2016年08月13日
映画「ストレイヤーズ・クロニクル」の感想…邦画でよくある「急ぎなさいよ!」ってやつ。
今回は映画「ストレイヤーズ・クロニクル」の感想。
昨日感想を書いた映画「青鬼 ver.2.0」が準新作だったため、
旧作とは返却日が違って短いので一足先に返却。
…レンタルショップって返却したらついつい何か借りたくなっちゃいますよね。
しかも今なら14日も借りれるキャンペーン中だし。
何を借りようかな〜と色々見ていた中で目に止まった1つが映画「ストレイヤーズ・クロニクル」でした。
本多孝好による小説作品が原作の映画ですが、原作は読んでいません。
映画は2015年に公開され、監督を任せられたのは瀬々敬久。
瀬々敬久監督はピンク映画出身でありますが、最近ですと映画「64-ロクヨン- 前編/後編」の監督でもあります。
個人的に瀬々敬久監督の最初に観た作品はHYDEとGacktが主演の映画「MOON CHILD」。
当時劇場で観ましたが公開が2003年との事…そうですか…もう13年も経っていましたか…。
あの時はまだ山本太郎は今みたいな感じじゃなかったんだけどなあ。
…それは置いておきまして、幅広いジャンルの監督をしています。
今回の映画「ストレイヤーズ・クロニクル」を観ても、ベテランの雰囲気というか丁寧に作られていると感じる部分はある。
話としては、とある秘密結社の実験によって特殊な能力を持った子供達が作られたが、
その特殊な能力のため破綻という脳が停止する症状がでたり、寿命が短かったり、生殖機能がなかったりした。
そんな子供達が大人になった時、それぞれの思いで行動を始める…大雑把にいうとこんな感じかな。
いわゆる主人公チームとライバルチームみたいに分かれていて、
主人公チームは親が特殊なストレスを与えられ、その親から生まれてくる子供に特殊な能力をつける実験。
つまりは結構「親が大変な思いをしてる」と思うのだが、そこら辺は全く語られない。
特殊能力を使うと脳に負荷がかかり、使いすぎると先ほど書いた破綻という症状が出て時に命を落とすとか。
ライバルチームは遺伝子操作によって特殊能力をつける実験。
こちらは破綻という症状はないが、急速な細胞分裂をしているため短命…20前後で死んでしまう。
さらに生殖能力がないため、子供がつくれない。
主人公チームは研究にも立ちあっていた渡瀬という政治家の元で、特殊能力を使ったミッションをこなしている。
ライバルチームは延命の方法を探るため自分達を作った研究者のリム・シェンヤンを拉致しようとする。
主人公、岡田将生演じるスバルは渡瀬の命令でライバルチームのチームアゲハを捕獲しようとするが…。
まあ、ありがちな設定かなとも思いますが、それはそれで面白くなりそうな気がします。
しかし、主人公チームとチームアゲハが色んな葛藤を抱えながら火花を散らす…のかと思いきや、
あんまりチーム同士でバトルってのはない。
それぞれ特殊能力を持っているのだけど、戦闘向きな能力を持っている人が限られてて、
あんまりチーム同士の戦いってのは向いてなかったんだろうなあ。
とりあえず、それぞれの能力をさらっと書いてみます。
主人公、「スバル」の特殊能力は「相手の動きを先読み」する事ができる。
そのため、敵が高速で襲ってきても対応ができるし飛び降りようとする女の子を止めたりできる。
主人公チームには、成海璃子演じる沙耶、瀬戸利樹演じる隆二、清水尋也演じる良介がる。
「沙耶」は「凄い聴力」があってかすかな声や遠い場所の音を聞き分けて状況を判断できる。
成海璃子なんか久しぶりだなあ…なんで凄い聴力を持っていてデカイ音がなると耳を押さえるぐらいなのに、
楽器演奏をする部活をしているのだろうか…そんなけ音楽が好きってことかもしれないけど、
映画の尺だと説明しきれないから、ただただ自分でうるさい環境に言っているという気がしてならない。
「隆二」は「高速で移動ができる」能力があり、珍しく戦闘向き。
後ほど書きますがライバルチームにも高速で移動できる能力者がいて、
二人で何回か戦っているのですが、彼らが竹やぶで戦うとなぜか竹が切れる。
「良介」は1度見たものを映像としてストックできる記憶力。
全く戦闘向きでないし、あんまり彼の能力が活かされないのがもったいない。
チームアゲハって何?っていう説明キャラで終わってしまった感。
ライバルのチームアゲハは、染谷将太演じる学、黒島結菜演じる碧、松岡茉優演じるモモ、
高月彩良演じる静、鈴木伸之演じる壮、柳俊太郎演じるヒデの6人。
「学」は特殊なウイルスを保有していて、死んだらそのウイルスが外にでるとか…。
車椅子で超能力っていったら「プロフェッサーX」じゃないのか!?
チームリーダーなのでもっと凄い能力かと思っていたのだが、本当にそんなけ。
本気の車椅子での生活のため、全く戦闘向きでもないし…。
「碧」はなんかレーダー的な感知能力があって、見えないところのことも知ることが出来たり。
最初の登場時にその能力を使っているけど、その後全く活かされない…もったいない。
ネタバレ…でもないので書いておきますが、彼女は唯一チームアゲハの中では生殖機能があるそうな。
「モモ」は口から鉄片を飛ばす事ができる、遠距離攻撃要員。
今をときめく松岡茉優ですが、あんまりこの映画では目立たない。
まあ目出させる役でもないのですが…ちょっともったいない気もします。
あれは結局何を飛ばしているのか?
やっぱ歯の矯正の鉄??
「静」は相手の動きを封じる力とキスをすることで相手の命を奪う事ができる能力。
ちょっとトリッキーな力のため、やっぱりあんまり戦闘向きじゃない。
「壮」は先ほど書いた隆二と同じ「高速で移動できる能力」の持ち主。
早く動けるってのは便利だよね。
そして「ヒデ」は硬質化が出来る。
銃で撃たれてもへっちゃらなぐらい硬いし、爪も鋭いので近距離戦闘要員。
こんな感じのメンバー編成です。
で、さっきも書いたんですが、「メンバーの半数以上が戦闘向きじゃない」ので、
チーム同士が戦うぞ〜となっても戦えるメンバーが少ないのであんまりワクワクがない。
この能力とこの能力が戦ったらどうなるんだ…みたいな少年漫画にあるような感じはない。
それどころか、あんまりチーム同士で戦わない…そういう話だから仕方がないのだろうけど、
もったいないなあ…なんか。
例えば、同じような境遇の2チームがあったなら、
いわゆる1つは人を世界を守る、もう1つは人を世界を壊すのが正義の価値観をもっていて、
お互いに境遇も同じだから分かり合える部分もあるが、譲れない部分もあって葛藤が生まれる。
みたいな、ありがちな展開でも全然良かったのに〜。
やっぱり敵ってのは主人公の影の存在って方が盛り上がると思うんだけどなあ。
今回、わりと早い段階から敵がライバルチームじゃなくなっちゃうのでトーンダウン。
しかもその敵ってのがよくわからない。
学を殺すことで80%の人が死ぬが、20%の生き残った人が新たな世界を作るって言うんだけど、
学のウイルスというか毒で死ぬか生きるかってのは「完全に運」って描写のため、
それで生き残った人間が何を根拠に新たな世界を築くにふさわしい存在なのか不明。
えっ、なに、とりあえず人口を減らしたいだけなの??
だったらもっと別の方法でもよくね…みたいな。
しかも「学が死んだら8割の人間が死ぬ」って存在のわりに結構ほっとかれてるのが怖い。
もし、不慮の事故とか意図せずに死んでたらどうしたんだって…もうちょっと真剣に探せよ。
施設を脱走したのは良いんだけど、そんなコワイ存在なら大人は探せ!最重要人物でしょうが!!
で、漫画とか小説の映画化ってどうしても尺の問題があるから、
「何を描写して何をしないか」って考えなきゃいけないと思うんですよ。
わりとめんどくさい原作なんじゃないかと思うと、映画にするために絞っている感じはある。
ただ、全体的に長いし話としてもスッキリしないし…いや本来スッキリする映画じゃないのだろう。
そう考えると映画の内容とパッケージのデザインが乖離している。
タイトルの響きだけでジャケットデザインしてないか!?
特殊な能力を駆使したアクション映画なのかなと想像してレンタルした人は多分がっかりしている。
そういう気持ちに応えようと頑張っている部分があるだけに微妙なバランス。
長くなってしまったので気になるところをさらっと書きます。
壮が最後の力を振り絞って戦いを挑むんだけど、その時使用するあの薬はなに!?
いや、あの薬で命を削りながらも能力を出したって分かるんだけど、
そんな事が可能なら能力を抑えて寿命を延ばす薬って作れないものかな。
とりあえず説明もなく、その時だけ出てくるからあの薬に違和感。
だったら、特殊部隊に襲撃されるときに、ヒデとかがあの薬を使って、
最後に強力な力を発揮するけど、やはり命が削られて…みたいな使い方があっても良いんじゃないかな。
そして、一番気になったのが、クライマックス手前で学がさらわれるんだけど、
追うスバルに元仲間の亘が邪魔をしにくるのね。
いろいろあって元仲間の亘を殺さなくてはいけない…その状況は確かに苦しい決断だけど、
学が車でさらわれていて、このままでは多くの人の命が無くなるかも…って時に、
結構時間を使って感傷にひたるのね…いや、分かるよ、大切な仲間を手にかけたって。
でも、そうまでしても敵の計画を止めるって訳だから、さっさと追いなさいよ!!
悲しんでいる暇なんてないって!!
そして、その後仲間と合流して学を追うんだけど敵は車で逃げたのに対して、
彼らの移動手段は徒歩!!
え〜、それって何時間かかるんすか〜、しかも1人は足を引きずっているんですけど。
ちょっと無理なくない?
たまに邦画でそんな感じのありますよね…すっごい急がなきゃいけないはずなのに、
とことん感傷に浸ってたり、その移動手段で行くの!?みたいな観てる観客と登場人物たちの時間感覚の違和感。
あれ、やめてほしいわ〜。
ちなみにそんな徒歩でも結果的に間に合うという…なに、敵はやる気あるの?
自然に死ぬのを待ってるんだろうけど、結構大変だよそれって。
妻は9時間もほっとかれたとか言ってるけど、9時間後には誰かが気づいたんでしょ?
何分だったら良かったわけよ。
そして血だらけのジャケットをきた男が銃とかつきつけてたらさすがに誰か警察に通報するでしょ。
子供も遊んでる訳だし。
映画の途中で「こうするとウイルスの発生を防げる」みたいなのが観てる人にも知らせられるんだけど、
これ絶対学はこうなるじゃんって予測させるし、全くその通りになるし…うーん。
あと最後にとある人物の破綻を回復させるんだけど、
結構大切な薬を雑に扱うという…あの成分とか調べなくていいの??
そして、チームアゲハの願いである碧に対して、
誘いはしたけど彼女は一人で歩みはじめた…みたいのってそれで良いの?
ちゃんと陰ながらサポートするんならいいんだけど、
あの映画の終わり方だとじゃあ頑張ってぐらいな演出だけど…。
…っていうね。
なんかもったいないな〜。
途中で流れるゲスの極み乙女。の歌が今となっては何か笑える。
しかもちょっと内容とあってないのが切ない。
ライバルに勝つために特訓をするのは王道だと思うけど、
なんか主人公の特訓が「戦術VTRを観てるだけで強くなる」みたいな感じだから気持ちが上がらない。
もっと特訓って苦しいものじゃないのだろうか。
そして高速移動は腕立て伏せとかで強くなるものなのだろうか。
結論としては、もっと設定を活かせる映画に出来たはず。
原作がどうなのか分からないけど映画のために変えてもいいんじゃないかな。
なんでスバルが人の命を守るって動いてるのか描写不足だし、
敵の行動がさっき書いたみたいに意味不明だし。
でも、さすがというかなんというか、
この映画「ストレイヤーズ・クロニクル」は撮影がもっとも勢いのあるカメラマンの近藤龍人。
確かに雰囲気ある画づくりだった。
このブログではちょっと前に書いた映画「リアリズムの宿」の撮影もしています。
やっぱり引き画の綺麗さ、特に自然とか建物とかの入れ込み方がキッチリしてますよね。
昨日感想を書いた映画「青鬼 ver.2.0」が準新作だったため、
旧作とは返却日が違って短いので一足先に返却。
…レンタルショップって返却したらついつい何か借りたくなっちゃいますよね。
しかも今なら14日も借りれるキャンペーン中だし。
何を借りようかな〜と色々見ていた中で目に止まった1つが映画「ストレイヤーズ・クロニクル」でした。
本多孝好による小説作品が原作の映画ですが、原作は読んでいません。
映画は2015年に公開され、監督を任せられたのは瀬々敬久。
瀬々敬久監督はピンク映画出身でありますが、最近ですと映画「64-ロクヨン- 前編/後編」の監督でもあります。
個人的に瀬々敬久監督の最初に観た作品はHYDEとGacktが主演の映画「MOON CHILD」。
当時劇場で観ましたが公開が2003年との事…そうですか…もう13年も経っていましたか…。
あの時はまだ山本太郎は今みたいな感じじゃなかったんだけどなあ。
…それは置いておきまして、幅広いジャンルの監督をしています。
今回の映画「ストレイヤーズ・クロニクル」を観ても、ベテランの雰囲気というか丁寧に作られていると感じる部分はある。
話としては、とある秘密結社の実験によって特殊な能力を持った子供達が作られたが、
その特殊な能力のため破綻という脳が停止する症状がでたり、寿命が短かったり、生殖機能がなかったりした。
そんな子供達が大人になった時、それぞれの思いで行動を始める…大雑把にいうとこんな感じかな。
いわゆる主人公チームとライバルチームみたいに分かれていて、
主人公チームは親が特殊なストレスを与えられ、その親から生まれてくる子供に特殊な能力をつける実験。
つまりは結構「親が大変な思いをしてる」と思うのだが、そこら辺は全く語られない。
特殊能力を使うと脳に負荷がかかり、使いすぎると先ほど書いた破綻という症状が出て時に命を落とすとか。
ライバルチームは遺伝子操作によって特殊能力をつける実験。
こちらは破綻という症状はないが、急速な細胞分裂をしているため短命…20前後で死んでしまう。
さらに生殖能力がないため、子供がつくれない。
主人公チームは研究にも立ちあっていた渡瀬という政治家の元で、特殊能力を使ったミッションをこなしている。
ライバルチームは延命の方法を探るため自分達を作った研究者のリム・シェンヤンを拉致しようとする。
主人公、岡田将生演じるスバルは渡瀬の命令でライバルチームのチームアゲハを捕獲しようとするが…。
まあ、ありがちな設定かなとも思いますが、それはそれで面白くなりそうな気がします。
しかし、主人公チームとチームアゲハが色んな葛藤を抱えながら火花を散らす…のかと思いきや、
あんまりチーム同士でバトルってのはない。
それぞれ特殊能力を持っているのだけど、戦闘向きな能力を持っている人が限られてて、
あんまりチーム同士の戦いってのは向いてなかったんだろうなあ。
とりあえず、それぞれの能力をさらっと書いてみます。
主人公、「スバル」の特殊能力は「相手の動きを先読み」する事ができる。
そのため、敵が高速で襲ってきても対応ができるし飛び降りようとする女の子を止めたりできる。
主人公チームには、成海璃子演じる沙耶、瀬戸利樹演じる隆二、清水尋也演じる良介がる。
「沙耶」は「凄い聴力」があってかすかな声や遠い場所の音を聞き分けて状況を判断できる。
成海璃子なんか久しぶりだなあ…なんで凄い聴力を持っていてデカイ音がなると耳を押さえるぐらいなのに、
楽器演奏をする部活をしているのだろうか…そんなけ音楽が好きってことかもしれないけど、
映画の尺だと説明しきれないから、ただただ自分でうるさい環境に言っているという気がしてならない。
「隆二」は「高速で移動ができる」能力があり、珍しく戦闘向き。
後ほど書きますがライバルチームにも高速で移動できる能力者がいて、
二人で何回か戦っているのですが、彼らが竹やぶで戦うとなぜか竹が切れる。
「良介」は1度見たものを映像としてストックできる記憶力。
全く戦闘向きでないし、あんまり彼の能力が活かされないのがもったいない。
チームアゲハって何?っていう説明キャラで終わってしまった感。
ライバルのチームアゲハは、染谷将太演じる学、黒島結菜演じる碧、松岡茉優演じるモモ、
高月彩良演じる静、鈴木伸之演じる壮、柳俊太郎演じるヒデの6人。
「学」は特殊なウイルスを保有していて、死んだらそのウイルスが外にでるとか…。
車椅子で超能力っていったら「プロフェッサーX」じゃないのか!?
チームリーダーなのでもっと凄い能力かと思っていたのだが、本当にそんなけ。
本気の車椅子での生活のため、全く戦闘向きでもないし…。
「碧」はなんかレーダー的な感知能力があって、見えないところのことも知ることが出来たり。
最初の登場時にその能力を使っているけど、その後全く活かされない…もったいない。
ネタバレ…でもないので書いておきますが、彼女は唯一チームアゲハの中では生殖機能があるそうな。
「モモ」は口から鉄片を飛ばす事ができる、遠距離攻撃要員。
今をときめく松岡茉優ですが、あんまりこの映画では目立たない。
まあ目出させる役でもないのですが…ちょっともったいない気もします。
あれは結局何を飛ばしているのか?
やっぱ歯の矯正の鉄??
「静」は相手の動きを封じる力とキスをすることで相手の命を奪う事ができる能力。
ちょっとトリッキーな力のため、やっぱりあんまり戦闘向きじゃない。
「壮」は先ほど書いた隆二と同じ「高速で移動できる能力」の持ち主。
早く動けるってのは便利だよね。
そして「ヒデ」は硬質化が出来る。
銃で撃たれてもへっちゃらなぐらい硬いし、爪も鋭いので近距離戦闘要員。
こんな感じのメンバー編成です。
で、さっきも書いたんですが、「メンバーの半数以上が戦闘向きじゃない」ので、
チーム同士が戦うぞ〜となっても戦えるメンバーが少ないのであんまりワクワクがない。
この能力とこの能力が戦ったらどうなるんだ…みたいな少年漫画にあるような感じはない。
それどころか、あんまりチーム同士で戦わない…そういう話だから仕方がないのだろうけど、
もったいないなあ…なんか。
例えば、同じような境遇の2チームがあったなら、
いわゆる1つは人を世界を守る、もう1つは人を世界を壊すのが正義の価値観をもっていて、
お互いに境遇も同じだから分かり合える部分もあるが、譲れない部分もあって葛藤が生まれる。
みたいな、ありがちな展開でも全然良かったのに〜。
やっぱり敵ってのは主人公の影の存在って方が盛り上がると思うんだけどなあ。
今回、わりと早い段階から敵がライバルチームじゃなくなっちゃうのでトーンダウン。
しかもその敵ってのがよくわからない。
学を殺すことで80%の人が死ぬが、20%の生き残った人が新たな世界を作るって言うんだけど、
学のウイルスというか毒で死ぬか生きるかってのは「完全に運」って描写のため、
それで生き残った人間が何を根拠に新たな世界を築くにふさわしい存在なのか不明。
えっ、なに、とりあえず人口を減らしたいだけなの??
だったらもっと別の方法でもよくね…みたいな。
しかも「学が死んだら8割の人間が死ぬ」って存在のわりに結構ほっとかれてるのが怖い。
もし、不慮の事故とか意図せずに死んでたらどうしたんだって…もうちょっと真剣に探せよ。
施設を脱走したのは良いんだけど、そんなコワイ存在なら大人は探せ!最重要人物でしょうが!!
で、漫画とか小説の映画化ってどうしても尺の問題があるから、
「何を描写して何をしないか」って考えなきゃいけないと思うんですよ。
わりとめんどくさい原作なんじゃないかと思うと、映画にするために絞っている感じはある。
ただ、全体的に長いし話としてもスッキリしないし…いや本来スッキリする映画じゃないのだろう。
そう考えると映画の内容とパッケージのデザインが乖離している。
タイトルの響きだけでジャケットデザインしてないか!?
特殊な能力を駆使したアクション映画なのかなと想像してレンタルした人は多分がっかりしている。
そういう気持ちに応えようと頑張っている部分があるだけに微妙なバランス。
長くなってしまったので気になるところをさらっと書きます。
壮が最後の力を振り絞って戦いを挑むんだけど、その時使用するあの薬はなに!?
いや、あの薬で命を削りながらも能力を出したって分かるんだけど、
そんな事が可能なら能力を抑えて寿命を延ばす薬って作れないものかな。
とりあえず説明もなく、その時だけ出てくるからあの薬に違和感。
だったら、特殊部隊に襲撃されるときに、ヒデとかがあの薬を使って、
最後に強力な力を発揮するけど、やはり命が削られて…みたいな使い方があっても良いんじゃないかな。
そして、一番気になったのが、クライマックス手前で学がさらわれるんだけど、
追うスバルに元仲間の亘が邪魔をしにくるのね。
いろいろあって元仲間の亘を殺さなくてはいけない…その状況は確かに苦しい決断だけど、
学が車でさらわれていて、このままでは多くの人の命が無くなるかも…って時に、
結構時間を使って感傷にひたるのね…いや、分かるよ、大切な仲間を手にかけたって。
でも、そうまでしても敵の計画を止めるって訳だから、さっさと追いなさいよ!!
悲しんでいる暇なんてないって!!
そして、その後仲間と合流して学を追うんだけど敵は車で逃げたのに対して、
彼らの移動手段は徒歩!!
え〜、それって何時間かかるんすか〜、しかも1人は足を引きずっているんですけど。
ちょっと無理なくない?
たまに邦画でそんな感じのありますよね…すっごい急がなきゃいけないはずなのに、
とことん感傷に浸ってたり、その移動手段で行くの!?みたいな観てる観客と登場人物たちの時間感覚の違和感。
あれ、やめてほしいわ〜。
ちなみにそんな徒歩でも結果的に間に合うという…なに、敵はやる気あるの?
自然に死ぬのを待ってるんだろうけど、結構大変だよそれって。
妻は9時間もほっとかれたとか言ってるけど、9時間後には誰かが気づいたんでしょ?
何分だったら良かったわけよ。
そして血だらけのジャケットをきた男が銃とかつきつけてたらさすがに誰か警察に通報するでしょ。
子供も遊んでる訳だし。
映画の途中で「こうするとウイルスの発生を防げる」みたいなのが観てる人にも知らせられるんだけど、
これ絶対学はこうなるじゃんって予測させるし、全くその通りになるし…うーん。
あと最後にとある人物の破綻を回復させるんだけど、
結構大切な薬を雑に扱うという…あの成分とか調べなくていいの??
そして、チームアゲハの願いである碧に対して、
誘いはしたけど彼女は一人で歩みはじめた…みたいのってそれで良いの?
ちゃんと陰ながらサポートするんならいいんだけど、
あの映画の終わり方だとじゃあ頑張ってぐらいな演出だけど…。
…っていうね。
なんかもったいないな〜。
途中で流れるゲスの極み乙女。の歌が今となっては何か笑える。
しかもちょっと内容とあってないのが切ない。
ライバルに勝つために特訓をするのは王道だと思うけど、
なんか主人公の特訓が「戦術VTRを観てるだけで強くなる」みたいな感じだから気持ちが上がらない。
もっと特訓って苦しいものじゃないのだろうか。
そして高速移動は腕立て伏せとかで強くなるものなのだろうか。
結論としては、もっと設定を活かせる映画に出来たはず。
原作がどうなのか分からないけど映画のために変えてもいいんじゃないかな。
なんでスバルが人の命を守るって動いてるのか描写不足だし、
敵の行動がさっき書いたみたいに意味不明だし。
でも、さすがというかなんというか、
この映画「ストレイヤーズ・クロニクル」は撮影がもっとも勢いのあるカメラマンの近藤龍人。
確かに雰囲気ある画づくりだった。
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