小説家を目指す少年・門倉良太のもとに一通のファンレターが届いた。
『物語とは、理論により構築されるべきものです』
突き動かされる情熱だけを頼りに創作を 続けてきた彼に、顔も名前もわからない読者は『創作の理論体系』を説いた。
そして、この日から彼の日常は大きく変わり始める。
――身を凍らすような現実を越えて、桜舞う夢の向こう側へ。
▼「プロ」と一口にいってもすべてを擲った人から趣味が高じた人まで様々だが、
もし、死んでもプロになりたいと必死に頑張る才なき者が、「天才」と出会ってしまったら……
そしてそれが、自分とは相容れない人種だったら…
「ヨツバナサクラ〜春へと紡ぐ雪どけの手紙〜」を一口にいうと、そんなゲーム。
ギャルゲー版「僕らのノベルゲーム」じゃ足りないだろうし、お知らせした通り、「ヨツバナサクラ〜春へと紡ぐ雪どけの手紙〜」のレビュー感想を書きます。
ネタバレなし
▼まあ結論からいうと面白かったね。
面白かったし、「好みのゲーム」だったな。
このブログを読んでくれている方は察しているかもしれないが、
私は、「色は黒に包まれて」に代表されるような、
才無き者や人生がなかなか上手く行かない人が必死に頑張ったり、
その先に成功が待っている物語が好物なんだよな
人が報われる話が好きなのかもしれないね。(だから最後まで鬱で終わる話はイマイチ。「単なる暗い話」で終わることが大半だし)
▼「ヨツバナサクラ〜春へと紡ぐ雪どけの手紙〜」はそんなヒューマンドラマにラノベ的ラブコメが融合しており、軽い読み味と重い展開が堪能できる、非常に優良なストーリー
序盤から暗い描写を挟みつつ、可愛い女の子たちが登場する、ギャルゲー展開が続く
中盤雲行きが怪しくなり、後半には主人公が夢を打ち砕かれる、怒涛の展開が待ちうける…
このようなストーリー回しは古典ともいうべきギャルゲーやエロゲーの王道パターンなのだが、
「どうせこうなるんだろうなあ」と思いつつも、
これまで構築された人間関係が壊れてしまう様を見せつけられ、
ページを捲る手が止まらなかったね
非常に完成度の高いストーリーだ
奇を衒ったというべきか、予想外の展開はなく、ほぼ王道なんだよね。
手紙の主の正体も、登場人物が少ないことはあるものの、予定調和。
でもそれゆえに等身大の高校生ドラマといえるんじゃないか。
クリア後のタイトル画面変化も、〇〇が大人になったことを感じさせる
▼キャラクターデザインもとてもかわいい。
残念ながら(?)個別エンドは無いが、どのヒロインにもしっかり見せ場があり、
1人が欠けても物語が成立しないような存在感だったね。
ヒロイン枠ではない(?)先生も、真っ当な大人で、教育者してる
ラノベがテーマなので、文章や絵など、それぞれの「担当」もちゃんとある
原稿用紙をモチーフにした縦書きグラフィック、
歌の無いエロゲみたいなOPムービー、
オリジナル音楽や選曲、
安定したスクリプトも優秀で、
特に立ち絵ではなくスチルが動くのは、フリゲではあまり見ない
総じてクオリティが高くまとまっており、おすすめできる良作だ
評価B+
75点
夢を叶えるためには、夢に苦しむことになる…
夢を追う少年は夢に破れ、信じていたものに裏切られ、どのような結末を迎えるのでしょうね。
是非あなたの目で確かめてください。
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皆で1年前の良作を振り返りましょう。
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「マッチングアプリで出会い厨してみた」
一般的にはマイナスイメージもいまだ強い(?)マッチングアプリを、
時にコミカルに、時にダークに描いた良作
陰キャ大学生の生き様を描いた1本でもある
まだの人は、是非
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