最後のエンディングである死角02(ナンバリングされていないが、便宜上こう呼ぶ)もなんとか見れた。
答えはすぐそこまで来ていた。真相に指が掛かっていた。
…他ならぬ私自身が攻略日記に解そのもののヒントを出していた。
…それも他ならぬ私自身に。
▼…やはり「お守り」が余りに臭すぎた。
正体を引っぺがそうと要所要所で試したが、まさか最後の最後、ラスダンからの脱出で使うとは…
初回プレイでもメニューを開いた筈なのだが、見過ごしてたよ…
「宝玉」のテキストが「亜子の体と、半ば一体化している」に変わっているので「わおっ!?」と声をあげたが、「お守り」のテキストも「盗聴器が入っている」に変化しているではないか…そこでまた変な声が出た。
宝玉の力が怨霊だけではなく、悪しき人間の心も見破ったのかしらん…?
▼ここで亜子は盗聴器に気づくわけだが…
それにしたって謎解きの合理性が無いかな……無いよね………?
「血怨」の謎解きやトラップはストーリーと一体化していることが見事だったのに、ストーリー上の必然も無いような…(ゲーム的にはアイテムが減っていることがヒントだろうけど…)
▼感動のエンディングの後日談(といっても1時間後)だが、事実上の真相解明エンドだね。伏線が回収され、謎はほぼ解ける。
千蔵に関しては凡そ推理通りだったが、
千蔵の死体が偽物というだけではなく、千蔵そのものが偽物なのは想定外だった。
夜向は千蔵の正体に気づいており、彼女を泳がせてると読んでた。
ところが白衣の男にも千蔵にも騙されていたとは…完璧超人の珍しい落ち度だ。
しかしこうなると、家にあった白衣はなんだったんだ?
▼白衣の男の正体は老刑事。
傷ついた亜子に盗聴器を仕込むとは随分ふざけた真似をしてくれたが、持った瞬間重さでバレるだろ。
男もマヌケだが、亜子もマヌケ(笑)。
こいつは本当に何も良い部分がない、俗物と言うか悪人。しかも小物。
最後まで亜子に危害を加えようとしていたので千蔵に射殺されると思ったが……この後どうなったのだろう。
千蔵(本物)が射殺されたという末路は、怨霊との戦いを描いた「血怨」にしては妙にリアルだったな。
主人公サイドが射殺されるバッドエンドもあるが、あれは傀儡が撃ったから、まだわかるんだよね。
▼肝心の千蔵は、意外と信念ある研究者。信念と言うか、人間味がある。
亜子に情が移ったそうだが、神仏の子供である亜子を人の姿をした神様と思ってるのかな。
死角01で未来の亜子が元気でやってるのは、一応は千蔵のお陰でもあるんだろう。
…そして千蔵ともう1人の黒幕として…
▼唐橋、お前の正体には全く迫れなかった。
攻略日記に「唐橋の墓が無かった」と答えそのものを書いているのに、失態。
葬式バッドエンドや最終盤に居なかったことにも気づいていたが、
それは唐橋の扱いが軽いからだと思ってたんだよね。
亜子も気味悪がってるし、こいつの死亡くらい取るに足らないと。マンションのモブ以下だと。
しかしまさか伏線を越えて、「そもそも死んでいない」とは。
新聞は捏造か、千蔵同様に他の人間が殺されたんだろう。
唐橋も思想は謎だが意外と面白い奴で、この2人は悪人ではないので憎めないな。
▼夜向がさらっと亜子と達也に一緒に暮らせと言ったが、もしかして娘はこの時に作ったんだろうか。若い男女が一つ屋根の下で同棲して、何もないはありえないし。
エンディングもそうだが、達也が亜子の手を握るシーンはとても成人男性と成人女性の恋愛とは思えないピュア感があるわ。
95%はどす黒いストーリーなので、唯一の癒しだったね。
序盤の亜子は口調が軽くていかにも今風の女子大生だったが、達也は徹頭徹尾、好青年。
ここまでキレイだと裏がありそうなものだが、本当に何もなかった。
このゲームで一番現実離れしているのは、こいつの聖人ぶりかも。
▼エンドリストは以下の通り。
死角02以外は普通のプレイか、勘でわかるだろう。
結末一覧
結末01 受け継がれしもの
死角 とある夏の日
死角 暗がりに潜むもの
結末02 そして日常へ
結末03 訪問者
結末04 信じてはいけない
結末05 消えた灯火
結末06 みんなと一緒
結末07 無謀の代償
結末08 幸せな新生活
結末09 成れの果て
結末10 お葬式
結末11 骨と朽ちる
結末12 惨殺
結末13 車輪の下
結末14 いつか終わる日常
結末15 まどろみに泳ぐ
結末16 生ける人形
結末17 奈落の眼
結末18 新たなる依代
▼これにて「血怨」を完全攻略……としたい。ひとまずは。
全エンディングを見ても解明されない謎が残ったが、仮説を立てられるレベルだ。
たとえば林陽子の正体や白衣の男の『名』も、見当がついている(俺は「これが答えだーっ!どんっ!」……なんてゲームより、「死月妖花」や「血怨」のように断片的な情報を集め、繋ぎ合わせるゲームが好きなんだよな)
アップデートで追加シナリオがあるかは不明だが、これ以上は蛇足な気がする。
改めて通しでやったが、やはり凄まじい怪物作品だった。
俺のフリゲ熱は冷めることを知らないが、このように時折出現する強烈な熱を帯びた作品のお陰でもある。
「墨染楼閣」以降、またエネルギーの強いホラーが続いている。
最近レビューしたゲームでは、「槨ノ家」「屍転遊戯」も面白かった。
特にデータやソースがあるわけではないが、良作が続く時期を体感することがある。それが今なのかもしれない
▼明日からはまた、通常通りのフリゲレビューに戻る。
いまは「目覚めた宇宙にアメが舞う」をプレイ中だが、これもなかなか面白い。
やはり俺のフリゲ熱は、一向に冷める事を知らない。
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