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2022年03月03日

彼岸花に蜘蛛 レビュー感想 誰のための蜘蛛の糸か

スクリーンショット (603)_compressed.jpg










「人間が花の美しさに嫉妬してこんなに意地悪な名前をつけたのよ」











和洋入り乱れる大正時代、私と同じ女学校に通う親友が亡くなった。

本当に突然の出来事だった。


彼女は亡くなる少し前に『彼岸花は貴女のことよ』と私に言った。


それは彼女が私だけに残した解かれなくてもいい謎解きだった。

私は過去を振り返り、残された言葉の意味を見付けようとする。












▼いやーよかったよ「彼岸花に蜘蛛」。短編ノベルでは、久々にアタリだよ。絶賛するね



何をかって、物語と言うより、「文章」がいいんだよ。

文章力が高いというより、「表現力が高い」んだよ。
しっかり文章表現を使ってるし、終わってみりゃ物語というより、いい意味で文章を読んでたな。

流れるような「美しい文章」といい、これはフリゲじゃ近年まれにみるレベル



情景がありありと浮かぶんだよ。きらびやかで儚げな、その時代を生きる、少女たちの息遣いが。










▼主人公の「私」が、突如謎の自殺を遂げた「親友」が生前残した謎かけを解き明かす物語。

タイトルが露骨なので読めてしまうかもしれないが、タイトル回収も非常に綺麗。
是非「私」となって親友の残した謎を解き、その真意を悟って欲しい。









▼「揺りかごと棺」作者の新作だが、今回はジャンル百合ゲーになるんだろうか?



でもあまり女の子同士のキマシタワー的描写はなく、漫画雑誌「なかよし」くらいの湿度なので、自然体で読んで欲しいね。










▼絵も丁寧だし、それこそ昔の「なかよし」っぽい、少女漫画の絵柄。

絵に「癖が無い」ことも、百合風味なのに万人におすすめできる要素だね


事が済んだクリア後に〇〇出来なくなったりと、システム演出も良い











評価B+
75点

稀有な純文系でした。



欠点は、「これ本当に大正時代か?」「〇〇か?」という背景が出てくることくらいでしょうか。

まあ…「夜には月明りしかない」なんて描写をしながら
背景にシーリングライトが映っている「紅い秘めごと」ほどには、気になりませんが。




…ちなみにレビュー感想を読んで「「物語より文章が上手」ってあんま褒めてなくね?」と思った人が、きっといるでしょう。

そりゃそうだ、やしきたかじんも作詞家デビューする前の秋元康に「お前の歌詞は歌詞じゃなくて文章や」とダメ出ししたそうだし、一般的には小説を書いたのに「文章」では、無機質なイメージを与えるし、まるで一般書籍に対する評価だからね


しかし私がなぜあえてそう言うか……何を言いたいかは、このゲームをやることで、きっとわかるでしょう。





おすすめの良作です



















【1年前の良作フリーゲーム、ピックアップ】






月1恒例。
1年前にレビューした良作フリゲの、ピックアップコーナー。



「鼓草」「TOWER of HANOI」「愛の監禁ごはんはXXXチャーハン」「かいきみなづき 半」「暖白のイルジオネ」に続き紹介する、2021年3月の良作フリーゲームは……









かわいいは壊せる

yasashiisekai_No-0008_compressed.jpg











迷いなく選びました。



これはなあ…

プレイした…というかプレイ前の事をまだ鮮明に覚えてるんだが、
とにかく「面白そう」なオーラが凄かったな

作者のゲームは初めてプレイしたのに、一刻も早くクリックして、プレイしたいほどだったな


これを超える実績達成系SLGは、この1年出なかった。

今でも非常におすすめです。





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