2019年01月30日
アニメ映画「メアリと魔女の花」の感想…「魔法なんていらない」という分かりやすすぎるメッセージ。
今日はアニメ映画「メアリと魔女の花」の感想です。
以前感想を書いた、映画「ボヘミアン・ラプソディ」を一緒に観にいった後輩から、
オススメの連絡が来たのでDMMのリストに入れていたら届いたのがこの映画。
という訳で今回はDMMの月額レンタルのDVDでの鑑賞です。
アニメ映画「メアリと魔女の花」は2017年公開の米林宏昌監督作品。
米林宏昌監督と言えばスタジオジブリの映画「思い出のマーニー」も監督していましたが、
今回の作品はジブリ退社後のスタジオポノックとしての初長編映画。
この映画の原作はメアリー・スチュアートによる小説「The Little Broomstick」で、
日本語にも訳されて発売されいますが、こちらは未読です。
物語のあらすじですが、
ある1人の魔女が燃える建物から不思議な花の種を盗み出すところから始まる。
追っ手から逃げる最中に力尽き、森へと落下してしまうのだった。
それから何年も時間が経った。
赤毛の女の子メアリは大叔母さんの家に引越しをしてきた。
両親は仕事で忙しく先に1人で引っ越してきたメアリは、
誰かの役に立ちたいと思うのだが上手くいかず、もやもやしていた。
そんなある日、ネコを追っかけていくと不思議な花を見つけたのであった…みたいな感じかな。
声優ですが、
主人公のメアリ・スミスは杉咲花が担当。
このブログで感想を書いた映画「無限の住人」や映画「湯を沸かすほどの熱い愛」に出演。
彼女の事を思い出そうとすると下着姿で牛乳を吐くシーンが1番最初に出てくるのですが、
良い女優になると思う。
ある事件に巻き込まれてしまう少年ピーターは神木隆之介が担当。
映画「君の名は。」でも声優はしていましたが、
なんかすでに安定感がありますよね。
その他、天海祐希、小日向文世、佐藤二朗、
遠藤憲一、満島ひかり、大竹しのぶなどが参加しています。
さて、アニメ映画「メアリと魔女の花」の感想ですが、
納得いかない点はあるけど、概ね楽しく観れた映画でした。
実は、正直観る前はあまり期待していなかったのですが、
観た後はちゃんと押さえるところは押さえてあって楽しかったなと。
そんな印象を持ちました。
まずスタジオポノックとしての第1回目の記念すべき作品なのですが、
「そこが大変」だったのだろうと思う。
つまり「ジブリっぽいけどジブリではない」のだ。
ジブリの新作といえば、それだけでスポンサーなどお金が集まるところ、
いかに米林宏昌監督がジブリで頑張っていたと知られていても、
ジブリであるかジブリでないか、は、お金の集め方に違いが出たと思う。
「金は無いのにプレッシャーだけはある」、そんな背景を想像するのは容易い。
まあまあ、それでも制作に連ねる社名を見れば、
他のアニメ映画などに比べたら恵まれてる部分もあるんだけどね。
あくまで「ジブリと比べたら」、という事なのですが。
そんなプレッシャーのかかる状況で、
一定のクオリティを越えているのは好感が持てる。
アニメ映画でまず大事なのは「アニメーション」だと思うのですが、
この部分は及第点はあったと思います。
ジブリの印象が強いのでそれこそ大変だったと思いますが、
アニメ映画「鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星」とか低クオリティアニメーションがあるので、
どんな感じになるのかと思ったけど、この点は大丈夫でした。
あの映画が酷すぎただけなんですけどね。
あと先ほど書いた「押さえるところは押さえてる」ってのと楽しかったってのは、
「物語の構成」が大きかったと思います。
起・承・転・結、この展開が本当に分かりやすい。
ネタバレにはならないようにしますが、
クライマックスの前には主人公はボロボロの状態になっており、
こんな状態でいったいどうすればいいのか。
やっぱりあそこそこまで下げてからのクライマックスってのは、
まあ「王道」なんですけど楽しく観る事ができました。
で、ここまでは良い点を書いてきたのですが、
ここからは、どうなのかなという部分になってきますので、
もしこの映画が好きだって人は読まない方が良いかもしれません。
まず、先ほど「物語の構成」は良かったと書いたのですが、
「物語そのもの」が少し乗りきれないのは残念でした。
メアリが不思議な花である「夜間飛行」を見つけるシーンですが必然がない。
ティブとギブという猫を追っていった先でたまたま見つけるのだけど、
なんであの猫はメアリを導いていったのか謎。
言い換えれば、あの猫たちが余計な事をしなければ、
誰にも迷惑がかからなかったという話なのである。
なんか意味あるのかなと思ったけど、本当にないんですよね。
導いただけならまだ、たまたまで説明できるのですが、
わざわざ猫が花の実をメアリに投げるんですよ。
これは確信犯ですよね。
つまりこの映画で悪いのはあの猫なんです。
で、猫の飼い主であるのはピーターなので、
彼が連れ去られても飼い主の責任でもあるのでやむなし。
という考えもできなくはない…冗談ですけどね。
そしてこの映画のいわゆるテーマというかメッセージについてですが、
「宮崎駿ほど拗れた人であれば分かりづらいので良かった」と思うのですが、
たぶん米林宏昌監督はあそこまでは拗れてないんでしょうね、
すっごく「分かりやすく映像」にしてしまっているんですよ。
劇中でも「電気も魔法の1つ」みたいな台詞でも言わせるし、
明らかに「クライマックスの表現がメルトダウン」なんですよね。
本編では魔法というか「夜間飛行」を扱いきれない力と言うのだけど、
つまりは原子力とか人間で扱いきれない力のメタファーなのである。
この映画「メアリと魔女の花」で悪者の立ち位置で、
ある2人のキャラクターが登場するのですが、
基本的にはその2人がやろうとしてる事は悪い事ではないんですよ。
ちょっとネタバレになるけど、
「誰でもあらゆる魔法が使えるようにしたい」という夢のために動いている。
それだけにクライマックスでの台詞で、
「あらゆる魔法が使える怪物だぞ」というは違和感を感じますが、
米林宏昌監督の伝えたい事はひしひしと伝わってきます。
そして、この映画のラストでメアリがいう言葉が「魔法なんていらない」なんですよ。
分かりやすすぎるだろ!
そこが良いって人もいるだろうけど、もうちょっとさあ。
…みたいな感じに自分は思ってしまいました。
あとキャラクター描写があんまり上手くいってない気がする。
メアリは序盤に目に入ったものにすぐ飛びついたり、
誰かを手伝いたいけど不器用でそれができないって描写があるが、
あんまりそれが後半に活きてる様には思えない。
それとかフラナガンというキャラクターがいて、
メアリがエンドア大学の入学生だと思い込んで話をしているのに、
ここが「エンドア大学じゃ」って台詞はおかしい。
入学生だったらそんな事は知ってんだろと。
キャラクターの描写とはちょっと違うんだけど、
豚とか動物に料理させるってセンスはなんか嫌だなあ。
この映画だけじゃなくて、いっぱいあるんだけどさ。
親子丼とか名付けた人並に嫌悪感を持つ。
あとどうでも良いんだけど、
ランニングマシーンで走ってる人の後ろで火が出てたんだけど、
あれって何?
魔法の訓練なのか拷問シーンなのかさっぱり分からない。
分からないと言えば、
囚われていた動物達が脱走するってシーンがあるのだけど、
泡みたいなもので逃げていくのだけど、
あれに包まれていった動物はその後、
もといた場所に帰れたのだろうか。
てか、なんで動物達があの泡の存在をしっていたのか。
やっぱり動物の直感ってやつなのだろうか。
クライマックス前も動物達が活躍しますし、
あいつらはきっと優秀な動物達だったのでしょう。
そんな感じかな。
あと箒に乗るのは体感を鍛えないと辛そうって事と、
メアリがあの本の使い方を何故か知っててビックリしたし、
結局あの本がないと魔法使えないの?って事がよく分からないのと、
今夜だけは魔法が使えるって言うんだけど、
時間制じゃなくて夜が明けるかどうかなの?とか、
いよいよはじまるわねって言ってる間に捕まえなよとか、
その他にもまあもろもろあるけどね。
とりあえずは、楽しく観れたんじゃないでしょうか。
ただこれからも米林宏昌監督は宮崎駿みたいな変態と比較されると思うと、
大変だろうなと思ったりする。
ちなみに変態ってのは褒め言葉ですからね。
以前感想を書いた、映画「ボヘミアン・ラプソディ」を一緒に観にいった後輩から、
オススメの連絡が来たのでDMMのリストに入れていたら届いたのがこの映画。
という訳で今回はDMMの月額レンタルのDVDでの鑑賞です。
アニメ映画「メアリと魔女の花」は2017年公開の米林宏昌監督作品。
米林宏昌監督と言えばスタジオジブリの映画「思い出のマーニー」も監督していましたが、
今回の作品はジブリ退社後のスタジオポノックとしての初長編映画。
この映画の原作はメアリー・スチュアートによる小説「The Little Broomstick」で、
日本語にも訳されて発売されいますが、こちらは未読です。
物語のあらすじですが、
ある1人の魔女が燃える建物から不思議な花の種を盗み出すところから始まる。
追っ手から逃げる最中に力尽き、森へと落下してしまうのだった。
それから何年も時間が経った。
赤毛の女の子メアリは大叔母さんの家に引越しをしてきた。
両親は仕事で忙しく先に1人で引っ越してきたメアリは、
誰かの役に立ちたいと思うのだが上手くいかず、もやもやしていた。
そんなある日、ネコを追っかけていくと不思議な花を見つけたのであった…みたいな感じかな。
声優ですが、
主人公のメアリ・スミスは杉咲花が担当。
このブログで感想を書いた映画「無限の住人」や映画「湯を沸かすほどの熱い愛」に出演。
彼女の事を思い出そうとすると下着姿で牛乳を吐くシーンが1番最初に出てくるのですが、
良い女優になると思う。
ある事件に巻き込まれてしまう少年ピーターは神木隆之介が担当。
映画「君の名は。」でも声優はしていましたが、
なんかすでに安定感がありますよね。
その他、天海祐希、小日向文世、佐藤二朗、
遠藤憲一、満島ひかり、大竹しのぶなどが参加しています。
さて、アニメ映画「メアリと魔女の花」の感想ですが、
納得いかない点はあるけど、概ね楽しく観れた映画でした。
実は、正直観る前はあまり期待していなかったのですが、
観た後はちゃんと押さえるところは押さえてあって楽しかったなと。
そんな印象を持ちました。
まずスタジオポノックとしての第1回目の記念すべき作品なのですが、
「そこが大変」だったのだろうと思う。
つまり「ジブリっぽいけどジブリではない」のだ。
ジブリの新作といえば、それだけでスポンサーなどお金が集まるところ、
いかに米林宏昌監督がジブリで頑張っていたと知られていても、
ジブリであるかジブリでないか、は、お金の集め方に違いが出たと思う。
「金は無いのにプレッシャーだけはある」、そんな背景を想像するのは容易い。
まあまあ、それでも制作に連ねる社名を見れば、
他のアニメ映画などに比べたら恵まれてる部分もあるんだけどね。
あくまで「ジブリと比べたら」、という事なのですが。
そんなプレッシャーのかかる状況で、
一定のクオリティを越えているのは好感が持てる。
アニメ映画でまず大事なのは「アニメーション」だと思うのですが、
この部分は及第点はあったと思います。
ジブリの印象が強いのでそれこそ大変だったと思いますが、
アニメ映画「鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星」とか低クオリティアニメーションがあるので、
どんな感じになるのかと思ったけど、この点は大丈夫でした。
あの映画が酷すぎただけなんですけどね。
あと先ほど書いた「押さえるところは押さえてる」ってのと楽しかったってのは、
「物語の構成」が大きかったと思います。
起・承・転・結、この展開が本当に分かりやすい。
ネタバレにはならないようにしますが、
クライマックスの前には主人公はボロボロの状態になっており、
こんな状態でいったいどうすればいいのか。
やっぱりあそこそこまで下げてからのクライマックスってのは、
まあ「王道」なんですけど楽しく観る事ができました。
で、ここまでは良い点を書いてきたのですが、
ここからは、どうなのかなという部分になってきますので、
もしこの映画が好きだって人は読まない方が良いかもしれません。
まず、先ほど「物語の構成」は良かったと書いたのですが、
「物語そのもの」が少し乗りきれないのは残念でした。
メアリが不思議な花である「夜間飛行」を見つけるシーンですが必然がない。
ティブとギブという猫を追っていった先でたまたま見つけるのだけど、
なんであの猫はメアリを導いていったのか謎。
言い換えれば、あの猫たちが余計な事をしなければ、
誰にも迷惑がかからなかったという話なのである。
なんか意味あるのかなと思ったけど、本当にないんですよね。
導いただけならまだ、たまたまで説明できるのですが、
わざわざ猫が花の実をメアリに投げるんですよ。
これは確信犯ですよね。
つまりこの映画で悪いのはあの猫なんです。
で、猫の飼い主であるのはピーターなので、
彼が連れ去られても飼い主の責任でもあるのでやむなし。
という考えもできなくはない…冗談ですけどね。
そしてこの映画のいわゆるテーマというかメッセージについてですが、
「宮崎駿ほど拗れた人であれば分かりづらいので良かった」と思うのですが、
たぶん米林宏昌監督はあそこまでは拗れてないんでしょうね、
すっごく「分かりやすく映像」にしてしまっているんですよ。
劇中でも「電気も魔法の1つ」みたいな台詞でも言わせるし、
明らかに「クライマックスの表現がメルトダウン」なんですよね。
本編では魔法というか「夜間飛行」を扱いきれない力と言うのだけど、
つまりは原子力とか人間で扱いきれない力のメタファーなのである。
この映画「メアリと魔女の花」で悪者の立ち位置で、
ある2人のキャラクターが登場するのですが、
基本的にはその2人がやろうとしてる事は悪い事ではないんですよ。
ちょっとネタバレになるけど、
「誰でもあらゆる魔法が使えるようにしたい」という夢のために動いている。
それだけにクライマックスでの台詞で、
「あらゆる魔法が使える怪物だぞ」というは違和感を感じますが、
米林宏昌監督の伝えたい事はひしひしと伝わってきます。
そして、この映画のラストでメアリがいう言葉が「魔法なんていらない」なんですよ。
分かりやすすぎるだろ!
そこが良いって人もいるだろうけど、もうちょっとさあ。
…みたいな感じに自分は思ってしまいました。
あとキャラクター描写があんまり上手くいってない気がする。
メアリは序盤に目に入ったものにすぐ飛びついたり、
誰かを手伝いたいけど不器用でそれができないって描写があるが、
あんまりそれが後半に活きてる様には思えない。
それとかフラナガンというキャラクターがいて、
メアリがエンドア大学の入学生だと思い込んで話をしているのに、
ここが「エンドア大学じゃ」って台詞はおかしい。
入学生だったらそんな事は知ってんだろと。
キャラクターの描写とはちょっと違うんだけど、
豚とか動物に料理させるってセンスはなんか嫌だなあ。
この映画だけじゃなくて、いっぱいあるんだけどさ。
親子丼とか名付けた人並に嫌悪感を持つ。
あとどうでも良いんだけど、
ランニングマシーンで走ってる人の後ろで火が出てたんだけど、
あれって何?
魔法の訓練なのか拷問シーンなのかさっぱり分からない。
分からないと言えば、
囚われていた動物達が脱走するってシーンがあるのだけど、
泡みたいなもので逃げていくのだけど、
あれに包まれていった動物はその後、
もといた場所に帰れたのだろうか。
てか、なんで動物達があの泡の存在をしっていたのか。
やっぱり動物の直感ってやつなのだろうか。
クライマックス前も動物達が活躍しますし、
あいつらはきっと優秀な動物達だったのでしょう。
そんな感じかな。
あと箒に乗るのは体感を鍛えないと辛そうって事と、
メアリがあの本の使い方を何故か知っててビックリしたし、
結局あの本がないと魔法使えないの?って事がよく分からないのと、
今夜だけは魔法が使えるって言うんだけど、
時間制じゃなくて夜が明けるかどうかなの?とか、
いよいよはじまるわねって言ってる間に捕まえなよとか、
その他にもまあもろもろあるけどね。
とりあえずは、楽しく観れたんじゃないでしょうか。
ただこれからも米林宏昌監督は宮崎駿みたいな変態と比較されると思うと、
大変だろうなと思ったりする。
ちなみに変態ってのは褒め言葉ですからね。
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