俺の妹は、かげろうが揺らめく道路に一輪の真っ赤な花を咲かせた。
もう会えないと思っていた彼女は、しかしあらゆる摂理を超えて俺の目の前に蘇った。
――この夏。
俺の日常に、妹が帰ってきた。
タイトル画面の妹が可愛くて良いですね。
でも何故か音楽がホラー風なのがミスマッチ。普通もっと明るい曲を流すでしょ
過去に妹を亡くしてしまい、心に傷を負った主人公。
部屋のドアを開けたら、そこには幼い姿のままの妹が待っていた…
失われた時間を取り戻すかのように妹と毎日を過す
ゲームで遊ぶが、妹は主人公にまるで歯が立たない…
このまったりしたシーンの連続、いいねえ。
まさにハートフル心霊ストーリーだ。定番だね。ちょっと地味過ぎるけど…
主人公が元々ゲームが強いってのもあるんだろうけど、幼いままの妹が、成長した主人公に全く勝てないってのが、2人の間に流れた時間の大きさを実感させる、いい演出だ
守りたい、この笑顔
貪るように時間を共有し、このまま妹とずっと一緒に居たいと願うようになった主人公は、妹を抱きしめ、その想いを伝えます…
天使のようににっこりと笑った妹は、優しく言うのでした。
「もちろんだよ」って
(;゙゚'ω゚')ヒエッ…
いやいやいや、このシーン、マジで怖い
久々にゲームでゾワワッっときた…
思い返せば伏線は結構あるが、プレイ中はそんなこと全く考えてないもんだから、ノーガード状態で打ち込まれた。ホラーカテゴリでもないしね
ビビっちゃったよ、誇張でもなく、涙目ですわ…
その後、妹は15年ぶりに意識を取り戻す。
ここから本物の妹が偽物の妹を打ち砕く(もしくは過去を払拭する)流れかと思いきや、妹は意識を取り戻すも、まるで骸骨。醜い老婆のような、廃人になっている
そりゃそうだよね。大ダメージを負ったまま15年も昏睡状態なら脳死するし、ガリガリだわ。
でも、物語の定番では、決まって美しい女性になってるからね。ゲームだと「君が望む永遠」(古過ぎて誰も知らないだろうが)とかね。
ずっと昏睡状態でマトモに栄養も摂れてないのに巨乳で、髪の毛はサラサラ、お肌はツヤツヤ……ねーよ(笑)って。
でもね、そんなお約束を裏切るのが、リアルすぎる。
そして主人公はそんな現実から逃げ出し、「妹」に道連れにされ、最後は死亡してしまう
スタッフロールを終えて、変化したタイトル画面も、また怖い
バッグを持ってるし、出掛ける時に主人公と手を繋ぐか手招きしてるシーンだと思えば、まさかこんなオチだとは。
そして何が巧妙かというと、画像が変わっても音楽は同じなんですよ。あの、おどろおどろしいホラー風BGMのまま。
つまり最初からこれを狙って選曲していたのだなと、ここで知ることになる。
実に凝ってるね、音楽を使った伏線とは、ゲームでも滅多にない斬新な伏線だ
評価B+
75点
「夏ゆめ彼方」といい「ふゆあかり」といい共通するテーマがあるので、作者(ライター)の引き出しの無さなのか、拘りたいテーマなのかは謎だが、終わってみればベタだとしても、これは新機軸なのでは
いい話に見せかけて実はホラーという、「世にも奇妙な物語」にありそうな話
実に面白かった。
余談ですが、最近プレイした「愛しのサラ」は、やはり粗筋が内容に触れすぎだったと、これをクリアした今、改めて思いますね…
ふれ込みによって、ストーリーが急変するシーンの印象がまるで変わるので、トリックは最大限隠したほうが高いインパクトをプレイヤーに与えます。
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