面白い。
父親が夭逝した女性美術家が、父の美術を継承しながらも、ある男との出会いによって、自分なりの美術性を見つけていく…
美術やその社会的背景ではなく、作品の背景にいる美術家が主役。
でも完全に男性目線になっちゃってて、主人公の人間性が変化していく様子も(主人公視点で)ちゃんと描いて欲しかった。
何せ女性美術家が主人公の本編より、男性が主人公の外伝のほうが長い(笑)
選択肢は1つEDは2つだが、最初にEDを見た時はなかなかのスケール感に驚いてしまった。
「なんもいえねぇ…」(北島)ってなっちゃったよ
男のセリフはただのジョークだと思ったのだが、まさか伏線だったとはね。
誤字脱字が多いのは惜しい。
「いけない」が「いなけい」になってたり、伊波圭っていう人の渾名みたいだな。
尚、時代考証もかなり適当だけど、17世紀風であって17世紀ではないし、架空の欧州とのことなので、マイナスファクターとは見做しません(ちゃんと考証してるに越した事はないけれど)。
評価B+
70点
美術に関心があってもなくても、おすすめの良作です。
絵の枚数が少ないからこそ実現したクオリティだろうけど、中編にも挑戦して欲しいです。
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