▼いやーめっちゃ面白いよ。面白い。
前からやろうと思ってたゲームだ。
アップデートされたので今こそは!!とプレイしたが、大当たりだね。
まず何より、ホラーゲームではなく「怪談ゲーム」というのが良い。
最近ではすっかり見なくなったジャンルだ。
ジャンプスケアやグロ画像に頼ることなく、
怖い話で精神的ゆさぶりをかけてくる。
▼怪談って、面白いよね。
誰もが夏の暑い夜…友達と怪談を語り合った経験があるだろうが、そんな遠い記憶を回想できる良作だよ。
最も原始的なホラーだ。
それこそ「バイオハザード」やらホラーゲームが出るより遥か昔から、
怪談は日本中、世界中に存在するからね。
だからかな、「怪談ひとつ」から身近に起こり得る恐怖を感じたのは。
自分の人生にもこのような事が起こるんじゃないか、ってリアルに怖かった。
▼リードミーによると「学校であった怖い話」の影響作品との事だが、
内容はまるで似ていない、独自性が高いものとなっている。
ただ主人公とヒロインがひとつの怪談をし、
選択肢により怪談の進む方向をコントロールできるところは共通点だ。プレイ感覚が似ているので、「学校であった怖い話」のファンにもおすすめできるんじゃないかな。
誘拐婚に冥婚など、テーマも現実の悪習なので怖い。
▼思わず唸っちまったのは、怪談の現実離れした物語が現実の主人公に影響を及ぼす事だね。
怪談を前振りとして、主人公の物語を収束させるストーリー構成が上手。
起承転結としては定番でも、初恋√の真相に気づいた時は、やっぱり怖かった。
怪談の矛盾点やチープさを「ふふ、無理があると思いますか?実はわたくしもそう思っております」としながら、その後の現実で「無理がない」物にするストーリーはお見事。
▼作者曰く現時点ででラノベ4冊分のボリュームを誇る長編なのでまだコンプしてないが(「現時点」が製作している分か、公開している分かは不明)、
どうもこの作品は「怪談は作り話ではなく、現実から生まれた」がテーマの1つになっている気がするな。
ヒロインのオトメもお約束でいえば主人公と怪談を交わし別れたのち
豪邸ごと綺麗さっぱり消えているものだが、しっかりと実体がある。
それも意外ではあった。
評価B+
70点
長編ホラーノベルとしては、金字塔の「死月妖花」や「墨染楼閣」以来の名作になり得る可能性を感じました。
…
…今ではすっかり見なくなった怪談作品の、新たなる良作………是非やってみて!
この勢いのまま、私は同作者の「感覚質異常 -Qualia Anomaly-」もプレイします!
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昨年12月は、3作もスコアレビューしてますから!
数ヶ月ぶりのノベルレビューですね
もっとノベルゲームのレビュー増やしてほしいです
ノベルゲームといえばこのブログなのに減りましたかね?