クラノートっていう大学生?の同人サークルが作ったゲームです
9月にDLしたのを少しずつ進めて、やっと終わった。
かなり長くて8時間くらい掛かった。ただ攻略は簡単なので迷うことはなかった。
その間バージョンアップしていた場合、このレビューの内容は初期バージョンに則します
▼まずOPがとにかく素晴らしい。
断言すると、同人ゲーム史上、間違いなくベスト5に入る。
クリア後に見るとちょっと発見もある。これもまたいい。
2000年代初頭のゲームっぽい、非常に爽やかな歌声。映像や歌唱だけではなく、作詞作曲も良かった
特に作詞はシンプルに少年少女のひと夏の思い出を書いてて多くの人の共感を得られる歌詞。
ただこの歌詞、残念ながらゲーム中の描写とは全く違う。まあこの世界観、「ぼくのなつやすみ」だものなあ
というか、世界観、ストーリーにマッチしてるのは明らかに2番なので、何故こっちを使わなかったのか、疑問
ボーカルソングは3曲もあり、なんとそのうち2曲はプロが手掛けている模様。(でもサークルメンバーの作ったOPのほうが好きだ)
道理でクオリティが高いわけだと
▼主人公以外フルボイスだが、主要キャラのボイスコがめちゃくちゃ上手い。
普通これだけの長編ともなれば、同時に台本も分厚くなるので、疲れや手抜きによる棒読みが出るものだが、ブレが全く見られない
特にくじらは感情表現や終盤の覚醒時の声質も使い分けてるし、ヒロインだけあって一番上手い。有名な人なのかな
モブキャラも喋るが素人同然で、しかも収録が雑なのか、なぜかエコーがかかったような音質になっている。
無理に声つける必要なかったんだけど、主人公以外フルボイスってのを無理矢理にでも売りにしたかったのかな
まあスタッフも混じってるようなので、記念収録かもしれない
▼海の町を舞台にした物語で、記憶喪失の少女を拾ってひと夏の思い出が描かれるという王道もの。
舞台となった町は合志という名前だが、熊本にある実在の市とは多分、別
くじら供養碑がまんま出てくるので和歌山っぽいが、作中に出てくる食堂が東京都大島町だったりでなんかごちゃごちゃ(笑)
いわゆる聖地巡礼ってのは大抵1つの町だけだが、これは色んなところから撮影しているようだ。
だが残念なことに、せっかく撮影ロケまでした背景写真は、全て化工されてしまっていて、実写ならではの自然美がまるでなかった。
人物が移り込んでるなら仕方ないが、風景までぼかす必要はあったんだろうか…
これもう半分CGだろってな背景ばかりで非常にがっかりした
▼キャラ絵は漫画的で可愛いのだが、なぜか3姉弟のモデルが一目で分かるレベルでサザエさんをモデルにしている
これは愚策だった。
ワカメを萌えキャラにしたような若音(この名前も滑ってる)がサブヒロインとして主人公に片思いしているが、いや別にワカメに好かれても…と何度も我に返ってしまった
他にも唐突にガンダムや漫画のパロディが入るのも、結構寒かった(夏が舞台なのに)
▼立ち絵も非常に少ないので、キャラクターがいつも同じポーズを取っているのが違和感あった
普段神社の掃除をしている真子が、どのシーンでも箒を持ってる(;^ω^)
イカダレースの応援に駆け付けるシーンでも掃除をしているのがなんともシュール
これもう半分清掃会社の社員だろ
(それにしてもこのシーンの勝男、なかなかのクズだな)
▼さてノベルゲームということで、肝心のストーリー。
前述したように非常に王道で、プレイヤーの予想外のことは何一つないくらい
メインシナリオ中にtipsというサブシナリオファイルが入手でき、街や428では用語解説だったけど、本作ではストーリーを補完できます。本編がグダグダにならないいいアイディア
夏休みのイカダレースのためにみんなでイカダを作ったり合宿したり、少年少女の夏休みの思い出といった内容
終盤急展開し、くじらは真子の先祖で、生贄になったかつての巫女ということが分かる
またも海の底に戻ってしまったくじら…
それを呼び起こすために皆で決めた掛け声を荒げるところからくじら復活が最高にアツかった。
実に少年漫画的なストーリーだ(ちょっと戻ってくるのが呆気なかったな、とは思ったが)
▼ヒロインが複数いるゲームということで恋愛要素もあるが、こちらはかなり薄く、唐突さが目立った
お互い殆ど好意をほとんど見せなかったのに、ラストで唐突にキスしたり、作者が描きたいシーンだったんだろうけど、その過程はかなり雑だなーという印象
まあいいシーンなんだけどね、キスするような関係じゃないでしょ。そんな流れでもなかったでしょ
くじらは若音が主人公を好きなことにも気づいてないかもしれないが、それにしたって若音をムシで三角関係にならないのも変だし、設定ありきでストーリーを練れてない
若音が主人公を好きという設定は序盤から引っ張ってきたのにまるで消化されないので、結局なんだったの?という
友情9、恋愛1くらいの割合なのに、ラストだけ恋愛ってのがかなり違和感があった
評価B
75点
面白かった。王道でよく出来たゲームでした。
バッドエンド埋め(埋めるほどないだろうけど)とtipsは今後やっていきます。
▼しかし…
EDスタッフロールの勝男wwwww
(すっかりただの高校生カップルになった主人公とくじら。しかしなぜカメラ目線?)
こんなん笑うわ
「スペシャルサンクス 長谷川町子」にも笑うわ
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