なるほど、確かになかなか上手い。プロのお手本のような伏線とトリック。
更に上手いのが実は主人公の正体が表紙でも既に明かされていることと、読んだ後に表紙を読むと意味が180度変わる事。
幾らなんでも人間をペットにするのは強引過ぎるし、そもそも乙一の犬DOGの二番煎じじゃね?という気もするが、漫画でやった手法は評価すべきでしょう
そこでフリーゲーム、同人ゲームで、伏線が凄い作品について紹介してみます。
何せ、検索しても、それっぽい記事も1つもなかったので…
伏線が凄いゲーム、漫画、アニメ、映画、小説、ラノベなどのまとめはあるが、どれもネタギレのせいでネタの重複が酷くて、どのページでも同じタイトルばかりがあげられている…
ゲームだとEver17とかバテンカイトスとかシュタインズゲートとか…
漫画だとワンピースとか暗殺教室とか…
小説だと殺戮にいたる病とか…
滅多に出てくるジャンルじゃないので、どのサイトでも同じことが書かれてて、同じタイトルばかりになっちゃうね。
それなのに、「伏線が凄いフリ―ゲーム」だけが、ただの1つも無いなんて…
そんな中、ゲームの伏線は基本上手いです。
長期連載漫画では伏線じゃなくて後付け、ただの設定のロングパスも多いが、ゲームの場合大抵は完成してから配信するので(ボイス収録とか、修正が大変なケースもあるけど)、後付けではない、漫画より丁寧な伏線回収もあります
たとえプロではない人が作ったフリゲ、同人ゲームでもね
当然だけどネタバレ注意
伏線だけではなく、どんでん返し、叙述トリック…
面白かったトリックまとめ
多分随時更新
・何も事件は起こらなかった
友達と遊んでいる主人公。姉が迎えに来て自宅に帰る。主人公は姉との生活を普通に送っているように見えるが、何かがおかしい。弟である主人公の態度が、どこかよそよそしいのだ。だがさほど仲が良くない姉弟なんだな、程度に思っていると。
実は姉の正体は誘拐犯。主人公は誘拐された子供だった…
OPの姉が迎えに来るシーンは、誘拐の犯行現場
これまでの会話を見直すと実は全くの他人であることがわかって、背筋が寒くなる。そりゃよそよそしいわな
グッドエンドは主人公が闇を抱えた誘拐犯と友達になり、「ぼくは友達のおねえちゃんのいえに遊びにきただけ」だから「何も事件は起こらなかった」、誘拐事件なんてなかったとタイトルの伏線回収までをする、見事さ
・籠の街
主人公が住んでいるのは田舎町、という描写が何度も出る。
そして滅多に人が来ない田舎町に旅人がやってくる。
旅人は「人が誰もいない」という。
これまで強調されていたように、田舎町だからねと思わせておいて、実は籠の町は人が滅び、主人公以外の人間が住んでいない町だった…
思えば幾ら田舎でも、一人もいないということはないだろう
・大好きな彼には顔がないっ!? -ハッピーエンドのその後-
攻略されたギャルゲーのヒロイン視点で進むという新しいタイプのADV。
最近のギャルゲー主人公は顔があるので、昔ながらの顔無しが主人公。
ヒロインはそんな主人公との思い出を振り返るのだが、時折ヒロインが暗い顔を見せたりセリフに違和感のある部分がある。
なんとヒロインは顔を認識できない病気。最後は自分の顔すらも分からなくなり、画面からもヒロインの顔が消える…
設定を逆手に取った意外なオチ
・SOLAR MEMORYリメイク版
作者が「数えきれないくらい伏線を入れた」というだけあり、非常に芸が細かい。
主人公の母親が重要キャラなのに「佐藤恵子」という平凡過ぎる名前であることに引っかかっていた。
母親は同姓同名の女と間違えられ、殺されてしまう…
これは伏線ではないが、設定を見事に使ったトリックとして上手い。
普通の注意力を持つプレイヤーなら、「佐藤恵子」を平凡過ぎて変だと感じるだろう
・い〜びる☆あいっ!‐中二病お嬢様ラブコメAVG‐
中二病をテーマにしたギャルゲー。ヒロイン全員が中二病のゲームだが、寮長というキャラだけが中二病ではない
だがOPでそんな寮長がペルソナを使うシーンがある
ただの演出か、実は寮長も中二病?と思わせておいてなんと本当に能力者という設定
正直これは伏線というには張ってないほど露骨なんだが、OPでストーリーの核心に触れる手法が余りにも大胆で読めない上、世界観が突然変わるインパクトがデカイので、印象が強い
・喫茶ラプンツェルのじじょー!
主人公以外全員店員が女の子のレストランという設定。主人公は元引きこもりで、更生のためにアルバイトをしている
他人とのコミュニケーションと労働で、徐々に自信を取り戻していく
だが裏で行われていたのは、家族による更生プログラムだった。店員らは変装で、正体は主人公の家族
独立したと思ってたのは主人公だけだった
EDでは心が壊れてしまう。
しかも片思いの相手の正体は、母親
なんとも鬱なエンディングだ。最近は少なくなった、鬱ゲーかも。
・トマルヒトすすむひと
片思いしていたコンビニ店員と念願叶って付き合うことになった主人公。
初デートをするが、彼女の些細な部分に引っかかりを覚える。
彼女だと思っていたのは彼氏で、なんと男だった。
そして主人公は更なる世界の渦へと巻きこまれていく…
・眠れない夜に
主人公の恋人の様子が何かおかしいという体でシナリオは進む。
ありがちな展開として、実は病気だから調子が悪かったというオチに1度は落ち着くが、実はヒロインと同じ顔の妹が、姉のフリをしていたという二段オチ(厳密には違うが、省きます)
ヒロインがラジオの操作を誤ったことが、最初は病気で調子が悪かったからと処理されるが、実は姉のフリをしている妹は目が悪かったという二段オチで、「ヒロインには目の悪い妹がいる」など、雑談の中で張られた伏線が細かい
・境世ノ死神
主人公の巫女、小夜があの世とこの世のはざまに閉じ込められた少年少女を死神から救い出す物語。
無事死神を斃し、現世に帰る事になる。だが道中どうも小夜の態度がおかしい。いくら歩いても現世につかないのだ。
そのことを聞かれても、何故か笑顔で押し黙る小夜。
そう実は斃した死神は巫女で、小夜こそが死神だった
本性を現した死神に、少年たちは食われてしまう。
折角助けたのに助からない、というまさかのデッドエンド。
タイトル画面で小夜の正体をいきなり描いているのが、余りに露骨で潔すぎる伏線
・親愛なる〇〇へ
ストーカーに悩む女子大生。ストーリーの交互で、就寝前に取っていた行動が回想される。
そしてラストシーンで主人公の遺体を発見し、「姉さん…」
そう実は同じ顔の弟が、失踪した姉の消息を追うために実践していた疑似体験だった。そして足跡を辿った最後に遺体を発見する
つまり回想シーンのキャラクターは主人公とは全くの別人。
ある程度の年齢の異性で同じ顔などありえるのか?とかツッコみたいが、これにはすっかり騙された。他にも大胆不敵な伏線が多い
尚グッドエンドでは遺体は主人公ではなく、ちゃんと犯人
・きらめきの君〜妖精ミラン変〜
主人公が拾った妖精さんと一緒に暮らすギャルゲー
順調に恋を深めていく2人だったが、ある日突然、妖精さんにキスを求められる。
唇を重ねた二人だったが、目を覚ました主人公が見たものは、醜悪で巨大化した妖精の姿だった…
妖精は実は呪いにかかった人間で、元のサイズに戻るためには主人公とのキスが必要だった。逆に主人公は呪いをキスで移されて極小化してしまう。
呪いで小さくなった人間、これこそが妖精の正体だった
主人公は最初から騙されていただけで、しかもヒロインは主人公の事が大嫌い
実はラブコメでもなんでもなくて、ただの相当悪趣味なゲームだが、伏線は非常に上手かった。ドラバタコメディ的なギャグシーンが妖精化する伏線そのものになっている
・問
よくあるプレイヤーとヒロインが画面を通じて対話するタイプのゲームに、一見すると思える
だが語りかけてるのは実は鏡で、死刑囚のヒロインが鏡に向けて独り言を言ってるだけ
これまでの何気ない会話は、全て死刑の順番を待つ死刑囚のセリフだった…
読み返すと全ての会話が死刑に繋がる巧妙さが上手い。そしてクリア後に分かるヒロインの背景が悲しい
そしてよく見ると会話画面までもが鏡の形になっている。最初から全て回答が示されてるのは驚きだ
・神さまのいうとおり
神さまを自称するヒロインの正体が、未来からきた娘というのが序盤から示されている。ずっと伏せられているヒロインの名前が遥ではないかと予想できるシーンがあったり、主人公が大好きなゲームが龍が如くだと示されてたり、トリッキーなネタが多い(龍が如くのヒロインの名前は遥)
・殺人メルヘン
動物が二足歩行し、言葉を喋るメルヘンな世界観
動物の町で、主人公(虎)の友達の動物が殺される
そして次々に何者かに殺されていく動物達
主人公は友達を殺した動物を推理するのだが、犯人は殺した動物の皮を被り、動物に化けた人間であった。
虎や羊など、他には分かり易い動物しか登場しない中、そもそもこんな生物は存在しない、というのがビジュアル的な伏線になっている
人間の存在が実は序盤から示されてたり、非常に丁寧などんでん返し
人間が動物たちを殺戮するが、見た目の可愛い猫は愛玩動物として飼うようになる。そう小さな町の事件に見せかけて、実は過去の地球を舞台にしたSF地球史だった…
タイトルの殺人とは人が殺されるではなく、「人が殺す」という意味では
メルヘン要素を人が殺すって意味もあるかも
・さよなら、リアル
古き良きKeyに影響を受けたようなトラッドなギャルゲー。何か悩みを抱えて旅をする主人公
夏の田舎町で出会った少女と、恋に落ちる。
ベッタベタのギャルゲー展開で、ヒロインは元気でピンピンしてたのになぜか死んじゃったり、露骨に昔の泣きゲーっぽい
ここで物語は幕をおろすかと思いきや、2周目突入。
タイトル画面がいきなり不穏な空気に包まれる
2周目は1周目と同じ展開に見えて、なぜかヒロインが一切登場しない。
そう実はヒロインは実在せず、全て主人公の妄想の産物だった…
1周目で主人公が抱えている悩みというのがスルーで終わるのだが、主人公は法術使いでも人形使いでもなんでもなく、ただ受験戦争で精神が壊れ現実逃避をする、哀れな少年
尚、3周目もある
・美月は俺の嫁
女子高生・美月は、昏睡から目を覚ますと、見知らぬ家に閉じ込められていた。謎の館からの脱出を目指す。
行く先々で謎の声を聴くが、なんと閉じ込めていたのは美月の実の夫。
そう美月は女子高生でもなんでもない成人女性。
この脱出劇は、夫と仕組んだ催眠ゲームであった。見事なタイトル回収
夫の声に気持ちいいと言ってたり、OPからいきなり伏線を張り巡らしている
・僕と君は、希う。
夜に密会する、男女の親友ふたり。
ネーミングを使った非常にシンプルな叙述トリックだが、設定ありきのストーリーで、やや強引かも
・バレンタインテロリズム
明らかに主人公のことが好きなヒロイン
ヒロインに横恋慕しているイケメンや周りも、主人公を敵視している
だが主人公には亡くなった恋人がいて、それはヒロインの姉だった
これまで恋人のように扱われていたのはヒロインではなく、その女性
ヒロインが苗字でしか呼ばれてないので姉妹どちらでも通用する呼び方だったり、後々読み返すと綺麗に話が繋がる。
渦中の人物が、ヒロインではなく故人であるヒロインの姉だと判明するシーンはなかなかのインパクト
・ミラーリングサマー
ベタなどんでん返しの結末を、一層深くしたトリック
このオチはこうだろうというテンプレを覆した
・BRADLEY(ブラッドリー)
1周目はただの会話劇。
だが2周目でそれがただの会話劇ではないと解る
短い映画の脚本のような、洒落た言い回しもかっこいい
・あいちゃんピキング!
幼い少年と少女の、小さな恋の、物語
……では終わらず!!!
主観視点を逆手に取った、探索冒険ADV!
・椿の主
美少女メイドを支配する男の日常
だが実は、このふたりの関係は……
・理想の幼女です!結婚してください!!
幼女に結婚を申し込む危ないオッサン
だがまさかの感動路線…
・奈落の華
これまで見ていた世界が一瞬でがらりと変わる系
プレイヤーを最初から騙すことに成功している
・藪の中は、夏
芥川龍之介になぞらえた、男女の会話劇
名前すらない男女の正体は何者なのか?
身体的特徴をトリックにした、連続的どんでん返しミステリ
▼こうして見るとやはり後付け設定は殆どないです。面白いネタを後から思い付いても、面倒でも修正が可能ですから。
連載漫画だと「手遅れ」「修正不可能」って事にもなりかねないからね。
今後も伏線の凝ったフリゲ、同人ゲーに期待
ところで書いてて思い出したのだが、この有名なコピペ、叙述トリックとは認知されていないが、実は日本一短い叙述トリック、しかもどんでん返しじゃないだろうか
668 名無しさん@恐縮です 2006/07/30(日) 16:56:21 ID:/l9BPhvWO
俺もホモから逃げ切ったら10万円っていうビデオに出たことある
669 名無しさん@恐縮です 2006/07/30(日) 17:00:19 ID:9iyD/Oxj0
>>668
それ凄いね。逃げ切れたの?
688 名無しさん@恐縮です 2006/07/30(日) 17:28:30 ID:/l9BPhvWO
>>669
三人くらい捕まえたよ
668から688を予測できないことも、また凄い。
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問は、直前に似たようなゲームをやってたので、ああまたこういうのねって思ってたら、裏切り方が見事でした。
問はすげええってなりましたね