伏線が丁寧で非常に良く出来た短編ノベルでした
まず最初に可愛い猫の画像に癒されます
だが読み進めていくとすぐに何かがおかしいと分かる、この主人公、ハッキリいって相当キモイ。
特に、ネコをケージに入れるのはダメでしょ。まあネコ用ケージ、あるけどさ。なんか独善的な飼い主だなー。
まあこれも偏った愛猫家かな?と思ってスルー
そして男性視点クリア後に解放されるサラ視点。
案の定飼い主に迷惑していることが分かるのだが、どうにも様子がおかしい…
そうサラはストーカーに拉致監禁されている被害者女性だったのです
クリア後に変化するタイトル画面が怖いね
男性がケージをクローゼットの中に隠してることがさらっと一文で示されてたり、掌編どんでん返しとしてはなかなかのデキ。(にゃーにゃー煩いから入れた?と一瞬思った。この独善的な飼い主ならネコを普通に閉じ込めそうだし)
ただし、手法は相当ベタなので、説明文を読んだだけで、気付いた人も多いでしょう。
もうこの説明文は要らなかったんじゃないかと
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君はずっと此処にいて良いんだよ。
かわいいかわいい僕のサラ。
世界で何よりも愛しい、大切な、僕だけのペット。
今も君は僕の帰りを、あの小さな部屋で身を震わせて待っている。
あぁ、早く会いたいな。
柵越しに君の柔らかい頭を撫でて、かわいい鳴き声をたくさん聞いてから眠ろう。
そうすればきっと、疲れなんて一瞬で吹き飛ぶよ。
君がいてくれるなら、僕はなんだって出来るんだ。
これからもずっと一緒だよ、サラ。
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私は読み飛ばしていたので、普通に気付きませんでした(笑)。ねこ大好きノベルと思ってたんで、やられた。
あとはもっと、監禁の生々しさを伝える伏線があるとよかったですね。
帰ってきたらサラが粗相をしてて、悪臭が立ち込めていた。でも僕はサラを愛しているので、それを処理する事すら愛おしいなんて文章を入れておけば、読み返した時に気持ち悪さと緊迫感が倍増します。実際、一晩放置されたら、粗相しないなんてありえないしね。
評価C
65点
良作でした。
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