▼漫画業界には言い方の揺れはあるが、3大週刊少年漫画雑誌という言葉があります
ジャンプ、マガジン、サンデーのこと
でもそんな3大の衰退が酷くて、既に大どころか中小
そんな3中小週刊少年漫画雑誌、ジャンプとサンデーの部数低下は有名だけど、何気にマガジンが一番酷い
部数だけでいえば分母がそもそも違うので、ジャンプ200万部割れ、マガジン100万部割れ、サンデー40万部割れと、単純にマガジンはサンデーの倍以上の発行部数なので一見安泰に見えるが、落ち方が異常
2017年のサンデーがほぼ31万部〜〜でギリギリ30万部割れを保っているのにも関わらず、マガジンは1月の96万部から7月の88万部まで、たった半年で激減している
12月の集計はまだ出ていませんが、85万は切るんじゃないかと
2016年の100万部割れから、異常なスピードで落ちています
しかもサンデーは付録攻勢などで、極僅かながらも2016年に部数が回復した期間がありますが、マガジンはオール右肩下がりです
また、漫画雑誌というのは雑誌の赤字を単行本で埋めるのが一般的らしいが、マガジンは単行本の部数も徐々に下がってきました
勿論デジタル版の影響もあるので単純比較はできないが、デジタル版の単行本の売り上げもかなり低いため、やはり全体的な数字が落ちていると見てます
▼そりゃあジャンプ、サンデーも酷いですよ。
ジャンプは長期連載を酷使してて新連載は売れないし、ブラッククローバーのような露骨なつまらないパクリ漫画を執拗にゴリ押しし、それでも売れないから余計に必死になってる。とても醜いです
サンデーも酷いですよ。完全にコナン依存で作家潰し。挙句青山は長期離脱。新人は伸びないし、古参を今更引っ張ってきてもサッパリ売れませんでした。今週も打ち切りかどうかは知らないけど、また1本古参の連載が終わりました。
新人の育成が使命といいながらも何故か古参を呼び戻し、意味不明な企画ラッシュで伸びた新連載は殆どありません
サンデー編集で検索するとサジェストに無能、クズとまで表示されるまでに落ちぶれたし、AKBの付録も意味不明過ぎて、愚かです。かつての連載作家たちや持ち込みをした人たちが編集部の問題をリークしたり、話題には事欠きません
でも、この2つは一応ブレてはいないんですよ。
ジャンプは努力勝利友情がテーマのワンピースが不動の人気で、エロもまあ少年誌らしいといえばらしいです
サンデーもダメだったとはいえ、昔からの作家が今でも沢山いるので、ああ、これはサンデーだなあというサンデー色が昔も今も同じなのです(良くも悪くも)
▼でもマガジンはそんな酷さの比じゃないんですよ。もう、何の雑誌なのか、何をやってるのか意味不明なレベル
マガジンの黄金期は意外なことに1996〜1997年で、案外遅め。
多分そう思うのは既にジャンプブーム=漫画ブームが終わった時代だからでしょう。当時既に一時代が終わったという感じでした
ドラゴンボール、幽遊白書、スラムダンクなどが一斉に終わり、るろうに剣心、アイズ、遊戯王のためだけにジャンプを買うのは嫌だという層が100万人以上いたんでしょう
そんな時代に、ドラゴンボールなどが終わって部数が激減したジャンプを追い抜いたことがあるそうです(ただしあくまで公証)
▼そんなかつては凄かったマガジン、ラブひななどのヒットで、2000年代初頭も調子がよかった
それから月日は流れ、割とここ数年まで安定感があって、名作はないが小粒な良作が多いという雑誌だったが、どうも有り得ないほど迷走しているんですよ
80年代のマガジンはヤンキー漫画で一世を風靡していたので、ヤンキー漫画雑誌という、雑誌のカラーがありました
そしてその後、講談社の漫画部門の方針なのか、やけにエロ漫画もどきの作品が増えました。コミックボンボンもそうだったけど、偉い人の差し金だったんでしょうか
コロコロコミックとコミックボンボン。コロコロはチ〇コウ〇コと下品で、ボンボンはエロというイメージが90年代は圧倒的に強いけど、実は80年代はコロコロのほうがエロ中心でした。ボンボンはまだそうでもなかった
「おじゃまユーレイくん」は乳首もモロ出し、他にも女性キャラのパンツもブラジャーもモロ出しの漫画がありました
近年コロコロの昔の漫画が復刻されたり再掲載されたりしたけど、普通にエロくて驚きました
マガジンの萌え、エロ化は、瀬尾も涼風でネタにしてて、「え?少年マガジンですか?ヤンキー漫画が多いらしいですが…え?最近はそうでもないんですか?」と漫画の萌えキャラが言ってたり、これはお前が言うなとツッコみ待ちの台詞でしょうね
これが結構前のことなので、少なくともマガジンのエロ、萌え路線は2000年代後半には既に確立されてたんでしょうけど、ここ数年の路線が明らかに拗らせ過ぎでおかしい
まず、どこをターゲットにしたどういう雑誌なのかがサッパリ見えない、意味不明な布陣になりました
そもそもどういうカラーの雑誌なのかというのがかなり不明瞭であることです
私はマガジンがどんな雑誌かと訊かれて、ポジティブなまとめで返すことができません。
ジャンプならワンピースを中心にバトル漫画とエロマンガもどきが載っている、打ち切りも多いが長期連載の主力が非常に強い
サンデーならコナンとメジャー2nd(最近終わったがマギも)を中心に推理漫画やスポーツが強い。とポジティブな捉え方ができますが、今のマガジンを前向きにどんな雑誌か説明することは出来ないでしょう
問題点1.極度に偏ったジャンル
今のマガジンで連載されている漫画、ラブコメやデスゲームが多すぎます。
一時の流行りに流されてもこういうジャンルって大きなヒットにはなってないし部数低下や単行本の売れなさにも拍車をかけてるんじゃないかと
だってこのジャンルに興味がなければ、連載されている多くの漫画をスルーするわけですから
ラブコメにしても元々社会派っぽかった聲の形が突然ラブコメ化したり、強引なテコ入れが目立つ(これが作者の描いてたストーリーかどうかは知らないですよ)
バランスが非常に悪いです
またラブコメか…とウンザリながらも始まった新連載、「彼女、お借りします」もいまのところ非常につまらないです。そう長くは続かないと予想しています
そしてこの記事を書いている今日の発売号からもまたラブコメが新連載…
問題点2.面白いストーリー漫画がない
ドメスティックな彼女など、まずエロありきでそれを取ったら何も残らない漫画が増え過ぎた。
つまり伏線で魅せる、感動的なシーンを描ける、意外性のある展開が続く、などのストーリー第一で勝負している漫画が無いんです
問題点3.長期連載を、引き延ばす割には雑に扱う
散々伸ばしたベビステの雑な打ち切りや、一歩の意味不明な展開など、長期連載だから引き延ばしてある程度の人気もあるはずの漫画が、酷く薄く伸ばした漫画ばかり。
長く続いた漫画だからファンも長い間ついてきてくれてる、だから大事にする、という意識が欠けています
問題点4.全体的に同人系の漫画が増えた
徒然チルドレンのように元々同人作家がウェブで描いてた漫画や、その系統の漫画が増え過ぎた。内容がワンパターンで絵も似ているので、どの漫画も同じような読み味です。
大抵主人公は三白眼の凡人か、何のとりえもないのになぜか女にモテる陰キャです
台詞は薄っぺらく、会話シーンのノリがSNSっぽい
読者はすぐ飽きるし、単行本売り上げもランク外。ここまで増やす必要性がありません
問題点4.そもそも看板は何?
嘗ては七つの大罪とフェアリーテイルの2枚看板だったけど、フェアリーテイルが終わってから、主力は大罪1本だけです
看板が1本という雑誌は3中小では、マガジンだけです
問題点5.悪い意味で少年誌らしくない
前記とやや被りますが、やけにエログロを売りにした漫画が増えました。これ、メインターゲットである少年でも結構嫌うと思うんですよ。
だって単純にまだ思春期の少年にとっては気持ち悪いですから。情操教育にも悪いしね
インフェクションも最初だけニュースサイトなどで話題作りをしても、内容がつまらないので、売上も5万部以下と、伸びたとは言い難いじゃないですか
もうそろそろ変革の時期じゃないかなあと思います。
3雑誌の今後の巻き返しに期待しています!
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