昔々、そのまた昔、救世主は悪い悪いドラゴンを倒しました。
人々に讃えられ、崇められた救世主は言います。
「穢れを知らぬ子供たちの手で、空を越えた遥か彼方、
『神の国』まで届く塔を建てねばならぬ。
そこには苦しみも悲しみも、ありはしないのだ」
国中から集まった子供たちは、まだ見ぬ『神の国』を目指し
一心不乱に塔をつくります。
それが一体、何であるかも知らないままに。
▼なんか幸福の党という怪しい政党っぽいタイトルですね
面白かった「籠の街」の作者の新作ということで、かなり高い期待値でプレイ。
▼前作同様3人のうち1人に会いに行き、ストーリーは進む。オススメ攻略順は、チネ、イキ、ユク。
ユク、イキ、チネ、それぞれネーミングは逝く、逝き、死ねかな?と思ったが、EDタイトルを見ると、どうやら駄洒落のようだ。
どうもこの作者、駄洒落をいう癖があるようで、「降伏の塔」は「加護の街」と同じセンスだ。
「加護の街」はよかったが、「降伏の塔」には流石に苦笑い
▼特徴はやはりバッドエンドノベルということで、5つあるED、どの結末も救いが無い事
過激なエログロ、リョナ、ホモネタも随所にある
特にチネルートは、最後僅かにでも救いがあったかな?と思わせてまた落とすという、結構えぐいやり口
▼主人公の正体が実在したドラゴンなのは定番のオチだが、そこに至るまでのストーリーが非常に丁寧で、服を脱がない理由、饐えた臭いがする理由、そしてどう見ても人間ではない脚をしている理由(主人公は脚しか描かれない。ずっと気になってた)など、再プレイすると序盤から丁寧に伏線が張られている。
救世主が殺したお供の死体を分解、結合した身体なので、「そうやって目の前にいるだけで立ち姿が歪だよ」と言われてたりね
救いがないバッドエンドノベルというけど、最後ドラゴンが幸福の塔をブっ壊したので子供たちは解放されただろうし(巻き添えで死んだかもしれないが)最終的にWINWINだった気はする
主人公は終盤までセリフが一切無いけど、死んで行く連中に、可哀想とか感情も一切無かったんだろうなあ。だから一時を過した仲間が拷問されても、助けないし、目も合わせない
▼名無しの主人公につけられる、ブランカって白い子って意味なんだね
ゲーマー的には間違いなく黄緑色の野生児なんだけどね
▼欠点も幾つか。
シナリオは、誤字脱字や矛盾点があり、削っただけの亜人の骨をドラゴンの牙と言い張るのは、ムリ、あるでしょ。この世界にも外科医くらいはいるだろうし。まあ牙が偽物だと気付いてるキャラもいるようだけど
「いらっしゃられる」も間違った日本語な気が
モブの絵が使い回しなので、もう少し描いて欲しかった。流石にチネルートに出てくる貧弱な少年と、歯向かっている少年が同じ絵なのはね…。塔の大人まで同じ絵の使い回し。
評価C
65点
前作とは方向性が全く逆ながらも、選曲のセンスなどが同じだし、面白かったです。
あらすじから、もっと深い幸福とは何か?みたいな話だと思ったけど、割と普通のダークファンタジーでした(それに言うほど昔でもない気がする)
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