主を失ったメイドロボットは、300年間宇宙船の中を彷徨っていた。
その船には人は誰も乗っておらず、メイドロボットが仕えるべきマスターはいない。
彼女はロボットとしての『存在理由』を見失い、そして人のいない世界で稼働し続ける自分の存在に疑問を持つようになる。
やがて彼女の”感情プログラム”は”孤独”という”感情”に苛まれるようになり、自らの『自死』について考え始めるようになった。
そんな折に彼女は自分と同じように主を失った掃除ロボットと出会い、そこから彼女たちはロボットの『存在理由』や『感情』についての対話を繰り広げる。
▼宇宙を漂う船の中、マスターに飲み物を運ぶメイドロボ。
彼女は語りかける。だがマスターは、応えない…
次のシーンで映る白骨遺体…
…
という王道だがプレイヤーをグッ!!!っと引き込むオープニングが見事だね。
だってこんなの、絶対気になるでしょ。この導入、強すぎる
遺されたほうが可哀そうで、つい続きを見てしまう
▼結論として評価を述べると、「私たちが人類の子孫でありますように」は非常に面白いゲームだった
SFを題材にしたフリーゲームとしては、名作の「ほろびのゆりかご」に次ぐ面白さじゃないか
結末が気になって、一気にクリアしてしまった
直感的に面白そうと思ったが、大当たりだ
▼優れた部分は4つある。ストーリー、設定、テーマ性、音楽(選曲)
特にストーリーとテーマ性が面白い。
前述した導入のように、類似したSFが数多く存在する「王道」でありながら、『存在理由』という重要なテーマを1つ盛り込むことで、ただの模倣ではなく深みのある物語に昇華している
『存在理由』をテーマとしたストーリーが次々に展開し、エンディングまでブレない
テーマを作れば、ストーリーも作れるんだね。いい意味で、「テーマにストーリーがついてきてるな」と感じた
▼設定も面白い。
主人公はメイドロボだが、相手役のヒーローが、なんとお掃除ロボ
ルンバのように床を掃除している。SFのヒロイン・ヒーローには奇抜なキャラクターが多いが、このヒーローは斬新だ。ルンバがベッドで寝てるのも、大変シュール
最初はいがみ合っていたふたりだが、徐々に心を開きあう
お掃除ロボをポンコツとしか思ってなかった主人公も、いつしか"彼"に特別な感情を抱く
…
ところがそんな"ふたり"に試練が課せられて…
……
…うーんせつない
…ふたりの関係は共依存ではなく、恋愛または疑似恋愛と思う
無機物の愛だが、心はあるんだな
主人公が涙しながらお掃除ロボの薄い体を抱きしめるシーンは、滑稽なのにとてもいいシーンだったよ
▼主人公が本当に愛したのはマスターだろうけど、相思相愛と知っても喜べる状況じゃないのは、悲しいね。
孫娘ほどの年齢差があるメイドロボに求愛するロリコン変態ジジイだなんて、とても茶化す気にならないよ…
終盤、マスターの顔グラが出てくるけどさ…
顔も変態っぽいなんて…とてもいえないよ…(モデルが明らかに宮崎駿(笑))
評価B+
75点
良作でした。フリーゲームをプレイして、こんなに悲しい気持ちになったのは、久しぶりです。
探索や謎解きも答え同然のヒントがあるので、迷うことはありません(1つだけひっかけあり)
主人公にとって最愛の人である「マスター」は、なぜ彼女だけを連れ、宇宙に逃げたのか…?
ほろびた地球では、一体何が起こったのか…
果たして本当に、人のいる惑星に辿り着けるのか…
そもそも「マスター」の正体。そして『存在理由』はなんだったのか…
……
マスターが名前の無い「メイドロボ」に付けた名前が分かる時、タイトル回収とともに物語は紐解けます
すべては、あなたの目で確認して欲しい
…ところでこのゲーム、お掃除ロボを抱えた主人公が〇〇〇を抱えるスチルに変わるのが、トゥルーエンドなんですかね?
プレイ時間:90分〜120分。エンド数:トゥルーエンド1つ、バッドエンド4つとあるけど……
その半分。
…45分でトゥルーらしきエンディングに到達したんですが…
……
取りこぼしがあったら、加筆修正します
【フリゲレビューブログ小話 〜フリーゲームは海をこえる〜】
「このブログは海外からのアクセスが一定数ある」という話をたびたびしていますが、
最近はアジア圏よりもロシアが増えています
中でも「ヤンデックス」という、ヤンデレ用語のような検索エンジンからのアクセスが多い
彼らが検索しているゲームって、ほとんどが商業化作品なんですよ。
やっぱり商業化って、強いですね
翻訳されることも多々あるし、フリゲはますますワールドワイドになってきました
DLサイトに中文や横文字のフリゲが投稿されることも、珍しくありません
海外勢、海外展開を意識したフリーゲーム……なんてのが、そろそろ1つの方向性として示される時代……が来るかもしれないですねえ
でも過去にこの方向性を打ち出したサークルは、海外どころか国内ですら振るわなかったし……やっぱり、「あくまで趣味」が一番楽しいんだろうなあ…
折角のフリーゲームなのに、DLや反応、評価を意識しすぎると、本当に自分が作りたいものが分からなくなる…
【このカテゴリーの最新記事】
たまたま似たにしては、余りにもパヤオすぎました。やばいくらいパヤオでした。パヤオがメイドロボにさまざまな人格プログラム的なものを施すんですが、「母性」をプログラムするとか言い始めた時の
気持ち悪さはまんま「ナウシカ」のパヤオでした。
なんかめちゃくちゃ言ってますが、むしろその気持ち悪さ含めて良作でした。
…でもマスターは主人公の理想の男性像なので、もっとスマートでジェントルなキャラのほうが、よかったかも…?
その質問面白いですね。普通だと思いつかない発想で、奇知があります。良作常連のサークルがどんな返事をしたかも気になるので、後で検索してみます。
ポロンテスタが作るなら、「君のア〇ルが!バキューム!ドキューム!ひねり出す〜!」という歌詞の「うめぴょい伝説」という
主題歌があると思います。
以前、ポロンテスタのTwitterの質問箱に「ウメ娘にありがちなこと」という大喜利が送られていていましたwそこにはみんなメンヘラとか、衣装が動物モチーフとか書かれていました。ポロンテスタ版のウマ娘も面白そうだなあ(白目)