アフィリエイト広告を利用しています
アフィリエイト広告を利用しています

2022年12月10日

すがれる4月 レビュー感想 命の交差点

スクリーンショット (758)_compressed.jpg











▼最愛の人に先立たれ、死んだように生きる男の話。



…なんてのはファンタジーでもなんでもなくて、
人間、生きてればいつかは起こりえることで、
そういう意味じゃ、
誰もが死が身近にある生き物なんだよねえ、人間なんてのは。

ゲーム、漫画、小説、ドラマ、映画…などに於いては何百人と死のうが
「遺族のその後の人生」はどうあってもカットされてしまう要素だけど、
本作「すがれる4月」はまさに遺された者にスポットを当てた物語で、
最愛の人の死から進めない、悲しき男たちのお話だ。







▼…まぁなんつっても主人公が花屋ということで、
花に纏わる、悲しくも美しい話として纏めたのは上手だったな。

花をテーマにしたフリゲは「ぷらんちゅ」などがあるが、
このテーマだとどうあっても下品にはならないからね。

しかも「すがれる4月」は最愛の人の死というテーマが常に根底にある所為で、
美しくて、明るい花すらもダークトーンに合わせて悲しく感じてしまう
んだよ。
画面や音楽から伝わってくる印象も相俟ってね





…でもそんな男がこれまで残してきた軌跡から人と人とのつながりが芽生え、
どん底から当たり前の日常に……



少しだけ戻れる……



そんなエンディングはタイトル回収も綺麗だし、とても清涼感があったね








▼作品的に、最大の評価点は作画だね。

ここまでグラフィックに拘ったフリゲ、そうはないだろう。

細かく動くし、ジブリや昔の名作劇場アニメのように飾り気がないキャラクターデザインも、作風にマッチしてる。
フリゲにありがちな萌え絵では、この独特の空気感は絶対に出せなかっただろう。


安易にプレイヤーを泣かせようとするシーンが無かったことも優れた点だね。

ヒロインの死というと決まって鼻につくシーンが多いが、「すがしが」にはそれがない。

「死」という存在が何かのビッグイベントやストーリーを盛り上げる小細工ではなく、
当たり前にあり、絶対逆らえない自然なものとして描写されている
所為かもしれないね


人間以外の死(動物の死)を扱ったのも、一味違ったな









評価B+
75点

エンディングは3つありますが、フラグを立ててからは一発で行けました。
恐らく正解の花を選ぶことがトゥルーエンドの条件でしょうが、最悪、総当たりで攻略できるでしょう。


作画の美しさだけでも相当なものなので、
テーマ性(「探し屋トーコ」にこんな話あったな)が合わない、
暗い話は苦手だなんて思っても、
ぜひとも、彼の人生を色付かせてもらいたい。

おすすめです。








【フリゲレビューブログ小話】


▼5年も前に書いたコラム、「どんなフリゲが人気か、どんなフリゲを作れば人気が出るか…フリゲレビューブログ管理人が、裏側を少しだけ話します」のアクセスがなぜか微増している。
検索に引っかかるようなタイトルでもないし、ここまで古いコラムは読まれることがほとんどないのだが、誰かがtwitterとかで紹介してくれたんだろうか?



久しぶりに読み返したが、5年も前だというのに、フリーゲームを取り巻く時流が予想通りになっていることに驚く(余談として触れている戯画に至っては、ブランド終了)。



やっぱ俺頭良いな。



2022年版(もうすぐ2023年になるが)の「どんなフリゲが人気か、どんなフリゲを作れば人気が出るか…フリゲレビューブログ管理人が、裏側を少しだけ話します」を書いてもいいかもしれないが…
アクセスに極度の偏りが出てしまったため(”ノベルゲームとその他”状態)、逆に書けないかもしれない。

ならばいっそ、「どんなノベルゲームが人気か、どんなノベルゲームを作れば人気が出るか…フリゲレビューブログ管理人が、裏側を少しだけ話します」で書くか。

…まあ一番伸びるのが「実況でバズったフリゲ」なのは、言うまでもないが。










▼プレイ中のノベルゲーム




舞台設定だけではなく、絵もテイストも2010年代を強く主張する「夏の少女 〜boy meets girl this summer〜」


「またギャルゲー版「僕らのノベルゲーム」ッ!?」という感じの「HoodMaker_DL版」


相変わらず作画枚数がすごい「不香の花 - Snow Flower」





などがあるが、一押しは「夏の少女 〜boy meets girl this summer〜」かな。
ヒロインの正体が実は〇〇という序盤の掴みが、かなり良い。

「ヒカリノチハレ」「人生にXXは必要なのだろうか?」同様に大好物の懐古ゲーだが、それだけでも気に入る人が一定数いるだろう。



このゲームの制服、強烈な既視感があるんだよなあ。
某作品の制服にそっくり(たぶん元ネタ)


この記事へのコメント
コメントを書く

お名前: 必須項目

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント: 必須項目

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11769865
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
最新記事
最新コメント
ル・ソレイユの殺人 レビュー感想 好きだから、恥ずかしくて冷たくしちゃうんでしょ? by 管理人 (11/15)
ル・ソレイユの殺人 レビュー感想 好きだから、恥ずかしくて冷たくしちゃうんでしょ? by 面心立方格子 (11/12)
クリエイターズ・デスゲーム レビュー感想 誰もプレイしてくれないと言っても100DLはされてるんでしょ?それって100人が遊んでくれてるって事で、十分凄い事じゃん。その人たち大事にしなよ by 管理人 (09/06)
クリエイターズ・デスゲーム レビュー感想 誰もプレイしてくれないと言っても100DLはされてるんでしょ?それって100人が遊んでくれてるって事で、十分凄い事じゃん。その人たち大事にしなよ by ミカ (09/06)
君のうさミミを鍋にしてたべたい! レビュー感想 Diary by (  ゚д゚ )………………( ゚д゚#)彡 (08/14)
君のうさミミを鍋にしてたべたい! レビュー感想 Diary by h (08/06)
三十路だけど狂戦士やってます レビュー感想 こんな嫌な思いをするくらいなら、世界なんて救わなければよかった by 狂子 (06/29)
三十路だけど狂戦士やってます レビュー感想 こんな嫌な思いをするくらいなら、世界なんて救わなければよかった by 哲学の道 (06/29)
【定期コラム】当ブログのコンセプトと、レビュアーに必要なのは文章力ではなく……というお話 by 私?当然特待生でテスト免除ですよ (06/04)
【定期コラム】当ブログのコンセプトと、レビュアーに必要なのは文章力ではなく……というお話 by 京 (06/04)
おすすめ名作フリーゲーム
  1. 1. 死月妖花〜四月八日〜 レビュー感想 守りたい、この世界
  2. 2. 夜底奇劇・星空物語 プレイ日記2(クリアまで)と総評 夜明け
  3. 3. 夏ゆめ彼方 レビュー感想 将棋を通じて少年の人生を描く一大叙情詩。傑作!(ネタバレ)
  4. 4. ほろびのゆりかご レビュー感想 ラストシーンで判明する真相は、最早SFファンタジーのスケールを超えた(ネタバレ)
  5. 5. 鼓草 レビュー感想 極限の花婿たち
  6. 6. 色は黒に包まれて レビュー感想 深い光に包まれて
  7. 7. 怨溺 ―ONDEKI― レビュー感想 世界は救われる、彼女を失えば
  8. 8. 籠の街 レビュー感想 少年の爽やかな成長物語と思いきや、まさかの欝ゲー展開に…
  9. 9. かわいいは壊せる レビュー感想 七つの愛憎
  10. 10. 決戦前のヒトリ 〜主人公以外全員『カップル』がいるアドベンチャー〜 レビュー感想 うげっ、なんでそこまで分かるんじゃ!!?ロリコンは皆こうなのか……?
  11. 11. 電波障害ノベルADV AlexiA〜アレクシア〜 レビュー感想 もう、勇者しない。
  12. 12. Human killing レビュー感想 東出大好き