今度は【 マッチングアプリ体験型ADV 】の「マッチングアプリで出会い厨してみた
」だ
前作がメイドカフェの正負を描いていたので、今作でもマッチングアプリの正負を描いているのかと、プレイ前に予想した
その予想は概ね当たりであった
しかし正ルートはタイトルからは想像できないほど、爽やかだった
まず舞台が大学というのが、創作では珍しい。高校はポピュラーだが、大学は恋愛ものの舞台にはあまりならない
それだけではなく、大学と言う狭い世界が友達のいない人間にとってはいかなるものなのか、大学という小さな世界で生き残るためには、どのような苦心が必要なのか…
それがいわゆる「陰キャ」の目線から描かれていた
アクシデントで「陽キャ」の飲み会に参加させられ、時間が過ぎ去るのをただ「地蔵になって待つ」シーンが印象的だが、窮屈を感じる描写がなかなかにリアルで、人によっては強い共感を持つのではないか
主人公はそんな「ボッチ」の大学生。
ヒロインの佐々木はいわゆる「量産型女子大生」。
主人公は自分のことを棚上げし、彼女を「無個性なんてレベルじゃない。まるでクローン人間だ」などと評する
だが佐々木が量産型女子大生なのは、列記とした理由がある。
ヒロイン視点で描かれる「量産型」の物語には、「ああ、女子大生も大変なのだな」と思わされた
大学の描写は他にもある。メインテーマであるギャルゲーやマッチングアプリとは直接関係ないところで、思考実験によるディベートが行われる
思考実験を扱うフリーゲームは初めて見た気がする。興味深く読んだ。(ここで選択肢があれば、尚良いと思った)
この思考実験、お察しの通り後々本編に絡んでくる。実に上手いロングパスだ
教授も現実では絶滅危惧種の「バカ大学生を叱れる大人」で、彼が主人公を認めるシーンは、なぜか妙な達成感を得てしまった。(だがこのルートを通ってしまうと、トゥルーエンドが見れない)
陰キャで友達もいない主人公だが、ちゃんと評価してくれる大人はいる
ゲームとしては、演出や小道具に優れていた。
マッチングアプリの画像まで、作りこみが凄い。「お前のスパチャで世界を救え」を思い起こさせるクオリティだ
中でも古臭いKAZUOのブログは、R25なら懐かしくなること請け合いだろう(ブログじゃなくてHPっぽいが)
話を最初に戻そう。マッチングアプリの正負の描写についてだ
私は前作レビューで「メイドカフェや地下アイドルのライブに行ったことが無いので、細かいリアリティまでは分からない」と書いた
そして今作でもまた、「マッチングアプリを使ったことが無いので現実通りかは分からない」のだ
なので想像で書くしかないのだが、本作は「マッチングアプリの負の描写」が実に的確だと思う
そう、つまりいい事ばかりではないのだ。そんなにいい事ばかりでは
このゲームはヒロインが4人いる。メインヒロインの佐々木以外は、マッチングアプリで出会うことになる。ストーリーの最終日だ。
ヒロインは背後から、「もしかして、スマくんですか?」と声を掛けてくる
そして、主人公は振り向く…
ここの緊張感がなかなかに高く、次のシーンの「オチ」では一瞬で「マッチングアプリってやっぱ、こうだよなあ」と腑に落ちる感覚があった
ホラーシナリオもあり、エンドコンプまで飽きさせない作りだ
ちなみに、初回は佐々木エンドだった。これはトゥルーエンドなのだが、最も不整合なく纏まっているので、この1本だけでもプレイして欲しい
生きることに不器用な男女の恋愛は、実に初々しい(初恋の味がしちゃうよ?)
ラストシーンの演出からタイトル画面まで、きれいな1本でつながっている
評価B+
75点
ギャルゲーとしても、体験型ADVとしても、久しぶりの良作
私のおすすめエンディングは……全部ですね。
それぞれのエンディングに見所があるので、コンプして欲しい。UIにも優れており、トップメニューから攻略が読めるので、コンプは簡単です
…ところで佐々木って、いうほど量産型ですかねぇ…?
顔も可愛いし、量産型とはまた違うキャラデザでは。
何よりおっぱいが大きい。
このおっぱいは量産型じゃない
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