▼うわっぁあー!!平成だっぁあ!!平成だぁぁ!!
平成だっだっだぁぁ!平成だぁぁ!!
このゲーム平成だぁあ!!
育成SLGだって!育成SLG!
ほぼ絶滅した、美少女育成SLG(ギャルゲー)だ!
ギャルゲーといえばADVという時代に於いて、まさかのまさか!SLGだあ!
しかも「ヒカリノチハレ」のように主人公を育成するのではなくヒロインを育成するという、
まさに平成に一大ブームを巻き起こしたタイプの、育成SLGだ!
▼私はこういうレトロゲーム的フリーゲームに目が無いので、飛びつくようにプレイした
システムはとってもシンプル。
育成パートでは国語、数学、理科、社会、英語の5科目をステータスアップしていく。
やる気やストレスなどのステータスもあり、家庭教師であるプレイヤーは同時にそのケアも行う。
勉強ばかりじゃストレスが溜まるから、息抜きもさせてやるわけだ。
デートに誘う事もできる。
ノベルパートでは、主に好感度を上げる。
好感度と学力の向上を目指しタイトル通り従妹を大学に連れていくことが、ゲームの目的
▼クリアした感想はというと…
…SLGへの注目度が高いため全く期待していなかったが、ストーリーが面白い…
育成SLGといってもぶっちゃけギャルゲーなんでベタベタのラブコメかと思ったら、両親を亡くした主人公と父親を亡くしたヒロインの、淡くて清い、心の交流を描いた作品だったように思う
こういった設定の作品批評で何度か触れたが、
ストーリーのバックグラウンドに親の死や孤独というテーマが潜んでいるから、コメディタッチでも、妙な落ち着きがあるんだよね
▼…そして
いやあ…義理の従妹でヒロインの、琴深…
この子ね…
ちょっと…
いい子過ぎる…
いやね…こういうヒロインって…、腹黒に描かれる事が多いでしょ。
主人公を手に入れる為に姑息な手を使ったり、性的な攻めに出たり、嫉妬深かったり…
でもそういった妹ヒロインのテンプレートが意外にも少なく、本当に無垢で、純真なんだよね…
終盤のあるシナリオでは、彼女のそんな純真さが炸裂していた。
「本当にこれが成人男性と成人女性の恋愛なのか?」…と
教科書と真剣に向き合う彼女の眼を盗みオッパイを凝視していた自分を、激しく反省したね
何より…
「先生」である私の事を、心の底から信じてくれるんだよねえ…
この人なら大丈夫、この人なら私を志望校に導いてくれる、と…
…
これってさあ…
育成SLGをプレイヤーに頑張らせる、根源的な動機付けになるんだよねえ…
途中まではオッパイばっかり気にして適当にプレイしてたんだけど、
あるシナリオで琴深があまりにも「先生」を強く信頼しているとわかってからは、
心を入れ替えて本気で勉強を教えるようになったよ
…まさに育成SLG(システム)と良質なストーリー(プレイヤーにプレイの動機を与える)が両立した良作だったね…
評価B+
70点
今時珍しい育成SLGでしたが、それだけには留まらない一作でした。
ノベルパートには選択肢もありますがあくまで攻略の要点とジャンルはSLGなので、
それなりにテクニックやコツは必要です。
ティラノでこのような数値系SLGを作るのは困難でしょうから、あなたがフリーゲームクリエイターなら、別の刺激を受ける作品にもなり得るかもしれませんね。
是非攻略して、従妹を大学に連れて行ってください
【フリーゲームレビュー小話】
▼前回レビューした、人を傷つける問題作…作者がちくちく言葉を連呼しただけでお馴染みの「華やかな宴」について、もう少し。
…
このゲーム、台詞回しが相当独特だったね。
台詞ってシナリオ製作の定石では記事執筆と同じで、大体何文字までに収めろ…というのがあるでしょ。
でも「華やかな宴」はそれらのセオリーを完全に無視しているんだよ。
画面いっぱいに、たった1人の、たった1つの台詞が長々と表示されたりする。
西尾維新がたまに使う。
あれ、フリゲだとあんまり見た事ないなー。
テキストも文語と口語がめちゃくちゃで(私もそうだが)、かなり独特の読み味になってた。
結果、…小説ともノベルゲームともちょっと違う一風変わった作品に仕上がっていたが、意図的なものだろうか。
でも昔のフリーゲームって、こんな感じだった気もするな。
絵もへたくそだけど、とにかく熱意で作る。
商業作品にはとても出せない偏ったメッセージを、自慰でもいいからめちゃくちゃに書き殴る…
そんな作品がフリゲ初期にはよく見られたが、「華やかな宴」からは同じ匂いがしたな。
俺が好きなタイプのフリーゲーム。
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