ある日、彼のもとへ手のひらサイズの少女が現れる。
彼女はミランと名乗り、自らが世界を救う使命を負った「妖精」であることを告げた。
自体の呑み込めない浩太に対し、ミランは住み込み許可を要求する。
一方、浩太の通う中学校では生徒や教師の謎の失踪事件が多発していた。
水面下で進行する異星人の侵略行為。
事態の悪化に比例して燃える浩太の恋心。
あなたが目撃するのは、妖精とのラブコメ共同生活か、
異星人との熾烈な戦いか、
それとも……、
本作は妖精の美少女をヒロインにした、キャッキャウフフ恋愛ビジュアルノベル。
6インチまいだーりんみたいなもんかな?と思ってプレイ
冒頭、黄昏る主人公の元へ、制服を着た変態の会長が現れる。
これ、凄くいい掴み。もうこの時点で引き込まれた
なんで会長が親友キャラじゃないの?
実際の親友は岸本というDQN風のイケメンで、恋愛経験の多いヤリチン。
地味男の主人公とは、真逆の存在
主人公はクラスメイトの佐久間に片思いをしているが、一方的な執着で、いつまで経っても想いを伝えられない
さてそんなこんなで、妖精の美少女ミランとの物語が始まる。最初は嫌々だった主人公も、同じ時間を共有し、デートもしたりと、徐々に仲良くなっていく
デートシーン、実にマターリでいいね。挿入歌が流れるんだけど、下手だけど可愛い
ミランは異星人の侵略から地球を守るには自分の覚醒しか方法がないというが、その方法がわからない。
主人公もどんどん荒んで焦っていく。親友の岸本とも、決別してしまう
だがある時ミランは一緒にどたばたやっていた主人公への恋心に気づき、告白。キスをすれば覚醒すると確信する。主人公も一方的に片思いしている佐久間を諦め、ミランへの恋心の芽生えに気づく
キスをする2人。人間と妖精、なんとも微笑ましくて可愛いシーンだった
その瞬間――!
そこにいたのは、小さくなった自分と、醜悪な笑い顔を浮かべているミランだった
…あっ…(察し)
キスをした唇をぬぐうミランの「告白」は続く。
異星人なんてのは嘘っぱちで、呪いをかけられた自分を元に戻すために必要だったのが、キスだったという。しかもミランは主人公のクラスメイトで、本当は主人公の事など大嫌いだという。
いやあこの展開、これまでの伏線が実に綺麗に回収されている。主人公が友達のほとんどいないボッチで他人に無関心なこととか、まさか設定じゃなくて伏線だとは思わなかった
ミランに殺されそうになった主人公の意識は異空間へ飛び、呪いの発端から現在までの記憶を追う
そこにはこれまで異星人に誘拐され、戻ってきた人間たちがいた。
なるほど、誘拐され行方不明になっていたのは、その間小人になっていたんだね。本当に綺麗につながるシナリオだ
事件は異星人でもなんでもなく、呪いの連鎖で、ミランもまた主人公のように小さくさせられた人間
そしてそれをやったのが会長。そんな会長もまたミランに小さくさせられていた。
残虐的なミランの歪んだ性癖により、小さな女装人形にされていた
これが冒頭で引き込まれたシーンにつながり、かなりびっくり。まさかただの変態シーンじゃなかったとは
絶望の主人公。だが、主人公とゴミと思いながらも愛着を持ったミランが、佐久間のカバンに主人公を忍ばせる。
学校が終わり帰宅する佐久間
主人公を見て驚く。主人公は好きだった少女を犠牲にすることに何のためらいも見せず、キスまでの計画を練る。
なんかもう、キャラも完全崩壊して物凄いクズっぷり
だがそこにいたのは、かつての親友岸本で…
エピローグでそんな佐久間もまた事件に関係する屑だと判明し、同じ部員に「どいてよ、ブス」といったり、完全に本性を見せつける(作者あとがきの主人公はゴミ、ミランはクズってのに笑ったが、佐久間はゴミクズだろう)
主人公は岸本とキスをして元に戻ったんだろう。岸本、だって明らかにホモだもんなあ。
うーん、実にブラックユーモア溢れるゲームだった。
なんか最近、こういうゲームが多いね。
「さよなら、リアル」とか、「StarDust -星ふる夜のひととき-」とか、「もよりの駅子さん」とか、着想、コンセプトは同じ
絵、シナリオ、音楽、全てがハイクオリティで非常に完成度の高い同人ゲームでした。しかもフルボイス。
ただ1人の同人声優が複数のキャラを演じているため無理が生じ、主人公の声が明らかに女性だったり、欠点もある
製作者はトラウマゲー、トラウママンガに影響を受けているようだが、本作ものめりこんでいたなら十分なトラウマゲーでしょう
もうゲーム制作は辞めて、結局作ったのは2本だけ。現在は映画を自主製作している模様だが、またゲームを作って欲しいね
評価
B+ 70点
余りに褒めすぎてもアレだし、マイナスポイントもあげます
佐久間が家に帰ってバッグを開けるまで、なんで岸本は声を出さなかったんだろう、これはおかしい。一緒に帰った筈なのに。
岸本にNTRれることは読めていたが、そこはご都合主義だった
主人公が「何か他の人の声が聞こえる」とか前フリしてもよかったな
それに髪の毛の色が現実基準なのにミランだけレッドピンクなのはおかしい。妖精っぽさを演出しすぎてる、という矛盾もある。だからクラスメイトだったってオチは無理があるよな、相当目立つだろうし、あの頭
もっとおかしいのは、元のサイズにもどったミランの服が破れないこと
一番の不満はここである
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