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2021年01月31日

かいきみなづき 半 レビュー感想 赤い糸と、狭間黄昏れ

親友を喪った狭間陽子が狭間の世界に迷い込む怪奇異譚、「はざまたそがれ」!



待望の続編は、陽子に似た雰囲気を持つ水無月玲子と、未知の怪奇「妖希」との奇妙な遭遇を描いた怪異奇談、「かいきみなづき」!


いよいよ配信!










「かいきみなづき 半」は、「全二十話と少しの内、八話までの内容です。」との説明文の通りで、90分ほどの内容









いやあ……









まずは遂に来た!って感じだね。また夜行小十具ワールドに触れられることが、個人的に嬉しいよ





さて、レビュー感想です









愛した者が次々と謎の死を遂げてしまう玲子が、その真相を突き止めるべく奔走するストーリー




序幕では「超常現象研究部」の部長視点で進み、玲子は他人との交流を避けたがる、影の薄い部員として描かれる
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そして本編スタートから玲子視点になり、なぜ彼女がそのような行動をとるのかという背景が明かされる





この導入が非常に上手い。








ただの暗い少女だった玲子の悲壮感ある過去が明かされ、一気にプレイヤーの興味を誘う











前作とのリンクとしては、〇〇に殺害され非業の死を遂げた愛美が、またもメインキャラとして登場。1年前の設定なので中学2年生……相変わらずの性格で実に愉快




今回は妙にギャグシーンが多いのだが、愛美はその中心にいるといってよいだろう(怪奇ものとは思えない、ひどい絵面(笑))
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ほかの部員たちも面白おかしく、この奇妙な部活動には、すぐに愛着が湧いた

















グラフィックや音楽は今回もレトロゲーム調で、特にグラフィックの作りこみは素晴らしい



女性キャラクターもかわいくて、姉御肌のみつがお気に入りだ(おっぱいも大きいしな)
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セリフが吹き出しで出るようになったが、喋っているキャラクターにかぶせ気味にほかのキャラクターが割り込むと吹き出しが被さったり、涙を流すシーンでは文字が滲んで見えなくなったり、「ぐるりと見渡す」というテキストが実際にぐるりと回転したり、存在感の薄いキャラクターのセリフが、画面の隅にひっそりとあったり……




独創的で、圧倒的に「魅せる画面」は今回も健在





特に涙で文字が滲むのは、よくこんなこと思いつくなと唸ってしまった











何か元ネタがあるかもしれないが、独自の妖怪として、「妖希」なる存在が登場



水木しげるワールドのように1匹1匹に細かい設定とキャラ立てがあり、妖怪モノとしても独創性が高い。しかも個性的で、憎めないヤツばっかりだ





対抗手段として、玲子が物理攻撃を仕掛けるのも笑ってしまった









各話タイトルが最初と最後に韻を踏むスタイルで出ることも(序章のみ、1行)、同じ世界の話であることを強く感じさせる演出だし、本当に「帰ってきた」って感じです
















評価A+
85点




「はざたそ」ほどの長編では恐らく無いですが、中身の濃さは勝るとも劣らない……


全ユーザーにおすすめできる良作






続編といってもリンクがどの程度かは不明で、今のところ前作プレイは必須ではないストーリーでした。





しかしプレイしていると、すっとぼけた愛美が霊力測定器のメーターを振り切るシーンで「愛美は阿呆そうだけど、実は凄いんだよ」というワクワク感を得たり、小ネタにニヤニヤしたり、伏線の考察も出来ます




……



「はざまたそがれ」の愛美のプロフィールに、「部活動:美術部(超常現象研究部が廃部したため)」なんて記載があったりね…












【フリーゲームコラム。フリゲについてのあれこれ】







▼ふりーむ!に「ぼくらはあの時、あの島で」のイラストが投稿されているではないか。ふりーむ!では公開終了したゲームだが、イラストは投稿できるのね




「ぼくらはあの時、あの島で」「夏色エンジェル」はこのサークルの2大良作で、特に「ぼくらはあの時、あの島で」の読了感は独特だ




これほどに「なんも言えねぇ……」となるエンディング、そうはない



イラスト投稿者が「今も心に残っているゲームです。」と書いてるが、まさにそう。「記録より記憶に残る良作」だ





スチルになると突然キャラクターが老け込むのも、オリジナリティが高くてよかった。こういう印象から、ゲームは人の記憶に残っていく



















「言われてみれば……。はは、お前ら、やたら老けたよな。五島なんて、チビのままオバハンになったんだな。あっはははは!チビのオバハンって!」







前々から予告していた「死月妖花」の考察記事「死月妖花 解体妖書」(正直、余りのネーミングのダサさに悶絶)、手始めにキャラクターの生存率・死亡率を調査すると予告していたが………






コメントに触発され、そろそろやるかと思っていた矢先……










なんと、既にやってる人がいた







ググってよかった……。
(;゚Д゚)



まあ発案は、私のほうが先だけどね








簡易な画像1枚に纏められてはいたが、このような客観的データは、当然ながら誰が纏めても解釈の違いはあれど、ほぼ同一になるだろう




ということで「死月妖花 解体妖書」(正直、変えたい)……








初っ端から頓挫














▼コメント欄などでゲームのディティールの話題が続いたので、もう少しだけ言及(この話は前々からしたかったので、ちょうどいい)





結論からいうと、「リアリティは大事だが、追求しすぎるとゲームとしてはつまらなくなる」と常々思っている




たとえばリアリティを追求するなら、武器が壊れないことはおかしい



だが私は武器が壊れるゲームが大嫌いだ。面白かった試しがない(「FE」のようにそれ自体が戦略というゲームは除外)








言語に関しても、そこまでこだわる必要はない。なぜなら、既に失敗例が存在するからだ。




それは「風雨来記2」だ







「風雨来記2」は沖縄を舞台にしたゲームで、オバァという訛りの強い老婆が登場する。オバァの方言は翻訳されておらず、読むと疲れるだけで、何も面白くなかった





リアリティ演出に失敗していた。最低でも翻訳をつけるべきだ







オバァがナニ言ってるのかわからなくストレス。




おばぁがいっていることを理解するのがとっても大変




皆さん同様に、オバァの方言がどうしても理解できず辛かった。
頼みますから標準語の訳もつけてくれー




オバアのウチナーグチ(方言)は、おそらく普通の人にとっては意味不明でしかない。方言を文字にすると一層分かりにくい。特に一部のシナリオではオバアの言葉が分かるかどうかで随分と違ったものになる。









以上はレビューからの抜粋だが、プレイヤーの1割も理解できなかったのではないか




やはり、ゲームとしての面白さにはつながっていない






私はこの経験から、歴史ものや地域色の強いものは、ディティールやリアリティに単調に拘るのではなく、「ゲーム向けにアレンジ」することが大事と思っている






そんなわけで、私が時代考証やディティールにこだわらないのは、そのためです。


バズーカ砲が登場する「どろろ」は滅茶苦茶だが、キャラゲーの名作














▼一般的なフリゲユーザーは、フリゲの保存はどうしているのだろう。プレイし終わったら、削除するのだろうか。




基本的に私は、DLしたフリゲはいかなる内容であれ保管している(一応言うと、一切の例外なく、アップしません)。




アップデートされても、古いバージョンを取っておく。私はフリーゲームレビュアーであるのと同時に、フリーゲームコレクターでもあるのかもしれない。作者が非公開にする作品も多いので、保管は欠かせない








年代別に保存しているが、ファイルの整理中、あることに気づいた





それは容量が年々増加しているということだ






「あることに気づいた」なんて言わずとも、コンピューターゲームとは古来よりそういうものだ。フリーゲームもまた、例外ではないと改めて思ったわけだ






以前「はざまたそがれ」を「日本一軽量な大ボリュームの名作」と称したが、「かいきみなづき」に至っては、なんとたったの6,314 KByteだ



恐ろしく軽い。だがこれは、例外も例外。昨今では稀有もいいところだろう








2009年配信の「よみがえる思い出」は、圧縮状態でなんとたったの942KByteである。1メガにすら満たない。即興ゲームではない、1時間近い中編がこれだけ軽いとは恐ろしい




昔は珍しかった1ギガを超える大作フリーゲームも増えてきた。テキストファイルは軽くとも、音声がつけば重くなり、ムービーが入れば大容量となる。昔はフルボイスのフリゲなんて、考えられなかった




やはりフリーゲームは商業ゲームに、容量的にも肉迫している






DLサイト運営者は大変だろう、頑張って欲しい。可能な限りのフォローはしたい。









「よみがえる思い出」は、ロリコンがテーマの怪作である




作者はロリではなくロリコンを描いた。





女子小学生ヒロインに接近するシーンでは「おれは少女に顔を近づけた。朝食のものらしい、苺ジャムがほのかに香った」という迫真の名文が出てきたり、隠れた怪作である


この記事へのコメント
( ´∀`)ことぎゅさ、おひゅしゃし……ぶ……



( ´∀`)………ハ………



( ~д~)ハ……ハ……



ハー!へぶしっ!   
(っ*`з´)っ・:∴(;:゚Д゚;)<あんぎゃー!!




ことぐさん、お久しぶりです。おっぱい星人です。
{{{( ̄ハ ̄*)}}}ハナチーン




去年から別アカで創作活動を再開し、更新ペースが若干落ちてますが(レビュー自体は書けますが、依頼主からその所為で質が落ちたと言われたら心外だからです)、「かいみな」はサムネだけでもひとめで分かる異彩を放っており、すぐにことぐさんの新作だとわかりました。吸いつき、むしゃぶりつくようにプレイしました。今回も面白かったです。

前作に比べ王道路線なのかとは思ってました。前作には「世界の謎」というプレイヤーを引っ張る要素がありましたが、今作は普通に現世の話だからです。しかし「呪いの謎」にそれに匹敵するほどの興味を掻き立てられ、一気にプレイしてしまいました。ことぐさん得意の変顔やギャグも面白くて、「ぶつよ?」は声に出して笑ったほどです。

愛美の登場により、「もしかしたら「かいみな」のエンディングから「はざま」のIFルートに進むのか?」とか、あのアイテムはあれのオマージュか?など、いろいろ妄想しています。

女性キャラはみつと玲子が好きです。みつは「こんな女子中生いねーよ(笑)」みたいなつっこみ待ちですが、「この時代背景ならいたかも…」と思わされました。男だと一茶がチンピラ風なのにいい奴で、しかも文学を嗜み、勉強もみつに数学を教えられるくらいはできる、というのが意外性があって面白いキャラでした。

「はざまたそがれ」は完成版配信後にレビューサイトなどでも絶賛されてましたが、今回も名作の予感がビンビンします。「かいきみなづき 転」(かな?)も、また是非とも遊びたいですが、明らかに個人製作の範疇を超えた作りこみに心配もしているため、何年でも待たせてもらうので、無理せず頑張って欲しいです。
Posted by 管理人 at 2021年02月01日 08:27
久方振りですスマさん。ことぐです。
早々にプレイして、しかも途中までの内容なのにまたも記事にして頂き誠にありがとうございます!
最近忙しいのかなと思っていたので、まさか公開当日に取り上げて頂けるとは思いませんでした。恐縮です。

さて今回のかいきみなづきですが・・・
どうやら楽しんで頂けたようで何よりです。
スマさんはおっぱい星人ですので(失礼)肌勢みつに食いつくだろうなーとは思っていましたが、案の定で安心しました笑
今回、ホラー要素はほぼなくて(次回の九話は少しホラー寄り)、物語の大どんでん返しもないのでこの先も楽しんで頂けるか不安ではありますが、続きが出ましたらまたプレイして頂けると幸いです。

Posted by 夜行小十具 at 2021年01月31日 23:51
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