フリゲやフリゲレビューに関するコラム。
今回は、知っておくと有効かもしれない、レビュー感想の書き方編。
例によって、オチなし。
▼「短いは正義――「60字1メッセージ」で結果が出る文章術」を読んだ
これまでくどいくらいメッセージや重要なポイントを短文に込める意義を説いてきたが、
この本にも、なかなかいいことが書かれていた。
特に短文のフォローとして「数字」を入れる事などは、先日ネタにした「レビューを点数制にする意義」にも通ずる
レビュアーにも、おすすめの本
▼この本を読み終えた時、丁度「オタクに優しいギャルはいるのか、実際にギャルに聞いてみた」といったツイートがバズっていた。
発言者はラノベ作家のようで、どこまで真実かは分からないが、非常にしっくりくる一文があった
それはここ
ギャル「アイツらさ、こっちが話題を振っても反応薄いのに自分達のテリトリーの事になるとめっちゃ早口で捲し立てるし、多分その作品が好きなんだろうなってのは分かるけど、作品の魅力じゃなくて好きなシーンの解説しかしないから、マジ何言ってるか分からんのよ」
ギャル賢い
実はこれ、レビューにも同じことが言えるんだよ
面白いフリーゲームを探している多くのプレイヤー(読者)は、どこどこのシーンが面白かったなんて言葉は………全く求めてない。
それを欲してるのは作者だけ。あるいはプレイして、”共感”が欲しい人だけ
そもそもプレイ前にそんな解説をされたところで、意味が分からない
ギャルの言葉を借りるなら、「マジ何言ってるかわからんのよ」
皆さんも知り合いにおすすめの作品を聞いて、
「あのキャラがどうだの、あのシーンがどうだの」と、
いきなり意味不明な内容の話をされて困惑した。
変なスイッチを押してしまった。
(この話、まだ続くの…?凄い早口だけど、私はそういう話が聞きたかったんじゃないよ…そんなことは興味ないよ…さっさと切り上げたいなあ…)
…と後悔…
…なんて経験が1度はある事と思う
なので、ただシナリオやシーンの解説をするのではなく、そのシーンから何を感じ取ったか、
どこが面白かったか、何がプレイヤーにとって魅力的で、そのフリゲをプレイする意義があるのかなどを、
できるだけ「面白い」などの言葉を使わず、読者に「面白そう」と思わせる事が文章のテクニックなんだよね(読者層を意識して、私は敢えて「面白い」という言葉を使うが)
たとえば「鼓草」なら、「ただの恋愛ゲームかと思ったら、まさかプレイヤーに究極の決断を迫るゲームだなんて思わなかった。あの選択肢1つだけで、私は凄まじく心を揺さぶられた。マウスを握る手が震えた。ストーリーにも人物にも感情移入していたので、選択肢を1つ選ぶだけで、まるで本物の人間を取捨選択するかのように緊張したよ」なんて言われると、聞き手読み手は「究極の選択ってなんだ?そんなに迷うほどの決断を迫られるのか!?」と、"やりたくなる"わけ
つまり、「どういうキャラクターがどんな事をして凄いからおすすめ!」
…だなんてことより、
それによりどのような衝撃を受けたか、という大きな感情の変化のほうが、
第三者を突き動かすんだよね
「何!?そんなに感動できたのか!?ならやってみたい!」と
▼説明をすることに一生懸命になってしまうせいか、
レビュー感想を読んでると、ここが疎かな人が大変に多い。
折角熱心に書いたのだから、勿体ないなあと思う。
「レビュー」だからといって解説にばかりとらわれると、第三者にはまるで魅力のない文章になってしまうわけだ(かといって「感想」に偏り過ぎるのもよくない)。
書くのが苦手と言う人は、いっそ内容の解説は全カットしてみるといいかもしれない。
内容の紹介など、作者、あるいは他のレビュアーがやってるだろうというそもそも論もある
▼レビュアーはガイドさんではないので、これにより文章がグっと引き締まり、「うだうだ解説する手間が省ける」メリットもある。
すると、文章は自然と短くなる。
ここで先ほどの短文の話につながるわけだ
▼文章だけではなく、書く時間に制約をつけるのも有効だね
前にも触れたが、私は、1つのレビュー記事を書くのに15分以上かけない。
どれだけ長くても、せいぜい30分だ(画像を用意したり、タグを整理したり…といった時間も含めて)。
「30分かかった時点で失敗」とすら思っている。(ウェブライターにはもっと速い人もいる)
▼プレイ日記では解説的な事はするが、レビュー感想では最低限にとどめる
埋もれてしまった、あるいは埋もれてしまいそうな良作を皆に知って欲しい気持ちや、
それをプレイしてどう感じたかという、感情の吐露を知って欲しい気持ちがある
▼……
…というわけでオチも何もない話だが、
何かがあなたの役に立っただろうか?
参考にしてくれると、私も書いたかいがあるので、ありがたい
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