2016年10月27日
映画「何者」の感想…刺さる人、刺さらない人。
今回は映画「何者」の感想です。
映画「君の名は。」以来の映画館での鑑賞になりました。
この映画「何者」は後輩から「なんか良く分からなかった〜」って意見と「マジ最高、ヤバい!」みたいな意見があって、
もともと映画館で観るつもりは無かったのですが、これはちょっと観てみるかという事になりました。
109シネマズ名古屋のレイトショーで観てきました。
自分含めて4人しかお客さんがいなかった…しかも全員男!!
もうちょっと入っていても良いと思うのだが…世間は未だに映画「君の名は。」なんでしょうか。
映画「何者」はただいま絶賛公開中の三浦大輔監督作品。
三浦大輔監督の作品は1つ前の監督作である映画「愛の渦」しか観ていないので、
「こういう人」ってのはあんまり分からないんだけど、好き嫌いは分かれそうな気がする。
今回の映画「何者」も賛否両論みたいですが、監督の作家性とか特徴ついては他の作品も観てからしっかり考えたいと思います。
原作は朝井リョウの同名の小説。
朝井リョウと言ったら「桐島、部活やめるってよ」が代表作だと思います。
この「桐島、部活やめるってよ」はすでに実写化されてまして、
これが個人的に2012年に観た映画の中でベストな1作でした。
また映画「桐島、部活やめるってよ」については、見直した時に感想を改めて書きたい作品です。
しかしながら、映画「何者」が良かった!という後輩の感想では、
映画「桐島、部活やめるってよ」よりも面白かった!と言うのだ。
それはハードル上がりますよね。
さぞ、凄い映画が観れるんでしょう…と意気込んで映画館に行きました。
さて、映画「何者」ですが、簡単に導入部分を書くと、
就職活動中の二宮拓人はルームシェアをしている光太郎のバンドの最後のライブを観に来ていた。
そこで久々に再会する同級生の瑞月。
拓人は密かに瑞月に思いを寄せるのだが、瑞月は光太郎の元彼女でもあった。
光太郎がバンドを辞め、就職活動に専念する事になると、たまたま瑞月が部屋へ尋ねてくる。
同じアパートに就活仲間がいるので一緒に就職活動の情報交換をしながら協力しようという提案だった。
そうして、就職活動に向け一致団結するかの様にみえたのだが…というような話。
ストーリーだけ書いてしまうと、「就職活動の話」なのかって感じになってしまうのですが、
あくまで「就職活動」は1つの要素であって、この映画「何者」が言いたいのは、
「何者でもなかった者が何者かになっていく」という成長物語。
予告編では「青春が終わり、人生が始まる」と言っている。
青春というのは「まだ何者でもない状態」であり、人生というのは「何者かになってからの状態」という事なのかな。
個人的には、なんかちょっとそれは違う様な気もしますが、
分かりやすく言い換えると、若者から「大人」へっていう映画だと思います。
まず映画「何者」のキャスティングについて。
主役の拓人を演じるのは映画「るろうに剣心 伝説の最期編」では剣心役でもある佐藤健。
イケメンはイケメンなんだけど、今回は存在感の無い役をうまく役作りできていて、
大げさにならない演技は好感が持てます。
ちなみに作品としては映画「るろうに剣心 伝説の最期編」をボコボコに言っていますが、
佐藤健をはじめ、俳優陣は頑張っていると本当に思います。
ヒロイン的な立ち位置の瑞月を演じるのは、勢いありますね、有村架純。
このブログでも映画「ビリギャル」や映画「僕だけがいない街」などの出演作品の感想も書いていますが、
なんか邦画のキャスティングで「有村架純を出しとけばいいんじゃね」、みたいな感じになってないか心配。
有村架純はかわいいと思うけど、本来そこまでマルチな役ができる女優ではなく、逆に使いどころが難しいタイプなんじゃないかと思っている。
今回は、そこまで演技に幅の必要な役ではないので問題は無かったのですが…ちょっと心配になります。
本人の頑張りとか以前に、向いてる向いてない役ってものもあると言う事が言いたいのです。
ルームシェアしている光太郎は、こちらも今勢いにのっている菅田将暉。
彼は本当に色んな役ができる素晴らしい俳優。
今回は歌まで披露していて、役者としての幅の広さを見せてくれます。
そして、いい感じで「バカにできそうな同級生」が絶妙に演じれている、凄い。
就職対策本部になった部屋に住む里香は二階堂ふみ。
映画「地獄でなぜ悪い」でもチラつかせていた胸が今回も何故か気になる。
二階堂ふみの圧のある演技が今回の映画のあるシーンに合っていたと思います。
なんかサカナクション風の格好をしている里香の彼氏隆良役を岡田将生が演じています。
後ほど触れますが、なんだかんだ「最も目に見えて成長している」のは彼なんじゃないかと思います。
あと、拓人の先輩であるサワ先輩を山田孝之が演じています。
こんな「眼光のするどい大学院生」がいてたまるか!って思いますが、
全てを見通しているような役ができるのは「山田孝之の説得力」があってこそ。
キャスティングだけ見てたら「豪華」って感じはします。
就職活動をしそうなタイミングの20歳前後にもウケは良いし、
その時期はもうとっくに終わってるけど…っていう年齢層の人達にも嫌がられないバランスのキャスティングだと思います。
さて、映画「何者」の感想ですが、まずは結論を。
映画「桐島、部活やめるってよ」の方が好き!…というか比べるまでいかなかった…というのが感想。
映画「何者」が悪い映画だとは思わないけど、観て心揺さぶったのは圧倒的に「桐島」の方でした。
人それぞれ好みがあるので、「何者」の方がグサッときた!って人もいると思いますが、
まあ映画の感想なんて人それぞれが当たり前なので…個人的には「桐島」の方が良かったです。
人は生きていく中で、また生きてきた過程の中で「色んな価値観だとか感覚が形成」されていくもの。
もし、自分が大学時代に就職活動をして何社も面接に行った過去がある、とか、
現在twitterを頻繁に更新したり、裏アカウントと呼ばれるものを駆使してる、とか。
友達と表面上はうまくやっていても…とか。
観る人が主人公拓人や登場人物などと重なるところがあればあるほど、心に響きやすい作品だと思います。
もちろん、この映画は「成長物語」であるので、
「就活」が、とか、「twitter」が、なんてのは映画を構成する要素でしかないのだが、
そこにのれる、のれないってのは「観る人の人生というか、感覚」に委ねられると思う。
まあ、どんな映画にもそういう事はあるのだけど、特に今回の映画「何者」の評価が分かれるのは、
「そういう感覚で左右される部分が大きい映画」だって事だと思っています。
ただ、それでも多くの人にとって、
「自分は賢い」とか、
「自分以外の人間はダメな奴」っていう感覚は少なからずあったり、
今は違ったとしても、そう考えた時期とかは多少あるんじゃないかなあ…って思います。
それに心当たりのある人は、この映画が心に響く要素になるかなと。
あんまり書くとネタバレになってしまうので、遠まわしにしか書きませんが、
例えばこのブログ!!
偉そうに「この映画がダメ」とか「こういう演出が台無し」とか言ってるけど、
じゃあ「お前はどうなんだ!?こういう映画とか作れるのか!!」っていう感じ。
他人について一見冷静に分析したり、一著前な批判なんか書いてるやつ、
じゃあそういう事を言ってる奴がどれだけ凄いんだっていうと…実は空っぽだったりする。
そういう事ありますよねって。
まあ、このブログと今回の映画「何者」で取り扱っている「悪口」はちょっと種類が違うので、
分かりやすく例えてみたけど、逆に分かりづらくなってしまったか。
ちょっと映画「何者」とは別の話ですが、
もし、「偉そうに映画の批判とかしやがって」みたいな話になったとしたら、
「金払って時間も割いて観た映画の感想を正直に書いて何が悪い!」っていうロジックになる。
だから自分は観てない映画は絶対に批判しない…はず。
これはダメだろうなぁってある程度の予想をしながら映画を観て、ダメじゃねえか!って事はあるけど。
うーん、ネタバレをせずにこの映画「何者」の話をするのが結構難しいのですが、そういう事ですよね。
文句とか偉そうな事を言うのは簡単だけど、実際やるのは難しいっていう事と、
そして、こちらも例えるなら、自分が中学時代の話。
下校途中に目の前の道を英語の先生が先に歩いていて、友達と聞こえてないだろうと思ってその先生の悪口を言っていたら、
一通り悪口を言い終わった後に、ギロッと振り向かれた…そんな気まずい経験がありまして。
ああいうのって気まずいですよね。
そんな感じ…ですかね…。
ネタバレも含めて感想を書きたいところですが、基本的にネタバレは自分がされたくないって気持ちがあるし、
数年前の映画ならまだしも、特に現在劇場で公開している映画のネタバレはやっぱ止めた方が良いですよね。
で、悪い映画じゃなかったのですが、自分が「桐島ほどのれなかった」のは何でかなって考えたのですが、
先ほども書いた様に自分が経験してきた事が映画に追いついてないって部分はあると思う。
すいません、未熟者で。
あと、映画後半に起きるいわゆる「どんでん返し」ってところが、「別にそこはどうでもよくね?」みたいに受け止めてしまった事。
実は二宮拓人はこうだった!…えっ、だから??
実は二宮拓人はこんな奴だった!…えっ、そんな気はしてたけど??
って言うか、映画序盤から言ってる事とやってる事違ったじゃん普通に…って思ってしまったり。
うーん。
そんな訳で、後輩の「桐島より凄い!」っていう熱い思いが自分には伝わらず、なんか俺が悪いのかなぁ…なんて自己反省も。
ただ、映画「何者」が伝えようとしている色んな経験をして、「何者でもなかった者が何者かになる」っていう感じは良いと思います。
だから、この映画が好きだ、とか、心に刺さったっていう人がいるのも分かる…かなあって。
あと、表現方法としてある部分を演劇にしてみせるっていう方法がなるほど、と思ったりもしましたが、
カメラの写し方で、「この人はこの人なんだ!」っていう時のアップの画があまりにもアップすぎて、
ちょっと窮屈というか、くどい!って思ってしまった。
アップの意図は分かるんだけど、あんまりにも続くと…嫌だなって。
自分を表現することの暑苦しさっていう部分も込みの画作りだとは思うけど…やりすぎだろ!
あと、アップの画の事でいうと、今回は普通の大学生って事であえてなんだろうけど有村架純のアップがあんまり可愛くない。
拓人が見とれるシーンの有村架純はちゃんと可愛く撮っているので、可愛くないアップも意図的なんだろうけど、
ちょっとどうなのと思うぐらいにアップが出てくるので、有村架純的にはどうなんだろうかって心配になる。
で、映画終盤ですが小早川里香から主人公の二宮拓人が、
「だからあんたは内定がもらえないんだ!」という様なセリフがあるのだが、
この映画「何者」を観て一番の違和感がここ。
社会人から言わせてもらえば「面接なんかじゃ何にもわかんねーよ!」って。
大企業ともなるとディベートとかもやって、就職するまでに色んな段階があるのだろうけど、
そこで本当に必要な人、不必要な人なんて判断できたら、会社に駄目な社員なんて存在しない。
入れてから「しまった…こんな奴だったか!」みたいな事はどんなけでもある。
まあ、あくまで「内定」っていうのは1つの例え、みたいなもので、
言いたいのは「他の人から必要とされる、とか認められる」って事なんだけどさ…わかるけど、のれない。
そして、映画が成長物語であって「若者から大人へ」という事を言っているのに、
瑞月が諸事情でグローバル思考から変わったという「不条理も受け入れる」のが大人というなら、
それってただ環境に流されただけじゃん!って。
確かに世の中に出ると不条理なことだらけで、
「自分とは関係ないことで自分の選択肢が限られていってしまう」事もあるんだけど、
それを成長というふうにとらえるのは都合がいいなあ…なんて思ったり。
で、先ほどちょこっと触れたサカナクション風の岡田将生演じる隆良。
なんかこの映画「何者」で一番成長したのは彼なんじゃないかって。
もちろん、主人公の拓人も色んな経験をして成長したんだけど、
あんまり描かれなかったはずの隆良が、映画終盤に全てを受け入れて前に進むという。
展開的に拓人よりも早く、成長しちゃうので、なんか拓人の成長が二番煎じっぽくなってる気がする。
結局、やる事って自分を受け入れ前に進むって事だから…ねえ。
そう言えば、音楽は中田ヤスタカ。
主題歌は予告編で流れてたから知ってたけど、映画の音楽を担当してるとは思わなくって、
映画はじまって「音楽 中田ヤスカタ」とか出た時に、うわ〜ピコピコなるのか〜って思ったら、
かなりしっかり映画にあった音楽だった…ごめんなさい、正直ビックリした。
色々書いたけど「出さなきゃ採点外」って言葉はそれでもグサッときたけどね。
あと、最後の面接だけど、あんな事を言う奴は絶対面接受からないから!
面接官は「めんどくせー」ってしか思わないから。
まあ…俺が悪いんだよ…ごめんね、後輩。
映画「君の名は。」以来の映画館での鑑賞になりました。
この映画「何者」は後輩から「なんか良く分からなかった〜」って意見と「マジ最高、ヤバい!」みたいな意見があって、
もともと映画館で観るつもりは無かったのですが、これはちょっと観てみるかという事になりました。
109シネマズ名古屋のレイトショーで観てきました。
自分含めて4人しかお客さんがいなかった…しかも全員男!!
もうちょっと入っていても良いと思うのだが…世間は未だに映画「君の名は。」なんでしょうか。
映画「何者」はただいま絶賛公開中の三浦大輔監督作品。
三浦大輔監督の作品は1つ前の監督作である映画「愛の渦」しか観ていないので、
「こういう人」ってのはあんまり分からないんだけど、好き嫌いは分かれそうな気がする。
今回の映画「何者」も賛否両論みたいですが、監督の作家性とか特徴ついては他の作品も観てからしっかり考えたいと思います。
原作は朝井リョウの同名の小説。
朝井リョウと言ったら「桐島、部活やめるってよ」が代表作だと思います。
この「桐島、部活やめるってよ」はすでに実写化されてまして、
これが個人的に2012年に観た映画の中でベストな1作でした。
また映画「桐島、部活やめるってよ」については、見直した時に感想を改めて書きたい作品です。
しかしながら、映画「何者」が良かった!という後輩の感想では、
映画「桐島、部活やめるってよ」よりも面白かった!と言うのだ。
それはハードル上がりますよね。
さぞ、凄い映画が観れるんでしょう…と意気込んで映画館に行きました。
さて、映画「何者」ですが、簡単に導入部分を書くと、
就職活動中の二宮拓人はルームシェアをしている光太郎のバンドの最後のライブを観に来ていた。
そこで久々に再会する同級生の瑞月。
拓人は密かに瑞月に思いを寄せるのだが、瑞月は光太郎の元彼女でもあった。
光太郎がバンドを辞め、就職活動に専念する事になると、たまたま瑞月が部屋へ尋ねてくる。
同じアパートに就活仲間がいるので一緒に就職活動の情報交換をしながら協力しようという提案だった。
そうして、就職活動に向け一致団結するかの様にみえたのだが…というような話。
ストーリーだけ書いてしまうと、「就職活動の話」なのかって感じになってしまうのですが、
あくまで「就職活動」は1つの要素であって、この映画「何者」が言いたいのは、
「何者でもなかった者が何者かになっていく」という成長物語。
予告編では「青春が終わり、人生が始まる」と言っている。
青春というのは「まだ何者でもない状態」であり、人生というのは「何者かになってからの状態」という事なのかな。
個人的には、なんかちょっとそれは違う様な気もしますが、
分かりやすく言い換えると、若者から「大人」へっていう映画だと思います。
まず映画「何者」のキャスティングについて。
主役の拓人を演じるのは映画「るろうに剣心 伝説の最期編」では剣心役でもある佐藤健。
イケメンはイケメンなんだけど、今回は存在感の無い役をうまく役作りできていて、
大げさにならない演技は好感が持てます。
ちなみに作品としては映画「るろうに剣心 伝説の最期編」をボコボコに言っていますが、
佐藤健をはじめ、俳優陣は頑張っていると本当に思います。
ヒロイン的な立ち位置の瑞月を演じるのは、勢いありますね、有村架純。
このブログでも映画「ビリギャル」や映画「僕だけがいない街」などの出演作品の感想も書いていますが、
なんか邦画のキャスティングで「有村架純を出しとけばいいんじゃね」、みたいな感じになってないか心配。
有村架純はかわいいと思うけど、本来そこまでマルチな役ができる女優ではなく、逆に使いどころが難しいタイプなんじゃないかと思っている。
今回は、そこまで演技に幅の必要な役ではないので問題は無かったのですが…ちょっと心配になります。
本人の頑張りとか以前に、向いてる向いてない役ってものもあると言う事が言いたいのです。
ルームシェアしている光太郎は、こちらも今勢いにのっている菅田将暉。
彼は本当に色んな役ができる素晴らしい俳優。
今回は歌まで披露していて、役者としての幅の広さを見せてくれます。
そして、いい感じで「バカにできそうな同級生」が絶妙に演じれている、凄い。
就職対策本部になった部屋に住む里香は二階堂ふみ。
映画「地獄でなぜ悪い」でもチラつかせていた胸が今回も何故か気になる。
二階堂ふみの圧のある演技が今回の映画のあるシーンに合っていたと思います。
なんかサカナクション風の格好をしている里香の彼氏隆良役を岡田将生が演じています。
後ほど触れますが、なんだかんだ「最も目に見えて成長している」のは彼なんじゃないかと思います。
あと、拓人の先輩であるサワ先輩を山田孝之が演じています。
こんな「眼光のするどい大学院生」がいてたまるか!って思いますが、
全てを見通しているような役ができるのは「山田孝之の説得力」があってこそ。
キャスティングだけ見てたら「豪華」って感じはします。
就職活動をしそうなタイミングの20歳前後にもウケは良いし、
その時期はもうとっくに終わってるけど…っていう年齢層の人達にも嫌がられないバランスのキャスティングだと思います。
さて、映画「何者」の感想ですが、まずは結論を。
映画「桐島、部活やめるってよ」の方が好き!…というか比べるまでいかなかった…というのが感想。
映画「何者」が悪い映画だとは思わないけど、観て心揺さぶったのは圧倒的に「桐島」の方でした。
人それぞれ好みがあるので、「何者」の方がグサッときた!って人もいると思いますが、
まあ映画の感想なんて人それぞれが当たり前なので…個人的には「桐島」の方が良かったです。
人は生きていく中で、また生きてきた過程の中で「色んな価値観だとか感覚が形成」されていくもの。
もし、自分が大学時代に就職活動をして何社も面接に行った過去がある、とか、
現在twitterを頻繁に更新したり、裏アカウントと呼ばれるものを駆使してる、とか。
友達と表面上はうまくやっていても…とか。
観る人が主人公拓人や登場人物などと重なるところがあればあるほど、心に響きやすい作品だと思います。
もちろん、この映画は「成長物語」であるので、
「就活」が、とか、「twitter」が、なんてのは映画を構成する要素でしかないのだが、
そこにのれる、のれないってのは「観る人の人生というか、感覚」に委ねられると思う。
まあ、どんな映画にもそういう事はあるのだけど、特に今回の映画「何者」の評価が分かれるのは、
「そういう感覚で左右される部分が大きい映画」だって事だと思っています。
ただ、それでも多くの人にとって、
「自分は賢い」とか、
「自分以外の人間はダメな奴」っていう感覚は少なからずあったり、
今は違ったとしても、そう考えた時期とかは多少あるんじゃないかなあ…って思います。
それに心当たりのある人は、この映画が心に響く要素になるかなと。
あんまり書くとネタバレになってしまうので、遠まわしにしか書きませんが、
例えばこのブログ!!
偉そうに「この映画がダメ」とか「こういう演出が台無し」とか言ってるけど、
じゃあ「お前はどうなんだ!?こういう映画とか作れるのか!!」っていう感じ。
他人について一見冷静に分析したり、一著前な批判なんか書いてるやつ、
じゃあそういう事を言ってる奴がどれだけ凄いんだっていうと…実は空っぽだったりする。
そういう事ありますよねって。
まあ、このブログと今回の映画「何者」で取り扱っている「悪口」はちょっと種類が違うので、
分かりやすく例えてみたけど、逆に分かりづらくなってしまったか。
ちょっと映画「何者」とは別の話ですが、
もし、「偉そうに映画の批判とかしやがって」みたいな話になったとしたら、
「金払って時間も割いて観た映画の感想を正直に書いて何が悪い!」っていうロジックになる。
だから自分は観てない映画は絶対に批判しない…はず。
これはダメだろうなぁってある程度の予想をしながら映画を観て、ダメじゃねえか!って事はあるけど。
うーん、ネタバレをせずにこの映画「何者」の話をするのが結構難しいのですが、そういう事ですよね。
文句とか偉そうな事を言うのは簡単だけど、実際やるのは難しいっていう事と、
そして、こちらも例えるなら、自分が中学時代の話。
下校途中に目の前の道を英語の先生が先に歩いていて、友達と聞こえてないだろうと思ってその先生の悪口を言っていたら、
一通り悪口を言い終わった後に、ギロッと振り向かれた…そんな気まずい経験がありまして。
ああいうのって気まずいですよね。
そんな感じ…ですかね…。
ネタバレも含めて感想を書きたいところですが、基本的にネタバレは自分がされたくないって気持ちがあるし、
数年前の映画ならまだしも、特に現在劇場で公開している映画のネタバレはやっぱ止めた方が良いですよね。
で、悪い映画じゃなかったのですが、自分が「桐島ほどのれなかった」のは何でかなって考えたのですが、
先ほども書いた様に自分が経験してきた事が映画に追いついてないって部分はあると思う。
すいません、未熟者で。
あと、映画後半に起きるいわゆる「どんでん返し」ってところが、「別にそこはどうでもよくね?」みたいに受け止めてしまった事。
実は二宮拓人はこうだった!…えっ、だから??
実は二宮拓人はこんな奴だった!…えっ、そんな気はしてたけど??
って言うか、映画序盤から言ってる事とやってる事違ったじゃん普通に…って思ってしまったり。
うーん。
そんな訳で、後輩の「桐島より凄い!」っていう熱い思いが自分には伝わらず、なんか俺が悪いのかなぁ…なんて自己反省も。
ただ、映画「何者」が伝えようとしている色んな経験をして、「何者でもなかった者が何者かになる」っていう感じは良いと思います。
だから、この映画が好きだ、とか、心に刺さったっていう人がいるのも分かる…かなあって。
あと、表現方法としてある部分を演劇にしてみせるっていう方法がなるほど、と思ったりもしましたが、
カメラの写し方で、「この人はこの人なんだ!」っていう時のアップの画があまりにもアップすぎて、
ちょっと窮屈というか、くどい!って思ってしまった。
アップの意図は分かるんだけど、あんまりにも続くと…嫌だなって。
自分を表現することの暑苦しさっていう部分も込みの画作りだとは思うけど…やりすぎだろ!
あと、アップの画の事でいうと、今回は普通の大学生って事であえてなんだろうけど有村架純のアップがあんまり可愛くない。
拓人が見とれるシーンの有村架純はちゃんと可愛く撮っているので、可愛くないアップも意図的なんだろうけど、
ちょっとどうなのと思うぐらいにアップが出てくるので、有村架純的にはどうなんだろうかって心配になる。
で、映画終盤ですが小早川里香から主人公の二宮拓人が、
「だからあんたは内定がもらえないんだ!」という様なセリフがあるのだが、
この映画「何者」を観て一番の違和感がここ。
社会人から言わせてもらえば「面接なんかじゃ何にもわかんねーよ!」って。
大企業ともなるとディベートとかもやって、就職するまでに色んな段階があるのだろうけど、
そこで本当に必要な人、不必要な人なんて判断できたら、会社に駄目な社員なんて存在しない。
入れてから「しまった…こんな奴だったか!」みたいな事はどんなけでもある。
まあ、あくまで「内定」っていうのは1つの例え、みたいなもので、
言いたいのは「他の人から必要とされる、とか認められる」って事なんだけどさ…わかるけど、のれない。
そして、映画が成長物語であって「若者から大人へ」という事を言っているのに、
瑞月が諸事情でグローバル思考から変わったという「不条理も受け入れる」のが大人というなら、
それってただ環境に流されただけじゃん!って。
確かに世の中に出ると不条理なことだらけで、
「自分とは関係ないことで自分の選択肢が限られていってしまう」事もあるんだけど、
それを成長というふうにとらえるのは都合がいいなあ…なんて思ったり。
で、先ほどちょこっと触れたサカナクション風の岡田将生演じる隆良。
なんかこの映画「何者」で一番成長したのは彼なんじゃないかって。
もちろん、主人公の拓人も色んな経験をして成長したんだけど、
あんまり描かれなかったはずの隆良が、映画終盤に全てを受け入れて前に進むという。
展開的に拓人よりも早く、成長しちゃうので、なんか拓人の成長が二番煎じっぽくなってる気がする。
結局、やる事って自分を受け入れ前に進むって事だから…ねえ。
そう言えば、音楽は中田ヤスタカ。
主題歌は予告編で流れてたから知ってたけど、映画の音楽を担当してるとは思わなくって、
映画はじまって「音楽 中田ヤスカタ」とか出た時に、うわ〜ピコピコなるのか〜って思ったら、
かなりしっかり映画にあった音楽だった…ごめんなさい、正直ビックリした。
色々書いたけど「出さなきゃ採点外」って言葉はそれでもグサッときたけどね。
あと、最後の面接だけど、あんな事を言う奴は絶対面接受からないから!
面接官は「めんどくせー」ってしか思わないから。
まあ…俺が悪いんだよ…ごめんね、後輩。
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