せがわの新作が!
まあなんつっても、今回も作り込みが凄いね。
何から何まで自作だし、オリジナリティも非常に高い
「ミノニヨクシティ」「END ROLL」「しらない星のあるきかた」に次ぐ新作「TOWER of HANOI」は、HANOIと呼ばれる人間型の非人間たちに纏わるRPG
主人公である監察官は仮想世界にログインし、塔の攻略をめざす
まず世界観が面白いな。現実世界から仮想世界へとログインして物語を進める
世代的に「ロックマンエグゼ」を思い出したが、「END ROLL」に近いものと解釈するのが普通だろう
この作者のゲームなので、今回ももちろんエググロい。
グラフィック的にも変死体が転がってたりとグロいが、それ以上に精神的なグロさを追求しており、最初のダンジョンがまさかの社畜編なのはたまげた
バーチャルを題材にしたRPGなのに、オフィスで死にそうな社員がコキ使われてるのは、リアルそのものだ(現実世界のどこかをモデルにしたという設定)
主人公がフリーゲームでは極めて稀な33歳独身というのも、妙に現実味がある。
ゲームやアニメでは、役職に就いてるキャラでも不自然に若いからね(肩書がつくのは普通30代からでしょう)
HANOIのシンディからも、いい歳とか言われちゃう(シンディは若そうだな)
そんなナチュラルに失礼なシンディを含めた10人のHANOIが登場し、最初から好きにパーティを編成できる
今回も可愛い女の子とイケメンに個性的なキャラづけがされており、気に入るキャラがきっといるだろう
いきなり10人もいたら統率が取れないんじゃない?と疑問だったが、プレイヤーがパートナーにしたいキャラクターを常に選べるのが上手い
「特別監視タグ」をつけたキャラは、「監視」という名目でヒロインのような扱いになる
「好きなキャラの出番がない」というRPGあるあるを、アイテム1つで解消したわけだ
私はミラがお気に入りだ。戦闘でも攻撃力が高く、なかなか強い。
人間に見えるが、彼女もHANOIの1人だ
HANOIには好感度が設定されており、アップすることで会話イベントなどが発生する
仲間同士にも好感度が設定されているのが、これも珍しい設定だ。「テイルズ オブ イノセンス」くらいしか、パっと思いつかない
仲間同士の好感度が上がっても会話が発生するが、おそらくRPG的な要素もあるのでは(合体技を習得したり)
今回もグラフィックの大部分が自作のようで、凄い熱意だね
音楽もしっとりしたものが多く、戦闘が煽るようなアップテンポではなく、逆に落ち着かせるような曲なのは、独自の作風ともマッチしている
今回もせがわテイストは健在で、金もクーポンもない状態でバーガーショップで買い物すると「そのへんで匂いでも嗅いでいなさい!」と0円スマイルのまま一蹴される(笑)
他にも面白い台詞がいっぱいだ。
……
ざっとレビューするとこんな感じ。今回もとても面白いです。
ただ一点…問題があり…
クリアまで10時間、やりこんで20時間と長めで、更にフリーゲームにしては難易度が高い。
現在1の塔攻略中だが、金策も分からず、装備すらままならない
(;´Д`)
挿入されるカットインや台詞、属性が他のRPGとは一線を画す「男」「老人」「女子供」であることなど、面白いところも多いんだけどね……
いつものようにレビュー感想(総評)はクリア後にするけど、そもそもクリアできるかなぁ…?
(゚Д゚;)
【フリーゲーム小話】
▼「鼓草」が面白かったので、同作者の「りんかね」「らいとらいとらいと」もやってるけど、「らいとらいとらいと」は「世にも奇妙な物語っぽいタイトルを書くと誰かが粗筋を書いてくれる」的な面白さだね
これが「鼓草」の元ネタだったのか…
当時は何気ない粗筋として書いた内容であっても、今となってはかなりクリティカルなネタバレを含んでいるので、プレイしてなくて寧ろよかった
おかげで最良の状態で「鼓草」をプレイできましたよ
作者は時代考証について、この時から気をもんでいたんだね
戦時中に女性を「人形のような可愛さ」と喩えるか?とか言い出したら戦中までに発表された書籍からこの表現が使われていたかを調べないといけないし、そこまで拘らなくてもいいかと
「るろうに剣心」はバーチャル・メイジだが、それでも大ヒットした
本格時代小説という建前じゃないなら、面白さに時代考証は関係ないでしょ
手塚治虫なんて、めちゃくちゃ自由だよ
▼ティラノゲームフェス2020が始まりましたね
私はフリーゲームが好きなのであってコンテストの類にはさっぱり興味がないので(他人の評価に興味が無いから)、例によって今回も不参加で、客観的事実や所感のみを述べていきます
この小話で取り上げるお題は、細分化された「部門」
2020は部門ごとの審査で、少し浮いている(?)のが「コメディ部門」の存在
普通ノベルゲームといえば「泣きゲー」という言葉が有名なように、主流からいっても感動系を評価するものなのです
いまでもノベルゲームは感動や泣きを狙ったゲームが主流で、応募作品にも数多く存在する
ところが泣きゲー部門はなく、なぜか「コメディ」ときた
コメディそのものを題材にした応募ゲームは少ないので、あくまで「コメディ要素」を評価するのでしょう
「笑みが溢れる作品を評価します。」とあるので、単純なギャグ作品が受賞するとは限らない
「笑いのツボ」という言葉があるほど人によって違い、主観的
「シリアスな笑い」など多様化されているし、それをどうやって審査するのか楽しみですね
「明確なギャグ作品」で目立ってたのは、「怒ると死にます。」「女のフリしてゲーム作ったら、女装することになりました」かな
どちらもギャグだが、テクニカルなゲームだったね
「怒ると死にます。」は、パロネタが面白かった。パロには弱いんで笑ってしまった
タイトル画面でいきなり、「ドラゴンボール」のパロディだからな。
絵はバカげているのに音楽がまじめだから、シュール
「女のフリしてゲーム作ったら、女装することになりました」は一言でいえば…
スーパード変態ゲームだね
作者が「「君の世界は鳥籠の中」(前作)の追加シナリオは作者の人格が疑われるレベルのものを書く」とか言ってたけど…
「女のフリしてゲーム作ったら、女装することになりました」のようなスーパード変態ゲームを作る時点で……
もう十分人格を疑われてるだろ
人格を疑われすぎて……
逆に疑われないレベル
「エレベーター 〜性格不安定な僕とみよちゃんの物語〜」もコメディがコンセプトの1つにありそうだね
レトロゲーム風のグラフィックは、キャラがしゃべるたび顔がドットアニメーションするので再現度高かった
レトロゲーム風グラフィックは数あれど、細部まで模倣したゲームは意外と少ないから
コメディ作品ってのは、いいもんだな。やってて和むし
運営も和んでほしいのかもな
▼レビュースコアをつけたゲームから突出した良作を纏め、なんの意義もない賞を一方的に押し付ける「2020年下半期良作ランキング」も、スコア算出を始めてます
発表は今年も、12/31予定
採点は今回もPFPで行いますが、立ち上げて4年になるこのブログ始まって以来の、異例の事態、例外的な発表になる
…かも…
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